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物件タイプ別に売る

中古マンションを売る。戸建てと違う準備と進め方

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結論から

中古マンションを売るときは、戸建てと違い、管理組合が持つ書類の確認が欠かせません。管理費・修繕積立金の滞納の有無、大規模修繕の実施履歴、そして同じ建物内の過去の成約事例が、価格を判断するうえで重要な材料になります。売る手順自体は戸建てと同じですが、準備するものが違います。

中古マンションを売るときは、戸建てと違い、管理組合が持つ書類の確認が欠かせません。管理費・修繕積立金の滞納の有無、大規模修繕の実施履歴、そして同じ建物内の過去の成約事例が、価格を判断するうえで重要な材料になります。売る手順自体は戸建てと同じですが、準備するものが違います。

マンション特有の準備。管理組合の書類から始まる

戸建ての売却は、建物と土地そのものの状態を見ればほぼ完結します。マンションは、専有部分(自分の部屋)だけでなく、共用部分の管理状態も価格に影響します。管理組合がどんな運営をしているか、費用をどう積み立てているかが、買い手や仲介会社の判断材料になります。

まず動くのは、管理組合の情報を集めることです。仲介を依頼した宅建業者は、管理会社に管理費・修繕積立金の額や滞納の有無、大規模修繕の履歴などをまとめた書類の発行を依頼するのが一般的です。この書類は「重要事項調査報告書」と呼ばれることが多く、発行までに数日から1週間程度かかる場合があります。

宅地建物取引業法施行規則は、区分所有建物(マンション)の重要事項説明について、通常の管理費用の額、修繕積立金に関する規約の内容と既に積み立てられている額、管理の委託先、維持修繕の実施状況の記録など、10項目の説明を求めています(同施行規則第16条の2)。戸建てにはない、マンション特有の項目です。

自分の手元に総会議事録や長期修繕計画書がない場合も、あわてる必要はありません。管理費・修繕積立金の支払いは管理組合(または管理会社)を通じて行われているため、問い合わせれば写しを確認できることがほとんどです。売却を決めた時点で、一度連絡先を確認しておくと、後の段取りが早くなります。

管理費・修繕積立金の滞納は、買い手に引き継がれる場合がある

管理費や修繕積立金に滞納があっても、売却そのものはできます。ただし、建物の区分所有等に関する法律は、他の区分所有者に対する未払い分の債権について、「債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる」と定めています(同法第7条・第8条)。

特定承継人とは、売買によって区分所有権を引き継いだ人、つまり買い手のことです。滞納分は、買い手に引き継がれる場合があります。

売り出す前に、自分のマンションに滞納があるかどうかを確認しておくと安全です。滞納の有無と金額は、管理会社に発行を依頼する書類で確認できます。

滞納があるなら、清算してから売り出すか、滞納の事実を前提に仲介会社と価格・条件を相談するかを、早めに決めておく話になります。買い手側から見ても、滞納の有無は住宅ローン審査や購入判断に関わる材料になるため、隠さず伝えるほうが話がまとまりやすくなります。

誰もいないリビングに窓から光が入っている
内見で見られるのは、間取りよりも「明るさ」と「におい」です。どちらもお金をかけずに変えられます。

大規模修繕の履歴と、次の計画を確認する

マンションは、十数年に一度のペースで大規模修繕工事が行われます。国土交通省は「長期修繕計画作成ガイドライン」を示しており、2021年の見直しでは、計画期間の目安を「大規模修繕工事を2回含む30年以上」としました。既存のマンションも、新築マンションと同じ基準です。

買い手が気にするのは、過去にどんな修繕が行われたか、次の大規模修繕がいつ・いくらの負担で予定されているかです。外壁や屋上防水、給排水管、エレベーターなど、共用部分の主な工事がいつ行われたかは、修繕履歴の記録として管理組合に残っていることが多く、まとまった記録がない場合は管理会社に確認できます。

修繕積立金の残高が計画に対して足りているかどうかも、査定や交渉の場で聞かれやすい点です。管理組合の総会資料や長期修繕計画書は、事前に用意しておくと話が早く進みます。

建築士の視点

内覧で見えるのは専有部分の内装ですが、資産価値を左右しやすいのは、配管・防水・エレベーターといった共用部分の状態です。専有部分をリフォームしても、共用部分の管理が悪ければ評価は上がりにくく、逆に内装が古くても、修繕が計画どおり進んでいるマンションは評価が落ちにくい傾向があります。売る前に見るべきは、自分の部屋より先に、管理組合の議事録と長期修繕計画です。

相場は、同じ建物内の成約事例が一番の材料になる

家の相場を調べる基本的な方法は、不動産の相場の調べ方 で紹介した、国土交通省の不動産情報ライブラリなどの公的なデータです。ただしこのデータは町丁目・築年・面積帯といった単位でまとめられており、特定の建物の数字ではありません。

マンションの場合、査定の精度をさらに上げる材料があります。同じ建物内の過去の成約事例です。

同じマンションなら、立地・築年・共用部分の管理状態といった条件がほぼそろうため、階数や向き、リフォームの有無による違いだけを見ればよくなります。仲介を依頼した不動産会社は、レインズ(指定流通機構)を通じて、同じ建物名での過去の成約価格を調べられることが多く、査定の根拠として提示してもらうと参考になる材料です。

駐車場は、買い手がそのまま使えるとは限らない

戸建てなら、駐車スペースは自分の敷地の一部です。マンションは違います。駐車場の多くは敷地の共用部分にあたり、管理組合から使用を認めてもらう形になっています。

誰がどの区画を使えるかは、管理規約と使用細則で決まります。売主がいま使っている区画を買い手がそのまま引き継げるかどうかも、この規約次第です。

規約によっては、部屋を手放した時点で駐車場の使用契約も終わります。買い手は改めて申し込む扱いになり、空きがなければ順番待ちになります。機械式の駐車場なら、車の高さ・幅・重量の制限もあります。

買い手の車が入らなければ、購入をやめる理由になります。内覧の場でよく聞かれる質問なので、答えられないと商談がそこで止まります。

売り出す前に確認しておきたいのは、次の3つです。

  • 駐車場の使用契約が買い手に引き継がれるのか、いったん解約になるのか
  • 引き継がれない場合、空き状況と申し込みの方法はどうなっているか
  • 区画の大きさ、高さ、重量の制限はいくつか

いずれも管理会社か管理組合に聞けば分かります。自転車置き場、バイク置き場、トランクルーム、来客用駐車場も同じ考え方です。使えると思って買ったのに使えなかった、という食い違いは、引き渡し後のトラブルになりやすい部分です。

規約で決まっているのは駐車場だけではありません。ペットを飼えるか、楽器を弾けるか、専有部分のリフォームにどんな手続きが要るか。こうした点は買い手の生活に直結するため、質問されることが多い項目です。

管理規約と使用細則の写しは、売却を決めた時点で手元にそろえておくと、聞かれてすぐ渡せます。ほかに用意する書類は 不動産売却の必要書類 で整理しています。

同じ建物で、ほかの部屋も売りに出ているとき

戸建てなら、隣の家と直接比べられることはあまりありません。マンションは違います。

同じ建物から2戸、3戸と同時に売りに出ることがあります。買い手は、それを横に並べて見ます。

立地も築年も管理状態も同じです。比べられるのは、価格、階数、向き、間取り、室内の状態くらいに絞られます。

条件が近ければ、安いほうから決まりやすくなります。先に売れた部屋の価格は、次に売る部屋の目安として残ります。

売り出す前に、仲介会社に「いま同じ建物で何戸出ているか」を聞いてください。レインズを見れば分かります。

何階のどの向きが、いくらで出ているか。そこまで確認できると、自分の部屋の位置づけがはっきりします。

競合がいるときにやることは、値段を下げることだけではありません。自分の部屋のほうが良い点を、はっきり伝わる形にすることです。角部屋、上層階、南向き、水回りを替えてある、眺望がいい。

文章と写真で伝わらなければ、買い手は同じ条件だと思って安いほうを見に行きます。写真の枚数と明るさは、費用をかけずに変えられる部分です。

引き渡しの時期を相手に合わせられるかどうかも、決め手になることがあります。買い手には入居したい時期があります。そこが合う部屋が選ばれます。

急いでいないなら、時期をずらす手もあります。ほかの部屋が売れてから出す。同じ建物の成約が1件増えるので、価格を判断する材料も増えます。

ただし待つ間も管理費と修繕積立金はかかります。どちらがいいかは、急ぎ具合で変わります。

内覧で見られる点は 住みながら家を売る で整理しています。売り出しても動かないときの選択肢は 家が売れないとき、何を変えるか にまとめました。

売ることを、同じ建物の人に知られずに進められるか

マンションは、同じ建物に何十世帯も住んでいます。売ることを先に知られたくない、という相談は多いです。離婚や相続、ローンの事情があるほど気にする部分です。

先に言っておくと、完全に伏せたまま売るのは難しいです。売り出せば、不動産のポータルサイトに建物名、階数、間取り、価格が出ます。部屋番号までは普通載せません。

ただ、同じ建物の人が見れば、どの部屋かはだいたい分かります。内覧の人が出入りすれば、エントランスで顔を合わせることもあります。

そのうえで、止められるものはあります。建物の掲示板への告知、近隣へのチラシのポスティング、オープンハウスの看板。これは仲介会社に頼めば、やらない形にできます。

媒介契約を結ぶときに伝えておけば済む話です。広告をどこまで出すかは、契約の前に決めてください。

一方で、広告を絞れば買い手の目に触れる回数は減ります。売れるまでの期間は伸びやすくなります。どちらを優先するか、という話になります。

レインズへの登録は、媒介契約の種類で扱いが変わります。専任媒介と専属専任媒介では登録が義務です。ただしレインズは不動産会社が使うシステムで、売り出し中の物件情報を一般の人が閲覧することはできません。

近所の人がレインズを見て気づく、という心配は要りません。契約の種類ごとの違いは 媒介契約は3種類 で整理しています。

管理会社には分かります。重要事項調査報告書の発行を依頼するからです。

それが管理組合の役員まで伝わるかどうかは、管理会社の対応によります。気になるなら、書類を頼むときに直接聞いてください。

広告を一切出さずに売る方法もあります。不動産会社に直接買ってもらう買取です。

広く募集をかけないぶん、価格は仲介より下がるのが一般的です。仕組みは 仲介と買取の違い にまとめました。

管理費と修繕積立金は、いつまで払うのか

引き渡しが決まったあと、管理費と修繕積立金をいつまで自分が払うのか。売り出したあとに出てくる質問です。

考え方は単純です。引き渡し日を境に、そこまでが売主、そこから先が買主。売買での一般的な区切り方です。

ややこしいのは、実際の支払いとずれることです。管理費と修繕積立金は口座振替で前もって払う形が多く、引き落とし日と引き渡し日はそろいません。売主が先に払った分に、買主の期間が混ざります。

そこで、決済の日に日割りで精算します。売主が払いすぎた分を、買主から受け取る形です。金額は仲介会社が精算書にまとめます。

固定資産税・都市計画税も同じ考え方で分けます。ただし、どの日を起算日にするかは契約で決める話です。起算日が変われば負担する額も変わります。

売買契約書の条文を必ず確認してください。売却で出ていくお金の全体像は 不動産売却でかかる費用の一覧 に整理しています。

引き渡しが済んだあとにも、やることが残ります。口座振替の停止と、管理組合への区分所有者変更の届出です。

管理会社が案内してくれることが多いですが、手続きが漏れると引き落としが続くことがあります。止まったかどうかは、翌月の通帳で自分で確かめてください。

駐車場や駐輪場の使用契約も、同じタイミングで解約の手続きが要ります。使用料が管理費と別に引き落とされている場合は、そちらも止まったか見てください。修繕積立金は、積み立てた分が売主に返ってくるお金ではありません。

管理組合の財産として建物に残るもので、部屋の価格の中で評価される部分です。ここは戸建ての感覚と食い違いやすいので、査定額を見るときに頭に入れておいてください。

競合がいるとき、どの手を選ぶか

同じ建物からほかの部屋も売りに出ているとき、取れる手は値下げだけではありません。本文で触れた手を、同じ物差しで並べました。

選択肢お金の面決まりやすさ・期間向いている人
値段を下げる手取りが減る条件が近ければ安いほうから決まりやすいとにかく早く売りたい人
良い点を写真と文章で伝える写真の枚数と明るさなら費用はかからない伝わらなければ安いほうを見に行かれる値下げの前に打てる手を打ちたい人
引き渡し時期を相手に合わせる費用はかからない入居時期が合う部屋は選ばれやすい住み替えの日程を動かせる人
ほかの部屋が売れてから出す待つ間も管理費と修繕積立金がかかる売り出しは遅れるが成約事例が1件増える急いでいない人

どの手を選ぶかは、急ぎ具合とお金のどちらを優先するかで変わります。なお、中古マンションで改装の有無を比べられたのは39市区町村です。

うち30市区町村は改装済みのほうが中央値が高くなっています。ただし9市区町村では未改装のほうが高く、替えてあれば必ず高く売れるとは限りません。

出典: 国土交通省 不動産情報ライブラリ(不動産取引価格情報)を家売却ラボが集計

売る流れ自体は、戸建てと同じ

書類や確認事項は違っても、売却の手順そのものは戸建てと同じです。査定・媒介契約・売り出し・内覧・契約・引き渡しという流れは変わりません。家を売る流れ で7つの段階を整理しています。

マンション特有の準備、管理組合の書類集め、滞納の確認、修繕履歴の確認は、この流れのうち「査定」から「売り出し」までの間に済ませておくと、内覧や交渉が進みやすくなります。まずは、管理組合の書類を集めるところから始めれば大丈夫です。

よくある質問

管理費や修繕積立金に滞納があると、マンションは売れませんか?

滞納があっても売却はできます。ただし、建物の区分所有等に関する法律により、滞納分の債権は買い手(特定承継人)にも及ぶ場合があります(同法第7条・第8条)。売り出す前に滞納の有無と金額を確認し、清算するか、事情を前提に条件を相談するかを早めに決めておくと安心です。

重要事項調査報告書とは何ですか?

管理会社が発行する書類で、管理費・修繕積立金の額や滞納状況、管理組合の運営状況、大規模修繕の実施記録などがまとまっています。宅地建物取引業法施行規則が定める重要事項説明の項目(第16条の2)を確認するために、仲介業者が取得を依頼するのが一般的です。発行までに数日から1週間程度かかる場合があります。

マンションの相場は、どこで確認すればいいですか?

国土交通省の不動産情報ライブラリで、町丁目・築年・面積帯ごとの成約価格の傾向を確認できます。加えて、仲介を依頼した不動産会社を通じて、レインズで同じ建物内の過去の成約事例を確認できると、実際の価格に近い材料になります。

参照した情報源

  1. e-Gov法令検索「建物の区分所有等に関する法律」第7条(先取特権)・第8条(特定承継人の責任)(デジタル庁)・確認日 2026-07-20
  2. e-Gov法令検索「宅地建物取引業法施行規則」第16条の2(区分所有建物に関する重要事項説明事項)(デジタル庁)・確認日 2026-07-20
  3. 国土交通省 報道発表資料「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」の見直しについて(国土交通省)・確認日 2026-07-20
  4. 国土交通省「不動産情報ライブラリ」(国土交通省)・確認日 2026-07-20

本記事は下書きにAIを活用し、出典との照合・建築士監修を経て公開しています。

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