空き家を、壊すか貸すか売るか
江戸川区の空き家、解体補助金は? 空き家なら上限100万円。契約前に申請
編集部
本記事にはプロモーションが含まれます。
結論から 江戸川区で空き家を壊すなら、中心になるのは老朽住宅除却工事助成制度です。助成率は助成対象経費の2分の1で、上限は一般が50万円、空き家と対象地域は100万円になります。令和8年度に50万円から100万円へ拡充されましたが、100万円を使うには空き家の疎明が必要です。対象は木造で地階を含む階数が2以下、個人所有、住民税の滞納がないこと、耐震コンサルタントの簡易診断で評点1.0未満と出ることなどです。助成決定の前に工事を契約したり着手したりすると対象外になります。令和8年度は除却・診断・設計・工事の申請が令和8年12月25日まで、契約期限が令和9年1月末日です。都市開発部 建築指導課 耐震化促進係(03-5662-6389)で確認してください(2026年8月時点)。
江戸川区で空き家を持っている人が、まず確かめるべき数字があります。区の除却助成の上限額です。
令和8年度に、空き家の上限が引き上げられました。ただし、条件と期限がはっきり決まっています。
この記事は江戸川区の制度と、江戸川区の実成約データに絞って書きます。内容は2026年8月時点のものです。
江戸川区の除却助成は、空き家だと上限が上がる。ただし年度内の期限が決まっている
江戸川区の解体で中心になるのは「老朽住宅除却工事助成制度」です。空き家専用の制度ではありません。旧耐震の木造住宅を対象にした制度になります。
そのうえで、空き家には上限の優遇が付いています。
- 助成率は、助成対象経費の2分の1
- 上限額は、一般が50万円
- 空き家と対象地域は100万円。令和8年度に50万円から100万円へ拡充されました
- ただし、この100万円を使うには「空き家の疎明」が必要です
疎明とは、その建物が空き家であることを区に示す手続きを指します。何を出せば足りるかは、動く前に耐震化促進係へ確認してください。
令和8年度は、日付が細かく決まっています。
- 耐震コンサルタント派遣の申請: 令和9年1月29日まで
- 除却・診断・設計・工事の申請: 令和8年12月25日まで
- 契約の期限: 令和9年1月末日
- 実績報告: 令和9年2月26日まで
見てのとおり、申請の締切がいちばん早く来ます。年内です。
そしてもう1つ。助成決定の前に工事を契約したり、着手したりすると対象外になります。
先に業者を決めて、契約書に判を押してから区役所に相談する。この順番だと、助成は受けられません。
解体はどうしても見積もりから始めたくなります。見積もりを取ること自体は問題ありません。契約が先に来ると駄目だ、ということです。
問い合わせ先は、都市開発部 建築指導課 耐震化促進係(03-5662-6389)です。
助成の入口に立てるかは、木造かどうかと、名義が誰かで決まる
要件を先に確かめてください。ここで外れると、金額の話まで進みません。
- 木造であること。非木造は対象外です
- 地階を含む階数が2以下であること
- 個人所有であること。法人所有は対象外です
- 住民税の滞納がないこと
- 耐震コンサルタントの簡易診断で、評点1.0未満と出ること
- 助成決定の前に契約・着手していないこと
法人名義の物件は、この制度では受けられません。会社名義のまま残っている建物なら、最初に登記を見てください。
評点1.0未満という条件は、自己申告では通りません。区が派遣する耐震コンサルタントの簡易診断が要ります。
つまり、順番はこうなります。
- 耐震コンサルタントの派遣を申請する
- 簡易診断を受ける
- 除却助成を申請する
- 助成の決定を受ける
- 業者と契約する
- 工事をして、実績報告を出す
派遣申請の締切が令和9年1月29日、工事の申請が令和8年12月25日。診断が先に要る以上、実際に動くのは秋のうちです。
解体費そのものは、建物の構造と、重機が入れる前面道路の幅で変わります。金額の目安ではなく確かめ方は空き家・古家の解体費用は何で決まる? 見積もりの取り方と業者選びにまとめました。見積もりは複数社から取ってください。
令和8年度の予算枠がどれだけあるかは、公開情報では確認できませんでした。枠が残っているかは、電話で聞くのが確実です。
外壁の色あせは、買い手が値段を下げる理由にはなりにくい部分です。塗り替えの費用は、売値に戻ってきません。
住所が不燃化特区の4地区に入っているなら、当たる助成が変わる
江戸川区には、不燃化推進特定整備事業(不燃化特区)もあります。こちらは老朽建築物が対象で、空き家専用ではありません。
対象は次の4地区です。
- 南小岩七・八丁目周辺
- 松島三丁目
- 平井二丁目付近
- 南小岩南部・東松本付近
老朽建築物の除却助成は、昭和56年6月1日の耐震基準改正より前の木造建築物が対象になります。額は、実費か、床面積1平方メートルあたり23,000円のいずれか低いほうです。
建替え助成もあります。区の定める基準額で、新築建築物の1階から3階の床面積に応じた額になります。
事業の期限は令和13年3月31日まで延長されました。従来は令和8年3月31日までの予定でした。除却助成の年度内の締切と比べると、時間の余裕は長く取られています。
助成率は公開情報では確認できませんでした。窓口は地区で分かれていて、03-5662-6435と03-5662-6470です。
もう1つ。西小松川町・東小松川一・二丁目地区には「老朽建築物取壊し・建替え費助成制度」という地区限定の制度があります。
助成率と上限額は確認できませんでした。この地区に建物があるなら、区に直接聞いてください。
自分の住所がどの制度に当たるか。まずそこを確定させてから、金額の話に進むほうが早いです。
江戸川区の実成約。マンションが動いていて、戸建ては築46年の手前に段差がある
制度の話から、市場の話に移ります。
江戸川区で取引がいちばん多いのは中古マンションです。次が戸建てで、いちばん少ないのが土地でした。
土地の取引がいちばん少ない。ここは更地にする前に知っておいてください。解体したあとの出口は、この区でいちばん薄い市場です。
築年数の落ち方を見ます。
戸建ては、築10年以内に比べて築46年以上の中央値が3分の1以下まで下がります。落差がいちばん大きいのは、築31〜45年から築46年以上へ移るところでした。
中古マンションは、築10年以内に比べて築46年以上が半分以下です。段差がいちばん大きいのは、築21〜30年から築31〜45年へ移るところでした。
戸建てとマンションで、値が落ちる場所がずれています。手持ちの物件がどちらで、いまどの帯にいるか。ここを先に確かめてください。
直近1年の動きも違いました。戸建ての中央値は前の1年に比べてほぼ横ばい、中古マンションははっきり上がっています。
用途地域では、取引がいちばん多いのが第1種中高層住居専用地域です。ところが戸建ての中央値でいうと、この地域がいちばん低く出ています。いちばん高いのは商業地域でした。
取引が多い地域が、値段で有利とは限らないということです。
前面道路の幅でも差が出ています。区分は4m未満、4〜6m、6m以上の3つ。前の道が何mあるかは、査定の前に測っておいてください。
地区の差も大きいです。戸建ての成約が多いのは、江戸川・北小岩・南小岩・東小岩・東葛西の順でした。中央値がいちばん高いのは中葛西、いちばん低いのは鹿骨です。
中古マンションの成約が多いのは、西葛西・平井・中葛西・東葛西・船堀の順。間取りは3LDKがいちばん多く、次が2LDKでした。
改装済みのマンションは、未改装より中央値が高く出ています。ただし、かけた改装費をそのまま価格に乗せられるとは限りません。直してから売るかどうかは、「直した場合」と「現況のまま」の両方を査定で聞いてから決めてください。
土地の1平方メートルあたり単価は、西葛西がいちばん高く、江戸川がいちばん低くなっています。
区全体では、戸建ての成約価格の中央値が5,000万円です。成約は2,276件で、真ん中の半分は3,500万円〜6,500万円に入ります。
土地は1平方メートルあたりの中央値が42万円、成約は410件でした。区全体の相場は東京都江戸川区の不動産売却にまとめています。
江戸川区のマッチング事業は、住むための空き家バンクではない
貸す・活用を考えている人が、ここで一度つまずきます。
江戸川区には「空き家と活用希望者のマッチング事業」があります。ただし条件が付いていて、地域活性化や地域貢献につながる活用が前提です。
区のページには「自宅用としての物件を提供するものではありません」と明記されています。住みたい人と貸したい人をつなぐ仕組みではない、ということです。
成約したときの補助についての記載はありませんでした。成約実績も、公開情報では確認できていません。
窓口は福祉部 福祉推進課 住宅係(03-5662-0517)です。
普通に賃貸へ出したいなら、入口は民間の不動産会社になります。売るか貸すかで迷っているなら、家を売るか貸すか。判断の分かれ目と貸した場合の収支を先に読んでください。
売る・貸す・壊す・持ち続ける。江戸川区の数字で決める
売る。 まず現況のまま査定を取ります。区分所有のマンションなら、直近1年は中央値が上がっている局面でした。
戸建てで築31〜45年の帯にいるなら、次の段差は築46年以上です。持ち続けるうちに、その帯へ入っていきます。
相続した空き家なら、譲渡所得から3,000万円を引ける制度が使える場合があります(全国共通の制度)。江戸川区は確認書の手続きに関わります。
要件は相続した空き家を売る。譲渡所得から3,000万円を引ける制度にまとめました。
貸す。 区のマッチング事業は、地域貢献につながる活用が前提です。自宅として貸す話とは別だと考えてください。
壊す。 上限100万円の枠を使うなら、契約より先に申請です。ここだけは外さないでください。
更地にすると土地の固定資産税が上がるのが一般的です。壊す前に、税額がどう変わるかを確認しておいてください。
持ち続ける。 江戸川区は、空き家の相談先が内容ごとに分かれています。
- 老朽建築物・倒壊の危険 → 建築指導課監察係 03-5662-6489
- 植栽の繁茂 → 環境課相談係 03-5662-1996
- 動物 → 生活衛生課動物管理係 03-3658-3177
- 道路への越境 → 施設管理課道路監察係 03-5662-1884
- 景観 → 都市計画課 03-5662-6369
窓口がこれだけ分かれているのは、近隣から実際に苦情が入る類型が分かれているからです。持ち続ける以上、この5つは自分で管理する範囲になります。
決めきれないなら、査定だけ取って現在地を知っておくという手もあります。貸す・売る・壊すの全体像は空き家の活用方法。貸す・売る・解体、選び方の全体像で整理しています。
制度の要件も受付期間も、年度ごとに変わります。この記事は2026年8月時点の公開情報にもとづくものです。
公開情報では確認できなかったことが4つあります。
- 不燃化特区の助成率
- 西小松川町・東小松川一・二丁目地区の助成内容
- 令和8年度の予算枠
- マッチング事業の成約実績
動き出す前に、建築指導課 耐震化促進係(03-5662-6389)で最新の内容を確かめてください。