空き家を売る
常滑市の空き家、解体補助金は? 上限30万円。危険空家の判定が先
編集部
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結論から 常滑市には空き家専用の「危険空家住宅除却費補助金」があり、対象経費の5分の4・上限30万円です。ただし対象は「危険空家住宅」の判定通知を受けた建物に限られ、判定申請から交付申請、契約、工事完了まで順番が決まっています。特に交付申請は工事の契約前・着手前に済ませる必要があります。空き家バンク登録物件には利活用改修費補助(一般50万円・地域活性化100万円が上限)もあります。窓口は建設部 都市計画課(0569-47-6122)です(2026年8月時点)。
常滑市の空き家を相続した、あるいは自分の持ち家が空き家になった。売るか、貸すか、壊すか、迷っている段階だと思います。
常滑市には空き家専用の解体補助があります。ただし対象になる建物には条件があり、手続きの順番を間違えると使えません。
この記事は常滑市の制度と実成約データに絞って書きます。内容は2026年8月時点のものです。
危険空家住宅除却費補助金。対象経費の5分の4・上限30万円
常滑市には「常滑市危険空家住宅除却費補助金」という空き家専用の解体補助があります。平成31年4月に始まった制度です。
補助率は対象経費の5分の4、上限は30万円です。実際にかかった費用の8割を補助する仕組みで、上限の範囲内であれば費用に応じて補助額が変わります。
ただし、誰でも使えるわけではありません。対象になる建物の条件は次のとおりです。
- 常滑市内にあり、1年以上使用されていない建物であること
- 主に居宅として使われていたこと
- 個人が所有していること
- 所有権以外の権利設定がないこと(権利者の同意があれば対象になる場合もあります)
- 公共事業の補償対象になっていないこと
- 常滑市から「危険空家住宅」と判定する通知を受けていること
最後の一項目が、この制度のいちばんの特徴です。「空き家だから対象」ではなく、「危険空家住宅と判定された空き家だから対象」という仕組みです。自分の家がその判定を受けられるかどうかは、実際に見てもらわないと分かりません。
申請者側の条件もあります。所有者本人であること、市税を滞納していないこと、共有者や土地所有者がいる場合はその同意があることです。
外壁の色あせは、買い手が値段を下げる理由にはなりにくい部分です。塗り替えの費用は、売値に戻ってきません。
手続きは判定申請から。交付申請は契約前・着手前
危険空家住宅除却費補助金は、手続きの順番が決まっています。飛ばしたり前後させたりすると、補助を受けられません。
流れはこうです。
- 市への事前相談
- 判定申請
- 判定通知(「危険空家住宅」と認められる)
- 交付申請(工事の契約前・着手前)
- 契約(交付決定通知日から90日以内、または1月末日までのいずれか)
- 工事完了(2月末まで)
- 実績報告
- 交付請求
この中でいちばん見落とされやすいのが、4番目の交付申請です。業者と契約したあと、あるいは工事に着手したあとに申請しても間に合いません。必ず契約前に交付申請を済ませてください。
契約の期限、工事完了の期限もそれぞれ決まっています。交付決定通知を受けてから90日以内か1月末日、工事完了は2月末までです。
年度をまたいで動く話なので、いつ判定申請を出すかで実際に間に合う年度が変わってきます。早めに事前相談から動き始めることをおすすめします。
この制度は令和8年7月30日更新のページで案内されており、確認した時点で受付停止の告知はありませんでした。ただし年度ごとに予算の上限や件数の枠が設けられている可能性があります。動き出す前に、建設部 都市計画課(0569-47-6122)で最新の状況を確認してください(2026年8月時点)。
解体費用そのものの相場は、建物の構造や重機が入れる前面道路の幅で変わります。金額の目安ではなく確かめ方は、空き家・古家の解体費用は何で決まる? にまとめました。
空き家バンクと利活用改修費補助。一般は50万円、地域活性化は100万円が上限
壊す以外の手として、常滑市空き家バンクがあります。運営は愛知県宅地建物取引業協会と連携する形です。登録の具体的な要件は公式ページに記載がなく、窓口での確認が必要です。
バンクに登録した物件には、令和5年7月に始まった「空家の利活用改修費補助」が用意されています。使い道によって補助率と上限が変わります。
一般住宅として使う場合は、補助率2分の1・上限50万円です。
地域活性化の区分は、市外からの転入者や二地域居住者の居宅として使う場合が対象です。店舗・宿泊施設等の事業用として使う場合も含まれます。この区分は補助率3分の2・上限100万円です。
自宅として住み続けるための改修なのか、それとも事業や移住者向けに使うのかで、補助の中身がはっきり分かれています。貸す・活用する方向で考えているなら、どちらの区分に当てはまるかを先に窓口で確認しておくと話が早く進みます。
相談窓口は3団体。相続した空き家の3,000万円控除
常滑市は、空き家の相談について3つの団体と協定を結んでいます。
- 愛知県司法書士会「登記・相続電話ガイド」050-3533-3707(平日10時〜13時・1回10分)
- 愛知県宅地建物取引業協会「空き家総合相談窓口」052-522-2567(平日9時〜12時・13時〜17時)
- 全日本不動産協会愛知県本部「空き家相談窓口」052-253-5031(平日10時〜16時)
登記や相続の手続きで迷っているなら司法書士会、売却や活用の相談なら宅建協会や全日本不動産協会、と分野で使い分けられます。
このほか「空き家管理ポータルサイト」もあります。管理を委託できる登録事業者を確認できます。市の方針をまとめた「常滑市空家等対策計画」も公開されています。
相続した空き家を売る場合は、譲渡所得から3,000万円を差し引ける制度が使える場合があります。対象は被相続人の居住用家屋とその敷地を相続した人で、要件や期限は全国共通です。
詳しい中身は 相続した空き家を売る。3,000万円を引ける制度 にまとめてあります。
制度の担当課は、建設部 都市計画課(0569-47-6122)です(2026年8月時点)。
常滑市の実成約。地区ごとの差がはっきり出る
制度の話から、市場の話に移ります。
常滑市で取引がいちばん多いのは戸建てです。次に多いのが土地で、中古マンションの取引はかなり少なくなっています。マンションを持っている場合、査定の材料になる事例自体が少ない点は覚えておいてください。
築年数の落ち方も見ておきます。戸建ては、築10年以内に比べて築46年以上の中央値が3分の1以下まで下がります。
いちばん大きく落ちるのは、築31〜45年から築46年以上に移るところです。築30年を超えたあたりが、値を維持できるかどうかの分かれ目になっています。
用途地域で見ると、戸建ての中央値がいちばん高いのは準工業地域です。いちばん低いのは第1種住居地域でした。
取引がいちばん多いのも第1種住居地域です。市場の中心はこの地域にありつつ、値そのものは準工業地域のほうが高く出ています。
前面道路の幅でも、戸建ての中央値に差が出ています。区分は6m以上・4〜6m・4m未満です。自分の空き家の前の道が何mあるか、査定を頼む前に測っておくと話が早く進みます。
直近1年の動きは、前の1年に比べてはっきり上がっています。売るタイミングを迷っているなら、この上昇が続くうちに動くという判断もできます。
マンションの間取りでいちばん多いのは4LDK、次が3LDKです。ファミリー向けの広めの間取りが中心の市場だと分かります。
地区別に見ると、戸建ての成約が多い順に、飛香台・新浜町・多屋町・(大字なし)・保示町となっています。中央値がいちばん高いのは多屋町、いちばん低いのは新田町でした。同じ常滑市内でも、地区によって値は大きく違います。
常滑市全体では、戸建ての成約価格の中央値は1,900万円です。成約は273件で、真ん中の半分は1,000万円〜2,900万円に入ります。
土地は1平方メートルあたりの中央値が3.6万円、成約は145件です。市全体の相場は 常滑市の不動産売却 にまとめています。
売る・貸す・壊す・持ち続ける。常滑市の場合で整理する
四つの選択肢を、常滑市の数字と制度に当てはめます。
売る。 取引がいちばん多いのは戸建てです。直近1年の中央値もはっきり上がっているので、まずは現況のまま査定を取ってみてください。
更地にするか古家付きで出すかで迷うなら、更地で売るか、古家付き土地のまま売るか にまとめています。
貸す。 常滑市空き家バンクへの登録が入口です。地域活性化の用途に当てはまれば、利活用改修費補助は上限100万円まで使えます。売るか貸すかで迷っている段階の判断材料は、家を売るか貸すか。判断の分かれ目 にまとめました。
壊す。 危険空家住宅除却費補助金は対象経費の5分の4・上限30万円です。まず「危険空家住宅」の判定を受けられるか、事前相談から確かめてください。交付申請は契約前、この順番だけは外さないでください。
持ち続ける。 固定資産税と保険料は出続けます。常滑市の戸建て価格は直近1年で上がっていますが、築31〜45年を超えると中央値は大きく落ちます。持ち続ける年数と、建物の築年数のバランスを見て判断してください。
相続した空き家なら、3,000万円特別控除も忘れずに確認してください。
補助金の要件も予算の枠も、年度ごとに変わる可能性があります。この記事は2026年8月時点の常滑市の公開情報にもとづくものです。
令和8年度の危険空家住宅除却費補助金・利活用改修費補助の予算上限や件数枠、空き家バンクの登録要件は確認できませんでした。動き出す前に、建設部 都市計画課(0569-47-6122)で最新の内容を確かめてください。