空き家を、壊すか貸すか売るか
空き家バンクは、うちの市にあるか 87市区町村一覧【2026年9月】
編集部
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結論から 87市区町村を調べたところ、「売りたい・貸したい」で登録できる空き家バンクがあったのは56でした。20には見つかりません。残りの11は、制度そのものはあるものの地域貢献などの用途に限られていて、自分の家を売るためには使えません。地域差が大きく、三重県は調べた8市すべてにありました。一方、東京23区は調べた21区のうち1区だけです。9区は公益目的の活用に限られ、11区には見つかりませんでした。
空き家を相続したあと、多くの人が最初に調べるのが「うちの市に空き家バンクはあるか」です。自治体が仲介してくれるなら、手数料がかからないかもしれない。そう考えるのは自然です。
ただ、実際に調べてみると、あるかないかは市によってまったく違いました。しかも「ある」と書いてあっても、自分の家を登録できるとは限りません。
そこで、愛知・岐阜・三重・東京23区など87の市区町村について、自治体の公式サイトだけを見て調べました。結果は、思っていたより極端でした。
調べて分かったこと
「売りたい・貸したい」で登録できるバンクがあったのは56市区町村です。20には見つかりませんでした。
残りの11が、いちばん厄介な形でした。制度そのものはあります。ただし登録できるのは、地域交流や防災といった公益目的の活用だけ。
普通に売りたい人は対象外です。区のページには「空き家マッチング制度」と書いてあります。読んで初めて、自分は使えないと分かります。
地域差もはっきり出ました。三重県は調べた8市すべてにバンクがありました。岐阜県は11市のうち10市、愛知県は38市町のうち33市町です。
東京は違いました。
東京23区で、売りたい人が使えるバンクは1区だけだった
調べた21区のうち、一般の人が売却・賃貸で登録できる仕組みがあったのは世田谷区だけです。それも「空き家バンク」という名前ではありません。区が民間事業者と協定を結んで運営する「せたがや空き家活用ナビ」で、売買・賃貸・相続・解体まで相談できます。
11区には、バンクに当たる制度が見つかりませんでした。千代田区・中央区・港区・新宿区・台東区・墨田区・江東区・目黒区・渋谷区・中野区・板橋区です。
江東区の公式FAQには「理由を問わず空家の紹介は行っていません」と書いてあります。中央区は「居住実態のない空き家が少ないことから、空家等管理活用支援法人の指定は行わない」と明記しています。
残る9区は、制度はあるが公益活用に限られる形でした。大田区の空家等地域貢献活用事業は、一般世帯が居住する目的では登録できません。
江戸川区は「自宅用としての物件を提供するものではありません」と書いています。杉並区は地域課題解決の活動が対象、葛飾区も公益目的の活用限定です。
品川区の「しながわ子育て等空き家バンク」は、名前にバンクと付いています。ただし居住目的で使えるのは「区内に2年以上住んでいる子育て世帯・若者夫婦世帯」だけです。
政令市も同じです。横浜市と川崎市は、個人の居住用に空き家を探す場合、民間の不動産会社に案内されます。
「ある」と書いてあっても、登録がゼロのことがある
文京区の空家等利活用事業は、所有者と利活用希望者をマッチングする制度です。ただし調査した時点で、登録は1件もありませんでした。葛飾区も、所有者側の物件登録が「現在登録はありません」と表示されていました。
制度があることと、動いていることは別です。
窓口が市ではなく、宅建協会のことがある
運営の形は3つに分かれました。市区町村が直接運営しているのが35、県の宅地建物取引業協会が窓口になっているのが27。国が用意した全国版空き家・空き地バンク(LIFULL HOME’S・アットホーム)に載せているのが5でした。
愛知県は宅建協会が窓口の市が目立ちます。刈谷市・西尾市・稲沢市・一宮市などの公式ページには「市は交渉・契約に直接関与しない」とはっきり書いてあります。相談先は愛知県宅地建物取引業協会の空き家総合相談窓口(052-522-2567)です。
つまり、市のバンクに登録しても、実際のやりとりは不動産会社が相手になります。「自治体がやってくれるから手数料がかからない」と考えていると、話が違ってきます。
登録すると、解体費の補助が使えることがある
バンクへの登録が、別の補助の条件になっている市もありました。瀬戸市には、空き家情報バンク登録促進事業補助金があります。
バンクに登録した空き家の家財道具の運搬・処分費用を、2分の1・上限10万円まで補助するものです。ただし売買や賃貸の契約が成立した空き家は対象外です。
蒲郡市と常滑市でも、バンクに関わる補助を確認しました。上限は40万円と50万円です。
解体費の補助については、空き家の解体補助金 70市区町村一覧 にまとめてあります。
バンクに載せるか、不動産会社に頼むか
バンクは、買い手や借り手が見に来て初めて機能します。文京区のように登録ゼロで止まっている制度もあります。
売ると決めているなら、バンクへの登録と並行して、不動産会社の査定も取ったほうが早いです。うちの市のバンクにどれくらい物件が載っていて、どれくらい成約しているか。
それを窓口で聞いてから決めても遅くありません。
売れる値段のほうは、国土交通省に届け出られた実際の成約価格で確かめられます。売り出し中の希望価格ではなく、本当に売れた値段です。市区町村ごとの相場は各市のページにまとめてあります。
87の市区町村について、空き家バンクがあるかどうかを、自治体の公式サイトだけを見て調べました。
ふつうに「売りたい・貸したい」で登録できるバンクがあったのは56。
11は制度そのものはありますが、地域貢献などの用途に限られていて、自分の家を売るためには使えません。
20には見つかりませんでした。
あり売りたい・貸したいで登録できる公益活用のみ地域貢献などの用途に限られるなし登録できる制度が見つからない
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