空き家を売る
可児市の空き家、解体補助金は? 上限10万円。更地にするだけでは対象外
編集部
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結論から 可児市の空家等活用促進事業(解体)補助金は工事費の10分の1・上限10万円です。昭和56年5月31日以前に着工した住宅は10分の3・上限30万円になります。対象は過去に同事業の補助を受けておらず、かつ『入居者・入居予定者が決定している』か『空き家・空き地バンクに登録済み、またはネット等で売買・賃貸目的で掲載中』のいずれかに当てはまることです。市税の滞納がないことも条件で、工事請負契約の前に申請し、交付指令を受けてから契約します。窓口は建設部施設住宅課(0574-62-1111)です(2026年8月時点)。
可児市で壊すなら、先に「次の使い道」を決めておく
可児市の解体補助は「空家等活用促進事業(リフォーム・解体)補助金」といいます。名前のとおり、リフォームと解体が同じ制度の中に入っています。
解体にあてる場合、補助率は工事費の10分の1、上限は10万円です。
昭和56年5月31日以前に着工した住宅は扱いが変わります。補助率10分の3、上限30万円です。旧耐震基準にあたる古い住宅ほど、補助が手厚くなる組み立てです。
ここまでなら、他の市の解体補助とそう変わらない印象を受けます。可児市の制度の特徴は、対象になる空き家の条件のほうにあります。
過去にこの事業の補助を受けたことがないことが前提です。そのうえで、次のどちらかに当てはまる必要があります。
- 入居者・入居予定者が決定している
- 土地の売買・賃貸目的で解体し、空き家・空き地バンクに登録済み、またはネット等で売買・賃貸目的で掲載中である
つまり、壊してから買い手や借り手を探す、という順番では対象になりません。次の使い道が先に決まっているか、少なくとも売買・賃貸のために動き出していることが前提です。
「傷んできたから、とりあえず更地にしておこう」という考え方だと、この補助の対象から外れる可能性があります。壊す前に、売るのか貸すのか、その相手を探す段取りを先に始める必要があります。
対象者側の条件もあります。市税を滞納していないことです。
外壁の色あせは、買い手が値段を下げる理由にはなりにくい部分です。塗り替えの費用は、売値に戻ってきません。
申請は工事請負契約の前に。予算は先着順
可児市のこの補助金には、順番の決まりがあります。
工事業者と請負契約を結ぶ前に、申請を出す必要があります。市から交付指令を受けたあとで、はじめて契約という流れです。
先に業者と契約してから申請の存在を知る、という進め方だと、その時点で対象から外れます。見積もりを取るところまでは進めてかまいませんが、契約書に判を押すのは交付指令のあとにしてください。
予算にも限りがあります。予算の範囲内で、先着順に扱われる制度です。年度の後半になるほど、予算が残っているとは限りません。
壊すことを考え始めた時点で、契約より先に建設部施設住宅課(0574-62-1111)へ相談する。この順番だけは外さないでください。
解体費用の実額は、建物の構造や、重機が入れる前面道路の幅で変わります。相場ではなく決まり方の確かめ方は、空き家・古家の解体費用は何で決まる? にまとめています。
バンク登録が、解体補助の入口にもなる
可児市には「可児市空き家・空き地バンク」があります。全国版の空き家バンク(LIFULL HOME’S・at homeなど)にも掲載される仕組みです。
このバンクは、単に売る・貸すための登録先というだけではありません。前の章で見た解体補助の対象要件、「バンク登録済み、またはネット等で売買・賃貸目的で掲載中」を満たす手段の一つにもなります。
壊してから探すのではなく、先にバンクへ登録する。この順番を踏めば、解体補助の対象条件に近づけます。
登録の詳しい要件は、この記事の元にした資料からは確認できませんでした。窓口で直接確認してください。
空き家をどうするか迷っている段階でも、相談だけは早く動かせます。可児市は「空き家のワンストップ相談窓口」を設けており、担当は建設部施設住宅課です(0574-62-1111、sisetujyutaku@city.kani.lg.jp)。
窓口では、司法書士会・行政書士会・土地家屋調査士会・建築士会・宅建協会・全日本不動産協会・不動産鑑定士協会・税理士会・警察署といった専門家団体への案内も受けられます。名義や境界、権利関係が絡む相続空き家では、こうした窓口の紹介が動き出すきっかけになります。
すぐに結論を出せない場合は、管理代行業者の紹介もあります。可児市空き家再生プロ集団、ベンリーバロー可児坂戸店、可児市シルバー人材センターです。空き家にしたまま放置するより、管理の手間だけでも外に出しておくほうが、傷みの進み方は緩やかになります。
相続した空き家を売る場合、譲渡所得から3,000万円を差し引ける制度(全国共通)があり、可児市は必要書類の一つ「被相続人居住用家屋等確認書」を交付しています。低未利用土地を売る場合の「低未利用土地等確認書」も交付対象です。
制度の詳しい要件は 相続した空き家を売る。3,000万円を引ける制度 で確認してください。
可児市の実成約。地区でここまで差が出る
制度の話から、市場の話に移ります。
可児市で取引がいちばん多いのは戸建てです。次が土地で、いちばん少ないのは中古マンションでした。マンションの取引は戸建てよりかなり少なく、査定に使える事例自体が限られます。
用途地域で見ると、取引がいちばん多いのは第1種低層住居専用地域です。ただし戸建ての中央値がいちばん高いのは第1種住居地域で、取引がいちばん多い第1種低層住居専用地域はむしろ中央値がいちばん低くなっています。取引の量と値段の高さが、同じ地域で一致していません。
前面道路の幅でも、戸建ての中央値に差が出ています。区分は6m以上と4〜6mです。自分の空き家の前の道が何mあるか、査定の前に測っておくと話が早く進みます。
築年数の落ち方も見ておきます。戸建ては、築10年以内に比べて築46年以上の中央値が3分の1以下まで下がります。
いちばん大きく落ちるのは、築21〜30年から築31〜45年に移るところです。築20年を超えたあたりが、値の分かれ目になっています。
直近1年の動きは、前の1年に比べてはっきり上がっています。可児市の戸建ての中央値は、売り時を考えるうえで悪くない材料です。
地区別では、戸建ての成約が多い順に今渡・土田・川合・下恵土・広見となっています。同じ可児市内でも、地区によって値は大きく違います。
戸建ての中央値がいちばん高いのは川合、いちばん低いのは清水ケ丘でした。土地の1平方メートルあたり単価は、広見がいちばん高く、長坂がいちばん低くなっています。
可児市全体では、戸建ての成約価格の中央値は1,400万円です。成約は315件で、真ん中の半分は550万円〜2,500万円に入ります。
土地は1平方メートルあたりの中央値が2.8万円、成約は257件です。市全体の相場は 可児市の不動産売却 にまとめています。
売る・貸す・壊す・持ち続ける。可児市の場合で整理する
四つの選択肢を、可児市の数字と制度に当てはめます。
売る。 取引がいちばん多いのは戸建てです。直近1年の中央値ははっきり上がっているので、まずは現況のまま査定を取ってください。地区による値の差が大きいので、自分の地区の実勢感を先につかんでおくと判断しやすくなります。
貸す。 可児市空き家・空き地バンクへの登録が入口です。登録することで、解体補助の対象要件の一つも満たしやすくなります。売る・貸すの収支の比べ方は、家を売るか貸すか。判断の分かれ目 にまとめています。
壊す。 空家等活用促進事業(解体)補助金は工事費の10分の1・上限10万円(昭和56年5月31日以前着工は10分の3・上限30万円)です。ただし対象になるのは、入居者・入居予定者が決まっているか、バンク登録済み・売買賃貸掲載中の空き家に限られます。壊してから探す、では対象から外れます。契約は交付指令のあとです。
持ち続ける。 管理代行業者の紹介があるので、決めきれない間の管理だけを外注する手はあります。ただし固定資産税と管理コストは持っている限り出続けます。可児市の直近1年の中央値は上がっていますが、いつまで続くかは分かりません。
相続した空き家なら、3,000万円特別控除の対象になるかどうかも確認してください。可児市は必要書類の一つを交付しています。
補助金の要件も予算の残り方も、年度で変わります。この記事は2026年8月時点の可児市の公開情報にもとづくものです。
空き家バンクの登録要件や、耐震診断・耐震改修補助の有無、家財処分費の補助は、この記事のもとにした資料では確認できませんでした。動き出す前に、建設部施設住宅課 住宅係(0574-62-1111)で最新の内容を確かめてください。