空き家を、壊すか貸すか売るか
横浜市の空き家、解体補助金は? 上限50万円。旧耐震の木造が入口
編集部
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結論から 横浜市の解体補助は、空き家かどうかではなく旧耐震の木造住宅かどうかで決まります。住宅除却補助制度の上限は、昭和56年5月末以前の建築で50万円、昭和56年6月から平成12年5月末までの建築で課税世帯20万円・非課税世帯40万円です。耐震診断で耐震性が低い、または倒壊の危険性ありと判定されていることが要件で、法人は所有者から除かれます。令和8年度の受付は4月1日から12月28日まで、工事完了は2月末までです。神奈川区・西区・中区・南区・磯子区の一部にある重点対策地域なら、不燃化の補助で上限150万円の枠もあります。詳しくは建築局 建築防災課 耐震事業担当(045-671-2943)へ確認してください(2026年8月時点)。
横浜市で空き家を持っているなら、最初に確かめるのは建てた年です。横浜市の解体補助は、空き家かどうかでは決まりません。旧耐震の木造住宅かどうかで決まります。
人が住んでいる家にも使える制度です。逆に、空き家でも木造でなければ入口が変わります。
この記事は横浜市の制度と、横浜市の取引データに絞って書きます。制度の内容は2026年8月時点のものです。
横浜市の解体補助は「空き家の制度」ではない。旧耐震の木造かで決まる
制度の名前は住宅除却補助制度です。空き家専用の枠ではありません。
対象は旧耐震の木造住宅です。人が住んでいても使えます。特定空家に認定された建築物も、対象に含まれています。
補助の上限は、建てた時期で二段に分かれます。昭和56年5月末以前の建築なら50万円です。
昭和56年6月から平成12年5月末までの建築なら、課税世帯が20万円、非課税世帯が40万円になります。補助率の記載はありません。定額で出る形です。
要件はもう一つあります。耐震診断で耐震性が低いと判定された住宅、または倒壊の危険性ありと判定された木造住宅であることです。
つまり入口は、解体の見積もりではありません。耐震診断です。ここを飛ばすと先へ進めません。
所有者にも線が引かれています。法人は除かれます。 相続の途中で名義が法人になっているなら、先に確認してください。
窓口は建築局 建築防災課 耐震事業担当(045-671-2943)です。空家政策の全般は、建築局 住宅政策課(045-671-4121)が受けています。
令和8年度の予算上限と件数枠は、市の公開ページでは確認できませんでした。宅建業者が対象から外れるかどうかも同じです。この2点は電話で確かめてください。
受付は12月28日で閉まる。工事の完了は2月末まで
横浜市の住宅除却補助には、年度の締めがはっきり書かれています。令和8年度の受付は4月1日から12月28日まで。工事の完了は2月末までです。
ここは逆算が要ります。年内に申請を出しても、工事が2月末を過ぎれば形になりません。
しかも入口は耐震診断でした。診断を受け、判定が出て、それから申請という順です。夏を過ぎてから動き始めると、日程はかなり詰まります。
順番には、もう一つ落とし穴があります。解体の補助は、交付決定より前に契約や着工をすると対象外になる制度が少なくありません。
横浜市の各制度について、申請と契約の前後関係は公開ページの本文では確認できませんでした。だから契約書に判を押す前に、耐震事業担当へ電話を1本入れてください。 順番を間違えると、あとから取り返せません。
見積もりを取ること自体は、ふつう止められません。危ないのは、業者と話しているうちに、その場で契約書に署名してしまう場面です。
見積もりは複数社から取ってください。解体の費用は建物の構造で変わります。
現場まで重機が入る道があるかどうかでも、金額と工期は動きます。費用の決まり方は空き家・古家の解体費用は何で決まる?にまとめました。
解体して更地にすると土地の使い道は広がりますが、解体費がかかり、住宅用地に対する税の軽減が外れる場合があります。
上限150万円と300万円には、場所と条件が付いている
横浜市には、除却の額がもっと大きい枠もあります。ただし、どちらも誰でも使えるものではありません。
一つめは建築物不燃化推進事業補助です。上限は150万円。対象は重点対策地域に限られます。
地域は神奈川区・西区・中区・南区・磯子区の一部です。区の全域ではありません。「うちの区は入っているはず」では判断できないので、住所で確かめてください。
窓口は都市整備局 防災まちづくり推進課(045-671-3595)です。こちらも旧耐震の木造住宅が対象で、空き家専用ではありません。
二つめは身近なまちの防災施設整備事業です。建物所有者への解体工事費が上限300万円。対象は鶴見・神奈川・西区など11区の一部です。
金額だけ見れば大きく見えます。ただし条件が付きます。
解体したあと、その土地を防災広場として整備し、管理することが前提です。 広場の整備費(上限150万円)は、自治会など地域の側に出る枠になっています。
つまり、これは土地を手放すための制度ではありません。売って現金にしたい人が使う道具ではない、ということです。
地域に土地を差し出す形になります。相続人が複数いるなら、その先まで含めて全員で決める話です。
横浜市に空き家バンクは無い。貸す道は公益活用か民間か
貸す道を考えている人には、先に伝えることがあります。横浜市に空き家バンクはありません。
個人の住まいとして空き家を探す人は、民間の不動産会社へ案内される形です。市が登録簿を持って引き合わせる仕組みではありません。
「空家活用のマッチング制度」はあります。ただし公益活用に限られます。自治会町内会やNPOなどの地域活動団体、事業者が対象で、個人の居住用は対象外です。
成約したときの補助についての記載もありません。貸し手と借り手の間に市が入って条件を詰める制度ではない、と考えてください。
空家の改修等補助金(地域貢献型)も同じ考え方です。子育て支援施設、高齢者支援施設、コワーキングスペースなどへの改修が対象になります。
補助率と上限額は、公開ページの本文では確認できませんでした。先着順で、予算額に達した時点で終わります。使うつもりなら、年度の早い時期に相談してください。
まとめると、横浜市の枠に乗るのは「地域のために使う」場合です。ふつうに人へ貸すなら、民間の賃貸として組み立てることになります。
売るのと貸すのの比べ方は家を売るか貸すか。判断の分かれ目と貸した場合の収支にあります。
「横浜市の相場」は無い。数字は区で持つ
査定の話に移ります。ここで、はっきりさせておきたいことがあります。
国土交通省の実成約データは、横浜市では区ごとにしか取れません。だから「横浜市全体の中央値」という数字は作れないのです。
25区を合わせた戸建ての成約は16,351件です。件数は足せます。中央値は足せません。
区ごとの中央値には、はっきりした開きがあります。戸建ての中央値がいちばん高いのは都筑区、いちばん低いのは南区でした。同じ市の中でこれだけ違います。
成約の数では、中古マンションが戸建てを上回っています。ここは判断に影響します。分譲マンションの一室は区分所有で、自分の判断では壊せません。
マンションの空き家なら、ここまで書いた除却の補助は関係しません。残るのは売るか、貸すか、持ち続けるかです。
だから査定では、「横浜市の相場」で話を合わせないでください。自分の区の成約と比べてください。区ごとの数字は神奈川の家売却(横浜・川崎の区別データ)から見られます。
概算だけなら、市の窓口でも取れます。「空家のこれから相談窓口」では、市が連携した民間企業により、解体費用と売却価格の概算を無料で出してもらえます。
相続の段取りから迷っているなら、空家予防コンシェルもあります。LINE公式アカウントで、相続に関わるタスクを無料で診断する仕組みです。
同じ市のなかでも、駅からの距離と土地の形で価格は変わります。まず自分の地域の実際の成約価格を見ます。
壊す前に決める順番。横浜市の材料で確かめる
迷っているなら、この順で手を動かしてください。
まず名義を確かめる。 登記事項証明書で権利関係を見ます。共有なら、売るのも壊すのも全員の合意が要ります。住宅除却補助は法人が除かれるので、名義の形はここでもかかわってきます。
次に、今のままの査定を取る。 手を入れる前の値段を先に知ってください。相続した空き家を売るなら、譲渡所得から3,000万円を引ける特例が使えることがあります。要件は細かいので相続した空き家を売る。譲渡所得から3,000万円を引ける制度で確認してください。
貸す道は、市の枠の外で考える。 横浜市に空き家バンクはなく、市のマッチングは公益活用に限られます。民間の賃貸として成り立つかどうかが、そのまま判断材料になります。
壊すのは最後。 更地に戻すと、やり直しがききません。住宅用地の特例が外れて、土地の税負担が変わることもあります。古家付きのまま売る道と並べてから決めてください。材料は更地と古家付き土地の選び方にあります。
持ち続けるなら、費用が出続ける前提で。 管理の手間と固定資産税は毎年かかります。庭木と雑草は、近所からの苦情になりやすい場所です。
この記事の制度の内容は、2026年8月時点の横浜市の公開情報にもとづきます。除却補助の令和8年度の予算上限と件数枠、宅建業者の除外規定、地域貢献型の改修補助の補助率と上限額は確認できませんでした。
制度は年度で変わります。動き出す前に、次の窓口で最新の内容を確かめてください。
- 空家政策の全般: 建築局 住宅政策課 045-671-4121
- 住宅除却補助制度: 建築局 建築防災課 耐震事業担当 045-671-2943
- 建築物不燃化推進事業補助: 都市整備局 防災まちづくり推進課 045-671-3595
見本(愛知県豊橋市の戸建ての例)
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売ると決める前に、いくらくらいか見ておく
近くで実際に売れた取引と比べて、土地と建物を分けて計算します。比べた取引も、掛けた数字も、全部レポートに載せます。