空き家を、壊すか貸すか売るか
空き家の解体補助金 愛知・岐阜・三重・東京23区 70市区町村一覧【2026年8月】
編集部
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結論から 愛知・岐阜・三重・東京の70市区町村を調べたところ、2026年8月時点で受付中と確認できたのは28自治体でした。14自治体には空き家専用の制度そのものがなく、4自治体は今年度分の受付が終わっています。上限20万円が23自治体で最も多い一方、東京は桁が違います。練馬区は4分の3・上限200万円、杉並区は80%・上限150万円です。どの自治体も工事の契約前に申請することを条件にしているので、先に解体を頼むと使えません。
空き家を持っていて、壊すかどうか迷っている人が最初に知りたいのは「自分の市町村はお金を出してくれるのか」です。ところが、この情報はまとめサイトを見てもあてになりません。廃止された制度がそのまま残っていたり、今年度の受付が終わっているのに「使えます」と書かれていたりします。
そこで、愛知・岐阜・三重・東京の70市区町村について、自治体の公式サイトだけを見て調べ直しました。下の表がその結果です。
金額が公表されていない市町村は、推測で埋めずに空欄にしてあります。空欄はごまかしではありません。
調べて分かったこと
東京23区は、金額の桁が違う
同じ「空き家の解体補助」でも、東海3県と東京では規模が違います。愛知でいちばん多いのは上限20万円です。東京は杉並区が工事費の80%・上限150万円、練馬区が4分の3・上限200万円(空家等活用促進地区)です。
墨田区は跡地を10年間区に無償で貸すことを条件に、上限300万円です。北区は不燃化特区で区に土地を売る条件なら、上限500万円まであります。
単純ではありません。東京は制度が3つの層に分かれていて、ここを取り違えると使えません。**①空き家であることが条件の制度、②旧耐震の木造住宅向けで居住中でも使える制度、③不燃化特区の助成(丁目単位で地区が決まっている)**の3つです。
大田区や江東区の除却助成は②で、空き家であることは条件になっていません。逆に江戸川区は②の制度ですが、空き家だと上限が50万円から100万円に上がります。呼び方だけでは分かりません。
もう一つ、東京特有の注意点があります。墨田区と荒川区は宅地建物取引業者を対象から外しています。不動産会社が買い取ってから解体する場合は使えません。
空き家専用の解体補助がない市町村が10あります。 津市・西尾市・半田市・東海市・長久手市・みよし市・高浜市・瑞穂市・東郷町・大治町です。この10市町村にも「木造住宅の除却補助」はあります。ただし旧耐震(昭和56年5月31日以前)の木造住宅向けの制度で、空き家であることは条件になっていません。逆に、耐震診断を受けていない空き家では使えないことがあります。愛西市は「空き家の場合、除却工事を前提とした耐震診断の受付はできません」と公式に書いています。
今年度の受付がもう終わっている市町村もあります。 関市は解体費補助と家財処分費補助の両方が受付終了しました。武豊町は空き家枠4件が埋まって受付停止、一宮市は2026年8月6日をもって予算上限に達する見込みと告知しています。小牧市は制度そのものが令和7年度で廃止されました。理由も公表されています。市の調査で「899棟の空き家のうち約8割にあたる691棟は中古住宅として売却・賃貸などの利活用が期待できる」と分かったため、解体の推進から利活用へ方針を変えたと書かれています。
枠が小さい市町村が多いことも、実務では影響してきます。 令和8年度の予定件数は、武豊町が空き家4件、北名古屋市が3棟、江南市が5棟、瀬戸市が13件、松阪市が24件です。先着順なので、年度のはじめに動いた人から埋まっていきます。早い者勝ちです。
使う前に必ず確認すること
契約より先に申請する。 これはどの市町村でも共通で、いちばん多い失敗です。解体業者に頼んでから「補助金があると聞いたので」と窓口に行っても、もう間に合いません。
判定を受ける手続きが別にある市町村が多い。 「不良住宅かどうか」「危険空家かどうか」を市町村の職員が現地で見て判断します。知立市は交付申請の14日前まで、碧南市も申請の14日前までに判定が必要です。東浦町と阿久比町は着手前の現地調査が条件になっています。
更地にすると固定資産税が上がることがある。 阿久比町は補助のページにこの注意書きを載せています。住宅が建っている土地は固定資産税・都市計画税が軽くなる特例があり、解体するとその特例が外れます。解体費が補助で軽くなっても、そのあとの税負担が増えることは知っておいてください。
関市で受付が終わっていたら、どう動くか
関市の空き家の解体費補助と家財処分費補助は、今年度の受付が終わっています。来年度も同じ制度があるかは、この記事では確かめられていません。次の受付があるかは、市の担当窓口に直接聞くのが確実です。
待つあいだに気をつけたいのは、解体業者と先に契約してしまうことです。補助金は、契約より先に申請するのが前提でした。来年度の補助を使うつもりなら、業者とは見積もりまでにしておいてください。
受付が終わっているなら、補助金の額より先に考えることがあります。この家が、建物のまま売れるかどうかです。建物に値段が付くなら、補助金を待たずに壊さないほうがいい場合もあります。
壊さずに引き取り手を探すなら、空き家バンクも候補です。関市にあるかどうかは空き家バンクは、うちの市にあるか 87市区町村一覧で確かめられます。
関市の制度の中身は、関市の空き家、解体補助金は?にまとめています。
解体するか、そのまま売るか
補助金の額を見てから決める人が多いのですが、順番としては先に「この家は建物のまま売れるのか」を確かめるほうが早いです。買い手が土地として見ている地域なら、解体してから売ったほうが高く売れることがあります。
逆に、建物に値段が付く地域で先に壊すと、その分を丸ごと損します。
判断の材料は、その市町村の実際の成約データです。市区町村ごとの相場と取引の傾向を見ると、戸建てが何件動いていて、築年数でどのくらい値段が下がっているかが分かります。解体費用の考え方は空き家の解体費用と業者選びに、片づけの進め方は空き家の片付け方法と費用にまとめています。
相続した家で、まだ名義が親のままなら、売るにも壊すにも先に名義を変える必要があります。相続した実家を売るまでの順番から読んでください。
壊さずに引き取り手を探す手もあります。自治体が窓口になる空き家バンクがどこにあるかは、空き家バンクは、うちの市にあるか 87市区町村一覧にまとめました。バンクへの登録が、解体費の補助を受ける条件になっている市もあります。
愛知・岐阜・三重・東京の70市区町村について、空き家の解体にお金が出るかどうかを、市町村の公式サイトだけを見て調べました。
2026年8月時点で受け付けているのは28件。14件は空き家専用の制度そのものがなく、4件は今年度の受付が終わっています。
金額が公表されていない市もあります。その場合は空欄にしてあります。推測では埋めていません。
締切が近い順(2026年度・受付中と確認できたもの)
どの自治体も先着順で、予算がなくなった時点で締め切ります。金額より先に、間に合うかどうかを見てください。
- 10月31日 鈴鹿市(50万円)
- 11月30日 岐阜市(50万円)
- 11月30日 津島市(50万円)
- 11月30日 名張市(20.7万円)
- 12月11日 蟹江町(20万円)
- 12月25日 桑名市(30万円)
- 12月28日 豊川市(20万円)
- 12月28日 大府市(20万円)※受付状況は要確認
- 12月31日 知立市(20万円)※受付状況は要確認