神奈川の家売却
神奈川県横浜市磯子区の不動産売却|3LDK中心のマンション市場。築30年と築45年、二つの線で値段が分かれる
編集部
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結論から 横浜市磯子区の実成約は、中古マンションが1,114件、戸建てが754件です(国交省データ)。マンションの中央値は2,350万円、戸建ては4,100万円です。マンションの間取りは3LDKと2LDKが上位で、築46年以上の中央値は築10年以内の3分の1以下です。戸建ては築46年以上で半分以下になります。戸建ての成約が集まる第1種低層住居専用地域は、中央値もいちばん高い用途地域です。
横浜市磯子区の家は、誰が、いくらで買うのか

1どんな人が買うのか
磯子区で売れる中古マンションは3LDKがいちばん多く、買うのは家族で住む人が中心だと私たちは見ています。
横浜市磯子区で売れた中古マンションを、築年数で分けると13%30%57%
- 築10年以内13%
- 築11〜30年30%
- 築31年以上57%
成約全体のうち、中古マンションが55%を占めます。間取りの記録がある部屋では、3部屋以上の家族向けが64%です。ひとり〜ふたり向けは5%にとどまります。売れた部屋の57%は築31〜45年と築46年以上の部屋で、古い部屋も多く買われています。
2だから、この値段
中古マンションは、築21〜30年の3,150万円から、築31〜45年では1,600万円まで下がります。
築年数ごとの、売れた値段の真ん中(中古マンション)4,900万10年以内
4,500万11〜20年
3,150万21〜30年
1,600万31〜45年
1,400万46年以上
築10年以内は4,900万円、築11〜20年は4,500万円です。築46年以上は1,400万円で、築31〜45年との差は小さくなります。売れた部屋の多くが古いため、全体の真ん中の値段が2,350万円に下がっていると私たちは見ています。改装済みは2,500万円、未改装は2,200万円で、高い地区は磯子台(5,950万円)、安い地区は上中里町(960万円)です。
3この先、上がりそうか、下がりそうか
地価は上がった地点が多い一方、家を買う年代の人は減る見込みです。先行きは分かれると私たちは見ています。
住宅地の土地の値段は、去年と比べて(1つの点が1か所)
家を買う年代(25〜44歳)の人数の見込み(国の推計)2025年3.7万人
2035年3.6万人
2045年3.4万人
住宅地の地価は27地点のうち23地点で去年より上がり、下がった地点は0です。中古マンションの真ん中の値段は、前の年より下がりました(−4.3%)。家を買う年代の人は、2045年までに減る見込みです(−8%)。長い目で見ると、家族向けの部屋を買う人は少なくなっていくと考えています。
「私たちは見ています」「考えています」と書いたところは、下の数字から読んだ見立てです。値段は、国土交通省に届け出られた実際の取引です。土地の値段は地価公示・地価調査、人数は国の将来推計人口(2020年の国勢調査をもとにした推計)から取りました。
磯子区の成約はマンション1,114件、戸建て754件。3LDKと2LDKの部屋が市場の中心にある
横浜市磯子区の実成約を、国土交通省の不動産情報ライブラリで集計しました。件数がいちばん多いのは中古マンションで1,114件です。次が戸建てで754件、いちばん少ないのが土地だけの取引で144件です。
マンションの中央値は2,350万円、㎡単価の中央値は38万円です。戸建ての中央値は4,100万円で、安いほうから4分の1の値が3,100万円、高いほうから4分の1の値が5,200万円です。
磯子区のマンションで成約がいちばん多い間取りは3LDKで、次が2LDKです。どちらも家族で住む広さの部屋です。
単身向けの小さな部屋が上位に来る区とは、中央値の意味が違います。磯子区の2,350万円は、「3LDKか2LDKの部屋が、だいたいこの値段で売れた」と読んでかまいません。
逆に言うと、1Kや1LDKを売る人は、この中央値を目安にしないでください。件数が少ない間取りは、区の中央値から離れた値段で成約します。比べる相手は、同じ間取りの成約に限ります。
マンションは築46年以上で築10年以内の3分の1以下。築21〜30年の帯にいるか、その先にいるかで段が変わる
磯子区の中古マンションは、築年数で値段がはっきり段になります。築10年以内の中央値を基準にすると、築46年以上は3分の1以下まで下がります。
落ち幅がいちばん大きいのは、築21〜30年の帯から築31〜45年の帯へ移るところです。築30年の線を越えると、値段の段が一つ下がります。築20年台の部屋を持っている人は、いま「落ちる手前の帯」にいます。
築31〜45年の帯に入っている部屋は、次の段を見てください。築46年以上は、1981年6月に施行された新耐震基準より前に建った建物が含まれます。
買い手が住宅ローン控除を使うには、1982年以降の建築か、耐震基準に適合する証明が要ります。買い手の選択肢がここで狭まるので、値段の段も深くなります。
建築士の視点
築30年の線で落ちるのは、建物の寿命が30年だからではありません。鉄筋コンクリートの建物は、手入れ次第でもっと長く使えます。
落ちる理由は、買い手の計算にあります。築30年を過ぎると、大規模修繕の2回目が視野に入ります。修繕積立金が足りていない棟では、一時金や値上げが議題に上がります。買い手は「買った後にいくらかかるか」を値段から引きます。
ですから、同じ築31〜45年でも、修繕の履歴と積立金の残高がそろっている棟は、段の上のほうで成約します。査定の前に、長期修繕計画と直近の総会議事録を管理会社から取り寄せてください。これが磯子区の築古マンションで、いちばん役に立つ資料です。
マンション特有の準備は、中古マンションを売る にまとめてあります。管理費・修繕積立金・駐車場の確認項目は、そちらを見てください。
改装済みの中央値は未改装を上回る。差額は「工事費」ではなく「買い手が払わずに済む手間」の値段
磯子区の中古マンションは、改装済みの中央値が未改装より高くなっています。この数字を見て「売る前に直せば高く売れる」と読むのは早いです。
改装済みで成約した部屋は、改装費をかけた部屋です。その費用が中央値の差と同じとは限りません。差が費用より小さければ、売主は持ち出しになります。
買い手が改装済みに払っているのは、工事費の実費ではありません。「買ってすぐ住める」「業者を探さなくていい」という手間の値段です。だから差額は、工事の中身より、買い手の層で決まります。
3LDKを家族で買う人は、入居の手間を嫌う傾向があります。磯子区で改装済みが高い理由は、ここにあると読めます。
未改装のまま売るなら、比べる成約も未改装にそろえてください。査定書の比較事例に改装済みが混ざっていると、値段が高めに出ます。その値段で売り出すと、売れ残ります。
直すかどうかの判断は、売る前にリフォームすべきか に、実成約で見た考え方を書いています。磯子区でも、判断の仕方は同じです。
この1年、マンションは横ばいで戸建てはやや上。横ばいの市場で高い査定が出たら、比べた成約の時期を聞く
直近1年の中央値を、その前の1年と比べました。マンションはほぼ横ばいです。戸建てはやや上がっています。
磯子区の成約はマンションが主役なので、区の相場の動きはマンションの動きで見ます。横ばいです。「横浜市内は上がっている」という話を聞いても、磯子区のマンションは動いていません。
横ばいの市場で、査定額が高く出たときは注意してください。聞くべきことは一つです。「比べた成約は、いつのものですか」。
3年分の成約を使った数字と、直近1年の成約を使った数字は、同じ区でもずれます。高い査定の根拠が古い成約なら、その値段では売れません。
戸建てのやや上がった動きも、そのまま自分の家に当てはめないでください。戸建ては用途地域と道路の条件で値段が分かれます。区全体の動きより、同じ条件の成約の動きを見てください。
戸建ては築46年以上で半分以下。落ちる線は築45年で、マンションの築30年より15年あとにある
磯子区の戸建ては、築10年以内の中央値を基準にすると、築46年以上で半分以下になります。落ち幅がいちばん大きいのは、築31〜45年の帯から築46年以上の帯へ移るところです。
マンションと戸建てで、落ちる線の位置が違います。マンションは築30年の線、戸建ては築45年の線です。磯子区で築40年の戸建てを持っている人は、まだ落ちる前の帯にいます。
築40年のマンションは、もう落ちた後の帯にいます。同じ「築40年」でも、置かれている場所が違います。
戸建てが築45年まで持ちこたえるのは、値段の土台が土地にあるからです。木造住宅の建物は、税務上の耐用年数が22年です。
築30年を過ぎると、建物の評価はほとんど残りません。それでも中央値が落ちないのは、土地の値段が残っているからです。
築46年以上で半分以下になるのは、買い手が「建て替え前提」で値段を見るからです。解体費を引いた土地の値段が、買い手の上限になります。この帯に入ると、建物の状態より、土地の条件が値段を決めます。
戸建ての成約が集まる第1種低層住居専用地域が、中央値もいちばん高い。制限の厳しさが値段を下げていない区
磯子区の戸建てで、成約がいちばん多い用途地域は第1種低層住居専用地域です。そして、中央値がいちばん高い用途地域も第1種低層住居専用地域です。いちばん低いのは近隣商業地域です。
第1種低層住居専用地域は、建築基準法で建物の高さが10mまたは12mに制限されます。店舗や事務所は、小さなものを除いて建てられません。土地の使い方の自由度でいえば、いちばん厳しい用途地域です。
それでも中央値がいちばん高いのは、買い手が「制限」を「保証」と読んでいるからです。隣に高い建物が建たない。店舗の出入りがない。
日当たりが変わらない。家族で住む家を買う人は、この条件に値段を払います。
近隣商業地域は、容積率が高く、店舗も建てられます。土地を事業に使う人には向きます。
ただ磯子区の戸建ての成約では、この用途地域の中央値がいちばん低くなっています。戸建てを買う人が、住む場所として選んでいないと読めます。
建築士の視点
用途地域は、都市計画法で市が定める区分です。自分の家がどの用途地域にあるかは、横浜市の都市計画情報で確かめられます。購入時の重要事項説明書にも書いてあります。
第1種低層住居専用地域の家を売るときは、この用途地域であることを査定の最初に伝えてください。比較事例が近隣商業地域の成約だと、磯子区では低く出ます。逆に、近隣商業地域の家を第1種低層の成約で査定されると、高く出て売れ残ります。
用途地域をまたいだ比較事例は、磯子区では値段をゆがめます。査定書の比較事例が、同じ用途地域かどうかを確かめてください。
戸建ての前面道路は4〜6m・6m以上・4m未満で中央値が違う。幅員は建築確認の配置図に書いてある
磯子区の戸建ては、前面道路の幅で中央値が三つに分かれます。4〜6mの帯、6m以上の帯、4m未満の帯です。
4m未満の道路に接している家は、建築基準法の接道義務を満たしていない可能性があります。建物を建てる敷地は、幅4m以上の道路に2m以上接していなければなりません。幅が4m未満でも、法の施行前からある道は「2項道路」として扱われます。
この場合、建て替えのときに道路の中心から2m後退する必要があります。後退したぶん、敷地が減ります。
買い手は、この減るぶんを値段から引きます。4m未満の帯の中央値が低いのは、この計算が入っているからです。
6m以上の帯が高いのは、容積率の上限が道路幅で決まるからです。前面道路が狭いと、用途地域で定められた容積率より低い上限がかかります。道路が広いほど、建てられる床面積が大きくなります。
自分の家の前面道路の幅は、建築確認申請の配置図に書いてあります。家を建てたときの図面が手元にあれば、そこを見てください。無ければ、購入時の重要事項説明書に記載があります。
4m未満なら、過去にセットバック済みかどうかも調べておきます。後から分かると、値引きの材料になります。先に伝えれば、根拠のある値段が返ってきます。
道路と間口が値段に影響する仕組みは、間口と前面道路で売却価格はどれだけ変わるか に書いています。
土地だけの成約は144件と少ない。築46年以上の戸建てを壊すかどうかは、二つの査定を並べてから決める
磯子区で土地だけで成約した取引は144件です。マンション・戸建てより少なく、いちばん少ない区分です。㎡単価の中央値は23万円です。
築46年以上の戸建てを持っている人は、「壊して更地にするか」を考えます。磯子区の戸建ては、この帯で中央値が半分以下になるからです。
ただ、半分以下でも成約はあります。壊す前に、建物付きの値段を聞いてください。
並べる数字は二つです。一つは、建物付きのままで売ったときの査定です。もう一つは、23万円に敷地面積を掛けた土地の値段から、解体費を引いた数字です。
解体費は業者の見積もりで出ます。二つを並べて、高いほうで売ります。
古家付きで売ると、買い手が解体費を引いて値段を出します。更地で売ると、売主が解体費を払います。どちらにしても解体費は誰かが払います。
違いは、誰が払うかと、壊した後に売れなかったときの損です。更地にしてから売れないと、解体費だけが残ります。
更地か古家付きかの見極め方は、更地で売るか、古家付き土地のまま売るか に書いています。解体費の見積もりの取り方も、そちらを見てください。
磯子区で査定を頼む前にそろえる三つ。マンションは間取りと修繕の資料、戸建ては用途地域と道路幅
磯子区の成約データから言える準備は、マンションと戸建てで違います。
マンションを売る人は、間取りと築年帯を先に伝えてください。3LDKか2LDKなら、同じ間取りの成約が多いので、比べる相手に困りません。築30年の線のどちら側にいるかで、段が変わります。
長期修繕計画と直近の総会議事録を管理会社から取り寄せ、査定のときに渡してください。築31〜45年の帯では、これが値段の根拠になります。
戸建てを売る人は、用途地域と前面道路の幅を先に伝えてください。第1種低層住居専用地域なら、磯子区ではいちばん高い用途地域です。
道路幅が4m未満なら、セットバック済みかどうかを調べておきます。築45年の線のどちら側にいるかで、建物付きの値段と更地の値段のどちらが主になるかが変わります。
査定書が届いたら、比較事例の欄を見てください。間取り・用途地域・築年帯・成約の時期が、自分の家とそろっているかです。
そろっていない事例で出た金額は、磯子区では当てになりません。複数社の査定額に差が出たら、「どの成約と比べたか」を聞けば、差の理由が分かります。
売却の手続きそのものは、区が違っても同じです。査定から引き渡しまでの順番は、家を売る流れは7ステップ に書いています。
仲介手数料や税金の項目も、そちらから確かめられます。磯子区で変わるのは、比べる成約だけです。