空き家を売る
荒川区の空き家、解体補助金は? 費用の3分の2・上限100万円。空き家が対象
編集部
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結論から 荒川区で空き家を壊すなら、中心になるのは老朽空家除却助成事業です。助成率は解体費用(消費税相当額を除く)の3分の2で、上限は1件につき100万円になります。ただし区が「不良住宅」と判定した場合は、延べ面積1平方メートルあたり26,000円(延べ面積500平方メートルまで)が上限に変わります。主な要件は、1年以上使用されていないことが確認できること、昭和56年5月31日以前の建築であること、区の現場調査で倒壊などのおそれがあると判定されること、所有者が個人または中小企業であること(宅地建物取引業者は除く)、住民税と国民健康保険料の滞納がないことです。区の現場調査と判定が先に入るため、業者と契約する前に区へ相談してください。窓口は防災都市づくり部 住まい街づくり課 防災街づくり係(03-3802-3111・内線2827と2829)です(2026年8月時点)。
荒川区で空き家を持っている人が、最初に押さえておくべき制度があります。老朽空家除却助成事業です。
この区の解体助成は、空き家そのものを対象にしています。使われていない期間が、要件にはっきり書かれています。
この記事は荒川区の制度と、荒川区の実成約データに絞って書きます。内容は2026年8月時点のものです。
荒川区の解体助成は空き家が対象。上限100万円だが、上限の決め方が2通りある
荒川区の解体で中心になるのは「老朽空家除却助成事業」です。区のページでは「古い空家の解体費助成」と案内されています。
対象は区内全域。2026年8月18日に更新された現行の制度です。
助成の中身はこうなっています。
- 助成率は、解体費用の3分の2。消費税相当額は除いて計算します
- 上限は、1件につき100万円
- ただし区が「不良住宅」と判定した場合は、上限の決め方が変わります
- そのときの上限は、延べ面積1平方メートルあたり26,000円(延べ面積500平方メートルまで)
ここが荒川区の分かりにくいところです。上限が1本ではありません。
不良住宅とは、構造などが著しく不良だと区が判定した建物を指します。判定が出ると、上限は面積に連動する形へ切り替わります。
延べ面積によっては、100万円より低い上限になります。面積が大きい建物なら、500平方メートルの枠まで積み上がる形です。
自分の建物がどちらの計算になるか。これは区の現場調査の結果で決まります。事前に自分で選べるものではありません。
もう1つ、令和8年度からの変更があります。アスベスト除去費の加算助成が拡充されました。
加算の額は、公開情報では確認できませんでした。古い建物で吹き付け材が疑われるなら、この点も一緒に聞いてください。
問い合わせ先は、防災都市づくり部 住まい街づくり課 防災街づくり係です。電話は03-3802-3111、内線2827と2829になります。
対象になるかは「1年以上使っていない」と「昭和56年5月31日以前」で決まる
要件を先に見てください。金額の話は、ここを通ってからです。
- 1年以上使用されていないことが確認できること
- 昭和56年5月31日以前に建てられたこと
- 区の現場調査で、倒壊などのおそれがあると判定されること
- 所有者が個人または中小企業であること。宅地建物取引業者は除かれます
- 住民税と国民健康保険料の滞納がないこと
3つ目に注目してください。区の現場調査が、要件そのものに入っています。
自分で「古いから危ない」と判断しても通りません。区が見に来て、判定を出す。この工程が必ず前に入ります。
だから、業者と契約するより先に区へ電話してください。先に解体を契約すると、判定を受ける前に工事が動き出します。
補助金は交付決定より前の契約や着手を認めないのが一般的です。荒川区が契約のタイミングをどう扱うかは、公開情報では確認できませんでした。ここは電話で確かめる価値があります。
見積もりを取ること自体は、たいてい問題になりません。判を押す前に、一度区に確認する。順番はそれだけです。
所有者の条件にも、荒川区らしさがあります。個人だけでなく中小企業も対象に入ります。ただし宅地建物取引業者は外れます。
会社名義で持っている建物なら、まず登記と業種を確かめてください。
滞納の条件も見落とされがちです。住民税だけでなく、国民健康保険料も見られます。
解体費そのものは、建物の構造と、重機が入れる前面道路の幅で変わります。金額の目安ではなく確かめ方を空き家・古家の解体費用は何で決まる?にまとめました。見積もりは複数社から取ってください。
同じ市のなかでも、駅からの距離と土地の形で価格は変わります。まず自分の地域の実際の成約価格を見ます。
住所が不燃化特区に入っているなら、当たる助成が変わる
荒川区には、不燃化特区整備促進事業もあります。こちらは空き家専用ではありません。老朽建築物が対象です。
対象地区は2つに分かれています。
荒川・南千住地区は、荒川1〜4丁目と7丁目ほか。
町屋・尾久地区は、荒川5〜6丁目、町屋2〜4丁目、東尾久1〜6丁目、そして西尾久の各丁目です。
助成の中身はこうなっています。
- 解体工事費は、延べ面積1平方メートルあたり26,000円(500平方メートルまで)
- アスベスト除去費は、1平方メートルあたり7,000円(500平方メートルまで)
要件は次のとおりです。
- 耐用年数の3分の2を超えた木造建物であること
- または、昭和56年5月31日以前に建てられた危険な非木造建物であること
- 所有者または土地所有者であること。個人と中小企業が対象で、宅地建物取引業者は除かれます
- 住民税などの滞納がないこと
木造と非木造で、条件の書き分けがあります。非木造でも、昭和56年5月31日以前で危険と判断されるものは入ります。
もう1つ、不燃化特区には住み替え助成事業があります。老朽住宅の解体にともなって区内の民間賃貸へ移る場合に、一時費用が助成される制度です。
解体したあと、自分がどこに住むか。ここが決まらずに止まっている人は、この制度があることを先に知っておいてください。
令和8年度の予算総額と、件数の枠。どちらも公開情報では確認できませんでした。枠が残っているかは、住まい街づくり課(03-3802-3111)に電話で聞くのが確実です。
荒川区の実成約。マンションが主役で、戸建ては地区の差が大きい
制度の話から、市場の話に移ります。
荒川区で取引がいちばん多いのは中古マンションです。次が戸建てで、いちばん少ないのが土地でした。
土地の取引がいちばん少ない。更地にする前に、ここは知っておいてください。解体したあとの出口は、区内でいちばん薄い市場です。
築年数の落ち方を見ます。
中古マンションは、築10年以内に比べて築46年以上の中央値が半分以下になります。落差がいちばん大きいのは、築21〜30年から築31〜45年へ移るところでした。
戸建ては、築10年以内に比べて築46年以上が3割ほど下がります。段差がいちばん大きいのは、築31〜45年から築46年以上へ移るところです。
同じ区の中でも、値が落ちる場所がずれています。手持ちの物件がどちらで、いまどの帯にいるか。ここを先に確かめてください。
直近1年の動きも違いました。中古マンションの中央値ははっきり上がり、戸建てはほぼ横ばいです。
用途地域では、取引がいちばん多いのが準工業地域でした。戸建ての中央値がいちばん高いのは商業地域で、いちばん低いのは近隣商業地域です。
前面道路の幅でも中央値に差が出ています。区分は4m未満、4〜6m、6m以上の3つ。前の道が何mあるかは、査定の前に測っておいてください。
地区の差は、かなり大きく出ています。
戸建ての成約が多いのは、東尾久・荒川・西尾久・東日暮里・町屋の順でした。中央値がいちばん高い地区は西日暮里で、いちばん低い地区は西尾久です。
中古マンションの成約が多いのは、南千住・東日暮里・荒川・西日暮里・町屋の順。間取りは3LDKがいちばん多く、次が2LDKでした。
土地の1平方メートルあたり単価は、西日暮里がいちばん高く、西尾久がいちばん低くなっています。
ここで前の章と突き合わせてください。不燃化特区の対象は、荒川・南千住・町屋・東尾久・西尾久です。
戸建ての成約が多い地区と、ほとんど重なります。
そして西尾久は、戸建ての中央値も土地の単価も区内で低い地区です。解体の助成が用意されている地区と、更地にしたあとの値が伸びにくい地区が重なっている。ここが荒川区の形です。
助成が使えるからといって、更地が正解になるとは限りません。壊す前に、更地の査定も取ってください。
一方で西日暮里は、戸建ての中央値も土地の単価も区内で高く出ています。ただし不燃化特区の対象地区としては挙がっていません。
改装済みのマンションは、未改装より中央値が高く出ています。ただし、かけた改装費をそのまま価格に乗せられるとは限りません。直してから売るかどうかは、「直した場合」と「現況のまま」の両方を査定で聞いてから決めてください。
区全体では、戸建ての成約価格の中央値が6,000万円です。成約は554件で、真ん中の半分は4,500万円〜8,900万円に入ります。
土地は1平方メートルあたりの中央値が62万円、成約は330件でした。区全体の相場は東京都荒川区の不動産売却にまとめています。
売る・貸す・壊す・持ち続ける。荒川区の材料で決める
売る。 まず現況のまま査定を取ります。区分所有のマンションなら、直近1年は中央値が上がっている局面でした。
戸建てで築31〜45年の帯にいるなら、次の段差は築46年以上です。持ち続けるうちに、その帯へ入っていきます。
相続した空き家なら、譲渡所得から3,000万円を引ける制度が使える場合があります。全国共通の制度で、荒川区の空き家対策ページにも特例措置として案内があります。
要件は相続した空き家を売る。譲渡所得から3,000万円を引ける制度にまとめました。
貸す。 荒川区には「空家利活用事業補助金」があります。空き家を活用して地域に貢献する事業を行う人に、改修工事費用を補助する制度です。
補助率と上限額は、区のページに記載がありませんでした。金額はここで断定できません。住まい街づくり課に直接聞いてください。
空き家バンクやマッチングにあたる制度は、区の空き家対策ページを見た限りでは確認できませんでした。区が「無い」と書いているわけでもないので、断定はしません。
普通に賃貸へ出すなら、入口は民間の不動産会社になります。売るか貸すかで迷っているなら、家を売るか貸すか。判断の分かれ目と貸した場合の収支を先に読んでください。
壊す。 上限100万円の枠を使うなら、区の現場調査と判定が先です。契約はそのあとに置いてください。
更地にすると土地の固定資産税が上がるのが一般的です。壊す前に、税額がどう変わるかを確認しておいてください。
持ち続ける。 荒川区には空家等専門家派遣支援制度があります。区は空き家の実態調査も行っています。
決めきれないなら、専門家派遣を使って現在地を整理するという手もあります。貸す・売る・壊すの全体像は空き家の活用方法。貸す・売る・解体、選び方の全体像で整理しています。
制度の要件も受付の期間も、年度ごとに変わります。この記事は2026年8月時点の公開情報にもとづくものです。
公開情報では確認できなかったことが3つあります。
- 空家利活用事業補助金の補助率と上限額
- 令和8年度の予算総額と件数の枠
- 空き家バンクが無いのか、ページが未整備なのか
動き出す前に、住まい街づくり課 防災街づくり係で最新の内容を確かめてください。電話は03-3802-3111、内線2827と2829です。