犬山市の空き家、壊すなら知っておきたい「20万円」と申請の順番
犬山市で空き家を持っている、または相続する予定があるなら、まず知っておきたいのは解体費用への補助です。
犬山市には「犬山市民間木造住宅除却費補助事業」があります。補助額は20万円です。除却費が20万円を下回る場合は、その実費額になります。
対象になるのは、昭和56年5月31日以前に着工した旧基準の木造住宅です。在来軸組構法または伝統構法で、延床30㎡以上が条件です。加えて、次のいずれかに該当する必要があります。
- 無料耐震診断で判定値が0.7以下
- 愛知県建築住宅センターの診断で60点以下
- 「容易な耐震診断」で倒壊の危険性ありと判断されたもの
過去に市の耐震改修費補助金や耐震シェルター整備費補助金を受けている住宅は、対象になりません。
そして、いちばん見落としやすいのがここです。申請は工事契約の前に行う必要があります。先に業者と契約してから補助を調べ始めると、対象から外れます。
令和8年度の実施予定は20件です。窓口は都市整備部都市計画課建築指導担当(0568-44-0331)です。2026年8月時点の情報なので、最新の枠状況は電話で確認してください。
「危険空き家解体工事費補助金」は、令和8年度は使えないとみられる
犬山市には以前、「犬山市危険空き家解体工事費補助金」という別の制度がありました。補助率は5分の4、上限は20万円で、1年以上使われていない木造の危険空き家(評価値100点以上)が対象でした。
過去のページには「令和2年度から令和7年度まで6年間限定」と明記されていました。
2026年8月時点で、この制度の公式ページは確認できません。市の「住まいの情報」メニューにも見当たりません。令和8年度は終了しているとみられますが、「終了」と明記した公式文言は確認できていません。
自分の空き家がどちらの制度の対象になるか、あるいはどちらも対象外かは、電話1本で分かります。都市整備部都市計画課建築指導担当(0568-44-0331)に確認してください。建物の構造と築年、耐震診断を受けたことがあるかを伝えると話が早いです。
空き家バンクに登録すると、買う側に最大180万円の補助がつく
犬山市空き家・空き地バンクは、市が直営で運営しています。現在の登録物件数は13件です。
登録できるのは、市内に建築された物件で、今後使用しない予定を含めて使う見込みがないものです。登録・公開の費用負担はありません。
売る側・貸す側に、成約時に直接出る補助はありません。ただし、買う側には別の制度があります。
「犬山市あきや活用支援事業補助金」です。空き家の購入費用の2分の1が上限で、基本額は100万円です。次の加算があり、それぞれ上限20万円、あわせて加算の上限は80万円です(各3年以上居住などの要件があります)。
- 若年世帯(申請者または配偶者が40歳以下)
- 居住誘導区域内
- 多子世帯(第3子以降が中学生以下)
- リフォーム工事
基本額と加算をあわせると、最大180万円まで補助されます。
この補助を使うには、空き家バンクに2年以上継続して登録されていることが条件です。購入前(売買契約前かつ所有権移転登記前)の申請と、購入年度の1月31日までの申請も必要です。先着順で、予算には限りがあります。
つまり、空き家バンクへの登録は早いほど、将来の買い手にとって補助が使える物件に近づきます。売るかどうか迷っている段階でも、登録だけ先に済ませておく価値があります。
壊したあと、固定資産税は最長3年度分の減免がある
空き家を壊すと、土地の固定資産税が上がることがあります。建物が建っている間は、住宅用地としての軽減がかかっているためです。更地にすると、この軽減が外れます。
犬山市には、この負担を和らげる制度があります。危険な空き家を取り壊した場合、住宅用地特例で減額されていた税額相当分が、最長3年度分減免されます。
対象になるのは、危険な空き家の取り壊しです。すべての解体が対象になるとは限りません。自分の家が対象になるかどうかは、解体前に確認しておく必要があります。
除却費補助の窓口と、固定資産税の窓口は別です。どちらも都市整備部ですが、解体を決める前に両方へ確認を取っておくと段取りがスムーズです(0568-44-0331)。
犬山市の実成約データで、売る・貸す・壊す・持ち続けるを考える
犬山市で実際に成約した価格を、国土交通省の取引データで見ます。
戸建ての取引がいちばん多く、次が土地です。中古マンションの取引はいちばん少なく、戸建てよりかなり少ない数です。マンションは事例が薄いため、査定を取っても比較材料が限られます。
戸建ては、築年数が進むほど値が下がります。築10年以内に比べて、築46年以上の中央値は半分以下です。いちばん大きく落ちるのは、築10年以内から築11〜20年に移るところです。
用途地域でも差が出ます。戸建ての中央値がいちばん高いのは第1種住居地域、いちばん低いのは市街化調整区域です。取引がいちばん多いのも第1種住居地域です。
前面道路の幅(6m以上・4〜6m・4m未満)でも、戸建ての中央値に差があります。自分の空き家の前の道が何mあるか、先に測っておくと査定の話が早く進みます。
地区による差もはっきりしています。戸建ての成約が多い地区は、大字犬山・(大字なし)・大字五郎丸・大字羽黒・大字橋爪の順です。
戸建ての中央値がいちばん高いのは松本町、いちばん低いのは長者町です。土地の1平方メートルあたり単価は、大字橋爪が高く、大字塔野地が低くなっています。
直近1年の戸建ての中央値は、その前の1年に比べてやや下がっています。
犬山市全体では、戸建ての成約価格の中央値は2,600万円です。成約は228件で、真ん中の半分は1,600万円〜3,400万円に入ります。土地は1平方メートルあたりの中央値が5.7万円、成約は181件です。
地区ごとの詳しい単価の違いは犬山市の土地価格。相場と、値段が分かれる条件にまとめています。市全体の相場は犬山市の不動産売却で確認できます。
耐震診断がまだなら、申請の前に診断がいる
補助の条件は、大きく2つです。昭和56年5月31日以前に着工した木造住宅であることと、耐震診断で基準を下回る判定が出ていることです。
つまり、診断をまだ受けていない家は、そのままでは申請できません。診断がいちばん先で、そのあとに申請、契約、工事と続きます。「契約前に申請」とだけ覚えていると、診断の分だけ日数が足りなくなります。
見積もりは契約ではありません。業者には「市の補助を使う予定」と伝えて見積もりだけ取り、契約書には判を押さないでください。診断の受け方も、補助の窓口(0568-44-0331)に聞くのが早いです。
診断の結果、家が基準より丈夫だった場合は補助の対象外です。昭和56年6月以降の着工、在来軸組構法・伝統構法でない建物、延床30㎡未満の家も同じです。
そのときは、自費で壊すか、壊さずに古家付きのまま売るかの二択になります。壊す前に一度査定を取り、どちらが手元に多く残るかで決めてください。見極め方は更地で売るか、古家付き土地のまま売るかにまとめています。
空き家でなくても使えるか。住んでいる家の建て替えでも条件は同じ
解体の補助金を調べる人の中には、空き家の持ち主でない人もいます。いま住んでいる古い家を壊して建て替えたい、という場合です。
犬山市民間木造住宅除却費補助事業の条件を、もう一度見てください。昭和56年5月31日以前の着工、在来軸組構法か伝統構法、延床30㎡以上、耐震診断の結果です。この中に「空き家であること」は入っていません。
以前の危険空き家解体工事費補助金は「1年以上使われていない」が条件でした。いまの制度は、家の古さと耐震性で決まります。住んでいる家でも、条件に合えば申請できるとみられます。
ただし、市のページに「住んでいる家も対象」と書いてあるわけではありません。建て替えで使うつもりなら、申請の前に窓口(0568-44-0331)で確かめてください。
もう一つ、押さえておきたいことがあります。令和8年度の実施予定20件は、空き家だけの枠ではありません。建て替えで使う人も同じ枠を使います。
空き家を壊すか迷っている間に、枠が埋まることがあります。壊すと決めたら、耐震診断と申請を先に進めてください。
近くの市町の制度と比べたい場合は空き家の解体補助金 70市区町村一覧にまとめています。
納屋や物置も一緒に壊すとき、補助はどこまで出るか
母屋の横に、納屋や物置、離れが建っている家もあります。まとめて壊すとき、補助がどの建物まで出るのかは気になるところです。
補助の対象として書かれているのは「木造住宅」です。昭和56年5月31日以前の着工、在来軸組構法か伝統構法、延床30㎡以上という条件も、住宅についてのものです。
納屋や物置のように、人が住むための建物でないものが入るかどうか。市のページからは読み取れません。対象になるとも、ならないとも言えないのが今の状態です。
まず窓口(0568-44-0331)に、敷地にある建物を全部伝えて聞いてください。建物ごとの構造、だいたいの広さ、建てた時期が分かっていると話が早いです。
補助額は20万円で、除却費がそれより少なければ実費です。壊す建物が増えても、補助が増えるとは限りません。
見積もりは、建物ごとに金額を分けて出してもらってください。窓口で対象外と言われた建物があっても、その分だけ外して考えられます。
分かれていないと、補助の対象分と自分で払う分が見えません。母屋だけ壊して納屋は残す、という選び方もしにくくなります。
建物の数や構造で解体費がどう変わるかは、空き家・古家の解体費用は何で決まる?にまとめています。
迷ったら、この順番で確かめる
売るか、貸すか、壊すか、持ち続けるか。犬山市の場合、次の順番で確かめると迷いが減ります。
1. 現況のまま査定を取る。 壊す前でも査定は取れます。古家付き土地としての評価も分かります。
2. 解体補助の対象になるか電話で確認する。 犬山市民間木造住宅除却費補助事業は上限20万円、契約前申請が条件です。都市整備部都市計画課建築指導担当(0568-44-0331)で確認してください。
3. 貸す・登録するなら、空き家バンクへ早めに登録する。 買う側の補助(最大180万円)は、2年以上の継続登録が条件です。
4. 壊すなら、固定資産税の減免対象かどうかも確認する。 対象なら、最長3年度分の減免があります。
相続した空き家なら、譲渡所得から3,000万円を引ける制度(全国共通)が使える場合があります。詳しい要件は相続した空き家を売る。3,000万円を引ける制度にまとめています。
売る・貸す・解体の選び方の全体像は空き家の活用方法。貸す・売る・解体、選び方の全体像、売るか貸すかで迷うときの収支比較は家を売るか貸すか。判断の分かれ目と貸した場合の収支を確認してください。解体費用の決まり方は空き家・古家の解体費用は何で決まる?にまとめています。
制度は年度で変わります。この記事は2026年8月時点の情報です。最新の内容は都市整備部都市計画課建築指導担当・営繕住宅担当(0568-44-0331)で確認してください。