空き家を、壊すか貸すか売るか
京都市の空き家、解体補助金は? 令和8年度の実施は確認できていない
編集部
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結論から 京都市の空き家の解体に使える補助は、対象区域に限られます。老朽木造建築物除却事業は補助率2分の1・上限60万円、まちなかコモンズ整備事業は建物除却費が10分の9・上限100万円です。どちらも優先6学区(柏野・翔鸞・仁和・正親・出水・六原)を中心とする対象区域の制度で、市内のどこでも使えるわけではありません。市全体で使えた令和7年度の解体工事費補助は、令和8年度のページに記載がなく、実施されているか確認できませんでした。今年度分の枠は埋まっている可能性が高いので、来年度の受付開始に合わせて動くほうが確実です。窓口は都市計画局 住宅室 住宅政策課(075-222-3666)と、まち再生・創造推進室(075-222-3503)です(2026年8月時点)。
京都府京都市で空き家を持っているなら、順番があります。金額を調べる前に、その建物がどの区域に立っているかを確かめてください。
京都市の解体系の補助は、市内どこでも使える一本ではありません。区域で線が引かれています。
この記事は京都市の制度と、京都市の実成約データだけで書きます。制度の内容は2026年8月時点のものです。
市全体の解体補助は、今年度をあてにしないほうがいい
令和7年度には、空き家等の活用・流通(敷地活用)の補助がありました。解体工事費の補助と、仲介手数料の補助の2本立てです。
受付は2025年4月1日から始まり、その後は【受付終了】の表示に変わりました。今年度分の枠は、すでに埋まっている可能性が高いと見ておいてください。
令和8年度はどうか。市の空き家の活用・流通のページに載っているのは、専門家派遣制度(無料)とおしかけ講座(無料)の2つだけです。
解体工事費の補助についての記載がありません。 旧ページはいずれも404で、たどれません。
だから、この記事では金額を書きません。実施されているかどうかも、こちらでは確認できませんでした。
対象の条件だけは、令和7年度の内容が分かっています。個人が持つ一戸建て・長屋建て等で、昭和64年1月7日以前に建てられ、延べ床面積200㎡以下のものでした。
そのうえで、敷地面積50㎡以下の狭小敷地にあることが要ります。京町家は除かれます。
かなり狭い入口です。当てはまる敷地は京都の街なかに少なくありませんが、それでも「うちも対象だろう」と決め打ちはできません。
動くなら、来年度の受付開始に合わせるほうが確実です。年度が替わる前に、実施の有無と条件を市に聞いておいてください。
窓口は都市計画局 住宅室 住宅政策課です。代表は075-222-3666、空き家対策担当は075-222-3667。京都市空き家相談窓口(075-231-2323)は9:00〜11:30と13:00〜16:30に受け付けています。
交付決定より先に壊すと、補助は出ない
補助金には順番があります。交付決定より前に契約や着工をすると、あとから対象外になる扱いが少なくありません。
京都市の各制度について、申請と契約の前後関係はこちらでは確認できませんでした。だからこそ、契約書に判を押す前に電話を1本入れてください。
ここは戻せない場所です。工事が終わってから申請しても、まず通りません。
見積もりを取ること自体は、ふつう制限されません。危ないのは、業者と話が進むうちに、その場で署名してしまう場面です。
見積もりは複数社から取ってください。金額は構造で変わります。木造か、鉄骨か、基礎がどうなっているか。
京都でもう一つ影響するのが、道です。袋路の奥や幅の狭い道に面した家では、重機が入りません。
手で壊す割合が増えれば、工期も費用も動きます。現地を見ずに出した見積もりは、あとで膨らむことがあります。
費用の決まり方と業者の選び方は空き家・古家の解体費用は何で決まる? 見積もりの取り方と業者選びにまとめました。
年度の切り替わりにも注意が要ります。受付が始まってから予算がなくなるまでの期間は、制度によって違います。診断や見積もりに時間をかけていると、その年度に間に合いません。
対象区域なら、上限60万円と上限100万円の2本がある
京都市には、防災まちづくりの側から出ている除却の補助があります。空き家専用ではありませんが、古い木造には当てはまります。
ただし、市内どこでも使えるわけではありません。優先6学区、柏野・翔鸞・仁和・正親・出水・六原を中心とする対象区域に限られます。
1本目が老朽木造建築物除却事業です。補助率は2分の1、上限は60万円。
対象は、昭和56年6月1日の時点で存在していた木造建築物です。そのうえで、袋路に接する、幅員が制限される道路に接するなど、5つの条件のどれかに当てはまることが要ります。
京都の街なからしい要件です。道の狭さそのものが、対象かどうかを決めています。
2本目がまちなかコモンズ整備事業です。建物の除却費は10分の9、上限100万円。壊したあとのひろばの整備費は全額補助で、上限200万円です。
金額だけ見ると強い制度に見えます。条件を読むと、性格がはっきりします。
細街路に接し、防災性の向上に役立つ40㎡以上の土地であること。そして跡地を5年以上、無償で貸すこと。 管理は地域の自治組織と共同で行います。
売って現金にしたい人とは噛み合いません。5年のあいだ、その土地は動かせないからです。
一方で、地域に置いておく前提なら筋は通ります。空いた土地を持て余しているなら、こういう手もあります。
予算がなくなり次第、受付は終わります。令和8年度の受付期間は、こちらでは確認できませんでした。
自分の土地が対象区域に入っているかは、地図を眺めても分かりません。住所を伝えて聞くのが早いです。窓口はまち再生・創造推進室、075-222-3503です。
京都市の相場は、一つの数字になりません
国土交通省の実成約データは、京都市では区ごとにしか取れません。市全体をならした中央値は、そもそも作れない。
11区を合わせた戸建ての成約は9,627件です。件数は足せます。中央値は足せません。
区ごとの開きは大きく出ています。戸建ての中央値がいちばん低いのは山科区で、いちばん高いのは下京区でした。
同じ京都市でも、別の市場だと考えたほうが実務に合います。「京都市の相場」でひとくくりにすると、判断を誤ります。
査定を受けるときは、市ではなく区の事例を出してもらってください。近い学区、近い道幅、近い築年。比べる相手が近いと、根拠を確かめやすくなります。
貸す道も、売る道と並べて見ておいてください。京都市には京都安心すまいバンクがあります。
市に登録した不動産等の専門家と市がチームを組み、貸したい・売りたい人と、借りたい・買いたい人をつなぐ仕組みです。
登録の要件、成約したときの補助の有無、公益的な活用に限られるのかどうか。ここはこちらでは確認できませんでした。相談を始める前に、窓口で確かめてください。
売る場合と貸す場合の比べ方は家を売るか貸すか。判断の分かれ目と貸した場合の収支にあります。
売る・貸す・壊す・持ち続ける。京都市の材料で決める
迷っているなら、この順で確かめてください。
まず名義。 登記事項証明書で名義と権利関係を確認します。共有になっていれば、売るのも壊すのも全員の合意が要ります。
次に現況のままの査定。 手を加える前の値段を先に知ってください。区ごとに水準が違うので、必ず同じ区の事例で出してもらいます。
相続した空き家を売るなら、譲渡所得から3,000万円を差し引ける特例が使えることがあります。この特例には被相続人居住用家屋等確認書が要り、京都市はこの確認書を発行しています。
要件は細かいので相続した空き家を売る。譲渡所得から3,000万円を引ける制度で確認してください。確認書の申請先は市の窓口です。
貸すなら、無料の手を先に使う。 令和8年度のページに残っている専門家派遣制度は、現地に専門家が来て、活用の方法や修繕の中身を助言する制度です。費用はかかりません。
地域の空き家相談員による相談、不動産無料相談会、おしかけ講座もあります。何から手をつけるか決まっていない段階なら、ここが入口になります。
壊すのは、いちばん後。 更地に戻すと、やり直しはききません。住宅用地の特例が外れて、土地の税負担が変わることもあります。
対象区域の制度を使うなら、性格も見ておいてください。まちなかコモンズ整備事業は、壊したあと5年以上その土地を無償で貸す前提の制度です。
古家付きのまま売る道と、必ず比べてから決めてください。判断の材料は更地で売るか、古家付き土地のまま売るか。見極め方にあります。
持ち続けるなら、費用が出続ける前提で。 管理の手間と固定資産税は毎年かかります。傷みが進むと、選べる出口は減ります。
地域連携型空き家対策促進事業という制度もありますが、向いている先が違います。地域の自治組織に向けたもので、1団体あたり年間最大50万円、令和8年度の新規募集はありません。
所有者が個人で使う制度ではないので、期待しないでください。活用の全体像は空き家の活用方法。貸す・売る・解体、選び方の全体像にまとめています。
この記事の制度の内容は、2026年8月時点の京都市の公開情報にもとづきます。確認できなかったことも書いておきます。
令和7年度にあった解体工事費補助と仲介手数料補助が令和8年度も実施されているかは、分かりませんでした。老朽木造建築物除却事業とまちなかコモンズ整備事業の令和8年度の受付期間も、公式ページには出ていません。安心すまいバンクの登録要件と成約時の補助についても確認できませんでした。
動き出す前に、次の窓口で最新の内容を確かめてください。
- 空き家全般・活用・流通: 都市計画局 住宅室 住宅政策課 075-222-3666(代表)/空き家対策担当 075-222-3667
- 京都市空き家相談窓口: 075-231-2323(9:00〜11:30/13:00〜16:30)
- 老朽木造建築物除却事業・まちなかコモンズ整備事業: まち再生・創造推進室 075-222-3503