家を売るか貸すか。判断の分かれ目と貸した場合の収支【建築士監修】
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家を売るか貸すか迷ったら、先に「売るならいくら」「貸すならいくら」の両方の数字を出して並べます。売却は一度きりの現金化、賃貸は継続収入と引き換えに維持・修繕の責任が続きます。数字と自分の事情の両面で、急がず選んで大丈夫です。
2026年10月19日(月)家の売却を、国の実データで。
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家を売るか貸すか迷ったら、先に「売るならいくら」「貸すならいくら」の両方の数字を出して並べます。売却は一度きりの現金化、賃貸は継続収入と引き換えに維持・修繕の責任が続きます。数字と自分の事情の両面で、急がず選んで大丈夫です。
家を手放すか迷っているなら、「売る」のほかに「貸す」道もあります。両者は、お金の入り方も、その後の責任も、まったく別ものです。
どちらが正解ということはありません。大事なのは、片方だけを見て決めないことです。
「売るならいくら」と「貸すならいくら」の両方の数字を並べて、はじめて比較になります。
感覚だけで決めると、あとで「なぜそちらを選んだのか」が自分でもわからなくなります。次の5つを、順番に確かめてみてください。
どれか1つだけで結論が出るものではなく、いくつかが重なったところに答えが見えてきます。焦らず確かめてください。

貸すのが向きやすい
売るのが向きやすい
多くの人がここで迷います。相続した実家や、住み替えで空く家は、この分岐に立つ典型です。相続の進め方は相続した実家を売る、進め方にまとめています。
相続した実家に絞って考えたい場合は、別に判断材料があります。相続した実家、貸すか売るか。判断の分かれ目と収支の見方にも整理しています。実家特有の論点です。
売ると貸すでは、お金の入り方がまったく違います。
手取りは、家賃からこれらを引いた残りです。
ずれの理由は単純です。ここを見落として「家賃×12か月」で考えると、実際の収支と大きくずれます。想定家賃そのものは、無料の賃料査定で確かめられます。
見落とされやすいのが、時間の経過です。貸している間も、建物は年をとります。待ってはくれません。
「今は貸して、いずれ売る」と考えている場合、10年貸してから売ろうとするとします。そのときの建物はさらに10年古くなっています。
このサイトで集めている取引データでも、傾向は同じです。全国379市区町村の戸建てについて、市区町村ごとの真ん中の値段を並べ、その真ん中をとりました。
築11〜20年が2,900万円、築21〜30年が2,400万円です。築31〜45年は1,900万円、築46年以上は1,100万円まで下がります(築20年の家はいくらで売れるか)。
出典: 国土交通省 不動産情報ライブラリ(不動産取引価格情報)を家売却ラボが集計
「いつか売る」という選択そのものが間違っているわけではありません。ただし、いつ売るかによって、手元に残る金額は変わります。貸すことを選ぶなら、この先何年貸して、いつを出口にするかまで、はじめに考えておくと、あとで判断に迷いにくくなります。
売れば建物の責任からは離れますが、貸すと「貸主としての修繕義務」が続きます。雨漏り、給排水設備の不具合、シロアリなど、住まいとして機能を保つための修繕は、原則として貸主の負担です。入居後にこれらが出ると、家賃収入から持ち出しになります。
もうひとつ見落とされやすいのが、設備の残り寿命です。給湯器・エアコン・水回りといった設備は、築年数が経つほど壊れやすくなります。入居中に故障して交換となると、空室のときより費用も手間もかかります。
工務店を経営してきた実感として、これらの設備は築15〜20年を超えたあたりから更新時期が重なりやすくなります。ここが重なると、負担も重なります。
築年数が古く、設備がすでに寿命に近い状態であれば、貸して収入を得るつもりが、修繕費で持ち出しになることもあります。貸すと決める前に、それぞれの設備があとどれくらい持ちそうかを、一度見ておいてください。逆に、内装の古さだけであれば、大きく手を入れずに貸せるケースも多くあります。
決めるのを先延ばしにしたり、確認を飛ばしたりすると、あとで困る場面が出てきます。次のことは避けてください。
貸す実務には、そのまま貸す・リフォームして貸す・サブリースといった違いがあります。費用の内訳を含めた詳細は、空き家を貸す方法と費用にまとめています。貸すと決めたあとは、そちらを読み進めてください。
見落とされやすいのが税金です。貸すか売るかで、売ったときに手元へ残る金額が変わることがあります。ここも軽視できません。
相続した空き家を売るときには、譲渡所得から一定額を差し引ける特別控除があります。この控除は、相続してから売るまでの間に、その家を人に貸していないことが条件のひとつです。つまり「とりあえず数年貸して、あとで売る」と決めた時点で、この控除は使えなくなります。
空き家のまま置いたか、貸したかで、売却後に払う税額が変わるということです。制度の中身は相続した空き家を売るときの特別控除にまとめています。
自分が住んでいた家の場合は、扱いが違います。マイホームを売ったときの特別控除は、住まなくなったあと一定の期限内に売れば、その間に人へ貸していても使えます。
ただし期限を過ぎると対象外です。転勤などで一度貸して、あとで売るつもりなら、この期限を最初に確かめておいてください(マイホーム売却の特別控除)。
どちらの特例も要件が細かく、個々の事情で結論が変わります。貸すことを考え始めた段階で、税務署か税理士に「貸したら特例はどうなるか」を確認してください。一度貸したあとで、貸さなかったことにはできません。
ここは要注意です。家を貸すときの契約には、大きく分けて2つの型があります。この違いを知らずに貸すと、「いずれ戻る」「いずれ売る」という予定が崩れます。
一般的なのは普通借家契約です。期間を決めて結びますが、借主が住み続けたいと言えば、原則として更新されます。貸主の側から契約を終わらせるには、正当な事由が必要です。
「自分が戻りたいから」「売りたいから」というだけでは、通らないことがあります。出ていってもらうために、話し合いや立退料が必要になる場合もあります。
もうひとつが定期借家契約です。決めた期間が来たら契約が終わり、更新はありません。転勤の間だけ貸す、数年後には売ると決めている、という場合はこちらが合います。
ただし結び方に決まりがあります。書面で契約し、そのうえで「更新がない契約だ」と事前に書面で説明する必要があります。この手順を外すと、普通借家契約として扱われることがあります。
定期借家にも弱点はあります。借主から見れば、期限が来たら出ていく前提の家です。
そのぶん借り手が限られたり、家賃が下がったりすることがあります。長く安定した収入という点では、普通借家のほうが有利に働く場面もあります。
決める順番は単純です。先に「この家を、いつ、どうしたいか」を決めてください。戻る予定や売る予定があるなら定期借家、当面は手放さず収入を優先するなら普通借家、という並びになります。
どちらで貸すかは、募集を始める前に不動産会社へ伝えてください。契約を結んだあとで普通借家から定期借家に切り替えることは、借主の同意なしにはできません。
転勤で一時的に空く場合は、考え方が別にあります。くわしくは転勤で家が空くとき。売る・貸す・管理する、の選び方にまとめています。貸す実務の流れは空き家を貸す方法と費用で扱っています。
申告は義務です。家を貸すと、家賃は不動産所得になります。
会社員でも、毎年の確定申告が必要です。ここを入れずに収支を見ると、手元に残る額を多めに見積もることになります。
税金は家賃の全額にかかるわけではありません。かかった費用を差し引いた残りが所得です。差し引けるものには、たとえば次があります。
この所得は、給与や年金など他の収入と合わせて税額が決まります。同じ家賃でも、人によって残る額は変わります。
「家賃が入れば、その分そのまま増える」とは考えないでください。住民税の計算にも入ります。
見る順番はこうなります。家賃×12か月から、空室になる期間を引く。そこから上の費用を引く。
最後に税を引く。残った額が、1年で手元に増えるお金です。これを貸すつもりの年数だけ積み上げて、売った場合に一度で入る金額と並べてください。
売ったときの税は、これとは別の仕組みです。毎年ではなく、売った年に一度だけ計算されます(不動産売却の譲渡所得税)。
何が費用として認められるかは、建物の状態や貸し方で変わります。迷う部分は、貸し始める前に税務署か税理士へ確認してください。
申告を始めてから直すより、先に聞くほうが手間がかかりません。貸すときにかかる費用そのものの内訳は空き家を貸す方法と費用にまとめています。
ここまで見てきた違いを、同じ物差しで並べます。貸す場合は、契約の型で出口が変わるため2つに分けました。
| 選択肢 | お金の入り方 | 続く責任・手間 | あとで売る・戻れるか | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 今の状態で売る | 一度にまとまった現金が入る | 固定資産税・管理・修繕から離れられる | 戻れない。手放して終わり | まとまった現金が必要な人。手間やリスクを負いたくない人 |
| 貸す(普通借家) | 毎月の家賃。費用と税を引いた残りが手取り | 修繕義務が続く。毎年の確定申告も要る | 貸主の都合では終わらせにくい。立退料が要る場合も | 当面は手放さず、収入を長く得たい人 |
| 貸す(定期借家) | 同じく家賃。借り手が限られ、家賃が下がることも | 修繕義務・確定申告は普通借家と同じ | 期間が来たら終わる。戻る・売るに移れる | 転勤の間だけ貸す人。売る時期を決めている人 |
| 空き家のまま置く | 収入はない。固定資産税は払い続ける | 傷みが進み、売るにも貸すにも不利になる | 選べるが、遅れるほど条件は悪くなる | —(先延ばしはどちらの条件も悪くする) |
貸すなら、何年貸していつ売るかまで決めてから選んでください。先ほどの全国の戸建ての数字でいうと、築21〜30年は2,400万円、築31〜45年は1,900万円です。
築25年の家を10年貸せば、売るときは築35年です。数字の上では、1つ下の段に入ります。
出典: 国土交通省 不動産情報ライブラリ(不動産取引価格情報)を家売却ラボが集計
ここは慌てなくて大丈夫です。売るか貸すか、気持ちだけでは決めきれないことのほうが多いはずです。そういうときは、次の順番で数字をそろえてください。
数字を見ずに、気持ちだけで決めないことが大事です。売却の査定と賃料の見込みを、両方そろえてから比べれば、判断の材料は揃います。どちらの査定も、依頼したから売る・貸すを決めなければいけないわけではありません。
まずは数字を知るところから始めて大丈夫です。急いで結論を出す必要はありません。
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一概には決まりません。まとまった現金が要る、維持の手間や空室リスクを負いたくないなら売却です。当面は手放したくない、立地がよく借り手が見込めるなら賃貸が向きます。損得はケースで変わるため、「売るならいくら」「貸すならいくら」の両方を数字で出して比べるのが確実です。
住宅ローンは、自宅として使う前提の借り入れであることが一般的です。返済が残ったまま賃貸に出すと、契約違反にあたる場合があります。実際の扱いは金融機関や契約内容によって異なるため、貸すことを考え始めた段階で、まず借入先の金融機関に確認してください。返済自体が苦しい場合は、貸すより先に売却も含めて検討する必要があります。
難しくなりやすいです。家賃を誰がどう分けるか、修繕やリフォームの判断を誰がするかなど、共有のまま貸すと継続的な取り決めが必要になります。合意に時間がかかる、一人でも反対がいる。そんな場合は、現金で分けやすい売却のほうが話がまとまりやすいこともあります。
売れます。入居者がいる状態のまま「オーナーチェンジ」として売る方法と、契約の区切りで空室にしてから売る方法があります。ただし入居中は、買い手が限られたり、価格が下がったりする場合があります。将来の出口も最初に考えておくと、選択肢が広く残ります。
本記事は下書きにAIを活用し、出典との照合・建築士監修を経て公開しています。