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築古・古家を売る

空き家・古家の解体費用と、更地で売る進め方【建築士監修】

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結論から

解体すると決めたら、まず売却の見通しを立ててから進めるのが無理のない順番です。境界の確認や近隣への挨拶、ライフラインの停止を済ませ、解体後は建物滅失登記を速やかに法務局へ申請します。更地になったら、地中埋設物の有無や整地の程度を確認したうえで、面積・接道・用途地域といった販売に必要な情報を揃えて売却活動に入ります。解体費用の決まり方や、更地と古家付き土地のどちらで売るかの判断は、それぞれ別記事で詳しく整理しています。

更地にしてから売り切るまでの実務

解体費用がどう決まるかは空き家・古家の解体費用は何で決まる? 見積もりの取り方と業者選びに、更地にするか古家付きのまま売るかの判断は更地で売るか、古家付き土地のまま売るか。見極め方に、それぞれ整理しています。

ここでは、「解体する」と決めた人が、更地にしてから売り切るまでに何をするかを、解体前・解体中〜直後・更地になってからの3つの段階に分けて見ていきます。

解体前にやっておくこと

解体工事を発注する前に、済ませておきたいことがいくつかあります。工事が始まってからでは直しにくいものが多いため、順番に確認しておきます。

売却の見通しを先に立てる

更地にしてから買い手が見つからないと、その間の固定資産税だけが増え続けます。解体を発注する前に不動産会社へ相談し、「今の状態でいくらで売れそうか」「更地にしたらどのくらいの期間で売れそうか」の見通しを、ある程度つかんでおきます。

解体費用と売却代金を合わせて考えたときに、手元にいくら残るかを先に計算しておくと、解体を発注してから慌てずに済みます。

境界の確認・測量

建物が建っていると、境界標が塀や庭木の陰に隠れて確認しにくいことがあります。解体してから境界標が見当たらないと分かると、隣地の立ち会いや測量をやり直すことになり、余計な時間がかかります。

解体前に境界標の位置と本数を確認し、確定していない場合は測量を検討しておきます。境界が確定していることは、売却時に買い手へ示す安心材料にもなります。

近隣への挨拶

解体工事は、騒音・振動・粉じんを伴います。着工前に近隣へ挨拶をしておくと、工事中の苦情を減らせます。近隣とのやり取りでトラブルが起きた場合、売却時の重要事項説明で触れる必要が出ることもあるため、挨拶の範囲や対応の経緯は記録に残しておきます。

ライフラインの停止

電気・ガス・水道の停止手続きが必要です。ただし、水道は解体工事中に散水や清掃で使うことがあるため、契約者の都合だけで先に止めてしまうと、解体業者が困ることがあります。

止める順番は、契約している解体業者に確認してから進めます。電気やガスも、足場の照明や仮設設備で使う場合があるため、同様に業者へ確認しておくと二度手間になりません。

住宅地のなかにある更地の区画
解体して更地にすると土地の使い道は広がりますが、解体費がかかり、住宅用地に対する税の軽減が外れる場合があります。

解体中〜直後にやること

解体が終わった直後にも、済ませておく作業があります。

建物滅失登記を法務局へ申請する

解体が完了したら、法務局へ建物滅失登記を申請します。放置すると、翌年度以降の固定資産税の課税や、土地だけの状態で売却するときの登記手続きで支障が出ることがあります。期限や過料の詳しい定めは法務局・自治体の窓口で確認できますが、先延ばしにせず、速やかに申請するのが基本です。

申請には、解体業者が発行する取り壊し証明書などの書類が必要になるため、工事完了後すぐに受け取り、保管しておきます。手続きは自分で法務局へ出向いて行うこともできますし、土地家屋調査士に依頼することもできます。

廃材処分が適正に行われたか確認する

産業廃棄物の収集運搬・処分には許可が必要です。工事完了後、廃棄物をどこにどう処分したかを示す書類(産業廃棄物管理票、いわゆるマニフェストなど)を業者から受け取っておくと、後から不法投棄を疑われるような事態を避けられます。

書類は、次に何かを確認されたときのために、解体費用の領収書と一緒に保管しておきます。

整地の程度を確認する

解体後の土地は、そのまま更地として引き渡されますが、「整地」の中身は業者によって差があります。土を入れて平らにする、砕石を敷いて仕上げる、掘り返したままにするなど、仕上がりの見え方が変わるため、どこまで整地するかを見積書に明記させておくことが大切です。

見た目の仕上がりは、売却時の印象や、内覧のしやすさにも関わります。境界標が整地の際に動いていないかも、あわせて確認しておきたい点です。

建築士の視点

解体は、壊して終わりではありません。工務店を営んできた立場から見て、後の紛争になりやすいのは地中に何が残っているかです。古い家ほど、浄化槽や井戸、以前建っていた建物の基礎が、地中に埋まったまま残っていることがあります。

解体業者には、掘削したときの記録や写真を残してもらうよう、着工前に伝えておいてください。売却の段階で買い手に示せる記録があると、「見えない部分に何もない」ことの裏付けになり、信頼につながります。

更地になってからの売却実務

更地になったら、売却に向けた準備に入ります。

更地は、土地として評価されやすい

買い手は建物の状態を気にせず、土地そのものの広さや形、接道の状況で判断できます。一方で、更地にすると住宅用地に対する固定資産税の軽減が外れ、税額が上がることがあります。

この税金の仕組みは、更地で売るか、古家付き土地のまま売るか。見極め方で詳しく整理しています。

販売資料に載る情報をそろえる

不動産会社が売却活動を始めるときは、土地の面積、前面道路への接し方(接道)、用途地域、建ぺい率・容積率といった情報が必要になります。測量図や登記事項証明書、都市計画の情報を、この段階で不動産会社と共有しておくと、販売活動をすぐに始められます。境界確定図があれば、あわせて渡しておきます。

地中埋設物が後から出ると、トラブルになりうる

古い基礎や浄化槽、井戸などが、解体後も地中に残っていることがあります。売買契約のあとにこうしたものが見つかると、撤去費用の負担をめぐってトラブルになりかねません。

解体のときに掘削の記録を残してもらっておく(前の章参照)と、買い手に事前に示すことができ、契約後のトラブルを避けやすくなります。売買契約書に、土地の状態についての取り決め(契約不適合責任に関する条項)を入れておくかどうかも、契約を担当する不動産会社に相談しておくと安心です。

やってはいけないこと

  • 売却の見通しを立てずに解体する:買い手が見つかるまでの間、更地の固定資産税だけが積み上がります。
  • 建物滅失登記を放置する:翌年度以降の課税や、売却時の登記手続きに支障が出ることがあります。
  • 整地の範囲を口約束で済ませる:仕上がりの認識が業者とずれると、追加費用や、売却時の印象の悪化につながります。見積書に明記させておきます。
  • 地中埋設物の記録を残さないまま売り出す:契約後に見つかると、撤去費用の負担をめぐって話がこじれやすくなります。

解体費用は、売却代金が入る前に払うことになる

見落とされやすいのが、お金の順番です。解体費用を業者に払うのは工事が終わったとき。

売却代金がまとまって入るのは、買い手が決まって引き渡しをするときです。払うほうが先で、入るほうが後になります。

つまり、解体費用は自分の手元から出す前提で考えておく必要があります。売却代金をあてにして発注すると、買い手が決まるまでの間、資金の穴が空いたままになります。支払い条件は業者によって差があります。

契約時と工事完了時に分けるところ、完了後にまとめて請求するところ、どちらもあります。見積もりを取る段階で、いつ、いくらずつ払うのかを確認しておいてください。

手元の資金を先に出すのが難しい場合は、買い手が決まってから解体するという進め方もあります。古家が建ったまま売り出して、売買契約を結んだあと、引き渡しまでの間に売主が解体して更地にして渡す形です。

不動産会社によっては「更地渡し」と呼びます。買い手が決まっていない状態で更地にしてしまうリスクを避けられます。

ただし、この形にするなら日程の組み方に注意が要ります。契約から引き渡しまでの期間に、解体工事が確実に収まるかどうかです。

工期が読めない時期に契約日を先に決めると、引き渡しに間に合わなくなります。契約書に引き渡しの条件としてどう書くかも含めて、不動産会社と解体業者の両方に、先に日程を確認してもらってください。

どちらの進め方を選ぶにしても、解体を発注する前に売却の見通しを立てておくことが前提になります。売却全体の流れと、お金が動くタイミングは家を売る流れは7ステップ。査定から引き渡しまでの期間の目安で整理しています。

そもそも更地にすべきかどうかで迷っているなら、更地で売るか、古家付き土地のまま売るか。見極め方を先に読んでください。

家の中の物を、どこまで自分で出すか

解体を決めたあと、最初にぶつかるのが家財の処分です。家具、布団、食器、物置の中身。

解体業者は建物を壊すのが仕事で、中に残った物の処分は別の作業になります。残したまま頼めば、その分は費用に上乗せされます。

自分で運び出せる物を先に出しておけば、上乗せは減ります。自治体の粗大ごみの受付を使う、買い取ってもらう、といった方法もあります。

ただし全部を自分でやろうとすると時間がかかります。空き家が遠方なら、片付けのために何回往復するかまで含めて考えてください。

大事なのは、見積もりを頼む前に線を引いておくことです。どこまで自分で出して、どこから業者に任せるか。

ここが決まっていないと、業者ごとに前提の違う金額が出てきて、比べられなくなります。「家財の処分を含む見積もりか、含まない見積もりか」を、はっきりさせてから依頼します。

もう一つ、捨てる前に確認しておきたいものがあります。売却で使う書類です。権利証(登記識別情報)、測量図、建築確認済証、過去のリフォームの図面。

こうしたものが押し入れや仏壇の引き出しに入っていることがあります。解体と一緒に処分してしまうと、あとで取り寄せに手間がかかります。紙の束は、捨てる前に一度中を見てください。

売却で必要になる書類は不動産売却の必要書類。登記識別情報・測量図・建築確認済証までにまとめています。

仏壇や神棚、写真やアルバムのように、扱いを決めるのに時間がかかる物もあります。工事が始まってからでは戻れません。相続した実家で遺品整理と重なる場合の進め方は、遺品整理の費用の考え方と、業者選びで確認しておきたいことを見てください。

更地にしたあと、売れるまでの間は誰が管理するか

解体が終わって更地になると、一段落した気になります。ただ、買い手が決まるまではまだ自分の土地です。手がかからなくなるわけではありません。

建物があったときと違い、更地は草が伸びます。春から夏にかけては伸びるのが早い。放っておくと膝の高さくらいまでいくこともあります。

近隣から「虫が出る」「見通しが悪い」と言われることがあります。空き缶やゴミを投げ込まれる、車を勝手に停められる、といったことも起きます。

草が伸びた状態は、売却にもそのまま効いてきます。買い手や不動産会社が現地を見に来たとき、草に覆われた土地は広さも形も分かりません。境界標も埋もれます。

販売資料に載せる写真も撮りにくくなります。売り出し中の土地は、いつ誰が見に来てもおかしくない前提で考えておいたほうがいいです。

そこで、解体を決めた段階で**「売れるまで誰が草を刈るか」を決めておきます**。近くに住んでいるなら自分で行けます。遠方なら、行くたびに交通費と時間がかかります。

年に何回行くつもりかを、先に見積もっておいてください。解体業者に、更地にしたあとの草刈りを頼めるか聞いておくと選択肢が増えます。地元の造園業者やシルバー人材センターに頼む人もいます。

もう一つ、更地になると建物がなくなるぶん、敷地の境目が見えにくくなります。境界標の位置は、草を刈るたびに一度確かめておくと安心です。草刈り機で境界標を傷つけたり、動かしてしまったりすると、あとで確認し直すことになります。

売れるまでの期間が読めず、その間を空けたままにしたくない場合は、駐車場として貸しながら売り先を探すという進め方もあります。ただし、借りている人がいる状態で売ることになるため、売りやすさとは別の話になります。仕組みは[空き地を駐車場にして貸す。

始め方と、月極・コインパーキングの違い](/guide/akiya/akichi-chushajo-hajimekata/)で確かめてから決めてください。長く売れないときに何を変えるかは、家が売れないとき、何を変えるか。4つの選択肢にまとめています。

3つの進め方を並べて比べる

解体してから売り切るまでの進め方は、この記事で3つ出てきました。お金の順番と、売れるまでの土地の扱いで並べます。

進め方解体費用の支払い売れるまでの土地の状態気をつけること向いている人
先に解体して更地で売り出す売却代金より先に、手元から払う更地のまま待つ。草刈りが要り、固定資産税が上がることがある発注前に売却の見通しを立てる手元資金があり、早く売り出したい人
買い手が決まってから解体(更地渡し)買い手が決まったあと、工事が終わったとき古家が建ったまま売り出す引き渡しまでに工期が収まるかを先に確認手元資金を先に出すのが難しい人
駐車場として貸しながら売り先を探す売却代金より先に、手元から払う借主がいる状態で売ることになる売りやすさとは別の話。仕組みを確かめてから売れるまでの期間が読めない人

まず手元資金を先に出せるかで絞り、日程と売値は必ず不動産会社に確認してください。参考に、愛知県の築46年以上の戸建ては、市区町村ごとの中央値を並べたときの真ん中で 1,000万円 です。

出典: 国土交通省 不動産情報ライブラリ(不動産取引価格情報)を家売却ラボが集計

次に確認したいこと

解体前の確認から、更地になってからの売却準備まで、順番に進めていけば大丈夫です。急ぐ必要はありません。

よくある質問

解体すると決めたら、まず何をすればいいですか?

解体費用の見積もりだけでなく、売却の見通しを先に立てることが大切です。更地にしてから買い手が見つからないと、その間の固定資産税だけが増えていきます。あわせて、境界の確認・近隣への挨拶・ライフラインの停止手続きも、解体前に済ませておきたいところです。

建物滅失登記は、いつまでに申請すればいいですか?

放置すると、翌年度以降の固定資産税の課税や、土地だけの状態で売却するときの登記手続きに支障が出ることがあります。期限や過料の詳しい定めは法務局・自治体の窓口で確認できますが、解体が完了したら先延ばしにせず、速やかに申請するのが基本です。

整地は、どこまで業者にやってもらえばいいですか?

土を入れて平らにする、砕石を敷いて仕上げる、掘り返したままにするなど、整地の内容は業者によって差があります。仕上がりの見え方は売却時の印象にも関わるため、どこまで整地するかを見積書に明記してもらってから契約するのが確実です。

解体後に地中から古い基礎や井戸が見つかったら、どうすればいいですか?

古い基礎や浄化槽、井戸などは、解体しただけでは撤去されずに地中へ残っていることがあります。契約後に見つかるとトラブルになりかねないため、解体のときに掘削の記録や写真を業者に残してもらい、売却時に買い手へ示せるようにしておくと安心です。

参照した情報源

  1. 国土交通省(空き家対策・除却の支援制度)(国土交通省)・確認日 2026-07-17
  2. 国土交通省 不動産情報ライブラリ(土地の実際の成約価格・地価)(国土交通省)・確認日 2026-07-17
  3. 環境省(建設リサイクル・解体時のアスベスト飛散防止)(環境省)・確認日 2026-07-17
  4. 法務局(建物を取り壊した場合の登記手続き)(法務局)・確認日 2026-07-31

本記事は下書きにAIを活用し、出典との照合・建築士監修を経て公開しています。

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