空き家を、壊すか貸すか売るか
目黒区の空き家、解体補助金は? 上限50万円。ただし住んでいる人が対象
編集部
本記事にはプロモーションが含まれます。
結論から 目黒区の木造住宅等除却工事助成制度は、除却工事費の50%以内・上限50万円です。ただし「所有者自らが居住し、建替え後も住み続けること」という要件があるため、誰も住んでいない空き家に使えるかは公開情報だけでは判断できません。使えない可能性が高いと見て、建築課 耐震化促進・狭あい道路整備係(03-5722-9490)に確認してください。令和8年度の受付は令和8年11月30日(月)まで、除却工事の契約前に申し込むことが条件です。目黒区に空き家バンクはありません。かわりに空家の適切な管理に対する助成があり、管理委託費用の2分の1(月額上限2,000円)と樹木せん定費用の2分の1(上限20,000円)が対象です(2026年8月時点)。
目黒区の除却助成は「自ら居住」が条件。空き家では厳しい
目黒区で空き家を壊すつもりなら、先に確かめることが1つあります。区の木造住宅等除却工事助成制度には、所有者が自分で住んでいるという条件が付いています。
助成の額は、除却工事費の50%以内で、上限は50万円です。対象は昭和56年5月31日以前に着工した木造住宅で、簡易耐震診断で耐震性が不足と判定されたものです。
ここまでなら、旧耐震の空き家も当てはまりそうに見えます。問題は次の条件です。
所有者自らが居住し、建替えた後も住み続けること。あわせて、住民税と固定資産税の滞納が無いこと。
つまりこの制度は、いま住んでいる家の建替えを想定しています。誰も住んでいない家に使えるかどうかは、区の公開情報だけでは判断できません。使えない可能性が高いと見ておいてください。
ここは電話1本で潰せます。窓口は建築課 耐震化促進・狭あい道路整備係、電話は03-5722-9490です。「いま誰も住んでいないが対象になるか」と、そのまま聞いてください。
受付は令和8年11月30日まで。契約に判を押す前に申し込む
この助成には、順番の条件があります。除却工事の契約前に申し込むこと。令和8年度の受付は、令和8年11月30日(月)までです。
解体の話は、見積もり、契約、着工と進みます。業者と契約したあとで区に相談しても、そのときにはもう遅い。
だから動く順番はこうなります。まず簡易耐震診断で建物を見る。
次に建築課へ電話して、空き家でも対象になるかを聞く。そのうえで見積もりを取り、契約の前に申し込む。
見積もりは複数社から取ってください。解体費は建物の構造で変わりますし、現場まで重機が入るかどうかでも変わります。
目黒区は前面道路の幅で戸建ての中央値に差が出ている区です。道が狭ければ、工事の段取りも費用も動きます。
費用の見方は地域を問わない話なので、空き家・古家の解体費用は何で決まる?にまとめています。
もう1つ、令和8年度の予算枠がどれだけ残っているかは、区の公開情報では確認できませんでした。11月30日という日付だけを見て動くと、枠が先に埋まっていた場合に間に合いません。電話では締切と枠の両方を聞いてください。
不燃化特区は、町名と番地で線が引かれている
目黒区にはもう1つ、老朽建築物の除却助成があります。不燃化推進特定整備事業、いわゆる不燃化特区の枠です。
対象の地区は決まっています。目黒本町五丁目と六丁目の全域、原町一丁目の全域、洗足一丁目の1番から24番、29番、30番です。
丁目と番地まで指定されているので、同じ町名でも外れる区画があります。地図を眺めても判断は付きません。住所で確かめてください。
補助率と上限額は、区のページの本文には書かれておらず、PDFに任されています。ですからこの記事では金額を書きません。制度が令和12年度まで延長されたという情報もありますが、これも一次ページでは確認できませんでした。
ここで成約データと重なる点が1つあります。目黒区で戸建ての成約がいちばん多い地区は、目黒本町でした。取引が動いている場所が、そのまま不燃化特区の中に入っています。
壊す話と売る話は、同じ地図の上にあります。更地にしてから売るか、古家付きのまま出すかは、更地で売るか、古家付き土地のまま売るかで比べてください。
空き家バンクは無い。目黒区にあるのは「管理」への助成
目黒区に空き家バンクはありません。空家対策のトップページにも記載がなく、東京都空家ワンストップ相談窓口の委託事業者と連携している、という案内があるだけです。
区が借り手や買い手を連れてくる仕組みは無い、ということです。貸すなら一般の賃貸として自分で募集します。
そのかわり、空き家そのものを対象にした助成が1つあります。空家の適切な管理に対する助成です。
管理を業者に委託した費用の2分の1が対象で、月額の上限は2,000円。庭木のせん定は費用の2分の1で、上限は20,000円です。解体費ではなく、管理にかかるお金への助成という位置づけです。
要件も決まっています。区内の一戸建ての空き家であること。所有者または法定相続人で、個人であること。
初めて助成を受ける空き家であること。管理委託業者名を表示した看板等を設置すること。税の滞納が無いこと。
看板の条件は見落としやすい。近所から見て、管理されている家だと分かるようにする趣旨です。
庭木と雑草は、放っておくと近隣からの苦情になります。空き家の管理で、いちばん先に問題になる場所です。
貸す道を考えるなら、住宅リフォーム資金助成も見ておいてください。区の案内では、空き家・空き室のバリアフリーリフォームも対象とされています。
売るか貸すかで迷っているなら、家を売るか貸すか。判断の分かれ目で収支の見方をそろえてから決めても遅くありません。
目黒区はマンションの区。戸建ては古くても落ちにくい
目黒区の実成約データで、取引がいちばん多いのは中古マンションです。次が戸建てで、いちばん少ないのが土地でした。
分譲マンションの一室は区分所有です。所有者の判断で解体はできません。
ここまで書いた助成は、マンションの空き家には関係しません。残るのは売る、貸す、持ち続けるの3つです。
築年数の落ち方は、戸建てとマンションで形が違います。ここが目黒区の特徴です。
戸建ては、築10年以内と比べて築46年以上の中央値があまり下がりません。値段の大半を土地が占めているためです。旧耐震の家でも、古いというだけで安く見られるとは限りません。
中古マンションは違います。築10年以内に比べて、築46年以上の中央値は半分以下になります。いちばん大きく落ちるのは、築21〜30年から築31〜45年へ移るところでした。
用途地域による差も出ています。戸建ての中央値がいちばん高いのは第1種低層住居専用地域、いちばん低いのは第1種中高層住居専用地域です。取引がいちばん多いのも第1種低層住居専用地域でした。
地区の差もはっきりしています。戸建ての成約が多いのは、多い順に目黒本町、上目黒、中町、八雲、碑文谷です。中央値が高いのは八雲、低いのは中町でした。
中古マンションの成約が多いのは、多い順に下目黒、中目黒、目黒、青葉台、碑文谷です。土地は1平方メートルあたりの単価が高いのが上目黒、低いのが南でした。
数字も置いておきます。目黒区の戸建ての成約価格の中央値は13,000万円、成約は714件で、真ん中の半分は9,400万円〜20,000万円に入ります。土地は1平方メートルあたりの中央値が120万円、成約は282件です。
直近1年の中央値は、戸建ても中古マンションも、その前の1年に比べてやや上がっています。急いで手放す理由も、待てば上がるという保証も、この数字だけからは出てきません。
マンションでいちばん多い間取りは2LDKで、次が1LDKです。改装済みのマンションの中央値は未改装より高く出ていますが、かけた改装費をそのまま価格に乗せられるとは限りません。直す前に、現況のままの価格と直した場合の価格を両方聞いてください。
同じ市のなかでも、駅からの距離と土地の形で価格は変わります。まず自分の地域の実際の成約価格を見ます。
売る・貸す・壊す・持ち続ける。目黒区の材料で決める
順番を決めると迷いが減ります。目黒区の場合はこうなります。
まず名義。 登記事項証明書で権利関係を確認します。共有なら、売るのも壊すのも全員の合意が要ります。
次に現況のままの査定。 目黒区はマンションと戸建ての取引が厚く、比べられる事例があります。手を加える前の値段を先に知ってください。区全体の数字は目黒区の不動産売却にまとめています。
貸すなら、自分で募集する前提で。 空き家バンクは無く、区が相手を連れてくる仕組みもありません。バリアフリー改修なら、住宅リフォーム資金助成の対象になるかを住宅課に聞いてください。
壊すのは、いちばん後。 更地に戻すとやり直しがききません。住宅用地の特例が外れて、土地の税負担が変わることもあります。しかも区の除却工事助成には居住要件があります。補助を当てにして解体費の計画を立てると、外れたときの穴が大きくなります。
持ち続けるなら、管理の助成を使う。 管理委託と庭木のせん定には助成があります。額は大きくありませんが、放置して傷ませるより費用は抑えられます。相談は住宅課 空家対策調整係です。
相続した空き家を売るなら、譲渡所得から3,000万円を差し引ける特例が使えることがあります。この特例に必要な被相続人居住用家屋等確認書は、目黒区が交付しています。
要件は細かいので、相続した空き家を売る。3,000万円を引ける制度で確認してください。
この記事の制度の内容は、2026年8月時点の目黒区の公開情報にもとづきます。確認できなかったことも書いておきます。
不燃化特区の除却助成の補助率と上限額、除却工事助成の令和8年度の予算枠、宅建業者の除外規定は分かりませんでした。空家対策の担当に直通の電話があるかどうかも確認できていません。
制度は年度で変わります。動き出す前に、次の窓口で最新の内容を確かめてください。
- 木造住宅等除却工事助成制度・不燃化特区: 建築課 耐震化促進・狭あい道路整備係 03-5722-9490
- 空き家全般・空家の適切な管理に対する助成: 住宅課 空家対策調整係 03-5722-8692
- つながらない場合: 目黒区代表 03-3715-1111
見本(愛知県豊橋市の戸建ての例)
値段の目安レポート(無料)
目黒区で売るなら、いくらくらいか
目黒区で実際に売れた取引と比べて、土地と建物を分けて計算します。比べた取引も、掛けた数字も、全部レポートに載せます。