更地で売るか、古家付き土地のまま売るか。見極め方【建築士監修】
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更地にすると住宅用地の税の軽減が外れることがあり、古家付き土地のままなら解体費をかけずに売却できます。建物の傷み具合や立地の需要によって向き不向きが変わるため、どちらかに決め打ちせず、まず今の状態で査定を取ってから判断するのが無理のない順番です。
2026年8月30日(日)愛知の家売却を、実データで。
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更地にすると住宅用地の税の軽減が外れることがあり、古家付き土地のままなら解体費をかけずに売却できます。建物の傷み具合や立地の需要によって向き不向きが変わるため、どちらかに決め打ちせず、まず今の状態で査定を取ってから判断するのが無理のない順番です。
古い家を売るとき、迷うのが「解体して更地にするか、そのまま古家付き土地として売るか」です。結論から言うと、どちらかに決め打ちする前に、条件を並べて見比べるのが無理のない進め方です。
違いは大きく4つあります。
どれが手取りで有利かは、建物の状態と土地の立地しだいです。順番に見ていきます。
メリットは、買い手が土地として検討しやすくなることです。建物の間取りや傷みを気にせず、新築の設計に集中できるため、購入後のイメージを立てやすくなります。境界や地盤の状態も、更地のほうが確認しやすい面があります。建て替え需要が強いエリアでは、更地にすることで検討する買い手の幅が広がる場合もあります。
デメリットは、解体費用を売主が先に自己負担することです。工事の着工前に費用が出ていくため、資金の準備が必要になります。加えて、売れるまでの期間は土地を更地のまま保有することになり、住宅用地に対する固定資産税の軽減措置が外れることがあります。更地のまま売れ残ると、草刈りや不法投棄対策といった管理の手間も、建物があったときより増える場合があります。管理が行き届いていない更地は、近隣からの指摘につながることもあるため、解体後は定期的な見回りが必要になります。
さらに、更地にする前に必ず確認しておきたいことがあります。再建築不可の土地は、更地にすると建てられない土地になります。 接道義務(敷地が幅4m以上の道路に2m以上接する必要がある規定)を満たしていない土地は、今ある建物を壊すと新築ができません。
この場合は、解体するかどうかを決める前に、必ず再建築の可否を確認してください。可否が分からないまま解体してしまうと、取り返しがつきません。

メリットは、解体費用を負担しなくてよいことです。建物をそのまま見てもらえるため、資金の持ち出しがなく、売却活動をすぐに始められます。買い手にとっても、実際の建物を見たうえで判断できるため、購入後にどの程度手を入れる必要があるかを、内見の段階で把握しやすくなります。
デメリットは、買い手側が解体費用を見込んで指値を入れてくることがある点です。買い手が将来の解体費用を試算し、その分を差し引いた金額で交渉してくる場合があります。また、建物の築年数や状態によっては、買い手が住宅ローンを使いにくい場合があります。木造住宅は法定耐用年数が短く設定されており、この年数を超えた建物は、金融機関の担保評価で低く見られやすい傾向があります。その結果、買い手が希望する借入額に届かず、購入自体を見送るケースにつながることもあります。事前にどの程度の融資が受けられそうか、買い手側で確認してもらう必要が出てくることもあります。
古い建物の状態も、価格に直接影響します。雨漏り・傾き・シロアリといった劣化が進んでいると、買い手はリフォーム費用や解体費用を見込んだ金額で検討することになるため、査定額はその分低くなりやすくなります。
二級建築士として、工務店を10年ほど営んできた立場から言うと、判断が分かれるのは次の4点です。
迷ったら、まず古家付きのまま査定を取ってください。解体は一度すると元に戻せませんが、古家付きのまま売りに出す判断は、あとからでも変えられます。壊す前に、売れるかを確かめるのが順番として安全です。
判断のための材料は、解体を決める前に集められます。
住宅用地には、固定資産税の軽減措置(住宅用地の特例)が設けられています。愛知県内の自治体の案内によれば、200平方メートル以下の部分は課税標準額が6分の1に、200平方メートルを超える部分は3分の1に軽減されます。
この軽減は、毎年1月1日(賦課期日)の時点で住宅が建っているかどうかで判定されます。年の途中で建物を解体し、1月1日の時点で更地になっていると、その年度以降はこの軽減の対象から外れることがあります。
外れた場合に実際の税額がどれだけ変わるかは、土地の評価額や自治体の税率によって異なるため、具体的な金額はお住まいの自治体の税務担当窓口で確認してください。
自治体によっては、住宅を取り壊した際に「住宅用地認定異動申告書」などの届け出を求めている場合もあります。解体のタイミングを決める段階で、一度自治体の窓口に相談しておくと、翌年度の税額の見通しを事前に把握しやすくなります。
税負担は、売却が決まるまでの期間ぶん積み重なります。だからこそ、解体を先に決めず、売却の見通しが立ってから判断する順番が無駄を減らします。
更地か古家付きかの二択に見えますが、実務ではもう一つやり方があります。古家付き土地として売りに出し、買主が決まってから解体して、更地で引き渡す方法です。「解体更地渡し」と呼ばれます。
利点は、解体の順番が後ろにずれることです。買主が決まる前に解体すると、売れ残った期間の税負担と管理の手間を売主が抱えます。
買主が決まってから壊せば、その期間が生じません。募集の段階で「更地でも引き渡せる」と伝えられるため、土地として探している買い手にも届きます。
ただし、解体費を売主が負担する点は、先に更地にする場合と変わりません。費用が出ていく時期がずれるだけで、手取りから引かれることは同じです。売買価格を決めるときは、解体費を差し引いた金額で考えてください。
この進め方を選ぶなら、決めておくことがあります。
向かない場合もあります。再建築不可の土地では使えません。
解体した時点で、建てられない土地になるためです。建物を活かしたい買い手が現れた場合も、無理に更地にする必要はありません。
まずは古家付きで募集し、買い手の反応を見てから解体を決めても遅くありません。契約から引き渡しまでの段取りは家を売る流れで確認できます。
古家付き土地は、買主が壊す前提でも、引き渡しの時点では建物が付いたままです。だから建物について、決めておくことが二つあります。
一つは、引き渡した後に不具合が見つかったときの扱いです。雨漏り・シロアリ・傾きは、住まなくなった家では後から表に出てくることがあります。個人が売主の場合、建物の不具合について売主が責任を負わない旨を、特約で定めることがあります。
ただし、売主が知っていた不具合を伝えなかった場合は、この特約があっても責任を問われるのが原則です。分かっている不具合は、契約書に書いて残してください。口頭で伝えただけでは、後から食い違います。
もう一つは、残置物です。家具・家電・布団・物置の中身・仏壇。買主が解体するのだから中身ごと壊せばいい、とはならないことがあります。
解体業者が扱えない品目があると、別に処分の手配が要ります。誰が、いつまでに、どこまで片付けるか。これを契約前に決めておかないと、引き渡しの直前で揉めます。
決め方は二つです。売主が空にしてから引き渡すか、現況のまま引き渡して処分の手間を価格に織り込むか。どちらでも構いません。
ただし「現況のまま」で合意するなら、残すものを具体的に書き出してください。「残置物あり」の一言だけでは、範囲が定まりません。物置・エアコン・カーポート・庭石のように、判断が分かれやすいものほど書いておきます。
更地で売る場合は、建物についての責任は生じません。そのかわり、地中から古い基礎やコンクリートの塊が出たときの扱いは残ります。更地にすれば確認することがゼロになる、というわけではありません。
家財の量が多くて手が止まっているなら、遺品整理の費用の考え方と、業者選びで確認しておきたいことと、空き家になった実家の片付けが進まないときを参考にしてください。片付けの段取りが決まると、更地にするかどうかの判断も進めやすくなります。
更地にするか古家付きで売るかを決める前に、土地の範囲をはっきりさせておきます。どちらを選んでも、境界が定まっていないと契約は進みません。
古家付きのままだと、境界の問題は見えにくくなります。ブロック塀・軒・雨樋・庭木が隣地にはみ出していても、建物や植栽に隠れて気づきません。
解体して更地にした段階で、初めて分かることがあります。引き渡しの直前に越境が判明すると、その場で対応を決めることになります。
先に確かめておくことは三つです。
越境が見つかったときのやり方は二つです。撤去してしまうか、隣地と覚書を交わして現状のまま残すかです。
覚書では「建て替えのときに撤去する」といった取り決めを書面にします。買主にとっては、この書面があるかどうかで判断のしやすさが変わります。
更地にする場合は、塀をどこまで壊すかを解体前に決めてください。共有の塀を断りなく撤去すると、費用の負担で揉めます。隣地に一声かけておくだけでも、後の話が進みやすくなります。
古家付きのまま売る場合も、越境が残っていることは買主に伝えておきます。伝えずに引き渡すと、後から責任を問われる可能性があります。
境界確定の進め方は土地を売る。境界確定と「古家付きか更地か」にまとめています。査定の段階でそろえる書類は土地の査定で必要な資料と、評価のされ方を参考にしてください。
ここまで見てきた「更地」「古家付き」「解体更地渡し」を、同じ物差しで並べます。愛知県内の戸建ては、市区町村ごとの中央値を並べたときの真ん中で、築31-45年が2,000万円、築46年以上が1,000万円です。
| 選択肢 | 解体費の負担 | 固定資産税の軽減 | 買い手とローン | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 更地にして売る | 売主が着工前に負担。売れる前に出ていく | 1月1日時点で更地だと外れることがある | 新築を建てたい層。ローンの支障は問題にならない | 建て替え需要が強い立地で、解体費を先に出せる人 |
| 古家付き土地のまま売る | かからない。ただし解体費分の指値が入ることがある | 建物があるため対象になる場合がある | リフォーム層と建て替え前提の層。築年数によってはローンが使いにくい | 建物がまだ使える状態で、まず査定から始めたい人 |
| 解体更地渡し(売れてから解体) | 売主負担は同じ。出ていく時期が買主決定後にずれる | 売れるまで建物が残るため、外れる期間を作りにくい | 土地を探す層にも届く。融資実行と解体の時期の段取り確認が要る | 解体費は出せるが、売れ残り中の税負担と管理を避けたい人 |
再建築不可の土地では、解体を伴う二つは選べません。どれが有利かは建物の状態と立地しだいなので、迷ったらまず古家付きのまま査定を取ってください。
出典: 国土交通省 不動産情報ライブラリ(不動産取引価格情報)を家売却ラボが集計
解体するかどうかは、売り方の方針が決まってからで大丈夫です。今の状態でどう進めるかは、次を参考にしてください。
まずは今の状態で査定と見積もりを取り、そのうえで「更地」「古家付き土地」のどちらで進めるかを決めていけば大丈夫です。急ぐ必要はありません。
建物の傷み具合や土地の立地によって、向き不向きが変わります。傷みが深い場合は更地のほうが買い手に検討されやすいことがあり、建て替え需要がある立地では古家付き土地のままでも検討されることがあります。どちらかに決め打ちせず、まず今の状態で査定を取って比べてから判断するのが無理のない進め方です。
住宅用地には、固定資産税の軽減措置が設けられている場合があります。建物を解体して更地にすると、この軽減の対象から外れることがあります。軽減の要件や金額は自治体・物件ごとに異なるため、正確な内容はお住まいの自治体の窓口でご確認ください。
先に解体を決める必要はありません。更地にしてから売れ残ると、その間の税負担は更地のまま続きます。まず今の建物の状態で売却の見通しを立て、そのうえで解体するかどうかを決めるほうが、無駄が出にくくなります。
再建築不可の土地(接道義務を満たさない土地)は、今ある建物を解体すると、新しく建物を建てられない土地になります。古家付きのままなら住み続けることもリフォームすることもできますが、更地にした時点でその選択肢が失われます。解体を検討する前に、自分の土地が再建築不可に当たるかどうかを、市区町村の建築指導課で確認してください。
本記事は下書きにAIを活用し、出典との照合・建築士監修を経て公開しています。