空き家を、壊すか貸すか売るか
豊田市の空き家|解体補助は費用の1/2・上限52万円。申請前に市の現地確認
編集部
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結論から 豊田市空家解体促進費補助金は、解体工事に要した費用の2分の1で上限52万円です。令和7年度に20万円から増額されました。対象は空家の所有者、または誓約書を提出した相続人です。共有の場合は、共有者全員の同意がある人に限られます。いちばん大事なのは順番です。申請の前に市職員が現地確認を行うため、先に壊してしまうと確認するものが残りません。築年数や耐震性の数値要件は、市の案内には書かれていません。令和8年度の受付は始まっていますが、終了日と予算の枠は公開情報では確認できませんでした。窓口は都市整備部の建築相談課です。空き家情報バンクは山村地域限定で、市街地の空き家は対象外です(2026年8月時点)。
豊田市で空き家を持っている人が最初に知りたいのは、壊す費用がいくら戻るかだと思います。豊田市の解体補助は、費用の2分の1で上限52万円です。令和7年度に20万円から増えました。
ただし、金額より先に押さえることがあります。申請の前に、市の職員が現地を見に来るという点です。順番を間違えると使えません。
この記事は豊田市の制度と、豊田市の実成約データに絞って書きます。内容は2026年8月時点のものです。
豊田市の解体補助は上限52万円。壊す前に市の現地確認が入る
制度の名前は「豊田市空家解体促進費補助金」です。補助率は解体工事に要した費用の2分の1、上限は52万円です。令和7年度に20万円から52万円へ増額されました。
対象になる人は、市の案内に次のように書かれています。
- 空家の所有者(共有の場合は、共有者全員の同意がある者)
- または空家の相続人(誓約書の提出をした者に限る)
相続人が対象に入っている点は覚えておいてください。ただし共有の場合は、共有者全員の同意が要ります。兄弟で相続した空き家なら、一人でも反対していると先に進めません。
要件で最も実務にかかわるのは、次の一点です。申請の前に、市職員が現地確認を行います。 築年数や耐震性の数値要件は、市の案内には書かれていません。
ここから段取りが決まります。現地確認は、建物が建っている状態でしかできません。壊したあとに申請しても、見てもらうものが残っていないからです。
見積もりを取るところまでは、先に進めてかまいません。ただし工事の契約と着工は、申請と現地確認のあとに回すほうが安全です。解体業者を先に決めて、着工日まで押さえてしまうのがいちばん危ない進め方になります。
なお「契約後は対象外」といった明文の期限は、市の公開情報では確認できませんでした。契約と着工をいつまでに止めておくべきかは、担当課で必ず確認してください。担当は都市整備部の建築相談課です。
解体費そのものの相場と業者の選び方は、地域を問わない話です。空き家・古家の解体費用は何で決まる? にまとめてあります。上限52万円に対して、自己負担がいくら残るかを先に概算してみてください。
受付については、市の案内に「令和8年度の補助金交付申請の受付を開始しました」とあります。一方で、受付の終了日と予算の枠は公開情報では確認できませんでした。分からない以上、早めに動くほうが安全です。
空き家が山村地域にあるかどうかで、使える制度が変わる
豊田市の空き家の制度は、二つに分かれています。市内全域を対象にしているのが、さきほどの解体補助です。もう一つの束は、山村地域だけのものです。
豊田市空き家情報バンクは市の直営です。ただし対象エリアは山村地域に限られます。
旭・足助・稲武・小原・下山地区の全域と、一部の他地区です。市街地の空き家は対象外です。
つまり「空き家バンクに登録すればいい」という進め方は、豊田市の市街地では通じません。市街地の空き家は、通常の売買や賃貸で動かすことになります。
利用者の側にも条件があります。利用者登録の対象は「定住を希望する方」と「事業として空き家を活用する方」です。別荘として持ちたい人や、投資目的だけの人を想定した仕組みではありません。
市街地向けの空き家バンクが別にあるかどうかは、市の公開情報では確認できませんでした。気になる場合は建築相談課で聞いてみてください。
同じ市のなかでも、駅からの距離と土地の形で価格は変わります。まず自分の地域の実際の成約価格を見ます。
山村地域の空き家には、改修と片付けにも補助がある
空き家が山村地域にあるなら、使える制度の数が増えます。担当は解体補助と別で、地域活躍部の総合山村室(0565-62-0610)です。
| 制度 | 補助率 | 上限 |
|---|
| 空き家改修補助金 | 改修費の8/10 | 100万円(居住促進地区内は150万円) |
| 空き家片付け補助金 | 片付け費用の8/10 | 20万円 |
このほかに、事業用途の改修に同じ補助率で出る「空き家事業活用補助金」があります。住宅取得費の一部を補助する「定住応援補助金」もあります。この二つの上限額は、市の公開情報からは確認できませんでした。
片付けに8割の補助が出るのは大きいです。空き家の出口でいちばん手が止まるのは、残置物の片付けだからです。費用が読めないまま何年も放置になる例は珍しくありません。
ただし、繰り返しますがこれらは山村地域の制度です。市街地の空き家では使えません。市街地で貸すことを考えるなら、修繕費は自分で出す前提になります。
売るか貸すかの比べ方そのものは、地域を問わない考え方です。家を売るか貸すか。判断の分かれ目と貸した場合の収支 を土台にしてください。そのうえで、改修補助が使えるかどうかを足して比べると判断しやすくなります。
補助率と上限額の詳しい条件は、総合山村室(0565-62-0610)で確認してください。
豊田市の戸建ては、用途地域と前面道路で開きが出る
豊田市で取引がいちばん多いのは戸建てです。次が土地で、いちばん少ないのが中古マンションでした。空き家が戸建てなら、比べられる成約事例は多いほうだと考えていいと思います。
用途地域による差が出ています。戸建ての中央値がいちばん高いのは第一種住居地域でした。いちばん低いのは都市計画区域外です。
一方で、取引件数がいちばん多いのは第一種低層住居専用地域でした。値段が高い場所と、いちばんよく売れている場所がずれています。
いちばん低い区分に「都市計画区域外」が来ているのは、豊田市の広さを表しています。山村地域に手厚い改修補助が用意されている理由も、この数字と重なって見えます。売って現金化する出口が細いので、直して住んでもらう側に制度が寄っているわけです。
前面道路の幅でも、戸建ての中央値に差が出ています。区分は6m以上、4〜6m、4m未満です。自分の空き家の前の道が何mあるか、先に測っておくと相談が早く進みます。
豊田市全体では、戸建ての成約価格の中央値は3,500万円です。成約は1,039件で、真ん中の半分は2,700万円〜4,400万円に入ります。
土地は1平方メートルあたりの中央値が11万円、成約は637件です。市全体の並びは 豊田市の不動産売却 にまとめています。
値段の段差は、築46年の手前にある
豊田市の築年数別のデータには、はっきりした特徴があります。
- 戸建ての築46年以上の中央値は、築10年以内の3分の1以下です
- 戸建てでいちばん大きく下がるのは、築31〜45年から築46年以上に移るところです
- 中古マンションの築46年以上の中央値も、築10年以内の3分の1以下です
- 中古マンションでいちばん大きい段差も、築31〜45年から築46年以上のあいだにあります
戸建てとマンションで、落ち込む場所が同じところに来ています。段差は築46年の手前にあるということです。築40年前後の空き家なら、まだ段差の手前にいることになります。
直近1年の動きも見ておきます。戸建ての中央値は、その前の1年に比べてほぼ横ばいでした。中古マンションの中央値は、やや上がっています。
慌てて投げ売る理由はありません。ただ、待てば上がるという材料も見当たりません。段差のほうが築年数とともに近づいてきます。
空き家がマンションの場合は、事情がもう一つあります。豊田市は中古マンションの取引が戸建てよりかなり少ない市場です。
査定で使える成約事例が少ないということになります。会社によって査定額の幅が開きやすくなります。
間取りは3LDKがいちばん多く、次が4LDKでした。改装済みの中央値は、未改装より高く出ています。
ただし、かけた改装費がそのまま売値に乗るとは限りません。売る前に直すかどうかは、査定を取ってから決めるほうが安全です。
売る・貸す・壊す・持ち続ける。豊田市の材料で決める
四つの選択肢を、豊田市の数字と制度に当てはめます。
売る。 戸建てなら成約事例が多く、値段の見込みを立てやすいほうです。段差の手前にいるうちに動くほど、条件は保てます。まずは現況のまま査定を取ってください。更地にしてから売るか、古家付きのまま売るかは、価格を見てから決めれば足ります。判断の材料は 更地で売るか、古家付き土地のまま売るか にまとめています。
貸す。 山村地域なら、改修に10分の8の補助が出ます。片付けにも補助があります。市街地なら、この二つは使えません。修繕費を自分で出したうえで、借り手が付くかを見る話になります。
壊す。 補助は費用の2分の1で上限52万円です。申請の前に市職員の現地確認が入るため、契約と着工はその後に回してください。更地にすると住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が上がるのが一般的です。解体ありきで動くと、費用も税負担も先に確定してしまいます。
持ち続ける。 固定資産税と保険料は出続けます。建物は人が住まないほうが早く傷みます。豊田市のデータでは、築46年の手前に段差がありました。持ち続ける年数が、そのまま段差との距離になります。
相続した空き家なら、税の特例も確認してください。譲渡所得から差し引ける3,000万円の特別控除があります。
要件は 相続した空き家を売る。3,000万円を引ける制度 にまとめています。
補助金の要件も受付の期間も、年度ごとに変わります。この記事は2026年8月時点の豊田市の公開情報にもとづくものです。解体促進費補助金の受付終了日と予算の枠、市街地向けの空き家バンクの有無は、公開情報では確認できませんでした。
申請の前に、都市整備部の建築相談課で最新の内容を確かめてください。山村地域の制度については、地域活躍部の総合山村室(0565-62-0610)が窓口です。
見本(愛知県豊橋市の戸建ての例)
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豊田市で売るなら、いくらくらいか
豊田市で実際に売れた取引と比べて、土地と建物を分けて計算します。比べた取引も、掛けた数字も、全部レポートに載せます。