空き家を、壊すか貸すか売るか
千代田区に空き家の解体補助はある? 居住中が条件で空き家は対象外
編集部
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結論から 2026年8月時点で、千代田区の公式サイトから空き家専用の解体・除却補助は確認できませんでした。確認できたのは木造住宅の耐震化促進助成だけです。木造在来軸組工法で、昭和56年5月31日以前の旧耐震、または平成12年5月31日以前の基準で建てられた建物が対象ですが、要件に「居住者のいることが住民票の写しで確認できる建築物」と明記されており、空き家は対象外になります。令和8年度から高齢者等の世帯要件は廃止されましたが、居住していることは引き続き必須です。助成の対象は耐震診断・耐震改修等で、除却(解体)費用への言及は区の公式ページ本文にありません。助成率と上限額はPDF案内のみで未確認、予算に達すると年度の途中で受付が終了します。窓口は環境まちづくり部 建築指導課 構造審査係(03-5211-4313)です。区の空き家バンクはありません。
東京都千代田区で空き家を持っているなら、先に確かめることがあります。区の補助を当てにして解体の段取りを組むと、途中で止まります。
千代田区の公式サイトで確認できた範囲では、空き家専用の解体補助が見当たりませんでした。理由は次の節に書きます。
この記事は千代田区の制度と、千代田区の実成約データだけで書きます。制度の内容は2026年8月時点のものです。
千代田区に、空き家の解体に使える区の補助は見当たらない
まず結論から。2026年8月時点で、千代田区の公式サイトから空き家専用の解体・除却補助は見つけられませんでした。
確認できたのは、木造住宅の耐震化促進助成だけです。空き家向けではなく、旧耐震の木造住宅一般を対象にした制度になっています。
対象は木造在来軸組工法の建物です。昭和56年5月31日以前の旧耐震か、平成12年5月31日以前の基準で建てられたものが入ります。
問題は要件のほうです。「居住者のいることが住民票の写しで確認できる建築物」と明記されています。
つまり、人が住んでいない家は最初から外れます。空き家のまま置いている建物では、この助成の入口に立てません。
令和8年度から変わった点もあります。高齢者等の世帯要件は廃止されました。
誰でも申請できるようになった、という説明だけを見て期待した人もいるはずです。ただし居住していることは引き続き必須です。ここは変わっていません。
もうひとつ大事な点があります。助成の対象は耐震診断や耐震改修などで、除却(解体)費用への言及は区の公式ページの本文にありません。
助成率と上限額も、本文には書かれていませんでした。PDFの案内のみで、こちらでは中身を確認できていません。
問い合わせ先は、環境まちづくり部 建築指導課 構造審査係(03-5211-4313)です。建てた年・構造・住所を手元に置いてから電話してください。
予算に達すると年度の途中で終わる。動く時期で結果が変わる
この助成には、予算に達すると年度の途中で受付を終了すると書かれています。枠が先に決まっている制度です。
今年度の残り枠がどれだけあるかは、公式ページの本文では分かりませんでした。年度の後半に思い立った場合、すでに埋まっている可能性があります。
現実的な進め方はこうです。いま人が住んでいる家の耐震化を考えているなら、来年度の受付開始に合わせて動くほうが確実です。
空き家のまま解体だけを考えているなら、そもそもこの助成の対象外です。区の補助を待つ理由はありません。
補助金には、もうひとつ順番の落とし穴があります。交付決定より前に契約や着工をすると、あとから対象外になる制度が少なくありません。
千代田区の助成についても、申請と契約の前後関係は本文で確認できませんでした。だから、契約書に判を押す前に建築指導課へ電話を1本入れてください。ここを飛ばすと取り返しがつきません。
制度全般の考え方と申請の順番は、空き家の解体補助金の一覧と、申請の進め方にまとめています。
解体を進めるなら、アスベスト対策助成も窓口で聞いてください。解体時の調査・除去を対象にした制度として区が案内しています。金額と要件はこちらでは確認していません。
見積もりは複数社から取ります。解体費は建物の構造で変わり、現場まで重機が入る道があるかどうかでも動きます。
千代田区の成約データでは、前面道路の幅で戸建ての中央値に差が出ています。集計に出ている区分は6m以上と4〜6mの2つです。道の広さは解体の段取りにも、売るときの条件にも影響します。
費用の決まり方と業者の選び方は空き家・古家の解体費用は何で決まる?で確認できます。
千代田区に空き家バンクはない。区の「あき家募集」とは別のもの
千代田区に、民間の空き家を登録してマッチングする空き家バンクはありません。
紛らわしいのが、区営住宅・区民住宅の「あき家」募集です。名前は似ていますが、中身は公営住宅の空室に入居者を募る仕組みでした。
自分の空き家を登録して借り手を探すものではありません。ここを取り違えると、時間を無駄にします。
貸す道を考えるなら、相手は民間の不動産会社になります。住まい全般の相談先としては住宅課(03-5211-3607)があります。
区の住宅関連の助成としては、居住安定支援家賃助成やマンション衛生環境整備事業助成が案内されています。所有者が使えるかどうかを含め、内容は窓口で確かめてください。
庭木と雑草は、放っておくと近隣からの苦情になります。空き家の管理で、いちばん先に問題になる場所です。
千代田区で数が多いのはマンション。1LDKと1Kが中心
千代田区の実成約データでは、取引がいちばん多いのは中古マンションです。次が戸建てで、いちばん少ないのが土地でした。
ここが判断の分かれ目になります。分譲マンションの一室は区分所有で、自分の判断では壊せません。
だから、マンションの空き家に残る道は3つです。売るか、貸すか、持ち続けるか。解体の話はここでは出てきません。
築年数の落ち方には段差があります。いちばん大きく落ちるのは、築21〜30年から築31〜45年に移るところでした。
築46年以上の中央値は、築10年以内の半分以下です。相場が動いても、建物は毎年その段差に近づきます。
値動きの材料もあります。直近1年の中古マンションの中央値は、その前の1年に比べてはっきり上がりました。
間取りはいちばん多いのが1LDK、次が1Kです。単身と二人暮らしが中心の市場になっています。
比べられる事例が多い層なので、査定の根拠は確かめやすいはずです。相続した部屋がこの間取りなら、近い事例を出してもらってください。
改装についても数字が出ています。改装済みのマンションの中央値は、未改装より高く出ていました。
ただし、かけた改装費をそのまま価格に上乗せできるとは限りません。現況のままの価格と、直した場合の価格。両方を聞いてから決めてください。
成約が多い地区は、多い順に東神田、岩本町、神田神保町、飯田橋、外神田でした。
売る段取りは戸建てと違います。管理費や修繕積立金、総会の資料など、そろえる書類が増えます。
進め方は中古マンションを売る。戸建てと違う準備と進め方にまとめました。
戸建ては築46年の手前で一段落ちる。直近1年は下がっている
戸建ての段差は、マンションより後ろに来ます。いちばん大きく落ちるのは、築31〜45年から築46年以上に移るところでした。
築46年以上の中央値は、築10年以内の半分以下です。ここで制度と重ねてみます。
耐震化促進助成が対象にする昭和56年5月以前の木造住宅は、2026年の時点で築45年を超えます。価格が一段下がる築年と、旧耐震の線がほぼ重なっています。
しかもその助成は、人が住んでいる家しか対象にしません。空き家のまま置くと、制度からも価格からも遠ざかります。
動きの向きも見ておきます。直近1年の戸建ての中央値は、その前の1年に比べてはっきり下がりました。
マンションは上がり、戸建ては下がった。同じ区の中で、向きが分かれています。
地区の差もはっきり出ています。戸建ての成約が多いのは、多い順に外神田、神田神保町、岩本町、神田三崎町、飯田橋です。
中央値が高いのは神田三崎町、低いのは飯田橋でした。同じ千代田区でも、地区で水準が違います。
千代田区全体では、戸建ての成約価格の中央値は55,000万円です。成約は114件で、真ん中の半分は28,000万円〜120,000万円に入ります。
土地は1平方メートルあたりの中央値が280万円、成約は23件です。件数がいちばん少ない区分なので、更地にしたあとの出口は厚くありません。
売る・貸す・壊す・持ち続ける。千代田区の材料で決める
迷っているなら、この順で確かめてください。
まず名義。 登記事項証明書で名義と権利関係を確認します。共有になっていれば、売るのも壊すのも全員の合意が要ります。
次に現況のままの査定。 千代田区は中古マンションの取引が厚く、比べられる事例があります。手を加える前の値段を先に知ってください。相続した空き家を売るなら、譲渡所得から3,000万円を差し引ける特例が使えることがあります。要件は細かいので相続した空き家の3,000万円特別控除で確認してください。
貸す道も、査定と並べて見る。 区の空き家バンクは無いので、借り手探しは民間の不動産会社が窓口です。1LDKと1Kが中心の市場という点は、貸す側から見ても材料になります。
壊すのは、いちばん後。 千代田区は土地の取引がいちばん少ない区分です。更地に戻すとやり直しがきかず、住宅用地の特例が外れて土地の税負担が変わることもあります。古家付きのまま売る道と比べてから決めてください。判断の材料は更地で売るか、古家付き土地のまま売るかにあります。
持ち続けるなら、費用が出続ける前提で。 管理の手間と固定資産税は毎年かかります。マンションなら管理費と修繕積立金も止まりません。
この記事の制度の内容は、2026年8月時点の千代田区の公開情報にもとづきます。確認できなかったことも、そのまま書いておきます。
空家等対策計画の有無、耐震化促進助成の助成率と上限額(PDFのみ)、不燃化特区や木密重点整備地区の有無は分かりませんでした。動き出す前に、次の窓口で確かめてください。
- 木造住宅の耐震化促進助成: 環境まちづくり部 建築指導課 構造審査係 03-5211-4313
- 住まい・住宅の相談: 住宅課 03-5211-3607