横浜市瀬谷区の家は、誰が、いくらで買うのか

1どんな人が買うのか
瀬谷区で売れる家の多くは戸建てで、その60%が築10年以内です。売れた戸建ての多くは、築の浅い家でした。
横浜市瀬谷区で売れた戸建てを、築年数で分けると60%20%20%
- 築10年以内60%
- 築11〜30年20%
- 築31年以上20%
成約のうち戸建ては690件で、全体の69%を占めます。中古マンションは16%、土地だけは15%です。売れた戸建てのうち、築31年以上は20%です。築31年以上の戸建てを売る場合、実際の成約の中では少ない側に入ります。
2だから、この値段
戸建ての真ん中の値段は4,200万円です。築10年以内は4,600万円ですが、築11〜20年は3,350万円まで下がります。
築年数ごとの、売れた値段の真ん中(戸建て)4,600万10年以内
3,350万11〜20年
3,300万21〜30年
2,500万31〜45年
2,300万46年以上
真ん中の値段がいちばん大きく落ちるのは、築10年を出たところです。築21〜30年は3,300万円で、築11〜20年とほぼ同じです。築31〜45年は2,500万円、築46年以上は2,300万円です。地区では三ツ境(5,350万円)が高く、下瀬谷(3,600万円)が安くなっています。
3この先、上がりそうか、下がりそうか
住宅地の地価は、29地点のうち29地点で上がりました。ただ、家を買う年代は減る見通しで、この先は読み切れないと考えています。
住宅地の土地の値段は、去年と比べて(1つの点が1か所)
家を買う年代(25〜44歳)の人数の見込み(国の推計)2025年2.4万人
2035年2.4万人
2045年2.1万人
戸建ての真ん中の値段は、前の年と比べて−2.3%と小さな動きでした。国の推計では、家を買う年代の人数は2045年までに−15%となります。地価の上昇は値段の支えに、買う年代の減少は重しになると私たちは見ています。どちらが強く出るかは、このデータからは言えません。
「私たちは見ています」「考えています」と書いたところは、下の数字から読んだ見立てです。値段は、国土交通省に届け出られた実際の取引です。土地の値段は地価公示・地価調査、人数は国の将来推計人口(2020年の国勢調査をもとにした推計)から取りました。
横浜市瀬谷区の成約は戸建て690件、マンション159件、土地155件。戸建てが群を抜いて多く、マンションと土地が並ぶ区
横浜市瀬谷区で実際に成約した取引を、国土交通省の不動産情報ライブラリで集計しました。戸建てが690件でいちばん多く、中古マンションが159件です。
土地だけの取引は155件で、マンションとほぼ同じ件数でした。瀬谷区は、戸建てが市場の中心にある区です。
戸建ての中央値は4,200万円です。安いほうから4分の1の値が3,200万円、高いほうから4分の1の値が5,000万円でした。
マンションの中央値は3,000万円、㎡単価の中央値は37万円です。土地の㎡単価の中央値は18万円でした。
戸建てを売る人には、比べる成約が豊富にあります。築年帯や道路の幅で絞っても、同じ条件の成約が残ります。マンションを売る人は、事情が違います。
159件を築年帯と間取りで分けると、一つの区分に残る成約は少なくなります。瀬谷区のマンション査定は、少ない事例から値段を読む作業です。査定額の根拠に「どの成約を使ったか」を聞く意味が、戸建てより大きい区です。
戸建ては成約の半分以上が築10年以内。そこを出た直後に一段落ち、築11〜20年と築21〜30年はほぼ横並びになる
瀬谷区の戸建て成約を築年帯で分けると、築10年以内がいちばん多く、全体の半分を超えます。新しい家どうしの取引が、区の中央値4,200万円を作っています。
中央値がいちばん落ちるのは、築10年以内から築11〜20年へ移るところです。そのあとが、瀬谷区らしい形です。
築11〜20年と築21〜30年の中央値は、ほとんど並びます。築31〜45年で一段下がり、築46年以上では築10年以内の半分以下になります。
言い換えると、瀬谷区の戸建ての値段は三つの段でできています。築10年以内の段、築11〜30年の段、築31年以上の段です。
築15年の家と築25年の家は、同じ段にいます。築35年の家は、一つ下の段にいます。
築46年以上の帯は、中央値が低いだけでなく、値段の幅がとても広い帯です。土地の値段に近い成約から、建物の値段が残った成約まで混じっています。この帯の家の値段は、中央値より敷地の条件で決まります。
築10年以内の家を売る人は、区の中央値をそのまま目安にできます。それ以外の家は、自分の段の成約で比べ直してください。
区に関係なく戸建てで先に見ておく点は、戸建てを売る。建物より先に確かめる3つのこと に分けて書きました。
マンションは築21〜30年の帯に成約の半分以上がある。築30年を越えると大きく落ち、築46年以上では築11〜20年の3分の1以下
瀬谷区の中古マンションで成約がいちばん多いのは、築21〜30年の帯です。この帯だけで、成約の半分を超えます。
次が築31〜45年、その次が築46年以上です。築11〜20年の成約は少なく、築10年以内の成約はこの集計期間には出てきません。
値段の落ち幅が最大になるのは、築21〜30年の帯から築31〜45年の帯へ移る場面です。築46年以上に入ると、築11〜20年の3分の1以下の段になります。瀬谷区のマンションは、築30年の線で値段の段が変わります。
築31〜45年の帯は、値段の幅がとくに広い帯です。築31年の部屋と築45年の部屋が同じ帯に入っています。
安い側の4分の1と高い側の4分の1の開きが、どの帯より大きくなっています。この帯の部屋は、帯の中央値では値段を読めません。
幅が広い理由の一つは、耐震基準の線です。建築基準法の耐震基準は、1981年6月に大きく改められています。それより前に建築確認を受けた建物は、旧耐震基準と呼ばれます。
築45年前後の棟は、この線の前後に分かれます。買い手が受けられる税の優遇の条件に関わるため、同じ築年帯でも値段が分かれます。
自分の棟がどちらかは、建築確認の日付で分かります。管理組合の書類か、竣工時の図面に載っています。
マンションを売る手順そのものは、中古マンションを売る。戸建てと違う準備と進め方 に分けてあります。
3LDKが成約の半分ほどを占め、2LDKはその4分の1。間取りで「比べる相手」がそろうのは3LDKだけ
瀬谷区のマンションで成約がいちばん多い間取りは3LDKです。成約の半分ほどが3LDKです。次が2LDKですが、件数は3LDKの4分の1ほどです。
そのあとに4LDKと2LDK+Sが続きます。この二つは件数が限られます。
中央値は、3LDKのほうが2LDKよりやや高く出ています。区の中央値3,000万円は、3LDKの中央値より低いところにあります。3LDKを売る人が区の中央値を目安にすると、低めに読むことになります。
3LDKを売る人は、同じ間取りで築年帯のそろった成約が見つかります。2LDKや4LDKを売る人は、同じ条件の成約が数件しかないと考えておいてください。
査定の金額が数件の成約に寄りかかっているなら、その成約の築年と階数を一つずつ聞いてください。少ない事例で値段を決めるときは、一件の違いが金額を動かします。
改装済みは未改装より中央値が高いが、未改装の安い側には古い帯の部屋が混じる。差の全部が工事の値段ではない
瀬谷区のマンション成約で改装の有無が記録されたものは、改装済みと未改装がほぼ同じ件数です。中央値は改装済みのほうが高く出ています。
気をつけたいのは、未改装の側の広がりです。未改装の安いほうから4分の1の値は、改装済みよりずっと低いところにあります。築46年以上の安い帯の部屋が、未改装の側に多く入っている可能性があります。
築年と改装を組み合わせた内訳は、この集計では分かりません。それでも、二つの中央値の差を「工事をすれば上がる金額」と読むのは早すぎます。
売る前に直すかを決めるなら、順番があります。先に現況のままの査定を取ります。次に、直した場合の査定を同じ会社に聞きます。
二つの差が工事費より大きいときだけ、直す意味があります。瀬谷区では未改装のままでも成約が出ています。直さないと売れない区ではありません。
直近1年は戸建てがやや下がり、マンションははっきり上がった。戸建ては成約が増えた年で、マンションは四半期ごとの中央値が大きく振れている
直近1年の中央値を前の1年と比べると、戸建てはやや下がり、マンションははっきり上がりました。二つの市場が逆に動いた年です。
戸建ては、この1年で成約数が大きく増えています。件数が増えた年に中央値が下がったということは、安い側の成約が増えたのか、高い成約が減ったのかのどちらかです。
この数字だけでは分かりません。「区の相場が下がった」を自分の家に当てはめる前に、同じ築年帯の直近の成約で確かめてください。
マンションは、1四半期あたりの成約が少ない区です。四半期ごとの中央値は、上にも下にも大きく振れています。「はっきり上がった」の中身も、限られた件数の成約で決まっています。
査定で直近の値上がりを根拠にされたら、その成約の築年帯を聞いてください。築21〜30年の帯が上がったのか、築46年以上の帯も上がったのかで、自分の部屋への当てはまり方が変わります。
戸建ての7割は第1種低層住居専用地域で売れた。この用途地域が中央値もいちばん高く、準住居地域がいちばん低い
瀬谷区の戸建て成約を用途地域で分けると、第1種低層住居専用地域が7割ほどを占めます。次が第1種住居地域で、準住居地域、第1種中高層住居専用地域と続きます。
成約が一定数ある用途地域のなかで、中央値がいちばん高いのも第1種低層住居専用地域です。いちばん低いのは準住居地域です。瀬谷区では、建てられるものの制限がいちばん厳しい用途地域で、戸建ての値段がいちばん高く出ています。
第1種低層住居専用地域は、都市計画法で低層住宅の住環境を守るために定める地域とされています。建物の高さに上限があり、大きな店舗や事務所は建てられません。買い手が戸建てに求める条件と、この制限が重なっています。
準住居地域は、道路沿いの業務の利便と住環境の両立を図る地域です。自動車関連の施設や店舗が混じるため、住宅地としての評価はそのぶん下がりやすくなります。
自分の家がどの用途地域かは、買ったときの重要事項説明書に載っています。横浜市が公開している都市計画の地図でも確かめられます。
第1種低層の家は、同じ用途地域の成約が区の大半を占めるので、比べる相手に事欠きません。それ以外の用途地域の家は、件数が少ないぶん、中央値が数件の成約で動いていることを頭に入れてください。
前面道路の幅で中央値が下がるのは4m未満だけ。4〜6mと6m以上は中央値が並び、差が出るのは高い側の4分の1
瀬谷区の戸建てを前面道路の幅で分けると、成約がいちばん多いのは4〜6mです。6m以上がそれに続き、4m未満は件数がいちばん少ない区分です。
中央値を並べると、4〜6mと6m以上はほぼ同じです。4m未満だけが一段低くなります。6m以上の帯は、高いほうから4分の1の値が他の帯より高いところにあります。
道路が広いことは、高い側の成約でだけ値段に影響しています。中央値のあたりでは、道路の幅より築年帯のほうが値段を動かしています。
4m未満が一段低い理由は、建築基準法の接道義務にあります。家を建てる敷地には、幅4m以上の道路に2m以上接することが求められます。4m未満の道でも、法第42条2項の指定を受けていれば道路とみなされます。
その場合、建て替えのときに道路の中心線から2mの線まで敷地を下げます。指定のない道に面した敷地は、建て替えができないことがあります。
瀬谷区でもう一つ確かめておきたいのは、前面道路が私道かどうかです。区の戸建て成約のうち、前面道路が私道のものが4分の1ほどあります。私道の場合、買い手は通行と掘削の承諾書を求めます。
承諾書の有無で、売り出してからの手続きの長さが変わります。道路の幅が値段に影響する仕組みは、間口と前面道路で売却価格はどれだけ変わるか で整理しています。
土地だけの成約が155件。マンションと並ぶ件数があり、更地の買い手がいる区
瀬谷区で土地だけで成約した取引は155件で、マンションの159件とほぼ並びます。㎡単価の中央値は18万円です。単価の幅は広く、安い側と高い側で大きく開いています。
戸建てが中心の区で土地の成約がこれだけあるということは、更地を買って家を建てる人がいるということです。築46年以上の戸建てを持つ人にとって、これは選択肢が一つ増えることを意味します。建物付きで売る道と、壊して土地で売る道の両方に、買い手がいます。
どちらを選ぶかは、二つの査定を並べて決めます。一つは建物付きのままの査定額です。もう一つは、18万円に敷地面積を掛け、そこから解体の見積もりを差し引いた金額です。
築46年以上の戸建ての値段の幅が広い区なので、建物付きの査定が土地の値段を上回ることもあります。先に壊してしまうと、その比較ができなくなります。
土地の単価は、道路の幅と用途地域、敷地の形で大きく変わります。18万円は区全体の中央値であって、自分の敷地の単価ではありません。更地にするか古家付きで売るかの見極めは、更地で売るか、古家付き土地のまま売るか にまとめています。
瀬谷区の査定額は「比べた成約の築年帯」で決まる。依頼の前に、自分の家がどの段にいるかを書き出しておく
瀬谷区の成約データで値段を分けていたのは、戸建てでは築10年の線と築30年の線、前面道路の幅でした。マンションでは築30年の線、間取り、改装の有無です。
査定の依頼では、この条件を最初に伝えてください。条件のそろった成約で比べてもらえます。
戸建てでそろえる資料は、登記事項証明書、建築確認済証か検査済証、購入時の重要事項説明書です。前面道路の幅と用途地域、私道かどうかは重要事項説明書に載っています。私道なら、通行と掘削の承諾書があるかも確かめます。
マンションでそろえる資料は、間取り図、管理規約、長期修繕計画、直近の総会議事録です。建築確認の日付が分かる書類があれば、耐震基準の線の前後がはっきりします。
複数社の査定額に差が出たら、「どの築年帯の成約と比べたか」を聞いてください。瀬谷区では、戸建ては築10年以内と築11年以上で段が違います。
マンションは築30年の前後で段が違います。段の違う成約から出た金額は、売り出し価格の根拠になりません。
査定から引き渡しまでの順番、媒介契約の違い、費用と税金の項目は、区が変わっても同じです。全体の流れは 家を売る流れは7ステップ で確かめてください。