空き家を、壊すか貸すか売るか
川崎市の空き家、解体補助金は? 最大100万円。ただし重点対策地区だけ
編集部
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結論から 川崎市の解体・除却の補助は「住宅等不燃化推進事業補助金」です。老朽建築物の除却工事で最大100万円が出ます。ただし対象は不燃化重点対策地区(小田周辺地区・幸町周辺地区など)に限られ、空き家専用の制度ではありません。空き家専用の解体補助は、市の公式サイト上では確認できませんでした。2026年4月1日の見直しで、補助対象者は個人のみになりました(区画道路の拡幅のみの場合は法人も可)。補助率と受付期間は、公式ページに記載がありません。まちづくり局 住宅政策部 住宅整備推進課(044-200-2253)で確認してください(2026年8月時点)。
川崎市で空き家を持っているなら、先に確かめるのは建物の傷み具合ではありません。その家が建っている場所です。
川崎市の解体補助は、区域の中か外かで使える・使えないが分かれます。空き家だから使える、という制度ではありません。
この記事は川崎市の制度と、川崎市の実成約データだけで書きます。制度の内容は2026年8月時点のものです。
川崎市の解体補助は、空き家かどうかより先に「場所」で決まる
制度の名前は「住宅等不燃化推進事業補助金」です。老朽建築物の除却工事、または耐火性能強化工事が対象になります。
ここで大事なのは、空き家専用の制度ではないという点です。対象は旧耐震の木造住宅で、人が住んでいる家も申請できます。
そのうえで、場所の条件がかかります。不燃化重点対策地区に建っていることが前提で、小田周辺地区や幸町周辺地区などが指定されています。
除却工事の補助は最大100万円です。補助率が何割かは、市の公式ページには書かれていませんでした。
自分の家が地区の中か外かは、地図を眺めても判断がつきません。住所を伝えて、まちづくり局 住宅政策部 住宅整備推進課(044-200-2253)に聞くのが早いです。
正直に書いておきます。空き家専用の解体補助は、川崎市の公式サイト上では確認できませんでした。
つまり空き家であること自体は、補助の理由になりません。地区の外に建つ空き家は、この制度の枠の外です。
同じ市のなかでも、駅からの距離と土地の形で価格は変わります。まず自分の地域の実際の成約価格を見ます。
2026年4月から、補助を受けられるのは個人だけになった
この制度は2026年4月1日に見直されています。補助対象者が個人のみになり、法人は対象外になりました。
例外がひとつあります。区画道路の拡幅のみの場合は、法人も対象です。
相続がからむ場面では、ここが影響してきます。名義が会社になっている物件や、法人が買い取ってから壊す前提の話は、扱いが変わります。
たとえば、買主が不動産会社で、引き渡しのあとに解体する段取りだとします。そのとき補助を申請するのは誰なのかを、契約の前に決めておく必要があります。
順番を間違えると、使えるはずの補助が消えます。制度は年度で変わるものです。
2026年4月に変わったばかりなので、また変わる前提で窓口に最新の内容を聞いてください。
動くなら年度の前半。契約より先に電話を1本入れる
受付期間について、市の公式ページには記載がありませんでした。ただし、注記がひとつ載っています。
「年度後半の申請は補助金の支払いが遅くなることがある」という内容です。年度の後半に申請すると、お金が手元に入るのが遅れるということです。
解体を考えているなら、年度の前半に動くほうが資金の読みが立ちます。ここは金額の話ではなく、段取りの話です。
もうひとつ、順番の話をします。申請と契約のどちらが先かは、公式ページの本文では確認できませんでした。
補助金には、交付決定より前に契約や着工をすると対象外になるものが多くあります。だから業者と契約する前に、044-200-2253へ電話してください。
ここを飛ばすと、あとから取り返せません。見積もりを取る行為そのものは、ふつう止められません。
危ないのは、話が進んだ勢いで、その場で契約書に署名してしまう場面です。
見積もりは複数社から取ってください。解体の金額は建物の構造で変わり、現場まで重機が入る道があるかどうかでも動きます。
費用の決まり方と業者の選び方は空き家・古家の解体費用は何で決まる?にまとめました。
川崎市は解体一括見積サービスのWEBサイトも案内しています。これは民間の事業者との連携で、市の補助ではありません。
市が紹介しているから安いはず、とは考えないでください。補助の話とは別の枠です。
川崎市に空き家バンクは無い。あるのは公益活用のマッチング
貸す道を考えている人に、先に伝えておきます。川崎市に空き家バンクはありません。
市のFAQでは、居住用の空き家の紹介を希望する場合、民間の不動産会社に案内されると書かれています。市が借り手を探してくれる仕組みは無い、ということです。
名前の似た制度はあります。「空家マッチング制度」で、こちらは試行実施です。
ただし用途が限られます。地域交流、福祉、居住支援、教育、子育て支援、防災、国際交流、地域活性化、まちづくり関連の活用が対象です。
個人の居住用途は対象外になっています。つまり「誰かに住んでもらう」ための制度ではありません。
対象になるのは戸建てだけでなく、集合住宅も入ります。ただし原則として、一棟すべてが空室であることが条件です。
成約したときに補助が出るかどうかは、公式ページに記載がありませんでした。
相談先も押さえておいてください。空き家の利活用や管理、売却の情報提供は、すまいの相談窓口が受け付けています。運営は川崎市居住支援協議会と住宅供給公社で、電話は044-244-7590です。
この窓口では、家財整理やリフォームの事業者を紹介してもらえます。庭木が伸びて近所に迷惑をかけている、という相談もここです。
川崎市は専門家12団体と「空家等対策における連携及び協力に関する協定」を結んでいます。窓口の先に、士業や業界団体がつながっている形です。
貸すか売るかで迷っているなら、家を売るか貸すか。判断の分かれ目と貸した場合の収支を先に読んでください。
数字は区で見る。川崎市全体の相場という数字は無い
国土交通省の実成約データは、川崎市の場合、区ごとにしか取れません。市全体の中央値という数字は出せない、ということです。
7区を合わせた戸建ての成約は6,747件でした。数としては厚く、比べられる事例はあります。
ただし中央値は区でかなり違います。戸建てでいちばん高いのは中原区、いちばん低いのは宮前区でした。
マンションも同じです。中原区が高く、川崎区が低く出ています。
成約の数は、戸建てよりマンションのほうが多くなっています。ここが判断の分かれ目です。
分譲マンションの一室は区分所有なので、自分の判断で壊すことはできません。ここまで書いてきた解体補助は、マンションの空き家には関係しない話です。
残る道は、売るか、貸すか、持ち続けるかになります。
査定を頼むときも、市ではなく区で聞いてください。「川崎市の相場は」という言い方で出てくる数字は、根拠が薄くなります。
解体して更地にすると土地の使い道は広がりますが、解体費がかかり、住宅用地に対する税の軽減が外れる場合があります。
マンションの空き家は、誰も住んでいなくても管理費が止まらない
川崎市は、戸建てよりマンションの成約のほうが多い土地です。相続した空き家が分譲マンションの一室、という場面も当然あります。
戸建てと違うのは、空けたままでも毎月の支払いが続くことです。管理費と修繕積立金は、部屋を使っていなくても請求されます。
固定資産税は年に一度ですが、こちらは毎月です。持ち続けるなら、この出費が何年続くかを先に見てください。
もうひとつ、引き落とし口座の確認です。亡くなった親の口座から払われていた場合、口座が凍結されると引き落としが止まります。
止まった分は滞納になります。滞納を残したまま売りに出すと、契約の前に清算を求められるのがふつうです。
管理組合には、いまの所有者と連絡先を早めに伝えてください。総会の案内や修繕の通知が、空き部屋の郵便受けに溜まったままになるのを防げます。
売るときは、管理組合から取り寄せる書類があります。修繕積立金の残高や大規模修繕の予定は、買う側が見る項目です。
自分の判断で壊せない分、マンションは売るか貸すかに絞りやすい面もあります。進め方の違いは中古マンションを売る。戸建てと違う準備と進め方にまとめました。
売るか、貸すか、壊すか。川崎市の材料で順番を決める
迷っているなら、この順番で確かめてください。
まず名義。 登記事項証明書で、名義と権利関係を見ます。共有になっていれば、売るのも壊すのも全員の合意が要ります。
次に、現況のままの査定を取る。 手を入れる前の値段を先に知ってください。相続した空き家なら、譲渡所得から3,000万円を引ける特例が使えることがあります。
要件は細かいので、相続した空き家を売る。譲渡所得から3,000万円を引ける制度で確認してください。
貸す道も、査定と並べて見る。 川崎市に空き家バンクは無く、公益活用のマッチングは個人の居住用途を対象にしていません。借り手探しは民間に頼る前提になります。
壊すのは、いちばん後。 更地に戻すと、やり直しがききません。住宅用地の特例が外れて、土地の税負担が変わることもあります。
古家付きのまま売る道と比べてから決めてください。材料は更地で売るか、古家付き土地のまま売るかにあります。
持ち続けるなら、費用が出続ける前提で。 管理の手間と固定資産税は毎年かかります。傷みが進むと、直す費用も壊す費用も上がっていきます。
売ると決めたあとの段取りは家を売る流れは7ステップで確認できます。
この記事の制度の内容は、2026年8月時点の川崎市の公開情報にもとづきます。補助率、受付期間、予算の上限や件数の枠、宅建業者が除外されるかどうかは確認できませんでした。
動き出す前に、次の窓口で最新の内容を確かめてください。
- 解体・除却の補助(住宅等不燃化推進事業補助金): まちづくり局 住宅政策部 住宅整備推進課 044-200-2253
- 空き家の利活用・管理・売却の相談: すまいの相談窓口(川崎市居住支援協議会・住宅供給公社) 044-244-7590