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築古・古家を売る

築30年の家はいくらで売れるか。名古屋5区の実データで見る【建築士監修】

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結論から

名古屋市の中古住宅(築21〜30年)の成約価格の中央値は、区によって大きく違います。国交省の取引データ(2023年第2四半期〜2025年第4四半期)では、千種区の戸建てが5,000万円だったのに対し、中川区・守山区は2,800万円でした。差は2,200万円です。マンションは築年数が進むほど値下がりが大きく、戸建ては土地の価値に支えられて下がり方がゆるやかな傾向があります。「築30年前後だから売れない」とは言えず、区と物件の状態によって価格は変わります。

名古屋市の中古住宅(築21〜30年)の実際の成約価格は、区によって大きく違います。国土交通省の取引データ(2023年第2四半期〜2025年第4四半期)で見ると、千種区の戸建ては中央値5,000万円。中川区・守山区は2,800万円でした。

同じ築年数でも、差は2,200万円あります。マンションは築年数が進むほど値下がりが大きく、戸建ては土地の価値に支えられて下がりにくい傾向があります。

「築30年前後だから売れない」とは言えません。まず、自分の区の実際の数字を見るところから始めます。

名古屋5区で見る、築21〜30年の実際の価格

千種区・中村区・緑区・中川区・守山区の5区で、築21〜30年の中古住宅の成約価格を集計しました。出典は国土交通省の不動産情報ライブラリ(2023年第2四半期〜2025年第4四半期の取引。件数10件未満の帯は除いています)。

戸建て(築21〜30年)の中央値

中央値25〜75%レンジ件数
千種区5,000万円3,800万〜7,900万円67件
中村区3,500万円2,600万〜6,200万円52件
緑区3,400万円2,600万〜4,400万円159件
中川区2,800万円1,900万〜4,500万円88件
守山区2,800万円2,400万〜4,000万円88件

最も高いのは千種区の5,000万円、最も低いのは中川区・守山区の2,800万円です。同じ「築21〜30年」でも、区が変われば価格帯そのものが変わり、差は2,200万円あります。

マンション(築21〜30年)の中央値

中央値25〜75%レンジ件数
千種区3,400万円2,600万〜4,100万円286件
中村区2,500万円2,000万〜3,100万円79件
緑区2,000万円1,600万〜2,400万円182件
中川区1,900万円1,600万〜2,200万円99件
守山区1,800万円1,500万〜2,200万円147件

マンションも同じ並びで、千種区3,400万円に対して守山区1,800万円。差は1,600万円です。自分の区の実際の数字は、千種区中川区守山区の各ページでも確認できます。

築年数の経った戸建ての外壁とベランダ
外壁の色あせは、買い手が値段を下げる理由にはなりにくい部分です。塗り替えの費用は、売値に戻ってきません。

建物は下がる、土地は残る

千種区で年代ごとの中央値を比べると、下がり方の違いがはっきり出ます。

千種区築10年以内築21〜30年築46年以上
戸建て中央値5,200万円(172件)5,000万円(67件)4,000万円(51件)
マンション中央値4,300万円(241件)3,400万円(286件)1,100万円(209件)

戸建ては築10年以内5,200万円から築46年以上でも4,000万円までしか下がらず、全体で23%ほどの下落です。マンションは築10年以内4,300万円から築46年以上1,100万円まで下がり、全体で74%ほど下落します。

同じ区、同じ経過年数でも下がり方が違うのは、戸建てには土地の価値が乗っているためです。

木造住宅の法定耐用年数は22年です(出典: 国税庁)。税務・会計上の計算では、築22年を過ぎると建物の帳簿価格はほぼゼロに近づきます。ただし、これは計算上の話で、実際の取引価格がゼロになるわけではありません。

土地の価格は建物のように年数で一律には目減りせず、上の表の中央値にも、その差がそのまま出ています。木造の耐用年数と土地の評価の関係は、名古屋市で築30年の家を売る記事で詳しく整理しています。

建築士の視点(二級建築士・施工管理技士)

築30年前後の戸建てを見るとき、私が先に確認するのは築年数ではなく、雨漏りとシロアリ、基礎の状態です。ここが健全なら、内装が古くても買い手はリフォームを前提に評価できます。逆に、雨や水まわりの傷みが構造まで達していると、土地の価値だけでは支えきれなくなることがあります。中央値はあくまで目安です。実際の価格は、建物の状態と立地で個別に変わります。

建物 土地 新築時築20年築30年築40年 下がり方は建物の造りと手入れで変わります
建物と土地では、価格の下がり方が違う。建物は年数とともに評価が下がっていくが、土地は残る。築年数が古い家の価格は、土地の値段に近づいていく。図は考え方を示したもので、実際の下がり方は建物の造りや手入れの状況で変わる。

中央値だけを見ると、自分の家の値段を読み違える

表の中央値は、その区で成約した物件をちょうど真ん中で分けた1件の価格です。半分はそれより安く売れています。だから「千種区の戸建てだから5,000万円」とはなりません。

一緒に見てほしいのが、隣の25〜75%レンジです。安いほうから4分の1の価格と、4分の3の価格の幅を表しています。千種区の戸建て(築21〜30年)なら3,800万〜7,900万円。

上と下で2倍以上の開きがあります。中川区も1,900万〜4,500万円で、やはり2倍以上です。同じ区、同じ築年数でも、これだけばらつきます。

この幅を作っているのは、主に土地の条件です。広さが違えば価格はそのまま変わります。前面道路の幅や間口、土地の形も効きます。

同じ面積でも、車が入りにくい細い道の奥と、広い道路に面した角地では、買い手の数が変わります。用途地域によって建てられる建物の規模も違います。このあたりは間口と前面道路で売却価格はどれだけ変わるか土地の形と用途地域に、愛知の実データで整理しています。

建物の状態も価格に効きます。ただ築30年前後になると、建物の評価はどの家も低めに出ます。レンジの中で差がつきやすいのは土地のほうだと考えて、まず大きく外さないはずです。

使い方はこうなります。まず中央値で、その区のだいたいの水準をつかむ。次にレンジを見て、幅の広さを知る。

そのうえで、自分の土地が広いか狭いか、道路付けが良いか悪いかで、幅の上側か下側かの見当をつける。ここまでやってから査定を受けると、出てきた金額が高いのか安いのか、自分で判断できます。中央値と同じ額を最初から期待して、査定でがっかりする、という順番にならずに済みます。

値段の次に効くのは、買い手のローン

築30年前後の家は、価格を決めただけでは話が進みません。買い手がいくら借りられるかで、手が届くかどうかが変わります。

住宅ローンの審査では、建物の築年数も見られます。扱いは金融機関ごとに違います。木造の中古住宅だと、融資期間を短めに見るところもあります。

期間が短くなれば、毎月の返済額は上がります。同じ価格でも、買える人が減ります。内見は来るのに決まらない、というとき、この事情が絡んでいることがあります。

売主の側でできるのは、書類をそろえておくことです。建築確認済証、検査済証、増築や大きなリフォームをしていればその記録。これらは、買い手や金融機関に建物の素性を説明する材料になります。

築30年前後の家では、検査済証が手元に無いことも珍しくありません。無いから売れない、ということではありません。ただ、買い手側の確認に手間と時間がかかります。

順番はこうです。まず、家にある書類を全部出して並べる。次に、足りないものを不動産会社に伝える。

査定の段階で伝えておけば、取り寄せや代わりの資料の手当てを、売り出し前に進められます。買主が現れてから探し始めると、そこで話が止まります。

どの書類がいるかは不動産売却の必要書類に一覧で整理しています。書類が査定でどう使われるかは不動産査定の仕組みを見てください。

ネットで見る価格と、この表の価格は別物

不動産ポータルで近所の物件を見ると、この記事の表より高い金額が並んでいることがあります。見ているものが違います。

ポータルに出ているのは売り出し価格です。売主が「この値段で買い手を探している」段階の金額で、売れた金額ではありません。

上の表は成約価格です。実際に取引が成立した価格を集計しています。売り出してから値下げしていれば、下げたあとの金額が入ります。

決まらずに取り下げた物件は、そもそもこのデータに入りません。だから売り出し価格だけを並べて相場をつかむと、実際より高めに見えます。

築30年前後の家は、新しい家より買い手が絞られます。売り出し価格のまま決まるとは限りません。

見当をつける順番はこうです。まず成約価格で、その区の水準をつかむ。次にポータルで、同じ区・同じくらいの築年数の物件がいくらで出ているかを見る。

あわせて、その物件が何か月出続けているかも見ます。長く残っている価格帯は、その値段では買い手が付いていない価格帯です。半年前から同じ物件が同じ金額で載っていれば、それは相場ではなく売主の希望です。

自分の家の売り出し価格を決めるときも、この順番が使えます。成約価格の水準を軸に置き、そこから上に振るか下に振るかを考える。ポータルの金額を基準にすると、最初から高すぎる値付けになりやすくなります。

相場データの見方は不動産の相場の調べ方、査定で出た金額と実際に売れる金額のズレは査定額と売却額は違うに整理しています。

売れる値段と、手元に残る額は違う

中央値の表を見て「うちは3,000万円くらいか」と見当がついても、その額がそのまま入るわけではありません。売却価格から引かれるものがあります。

引かれるのは、主にこの4つです。

  • 仲介手数料(不動産会社に払う)
  • 登記の費用(住所変更や抵当権の抹消)
  • 印紙代
  • 譲渡所得税(利益が出た場合)

ローンが残っていれば、引き渡しのときに残債を一括で返します。手元に入るのは、そのあとです。

築30年前後なら完済している家も多いですが、借り換えや増改築で残っていることもあります。まず残高証明で今の残債を確かめます。

築30年の家で厄介なのが、買った金額の証明です。譲渡所得税は「売った額 − 買った額 − 経費」で計算します。買った額を示す書類が無いと、売った額を基準にした概算の取得費で計算することになります。

実際の購入額より低く見積もられ、税額が上がることがあります。30年前の売買契約書は、探しても出てこないことがよくあります。

契約書、領収書、通帳の記録。まず家の中を探してみてください。

自分が住んでいた家なら、マイホームを売ったときの特別控除が使えることがあります。使えれば税金がかからない場合もあります。適用には条件があるので、税務署か税理士に確認してください。

順番としては、査定額が出た時点で、そこから引かれる分をざっと差し引いてみる。住み替えなら、その手取りが次の家の資金になります。査定額のまま資金計画を立てると、あとで足りなくなります。

かかる費用の内訳は不動産売却でかかる費用の一覧、買った金額が分からないときの扱いは概算取得費の考え方に整理しています。

引き渡したあとに不具合が出たら、誰が直すのか

築30年の家は、売って終わりとは限りません。引き渡したあとに雨漏りやシロアリ、給排水の不具合が見つかることがあります。このとき売主が責任を問われることがあります。

契約不適合責任といいます。買主から補修や代金の減額を求められる場合があります。

築30年前後の家は、どこかに傷みがあるのが普通です。傷みがあること自体が問題になるわけではありません。問題になるのは、契約書に書かれていなかった不具合が出たときです。

売主の側で先にやれることは2つあります。

1つは、知っていることを全部書いて渡すことです。物件状況報告書(告知書)という書類に、雨漏りの履歴、シロアリの駆除歴、給湯器や水まわりの不具合などを書きます。ここに書いて、買主が了解したうえで契約すれば、その部分は不適合になりません。

逆に、知っていて黙っていた不具合は、免責の特約があっても免責されません。隠すのが一番損をします。

もう1つは、責任の範囲を契約でどう決めるかを、不動産会社と先に相談しておくことです。個人が売主の場合、責任を負う期間を区切る特約や、対象を雨漏り・シロアリなどに絞る決め方があります。

何をどこまで負うのかは、契約書に書かれた内容で決まります。売り出す前に確認してください。

買取だと、この責任を負わない形で契約できることがあります。傷みが深くて引き渡し後が不安な家では、そこも比べる材料になります。

仲介との違いは仲介と買取の違いに整理しています。契約から引き渡しまでの順番は家を売る流れは7ステップを見てください。

高く、確実に売るなら。直すか直さないかの判断

築30年前後の家を売るとき、最初に「解体」や「全面リフォーム」を決めてしまうと、費用も税金も先に出ていきます。まず今の状態で価格を確かめ、そのうえで直す・直さないを判断するのが無理のない順番です。売る前に自分でも確認しておきたい項目は、売れる家か売りにくい家かのセルフチェックにまとめています。

売り方向いているケース主な費用・手間注意点
直さずそのまま売る早く手放したい/傷みが浅い残置物の片付け程度買取なら片付け前でも相談できる
直して売る(部分補修)雨漏りや設備の不具合がある補修費(範囲で変動)全面リフォームは費用が価格に乗りにくい
買取で売る傷みが深い/早く現金化したい仲介より価格は下がりやすい内見・広告なしで進められる

傷みが浅ければ、そのままの状態で仲介に出しても買い手が付くケースは珍しくありません。逆に、構造や水まわりの傷みが深い場合は、買取のほうが確実に、早く現金化できることがあります。どちらが向いているかは、今の状態を査定してみないと分かりません。

再建築不可や、傷みが深く通常の仲介では売りにくい物件も、買取なら状態そのままで査定を依頼できます。種類別の売り方は訳あり・難あり物件を売る記事にまとめています。

よくある質問

築30年前後の家は、名古屋でも売れますか?

売れています。国交省の取引データでは、名古屋市内でも築21〜30年の中古住宅の成約が区ごとに一定数あります(例: 中川区88件、守山区88件、千種区67件)。木造の建物評価は下がっても、土地の価値は残るため、築年数だけで売れる・売れないは決まりません。まずは自分の区の実際の価格帯を確かめるところからです。

同じ築30年でも、区によって価格が違うのはなぜですか?

価格の多くを土地の値段が占めるためです。千種区の戸建て(築21〜30年)の中央値は5,000万円ですが、中川区・守山区は2,800万円で、差は2,200万円あります。建物の築年数がほぼ同じでも、地価の水準が違えば、成約価格の水準もそのまま変わります。

マンションと戸建てで、築年数による値下がりの違いはありますか?

あります。千種区の例では、戸建ての中央値は築10年以内5,200万円から築46年以上でも4,000万円までしか下がりませんが、マンションは築10年以内4,300万円から築46年以上1,100万円まで下がります。戸建ては土地の価値が下支えする一方、マンションは建物の価値が占める割合が大きく、下がり方が大きくなる傾向があります。

参照した情報源

  1. 国土交通省「不動産情報ライブラリ」(不動産取引価格情報)(国土交通省)・確認日 2026-07-26
  2. 国税庁「耐用年数(建物/建物附属設備)」(国税庁)・確認日 2026-07-26

本記事は下書きにAIを活用し、出典との照合・建築士監修を経て公開しています。

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