神奈川の家売却
神奈川県横浜市南区の不動産売却|マンション中心の区。値段が折れる築年の線は、建物の種類で違う
編集部
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結論から 横浜市南区の実成約は、中古マンションが1,865件、戸建てが982件、土地が258件です(国交省データ)。中央値はマンションが2,300万円、戸建てが4,000万円です。マンションの間取りは1Kが最多で、次が3LDKです。値段がいちばん落ちる線は、マンションが築30年、戸建てが築45年と、建物の種類で違います。直近1年はマンションがやや下がり、戸建てはやや上がりました。
南区の相場は二つある。マンションの2,300万円と戸建ての4,000万円を一つにまとめない
横浜市南区で2023年第2四半期から2026年第1四半期に成約した取引を集計しました。出典は国土交通省の不動産情報ライブラリです。中古マンションが1,865件です。
戸建て(土地と建物のセット)は982件です。土地だけの取引は258件で、三つの中でいちばん少ない数です。
この区で「相場」と言うとき、指している数字は二つに割れます。マンションの中央値2,300万円と、戸建ての中央値4,000万円です。件数はマンションが戸建てを大きく上回ります。
区の値動きを語る記事や広告は、たいていマンションの成約を見ています。戸建てを売る人が、その数字を自分の目安にすると食い違います。
戸建ての安いほうから4分の1の値は2,800万円、高いほうから4分の1の値は5,000万円です。真ん中の半分だけでも、この幅があります。
幅が出る理由は、築年帯・用途地域・前面道路の三つです。この三つは後ろの節で順に扱います。
まず、件数の多いマンションから読みます。
最多の間取りは1K、次が3LDK。広さが違いすぎる二つを、㎡単価56万円でそろえて見る
南区のマンション成約で、いちばん多い間取りは1Kです。次が3LDKです。ワンルームに近い部屋と、家族で住む部屋が、同じ1,865件の中に入っています。
間取りで買い手の見方が変わります。1Kを買う人の多くは、自分で住むか、人に貸すかのどちらかです。
貸す目的なら、家賃から管理費と修繕積立金を引いた残りで値段を逆算します。3LDKを買う人は、学区や階数や日当たりを見て、同じ広さの部屋どうしで比べます。
総額の中央値2,300万円は、この二つの混ざった値です。1Kを売る人には高すぎ、3LDKを売る人には低すぎることがあります。そこで、広さの違いを消すために㎡単価に直します。
区の㎡単価の中央値は56万円です。自分の部屋の査定額を専有面積で割り、この単価と並べてください。そのうえで、同じ間取り・同じ築年帯の成約単価と比べると、ずれの原因が見えます。
マンション全般の準備は別の記事にあります。
中古マンションを売る
ここでは南区のデータで言えることに絞ります。
築21〜30年のマンションは、値段が折れる手前の帯にいる。売る時期を考える材料になる
南区の中古マンションを築年帯で区切りました。中央値がいちばん落ちるのは、築21〜30年から築31〜45年へ移るところです。築46年以上になると、築10年以内の中央値の半分以下まで下がります。
築21〜30年の部屋は、落ちる手前の帯にいます。この帯にいる人が知っておきたいのは、帯が変わると比べられる成約の顔ぶれが変わることです。
築31〜45年の成約の中には、大規模修繕を2回終えた棟もあれば、積立金が足りずに値上げした棟もあります。買い手はその中で自分の棟を位置づけます。
築46年以上の帯は、集計期間から逆算すると1980年以前の建築です。1981年6月より前に建築確認を受けた建物は旧耐震基準です。
この帯の買い手は、耐震診断の有無と結果を最初に聞きます。診断を受けているなら、結果の書類を査定の前にそろえてください。
売る時期を帯の線だけで決めるのは勧めません。住み替え先の都合や、ローンの残りが先にあります。
ただ、査定書に書かれた比較事例が自分と同じ帯かどうかは、必ず見てください。築28年の部屋を築31〜45年の成約で値付けされていたら、その査定は低く出ています。
マンションはやや下がり、戸建てはやや上がった。南区では二つの動きが逆向きになっている
直近1年の中央値を、その前の1年と比べました。中古マンションはやや下がり、戸建てはやや上がっています。区の中で、二つの動きが逆を向いています。
逆向きになるとき、査定で聞くべきことが一つ増えます。「比べた成約はいつのものか」です。マンションの査定に2年前の成約が混ざっていれば、今より高い水準で値付けされています。
売り出した後に値下げを重ねることになります。戸建ての査定に2年前の成約が混ざっていれば、逆に低く出ます。
3年分の中央値と、直近1年の中央値は、役割が違います。前者は区の全体像、後者は今の水準です。
査定書には、比べた成約の成約時期が書いてあります。書いていなければ、聞いてください。
なお、四半期ごとの中央値は件数が少ない帯ほど上下します。戸建ては1四半期の成約がマンションの半分以下です。一つの四半期の数字だけで「上がった」「下がった」と決めないでください。
改装済みの中央値は未改装より高い。ただし、その差を「工事費の回収」と読み違えない
南区のマンション成約では、改装済みの部屋の中央値が、未改装より高くなっています。
この差を「リフォームすればその分高く売れる」と読むのは早すぎます。改装済みで成約する部屋には、買取業者が仕入れて直し、再び売りに出したものが含まれます。業者は仕入れ値を低く抑え、工事費と利益を乗せて売ります。
高い中央値の中には、この利益が含まれています。個人が自宅を直して売る場合、同じ値段で売れても、工事費を自分で払っているぶん手取りは減ります。
未改装のまま売るなら、比べる成約も未改装にそろえてもらってください。査定書に改装済みの成約が混ざっていると、自分の部屋の値段が高く見えます。売り出し価格を高くつけて、問い合わせが来ない結果につながります。
直すかどうかの判断は、次の記事で実データをもとに整理しています。
売る前にリフォームすべきか
南区の1Kは、貸す目的の買い手が自分で直すことも多い間取りです。直す前に、査定で「現況のままと、直した場合の差額」を聞いてください。
戸建ては築45年を過ぎると、築10年以内の半分以下まで落ちる。建て替え前提で見られる帯
ここからは戸建てです。南区の戸建ては、築31〜45年から築46年以上へ移るところで中央値がいちばん落ちます。築46年以上の中央値は、築10年以内の半分以下です。
マンションが築30年の線で折れるのに対し、戸建ては築45年の線で折れます。折れる時期は遅いものの、落ちた先の水準は半分以下で、マンションと同じ深さです。データが示すのはここまでで、理由までは示しません。
ただ、築46年以上の戸建てを買う人が何を見ているかは言えます。建物を使い続けるより、建て替えるか、大きく直すかを前提に見ています。そのとき値段を決めるのは、建物ではなく、敷地に何が建てられるかです。
建てられる大きさは、用途地域と前面道路の幅で決まります。次の二つの節は、そのための節です。
戸建ての中央値は、商業地域が最高で第2種中高層住居専用地域が最低。成約の多い第1種低層はその間にある
南区の戸建てを用途地域で分けると、中央値がいちばん高いのは商業地域です。いちばん低いのは第2種中高層住居専用地域です。成約がいちばん多いのは第1種低層住居専用地域で、中央値は両者の間にあります。
商業地域の戸建てが高いのは、建物の値段ではなく、土地に建てられる大きさの違いです。商業地域は建ぺい率の上限が80%で、容積率も住居系の地域より高く設定されます。
買い手の中には、住む人だけでなく、店舗や共同住宅を建てる事業者も入ります。その競争が値段に出ます。
第1種低層住居専用地域は、建物の高さが10mまたは12mに制限され、建てられる用途も住宅が中心です。買い手はほぼ「自分で住む人」に限られます。成約がいちばん多い地域なので、比べる事例は見つけやすい地域です。
自分の家がどの用途地域にあるかは、購入時の重要事項説明書に書いてあります。手元に無ければ、横浜市が公開している都市計画の地図で住所から調べられます。査定を頼むとき、用途地域を自分から伝えると、比べる成約の範囲が最初から絞れます。
前面道路の幅で戸建ての中央値が三段に分かれる。幅は購入時の重要事項説明書に書いてある
南区の戸建ては、前面道路の幅で中央値に差が出ています。区分は4m未満、4〜6m、6m以上の三つです。
道路の幅が値段に効く理由は二つあります。一つは接道義務です。建築基準法では、建物を建てる敷地は幅4m以上の道路に2m以上接している必要があります。
前面道路が4m未満の場合、道路の中心線から2m後退した線が敷地の境とみなされます。建て替えのとき、後退した部分には建てられません。
もう一つは容積率です。容積率の上限は用途地域で決まりますが、前面道路が12m未満のときは、道路幅に一定の係数を掛けた値も上限になります。住居系の地域では道路幅に0.4を掛けます。
4mの道路なら160%が天井です。用途地域の容積率が200%でも、道路の幅で160%に抑えられます。買い手はこの差を、建てられる床面積の差として計算します。
自分の家の前面道路の幅は、購入時の重要事項説明書に記載があります。4m未満の場合、すでに後退して建てているか、これから後退が要るかで値段が変わります。後退済みなら、その事実を先に伝えてください。
道路幅と間口が値段にどこまで効くかは、次の記事で実データをもとに説明しています。
間口と前面道路で売却価格はどれだけ変わるか
土地だけの成約は258件。㎡単価27万円に敷地面積を掛けた値段と、建物付きの査定を並べる
南区で土地だけの成約は258件で、三つの中でいちばん少ない数です。㎡単価の中央値は27万円です。
築46年以上の戸建てを持つ人は、「壊して土地で売るか」を一度は考えます。決める前に、二つの値段を自分で並べてください。
一つは、㎡単価27万円に敷地面積を掛けた金額から、解体費を引いた値段です。もう一つは、建物付きのままの査定額です。
南区の土地の㎡単価は、安いほうから4分の1の値から高いほうから4分の1の値までの幅が広くなっています。中央値をそのまま自分の土地に当てはめると、用途地域と道路幅の分だけずれます。前の二つの節で確かめた条件を、ここでも使ってください。
壊すと、固定資産税の住宅用地の特例が外れます。売れるまでの期間が長引くと、その分の税負担が増えます。
買い手が自分で壊して建てたい場合もあれば、古家付きでは住宅ローンが通りにくい場合もあります。どちらが向くかは、次の記事で見極め方を整理しています。
更地で売るか、古家付き土地のまま売るか
売るときにかかるお金と手続きは、区が違っても同じ。南区で変わるのは「比べる成約」だけ
仲介手数料の上限、譲渡所得税の計算、必要書類、媒介契約の種類は、法律と規則で決まっています。南区だから変わるものではありません。査定から引き渡しまでの流れと、費用の内訳は、次の記事にまとめています。
不動産売却でかかる費用の一覧
南区で変わるのは、査定の根拠になる「比べる成約」です。この記事で見てきたとおり、南区では次の条件で値段が分かれます。
- マンションは、間取り(1Kか3LDKか)と、築30年の線のどちら側か
- マンションの改装の有無。未改装なら、比べる成約も未改装にそろえる
- 戸建ては、築45年の線のどちら側か
- 戸建ての用途地域と、前面道路の幅(4m未満・4〜6m・6m以上)
査定を頼むときは、この条件を自分から伝えてください。査定書が届いたら、比べた成約がこの条件でそろっているかを見てください。
そろっていなければ、その理由を聞いてください。答えが返ってこない査定書は、根拠が弱い査定書です。
複数の会社に同じ条件を伝え、返ってきた根拠を並べると、どの会社が南区の成約を読んでいるかが分かります。金額の高さより、根拠の確かさで選んでください。