空き家を売る
津市(三重県)の空き家|空き家専用の解体補助はなく、木造除却は23%・最高40万円
編集部
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結論から 津市には、空き家に限定した解体・除却補助金が公式サイト上で確認できません(2026年8月時点)。使える可能性があるのは津市木造住宅除却事業補助金で、除却工事に要する費用の23%・最高40万円です。空き家専用ではなく、昭和56年5月31日以前着工の木造で耐震診断の評点0.7未満(または自己診断で倒壊の危険性)などの要件があります。受付は先着順で、原則翌年1月末までの工事完了が必要です。一方、空き家を使う側への補助は厚く、子育て世帯移住促進の助成(上限150万円・区域による)やリノベーション補助(1/3・上限100万円)があります。制度は年度で変わるため、建築指導課(059-229-3187)と都市政策課(059-229-3181)で最新の内容を確認してください。
津市に「空き家だから使える」解体補助は見当たらない
津市の公式サイトでは、空き家に限定した解体・除却の補助金を確認できませんでした(2026年8月時点)。空き家の所有者が使える可能性があるのは「津市木造住宅除却事業補助金」です。
空き家専用の制度ではなく、住んでいる家も対象になりえます。補助は除却工事に要する費用の23%で、最高40万円です。
対象には条件があります。
- 昭和56年5月31日以前に着工した木造住宅
- 耐震診断で評点0.7未満(または自己診断で倒壊の危険性があると判定)
- 3階建て以下で、延べ床面積の過半が住宅
- 在来軸組工法・伝統工法・枠組壁工法のいずれか
つまり、地震に弱い古い木造を減らすための制度です。空き家かどうかは入口ではありません。裏を返すと、昭和56年6月以降に着工した建物は使えません。
耐震の要件も、評点0.7未満(または自己診断で倒壊の危険性)と決まっています。壊す前提で段取りを組む前に、自分の家がこの入口を通るかを確かめてください。
なお、特定空家等に限った除却補助が津市にあるかどうかは、確認できませんでした。該当しそうな事情があるなら、建築指導課(059-229-3187)に直接尋ねてください。
受付は4月8日から先着順。契約の前に電話を1本入れる
令和8年度の受付は、4月8日9時に津リージョンプラザで始まりました。以降は本庁舎5階の建築指導課で受け付けています。先着順です。
この記事の時点で、受付開始から4か月が経っています。使うつもりなら、最初に枠が残っているかを電話で確かめてください。
期限も決まっています。原則、翌年1月末までに工事を完了させます。
実績報告は2月末までです。対象は1敷地につき1棟限りです。
もうひとつ、順番の話をします。この種の補助金は一般に、交付決定の前に契約した工事が対象になりません。津市の制度でこの扱いがどうなっているかは、公開ページだけでは確認しきれませんでした。
解体業者と契約書を交わす前に、必ず建築指導課に確認してください。それまでは見積もりにとどめるのが安全です。
解体費そのものは、建物の構造と、重機が敷地に入るかで大きく変わります。1社の言い値で決めず、複数社の見積もりを並べてください。頼み方は空き家・古家の解体費用は何で決まるかにまとめています。
津市の補助は、壊すより「住み継ぐ」側に厚い
制度を並べると、津市の力点が見えてきます。解体側の補助が耐震要件付きの1本なのに対し、空き家を使う側への補助は種類が多いのです。
- 子育て世帯移住促進空き家活用助成事業。上限は居住誘導区域内で150万円、その他の区域で100万円。市外から移住する子育て世帯が対象で、10年以上の居住などが要件。予算に限りがあります
- 空き家有効活用推進事業補助金(リノベーション)。工事費用の1/3・上限100万円。県外からの移住者向けなどの条件があります
- 空き家有効活用推進事業補助金(家財道具処分)。対象費用の1/2・上限5万円。空き家情報バンクの成約物件を5年以上利活用することが条件です
- 美杉地域に限定した改修補助2種(1/2・上限50万円と、1/3・上限100万円)
これらの入口になるのが、津市空き家情報バンクです。都市計画部 都市政策課が運営し、賃貸または売却を希望する物件を利用希望者に紹介します。
所有者の側から読み替えると、こうなります。直す費用に補助が付くのは、おもに買い手・借り手の側です。だから、自分でリフォームしてから売る必要は薄くなります。
現況のままバンクに載せ、直すのは使う人に任せる出し方ができます。残った家財の処分にも、バンク成約を入口にした補助があります。片付けが理由で動けずにいる家にも、道はあります。
一方、バンクを通さない一般の空き家向けの改修・家財処分補助は確認できませんでした。あるかどうかは都市政策課(059-229-3181)に尋ねてください。貸すか売るかで迷うなら、収支の考え方を相続した実家、貸すか売るかに書いています。
実成約データで見る津市。戸建ては横ばい、マンションは事例が少ない
国土交通省の実成約データでは、津市で取引がいちばん多いのは戸建てです。次が土地で、中古マンションがいちばん少なくなっています。空き家の出口としては、建物付きの戸建てのまま売る道が太い市場です。
直近1年の戸建ての成約中央値は1,500万円です(1,162件)。真ん中の半分は550万円〜2,800万円に入ります。前の1年と比べると、中央値はほぼ横ばいでした。
築年数の段差は、はっきりあります。築46年以上の中央値は、築10年以内の3分の1以下です。下げ幅がいちばん大きいのは、築31〜45年から築46年以上に移る境目です。
いま築40年前後なら、段差の手前に立っていることになります。持ち続けて様子を見る選択には、この時間の代償が付きます。
中古マンションは、直近1年の中央値がはっきり上がりました。ただし、取引の数は戸建てよりかなり少ないままです。上がったという流れと、査定の根拠になる事例の厚みは別の話です。
1社の査定額をうのみにせず、幅で見てください。値段の段差は築21〜30年から築31〜45年に移るところにあります。
築31〜45年の中央値は、築11〜20年の3分の1以下です。間取りは3LDKが最多で、次が4LDKです。
津市の相場の全体像は津市の不動産売却で整理しています。
第1種中高層で高く、都市計画区域外は低い。道幅も値段に出る
同じ津市でも、場所の条件で戸建ての中央値は変わります。いちばん高い用途地域は第1種中高層住居専用地域でした。いちばん低いのは都市計画区域外です。
取引の件数がいちばん多いのは第1種住居地域です。津市は市域が広く、都市計画区域外の取引までデータに現れます。美杉地域に限った改修補助があるのも、この広さの表れです。
前面道路の幅でも差が出ています。データの区分は6m以上・4〜6m・4m未満の3つです。
道が狭い敷地は、解体の重機や工事車両も入りにくくなります。査定を頼むときは、前面道路の幅を必ず業者に伝えてください。
建物を壊して土地で売る場合の物差しも置いておきます。土地の1平方メートルあたりの中央値は2.2万円で、成約は873件です。
壊すか、古家付きのまま出すかは、建物に値段が付くかで決まります。見極め方は更地で売るか、古家付き土地のまま売るかを読んでください。
決める前に、電話2本と査定1つを済ませる
売る・貸す・壊す・持ち続ける。津市の材料で並べ直すと、最初にやることは3つに絞れます。
- 建築指導課(059-229-3187)に電話する。除却補助の枠の残りと、自分の家が要件に入るかを確かめる
- 都市政策課(059-229-3181)に電話する。空き家バンクの登録手続きと、活用側の補助の最新条件を聞く
- 現況のまま査定を取る。建物に値段が付くかを先に知る
このあとの分かれ方は、こう考えられます。建物に値段が付くなら、戸建てのまま売る道が津市ではいちばん太い道です。値段が付かなくても、バンク経由なら、直す費用を使う側の補助に乗せる出し方があります。
旧耐震で評点0.7未満なら、除却補助を確かめたうえで壊す判断ができます。どれも選ばず持ち続けるなら、築46年の段差が近づくことと、管理の手間を天秤にかけてください。
税金の面もひとつだけ触れておきます。更地にすると住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が上がるのが一般的です。壊す時期は、売れる見込みと合わせて決めてください。
相続した空き家なら、条件を満たすと譲渡所得から3,000万円を引ける特例があります。詳しくは相続した空き家の3,000万円特別控除で説明しています。
この記事の制度の内容は、2026年8月時点の公開情報にもとづいています。年度が変わると、金額も受付も変わります。動く前に、建築指導課(059-229-3187)と都市政策課(059-229-3181)で最新の状況を確かめてください。