相続した土地を使わないなら。売る・貸す・駐車場活用の選び方【建築士監修】
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相続した土地を使わないなら、選択肢は「売る」「貸す(駐車場など)」「保有し続ける」の3つです。まず名義を相続人に移す相続登記が前提になります。そのうえで、保有し続けるだけだと固定資産税と管理の負担が続くため、貸す・売るのどちらかで負担を軽くする人が多くいます。貸した場合の収益は立地と需要しだいで一律ではなく、売った場合の価格とあわせて比べてから決めるのが基本の順番です。
2026年10月19日(月)家の売却を、国の実データで。
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相続した土地を使わないなら、選択肢は「売る」「貸す(駐車場など)」「保有し続ける」の3つです。まず名義を相続人に移す相続登記が前提になります。そのうえで、保有し続けるだけだと固定資産税と管理の負担が続くため、貸す・売るのどちらかで負担を軽くする人が多くいます。貸した場合の収益は立地と需要しだいで一律ではなく、売った場合の価格とあわせて比べてから決めるのが基本の順番です。
相続で土地だけを受け継いだものの、住む予定も使う予定もない。全国どこでも、よくある相談です。
家が建っている実家の場合は貸すか売るかの判断が軸になりますが、建物のない土地は事情が少し違います。更地なのか、農地なのか、山林なのかによって、そもそも取れる手段が変わってくるからです。
相続をきっかけに、誰も使わない土地が管理されないまま放置されるケースは各地で課題になっています。まず持ち続けるコストを確認し、そのうえで土地の種類ごとの現実的な打ち手を見ていきます。
土地が亡くなった方の名義のままだと、売ることも貸すこともできません。相続人どうしで遺産分割協議を行い、相続登記で名義を相続人に移すのが最初の手順です。ここが出発点です。
相続登記は2024年4月から申請が義務化されています。正当な理由なく期限内に申請しないと、過料の対象になる場合があります。
期限や手続きの流れは、相続登記の義務化と期限 で確認できます。共有名義で相続した場合は、売る・貸すのどちらを選ぶにも共有者全員の合意が要ります。方針をそろえておくと、後がスムーズです。

「決めるまでは、とりあえず持っておく」という選択も可能です。ただし、それにも費用と手間がかかることは押さえておく必要があります。
土地を持ち続けるだけでも、次の負担は発生し続けます。
「何もしない」も一つの選択ですが、コストがゼロではないことは知っておくべきです。
同じ「使わない土地」でも、種類によって現実的な選択肢は変わります。
住宅地や駅の近くにある更地は、比較的売れる可能性が高い土地です。建物の解体費や残置物の処分が要らない分、実家を売るより手続きがシンプルになることもあります。更地は扱いやすい土地です。
当面手放すつもりがなければ、駐車場として貸す 活用も選択肢になります。同じ更地でも、市街地か郊外かで需要の見え方は変わります。周辺の土地がどう使われているかも見ておくと、判断しやすくなります。
農地は別ルールです。田や畑として使われてきた土地は、宅地のように自由に売買できません。農地法により、農地のまま売る場合も、転用して売る場合も、農業委員会の許可または届出が必要になることがあります。
ここも一筋縄ではいきません。市街化区域内か区域外かなど条件によって手続きが変わります。
具体的な進め方は農地を売る で整理し、農業委員会や自治体の窓口に確認してください。農地のまま人に貸す道もありますが、こちらも権利移動にあたるため、同じく許可や届出の対象になることがあります。
山林や原野は、そもそも欲しい人が少なく、買い手が見つかりにくい土地の代表格です。過去には、価値の低い山林・原野を割高な価格で売りつける「原野商法」が社会問題になったことがあります。今も油断できません。
近年は、その二次被害も出ています。すでに土地を持つ人に「測量してから売ります」「広告を出すので先に費用を」と持ちかけます。
実際には売却につながらないまま、費用だけを請求する手口です。甘い話には裏があります。
判断は急がなくていいです。売却を持ちかけられても契約は急がず、料金体系や実績を確認してから判断してください。買い手がすぐに見つからない場合は、後述する国庫帰属制度も選択肢に入ってきます。
ここは要注意な区域です。市街化調整区域は、都市計画法で市街化を抑制すべき区域と定められており、新しく建物を建てることが原則としてできません。
買い手が住宅ローンを組みにくいこともあり、通常の仲介では売りにくい傾向があります。区域の条件や売り方は、市街化調整区域の家・土地を売る で確認できます。
売る相手も貸す相手も見つからず、持ち続けるのも負担というときは、土地を国に引き取ってもらう道もあります。名称は「相続土地国庫帰属制度」です。
相続や遺贈で土地を取得した人が法務大臣に申請します。承認されれば土地の所有権を国庫に帰属させられる制度です(2023年4月27日開始。
それより前に相続した土地も対象です)。
ただし、誰でも使えるわけではありません。建物がある土地、担保権が設定されている土地、境界が不明な土地や争いのある土地は申請できません。崖があって管理に過分な費用がかかる土地なども承認されません。
審査手数料は土地1筆につき14,000円、加えて土地の種目ごとに10年分の標準管理費用相当額の負担金がかかります。タダでは手放せません。
具体的な負担金の金額や、自分の土地が対象になるかどうかは、法務局に確認してください。売る・貸すを一通り検討したうえでの、最後の選択肢と考えておくのが実際的です。
市街地の更地であれば、次のような進め方が現実的です。
正直に言うと、山林や原野、条件の悪い土地では、測量費や解体費、諸経費が売却額を上回ってしまうこともあります。売る前に、費用がどれくらいかかりそうかも確認しておく必要があります。
売却価格の目安は、感覚ではなく国土交通省 不動産情報ライブラリ の実際の成約価格で確かめられます。感覚で決めないほうがいいです。
名義の整理から進め方までの流れは、相続した実家を売る、進め方 にまとめています。土地だけを相続したケースでも、名義を整理する順番は同じです。
建築士の視点
土地の値段は、接道・間口・形状・高低差で大きく変わります。とくに、道路に接していない「無道路地」は、原則として建物が建てられず、買い手が極端に限られます。相続した土地がどういう条件にあるかは、公図や地積測量図、そして現地を見れば確認できます。図面も見ずに「売れない土地」と決めつけるのは早いというのが、現場で見てきた実感です。接道義務や無道路地がなぜ価格に影響するかは、再建築不可物件を売る で説明しています。
親が土地を持っていたことは分かるが、場所が分からない。相続の相談では珍しくない話です。
売る・貸すを比べる前に、まず対象の土地を特定します。手がかりは3つあります。
順番としては、納税通知書を探す、無ければ名寄帳を取る、所在地が分かったら法務局で登記を確認する、という流れになります。ここがそろって、はじめて相続登記も売却の相談も前に進みます。名寄帳を取ってみたら想定より土地の数が多く、方針を立て直すことになるケースもあります。
現地を見に行けるなら、あわせて確認しておきたいことがあります。境界杭が残っているか、隣地の塀や樹木が越境していないか、ゴミや残置物が入っていないかです。写真を撮っておくと、その後の相談が早くなります。
売却に向けて必要になる資料は土地の査定で必要な資料にまとめました。境界の扱いは土地を売るで確認できます。
売る・貸す・持ち続けるを比べるとき、売却価格をそのまま手元に残るお金として考えてしまう人がいます。実際は違います。売った代金からは、仲介手数料などの費用と、税金が引かれます。
利益が出れば、所得税と住民税がかかります。計算のもとになるのが譲渡所得です。売った価格から、買ったときの金額(取得費)と、売るためにかかった費用を引いた残りです。
引いてマイナスになるなら、課税されません。山林や条件の悪い土地では、そもそも利益が出ないこともあります。
相続した土地で誤解が多いのが、この取得費です。相続でもらったから取得費はゼロ、ではありません。亡くなった方が買ったときの金額と時期を、そのまま引き継ぎます。
所有していた期間も、親が買った日から数えます。期間の長さで税率が変わるので、ここは手取りに影響してきます。
問題は、その「買ったときの金額」が分からないことです。何十年も前の売買契約書が残っていない相続の土地は、珍しくありません。まず、親の家に残っている書類の中に、売買契約書や領収書が無いかを探してください。
見つかるかどうかで、手取りは変わります。分からなかった場合の扱いは買った金額が分からない家を売るときにまとめました。税額の計算のしかたは不動産売却の譲渡所得税で確認できます。
相続人が複数いて、遺産が土地しかない。この形が一番もめます。
現金なら金額で割れますが、土地は物理的に割れません。分け方は大きく3つです。
売って、代金を分ける(換価分割) 土地を売り、入ってきたお金を相続人で分けます。誰も使う予定がないなら、これが一番はっきりします。全員が同じ現金を受け取るので、不公平感が残りにくい。
ただし、売れるまで分配は終わりません。売却にかかる期間も価格も、事前には読みきれません。すぐ現金が要る人がいると、そこで話がずれます。
1人が土地を取り、他の人にお金を払う(代償分割) 誰かがその土地を使いたい、手放したくないときの方法です。土地を取る人が、他の相続人に自分のお金を払います。払う側にまとまった資金が要ります。
いくら払うかは土地の評価額で決めますが、この評価額で意見が割れやすい。「その値段は安すぎる」と言われて止まる話は、実際によくあります。
共有のまま持つ 決められないときの選択に見えますが、実際は先送りです。売るにも貸すにも共有者全員の合意が要ります。
次の相続が起きれば、共有者はさらに増えます。共有のまま止まっている土地の売り方は、共有持分だけを売る で確認できます。
話し合いのコツは、順番です。分け方を決める前に、その土地がいくらで売れそうかを先に確かめます。金額の目安がないまま「公平に分けよう」と話しても、各自が頭に描いている金額が違うので、かみ合いません。
売ると決めていなくても査定は受けられます。受け方は査定だけ受けたいにまとめました。それでもまとまらないときの進め方は遺産分割がまとまらない家を売るで説明しています。
売る・貸す・国庫帰属・持ち続ける。ここまで見てきた選択肢を、同じ物差しで並べます。
| 選択肢 | お金の面 | 前提になる条件 | その後の負担 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 売る | 代金から仲介手数料と税金が引かれる。利益が出なければ課税されない | 相続登記を済ませる。共有なら全員の合意 | 売れれば管理から離れられる | 市街地の更地で、まとまった現金が要る人 |
| 貸す(駐車場など) | 収入は入るが、固定資産税は払い続ける | 名義の整理と共有者の合意は売る場合と同じ | 管理の手間は続く | 当面手放したくなく、周辺に駐車需要がある人 |
| 国庫帰属 | 審査手数料が土地1筆につき14,000円。ほかに10年分の負担金 | 建物・担保・境界の争いがあると申請できない | 承認されれば管理から離れられる | 売る・貸すを検討しても相手が見つからない人 |
| 持ち続ける | 固定資産税が毎年かかる。更地は特例が使えず高くなりがち | 相続登記だけは済ませておく | 草刈りなど管理が続く。次の相続で共有者が増える | まだ判断がつかない人 |
市街地の更地なら売るのが基本線ですが、土地の値段は区域で大きく変わります。戸建ての成約中央値でも差があります。
第1種住居地域は2,900万円です。市街化調整区域は1,500万円です。
価格は、市区町村ごとの中央値を並べたときの真ん中です。自分の土地がどの区域にあるかを確かめてから、この表に当てはめてください。
出典: 国土交通省 不動産情報ライブラリ(不動産取引価格情報)を家売却ラボが集計
相続した土地を使わないとき、正解が最初から1つに決まっているわけではありません。順番が肝心です。
大事なのは、片方だけを見て決めないことです。まず名義を整理し、土地がどの種類にあたるのか、どんな条件にあるのかを確かめてください。
そのうえで売る・貸す・国庫帰属という選択肢を比べれば、判断しやすくなります。急いで決める必要はありません。
値段の目安レポート(無料)
近くで実際に売れた取引と比べて、土地と建物を分けて計算します。比べた取引も、掛けた数字も、全部レポートに載せます。
かかります。更地でも毎年課税され、住宅を建てていない土地は住宅用地の特例が使えないため、建物がある土地より税額が高くなるのが一般的です。持ち続けるだけでもこの負担は続きます。
地元の不動産会社への相談や、隣地の所有者への声かけから始めるのが現実的です。それでも難しい場合は、相続土地国庫帰属制度も選択肢に入ります。ただし建物や担保権がある土地は対象外で、審査手数料や10年分の管理費用相当額の負担金もかかるため、条件は法務局に確認してください。
農地は農地法の対象で、農地のまま売る場合も転用して売る場合も、農業委員会の許可または届出が必要になることがあります。市街化区域か区域外かなど条件で手続きが変わるため、具体的な進め方は農業委員会や自治体の窓口に確認してください。
無道路地は原則として建物が建てられず、買い手が限られるのは事実です。ただし公図や地積測量図、現地を確認しないまま「売れない」と決めつけるのは早く、条件によっては専門の買取業者など現実的な買い手が見つかることもあります。
本記事は下書きにAIを活用し、出典との照合・建築士監修を経て公開しています。