空き家を売る
足立区の空き家、解体補助金は? 不燃化特区で上限280万円。制度は3つに分かれる
編集部
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結論から 足立区の空き家の解体・除却に使える助成は3つに分かれます。老朽家屋等(危険な空き家等)解体工事助成は、足立区老朽家屋等審議会が危険な老朽家屋として「勧告すべきもの」と認定した建物だけが対象で、助成率と上限額は区の公式ページ本文では確認できませんでした。旧耐震の木造住宅には耐震助成の除却工事助成があり、除却工事費用の9割・上限150万円です。ただし区の助成を受けた耐震診断で、概ね2年以内に補強が必要と判定されていることが前提になります。西新井駅西口周辺地区と足立区中南部一帯地区の不燃化特区では、除却助成の上限が280万円です。申請と契約の順番は公式ページで確認できなかったため、契約の前に窓口へ確認してください(2026年8月時点)。
東京都足立区で空き家を持っているなら、最初に確かめるのは金額ではありません。その建物が、区のどの制度の入口に立っているかです。
足立区の解体・除却の助成は3つに分かれます。分ける軸は、建物の傷み具合と、建てられた年代と、建っている場所です。
この記事は足立区の制度と、足立区の実成約データに絞って書きます。制度の内容は2026年8月時点のものです。
足立区の解体助成は3つ。どれに当たるかは建物で決まる
1つめは、老朽家屋等(危険な空き家等)解体工事助成です。空き家専用の制度ですが、対象はかなり狭くなっています。
足立区老朽家屋等審議会が、危険な老朽家屋として「勧告すべきもの」と認定した建物だけが対象です。所有者が「うちは危ないから対象だろう」と考えても、それでは通りません。認定が先に立ちます。
助成率と上限額は、区の公式ページの本文では確認できませんでした。金額を知りたいなら、建築監察係(03-3880-6497)へ直接聞いてください。
2つめは、木造住宅・建築物への耐震助成のうち、除却工事助成です。対象は旧耐震の木造住宅で、空き家専用の制度ではありません。
助成率は除却工事費用の9割、上限は150万円です。戸建でも共同住宅でも同じ枠になっています。
ただし、条件がひとつ手前にあります。区の助成を受けた耐震診断で、概ね2年以内に補強が必要と判定された建物であることです。
つまり入口は解体の見積もりではなく、耐震診断です。診断を受けていない家は、そこから始まります。窓口は建築防災課 耐震化推進第一・第二係(03-3880-5317)です。
空き家に使えるかどうかは、区に確認してください。空き家専用の制度ではないため、人が住んでいない建物での扱いはこちらでは確認できませんでした。
3つめは不燃化特区の助成です。こちらは建物の状態ではなく、場所で決まります。あとの節で分けて書きます。
空き家全般の相談は、住宅課空家担当(建築室開発指導課 建築紛争・空き家担当、03-3880-5737)が受け付けています。3つの制度で担当課が違います。電話をかける前に、建てた年・構造・住所を手元に置いてください。
契約書に判を押す前に、電話を1本入れる
解体や除却の助成には、申請と工事の順番という落とし穴があります。交付決定より前に契約や着工をすると、あとから助成が受けられない扱いになっている制度が少なくありません。
足立区の各制度について、申請と契約の前後関係を公式ページの本文で確認することはできませんでした。だからこそ、契約の前に窓口へ聞いてください。ここを飛ばすと取り返しがつきません。
見積もりを取る行為そのものは、ふつう制限されません。危ないのは、業者と話を進めるうちに、その場で契約書に署名してしまう場面です。
見積もりは複数社から取ってください。解体の費用は建物の構造で変わります。現場まで重機が入る道があるかどうかでも、金額と工期は動きます。
足立区の成約データでは、前面道路の幅で戸建ての中央値に差が出ています。集計に出ている区分は4m未満、4〜6m、6m以上の3つです。道の広さは、解体の段取りと売却の条件の両方に効いてきます。
費用の決まり方と業者の選び方は空き家・古家の解体費用は何で決まる?にまとめました。
確認できなかったことも、正直に書いておきます。各制度の令和8年度の受付期間、締切、予算枠は、公式ページでは分かりませんでした。年度の途中で受付が終わることもあります。
庭木と雑草は、放っておくと近隣からの苦情になります。空き家の管理で、いちばん先に問題になる場所です。
不燃化特区なら、壊したあとに建てる道もある
足立区には不燃化特区があります。対象は西新井駅西口周辺地区と、足立区中南部一帯地区です。
この制度は空き家専用ではなく、老朽建築物一般が対象になります。区域の中か外かで、使える制度が変わります。
除却助成の上限は280万円です。実費か、㎡単価で計算した額のうち、低いほうが助成されます。㎡単価は木造が28,000円、軽量鉄骨が41,000円です。
ここには、もう一段先の話があります。壊して終わりではなく、建て替えまでを助成する枠が用意されています。
建替え助成は、いくつかの枠を組み合わせた形です。解体費が最大280万円、設計・監理費が最大70万円。ほかに建築費の助成と、高齢者世帯加算(一律200万円)があります。
建築費の助成は令和8年度に増額されました。増額後の額は延床面積で変わるため、窓口で確かめてください。
相続した実家が区域内にあるなら、売る前に考える余地があります。建て替えて貸す、あるいは自分たちが住む。そういう手もあります。
自分の土地が区域に入っているかどうかは、地図を眺めても判断できません。住所を伝えて区に確認するのが早いです。
足立区で数が多いのはマンションの空き家。こちらは壊せない
足立区の実成約データで、取引がいちばん多いのは中古マンションです。次が戸建てで、いちばん少ないのが土地でした。
ここが判断の分かれ目になります。分譲マンションの一室は区分所有です。自分の判断で解体することはできません。
これまで書いてきた3つの助成は、マンションの空き家には関係しません。残る道は、売るか、貸すか、持ち続けるかです。
築年数の落ち方には、はっきりした段差があります。いちばん大きく落ちるのは、築21〜30年から築31〜45年に移るところでした。
築46年以上の中央値は、築10年以内の半分以下です。相場が上がっている局面でも、建物は毎年その段差に近づきます。
値動きの材料もあります。直近1年の中古マンションの中央値は、その前の1年に比べてやや上がりました。
間取りは3LDKがいちばん多く、次が2LDKでした。比べられる事例が多い層です。査定の根拠を確かめやすくなります。
改装についても数字が出ています。足立区では、改装済みのマンションの中央値が未改装より高く出ています。ただし、かけた改装費をそのまま価格に上乗せできるとは限りません。
中央値が高いことと、費用を回収できることは別の話です。売る前の改装を考えているなら、現況のままの価格と直した場合の価格を両方聞いてから決めてください。
成約が多い地区は、多い順に梅田、綾瀬、東和、中央本町、新田でした。
戸建ては築46年の手前で一段落ちる
戸建ての段差は、マンションより後ろに来ます。いちばん大きく落ちるのは、築31〜45年から築46年以上に移るところでした。
築46年以上の中央値は、築10年以内の半分以下です。ここで制度と重ねてみます。
耐震助成の対象になる旧耐震の木造住宅は、2026年の時点で概ね築45年を超えます。助成が用意されている築年と、価格が一段下がる築年が重なっています。
用途地域にも偏りがあります。戸建ての中央値がいちばん高いのは第1種中高層住居専用地域で、いちばん低いのは第2種中高層住居専用地域でした。
取引がいちばん多い用途地域も、第1種中高層住居専用地域です。価格の上位と取引の厚みが、同じ地域に重なっています。
地区による差も出ています。戸建ての成約が多いのは、多い順に西伊興、梅田、花畑、江北、舎人です。中央値が高いのは伊興、低いのは花畑でした。
土地の1平方メートルあたりの単価では、綾瀬が高く、小台が低く出ています。同じ足立区でも、地区で水準が違います。
足立区全体では、戸建ての成約価格の中央値は4,500万円です。成約は2,835件で、真ん中の半分は3,600万円〜5,700万円に入ります。
土地は1平方メートルあたりの中央値が34万円、成約は639件です。
直近1年の戸建ての中央値は、その前の1年に比べてやや上がっています。急いで手放す材料も、待てば必ず上がるという材料も、この数字だけからは出てきません。
売る・貸す・壊す・持ち続ける。足立区の材料で決める
迷っているなら、この順で確かめてください。
まず名義。 登記事項証明書で、名義と権利関係を確認します。共有になっていれば、売るのも壊すのも全員の合意が要ります。相続登記が済んでいないなら、司法書士会の相続登記相談センター(0120-13-7832)が相談を受け付けています。
次に現況のままの査定。 足立区は中古マンションと戸建ての取引が厚く、比べられる事例があります。手を加える前の値段を先に知ってください。相続した空き家を売るなら、譲渡所得から3,000万円を差し引ける特例が使えることがあります。要件は細かいので相続した空き家を売る。譲渡所得から3,000万円を引ける制度で確認してください。
貸す道も、査定と並べて見る。 足立区の公式サイト上で、登録・マッチング型の空き家バンクは見つけられませんでした。ただし「無い」と書かれたページも特定できていないので、断定はしません。区は「空き家・空き地利活用無料相談会」「空き家ワンストップ無料相談会」を開いています。売るか貸すかの比べ方は家を売るか貸すか。判断の分かれ目と貸した場合の収支にまとめています。
壊すのは、いちばん後。 足立区は土地の取引がいちばん少ない区分です。更地にしたあとの出口は、マンションや戸建てほど厚くありません。更地に戻すとやり直しがきかず、住宅用地の特例が外れて土地の税負担が変わることもあります。古家付きのまま売る道と比べてから決めてください。判断の材料は更地と古家付き土地の選び方にあります。
持ち続けるなら、費用が出続ける前提で。 管理の手間と固定資産税は毎年かかります。傷みが進めば、区が危険な老朽家屋として扱う対象に近づきます。
売ると決めたあとの段取りは家を売る流れは7ステップ。査定から引き渡しまでの期間の目安で確認できます。
この記事の制度の内容は、2026年8月時点の足立区の公開情報にもとづきます。危険空き家の解体助成の助成率と上限額、各制度の令和8年度の受付期間と締切、予算枠は確認できませんでした。動き出す前に、次の窓口で最新の内容を確かめてください。
- 空き家全般の相談: 住宅課空家担当(建築室開発指導課 建築紛争・空き家担当)03-3880-5737
- 危険な空き家の解体助成: 建築監察係 03-3880-6497
- 旧耐震木造の除却工事助成: 建築防災課 耐震化推進第一・第二係 03-3880-5317