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東京の家売却

東京都渋谷区の不動産売却|マンション3,482件の実成約から読む値段の段差

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結論から

東京都渋谷区の実成約は、中古マンションが3,482件、戸建てが492件です(国交省データ)。マンションの中央値は7,100万円、戸建ては22,000万円で、どちらも直近1年は前の1年よりはっきり上がりました。マンションの間取りは2LDKが最多で、次が1LDKです。マンションの値段は築21〜30年から築31〜45年へ移る段でいちばん落ち、築46年以上は築10年以内の半分を切ります。戸建ての段差は築46年以上へ移るところに一つだけあり、下げ幅は3割ほどです。

渋谷区の家は、誰が、いくらで買うのか

1どんな人が買うのか

渋谷区で売れた家の84%は中古マンションです。買うのは主にひとりかふたりで住む人だと私たちは見ています。

渋谷区で売れた中古マンションを、築年数で分けると
  • 築10年以内24%
  • 築11〜30年44%
  • 築31年以上33%

間取りの記録がある部屋のうち、1R・1K・1DK・1LDKが60%を占めます。いちばん多い間取りは2LDKです。家族向けの広い間取りは12%にとどまります。

2だから、この値段

マンションの値段は築年数で大きく変わります。下がる割合で見ると、いちばん大きいのは築21〜30年から築31〜45年へ移る段です。

築年数ごとの、売れた値段の真ん中(中古マンション)

真ん中の値段は、築10年以内が1億3,000万円、築11〜20年が8,300万円です。築21〜30年は7,300万円、築31〜45年は4,300万円です。下がる金額だけで比べると、築10年以内から築11〜20年へ移る段がいちばん大きくなります。築46年以上は4,500万円で、築31〜45年とほぼ同じです。

3この先、上がりそうか、下がりそうか

住宅地の地価は32地点のうち32地点で上がりました。値段は当面下がりにくいと私たちは見ています。

住宅地の土地の値段は、去年と比べて(1つの点が1か所)
  • 上がった32か所
  • 変わらない0か所
  • 下がった0か所
家を買う年代(25〜44歳)の人数の見込み(国の推計)
2025年8.3万人
2035年8.2万人
2045年8.3万人

マンションの真ん中の値段は、前の年と比べて+6.7%でした。家を買う年代の人数は、2045年まで+1%とほぼ変わらない推計です。高齢の人の数は、2045年までに+43%となる推計です。住み替えや相続で売りに出る部屋が増え、値段の伸びがゆるやかになることもあると考えています。

「私たちは見ています」「考えています」と書いたところは、下の数字から読んだ見立てです。値段は、国土交通省に届け出られた実際の取引です。土地の値段は地価公示・地価調査、人数は国の将来推計人口(2020年の国勢調査をもとにした推計)から取りました。

ここから下は、上の見立ての元になった数字です。

東京都渋谷区の実際の成約価格

2023Q3〜2026Q1/国交省データより集計データ最終更新: 2026年10月16日中央値 前年比: マンション+6.7%・戸建て+50%
成約価格(中央値)の推移 単位:万円
017,50035,0002023202420252026
中古マンション戸建て
種別中央値よくある価格帯㎡単価件数
中古マンション7,100万円3,800万円〜13,000万円約149.5万円3,482
戸建て等(土地+建物)22,000万円11,000万円〜63,000万円—492
土地——約180.0万円168

築年数別の中央値(同期間の実成約)

築年数中古マンション件数戸建て等件数
築10年以内13,000万円80924,500万円132
築11〜20年8,300万円57118,000万円74
築21〜30年7,300万円92324,000万円77
築31〜45年4,300万円52433,000万円117
築46年〜4,500万円58913,000万円76

参考: 改装済み中古マンションの中央値は6,900万円(471件)、未改装は5,200万円(731件)。 差は約33%です。ただし改装される物件は築年数が経っていることが多く、リフォーム費用がそのまま上乗せされるわけではありません。

出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ(不動産取引価格情報)(不動産情報ライブラリ/2026-10-16取得)。当社(家売却ラボ)が集計した参考値。実際の売却価格を保証するものではありません。

渋谷区の家の値段の目安を、町名と広さから出します。メールアドレスは要りません。

渋谷区で目安を出す

渋谷区で取引が多い地区と、その相場

国土交通省に届け出られた成約を、地区(町名)ごとに数えました。件数の多い順に並べています。 渋谷区の中でも、戸建て(土地+建物)の中央値は神宮前が72,000万円、本町が8,500万円と、地区でかなり違います。 件数が少ない地区は1件で中央値が動くので、8件に満たない地区は載せていません。

戸建て(土地+建物)

地区中央値件数築年数
本町8,500万円75築24年
代々木22,000万円49築32年
神宮前72,000万円43築22年
幡ケ谷9,800万円42築23年
恵比寿20,000万円38築9年
笹塚9,650万円32築18年
千駄ケ谷50,000万円29築39年
上原19,000万円27築20年

中古マンション

地区中央値件数築年数
代々木6,400万円413築26年
千駄ケ谷8,500万円262築17年
本町3,000万円257築24年
恵比寿9,850万円228築22年
広尾15,000万円216築20年
神宮前12,000万円214築20年
幡ケ谷4,800万円211築33年
笹塚2,700万円210築26年

土地(1㎡あたり)

地区中央値件数
本町335万円/㎡30
代々木630万円/㎡21
神宮前1,250万円/㎡20
笹塚400万円/㎡13
上原640万円/㎡11
西原555万円/㎡10
恵比寿600万円/㎡9

本町(8,500万円・75件・築24年)

市内の地区の真ん中より57%低い水準です。売れているのは築24年前後です。

代々木(22,000万円・49件・築32年)

市内の地区の真ん中に近い水準です。売れているのは築32年前後と古めで、買い手は建物より土地を見て値段を決めます。

神宮前(72,000万円・43件・築22年)

市内の地区の真ん中より260%高い水準です。売れているのは築22年前後です。

地区名は国土交通省の表記(町名・大字)です。住所の丁目とは区切りが違うことがあります。

同じ地域でも、条件でこれだけ違う

国土交通省の実際の取引を、間口・前面道路・土地の形など条件別に集計しました。 金額は土地と建物を合わせた成約価格の中央値です。

間口の広さ

最大 約55,800万円の差
  • 5m未満9,200万円40件
  • 5〜7m17,000万円65件
  • 7〜10m25,000万円75件
  • 10m以上65,000万円171件

間口が狭いほど駐車や建て替えの自由度が下がり、買い手が慎重になりやすい部分です。

前面道路の幅

最大 約57,000万円の差
  • 4m未満16,000万円180件
  • 4〜6m18,000万円173件
  • 6m以上73,000万円128件

幅4m未満の道路では、建て替え時に敷地を後退させるセットバックが必要になる場合があります。

土地の形

最大 約48,000万円の差
  • ほぼ台形66,000万円41件
  • 不整形39,000万円43件
  • ほぼ長方形34,000万円173件
  • 長方形32,000万円45件
  • ほぼ正方形18,000万円27件

この地域では、不整形の中央値が長方形を上回っています。一般に不整形地は建物を配置しにくいぶん評価が下がりやすい一方、面積の広い土地が不整形に多く含まれるなど、条件の構成が影響している可能性があります。形だけで判断せず、面積が近い事例と見比べてください。

用途地域・構造・接道の種類でも見る

用途地域(戸建て)

最大 約60,500万円の差
  • 商業地域72,500万円58件
  • 第2種中高層住居専用地域27,500万円58件
  • 第1種低層住居専用地域24,000万円61件
  • 近隣商業地域20,000万円48件
  • 第1種中高層住居専用地域13,500万円38件
  • 第1種住居地域12,000万円161件

用途地域は建てられる建物の種類と大きさを定める区分です。住環境の良さと利便性のどちらが価格を左右するかは地域で変わります。

建物の構造

最大 約128,000万円の差
  • SRC140,000万円27件
  • RC64,000万円147件
  • 鉄骨造33,000万円66件
  • 軽量鉄骨造21,000万円17件
  • 木造12,000万円216件

鉄骨・RCは規模の大きい住宅が多く、構造の違いだけでなく建物の大きさも金額に含まれます。

接道の種類

最大 約88,000万円の差
  • 都道100,000万円29件
  • 区道42,000万円235件
  • 私道13,000万円154件
  • 公道12,000万円54件

私道に接する場合は、通行・掘削の承諾など権利関係の確認が必要になることがあります。

用途地域(中古マンション)

最大 約9,700万円の差
  • 第1種低層住居専用地域15,000万円170件
  • 第2種中高層住居専用地域10,000万円481件
  • 第2種住居地域8,200万円375件
  • 近隣商業地域7,150万円372件
  • 第1種住居地域5,350万円366件
  • 商業地域5,300万円1148件

商業地域・近隣商業地域には駅前など利便性の高い立地が多く含まれます。

読み方: 中央値は「その条件で売れた物件の集まり」の真ん中の価格です。面積・築年数・立地の違いも含まれるため、 この差がそのまま条件だけによる差とは限りません。自分の家の評価は、条件を伝えたうえで査定で確認してください。

渋谷区の駅と、学校・病院の数

家を探す人は、物件を比べるときに駅と学校と病院を見ます。販売図面の「周辺環境」に書かれるのもこのあたりです。渋谷区の分を、国の公開データで数えました。

乗り降りの多い駅(2023年度・1日あたり)

駅路線乗降客数
渋谷東急電鉄 東横線1,036,352人
渋谷東急電鉄 田園都市線641,781人(2011年度)
渋谷JR山手線628,118人
渋谷京王電鉄 井の頭線285,759人
代々木上原小田急電鉄 小田原線257,017人
恵比寿JR山手線242,206人
渋谷東京地下鉄 3号線銀座線179,645人
原宿JR山手線129,970人

最寄り駅ごとの住宅地の地価(2026年の地価公示・地価調査・1㎡あたり)

最寄り駅地価地点
表参道272万円3
代官山230万円3
渋谷217.5万円4
北参道206万円1
広尾187万円2
参宮橋183万円1
千駄ケ谷175万円1
恵比寿166.5万円4

地点が2つ以上ある駅は真ん中の値です。国や県が毎年値段を出している土地で、実際に売れた値段とは別の数字です。

  • 学校小学校 21校・中学校 13校・高等学校 11校
  • 幼稚園・認定こども園21か所
  • 病院・診療所病院 17・診療所 628・歯科 439病床の多い病院は 日本赤十字社医療センター(701床)、東京都立広尾病院(426床)、JR東京総合病院(425床)

出典: 国土交通省 不動産情報ライブラリ(国土数値情報の駅別乗降客数・学校・医療機関・幼稚園等、地価公示・地価調査)。2026-10-15に取得。学校は私立・国立を含みます。学校と病院は国のデータを作った時点の数なので、そのあとの開校や閉院は入っていないことがあります。保育所はこの数に入っていません。

渋谷区の空き家の数

渋谷区では、住宅のうち11.2%が空き家です(全国は13.8%)。このうち、売りにも貸しにも出ていない「使う予定のない空き家」は980戸あります。

住宅の数174,970戸
空き家19,670戸(11.2%)
売りに出ている空き家1,690戸
使う予定のない空き家980戸(住宅の0.6%・全国は5.9%)
そのうち一戸建て490戸
そのうち傷みや壊れがある160戸

出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」(2023年10月時点)。数は調査からの推計で、10の位を四捨五入しているため、合計が合わないことがあります。「使う予定のない空き家」は、調査の「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」です。

売らずに持ち続けると、年にいくらかかるか

値段を見たあとに、もうひとつ数えておく数字があります。固定資産税、空き家になったあとの火災保険、 草刈りと通風に通う時間。実家を売った人の調査では、維持と処分にかかった費用の最多回答は50〜100万円でした。

渋谷区で実際に売れた土地は、㎡あたり180万円が真ん中の値です(国土交通省の成約データ)。 固定資産税の評価額はこれとは別の数字で、市から届く課税明細書で確かめます。

持ち続けると年にいくらか、数え方を見る →

東京都渋谷区の実成約を国土交通省のデータで並べると、最初に目に入るのは件数の偏りです。売られている家の大半が中古マンションで、戸建ては一部、土地はさらに少ない数でした。

このページは、その偏りの中で渋谷区のデータに出ている事実を、マンションから順に書きます。売る手順や必要書類のように、どこで売っても同じ話は、それぞれの解説記事に送ります。

渋谷区では、戸建てが1件売れる間にマンションが7件以上売れている

国土交通省の不動産情報ライブラリで、渋谷区の成約を種類ごとに数えました。中古マンションは3,482件あり、戸建ては492件でした。土地は168件で、三つの中でいちばん少ない数です。

マンションの中央値は7,100万円で、面積あたりに直すと150万円/平方メートルです。戸建てのほうの中央値は22,000万円でした。

件数がこれだけ違うと、査定の材料の集まり方も変わります。マンションは、同じ築年帯で同じ間取りの成約を何件も並べられます。だから渋谷区のマンションの査定は、成約を「選ぶ」作業になります。

どの成約を根拠にしたかで、査定額は上にも下にも動きます。戸建ては、条件の合う成約そのものが少ない市場です。一件の成約の重みが大きく、自分の家の条件をどう示すかが先に来ます。

マンションの査定で聞かれるのは、部屋の中だけではありません。管理費と修繕積立金の額、修繕の記録、同じ棟で今売りに出ている部屋の有無です。

書類のそろえ方は中古マンションを売るに書いてあります。このページでは、渋谷区のデータに出ている特徴に絞ります。

2LDKが最多で1LDKが次。壁を抜いて間取りを変えた部屋は、比べる相手を先に決める

渋谷区の中古マンションで、成約がいちばん多い間取りは2LDKです。二番目が1LDKでした。部屋数が一つ違うだけの二つの間取りが、件数の上位に並んでいます。

この二つは、広さの帯が重なりやすい組み合わせです。同じ専有面積でも、壁で仕切って2LDKにした部屋と、壁を抜いて1LDKにした部屋があります。

中古マンションでは、買った後に間取りを変えて住む人がいます。売るときに問題になるのは、その部屋を「どちらの成約」と比べるかです。

登記や分譲時の図面では2LDKでも、今の形が1LDKなら、買い手は1LDKとして見ます。逆に、広告を2LDKと書いて出せば、2LDKを探している人が内見に来て、部屋数が足りないと感じて帰ります。間取りを変えている部屋は、査定を頼むときに今の形を先に伝えてください。

そして、どちらの間取りの成約を根拠にしたかを確かめてください。二つの間取りの成約を混ぜた平均は、どちらの部屋の実態とも合いません。

築31年を越える段でいちばん落ち、築46年以上は半分を切る。先に1981年6月の線を確かめる

渋谷区の中古マンションを築年帯で並べます。中央値がいちばん大きく下がるのは、築21〜30年から築31〜45年へ移るところです。そこから先も下がり、築46年以上では築10年以内の半分を切ります。

築46年以上という帯には、もう一つ意味があります。建築基準法の耐震基準は1981年6月1日に大きく変わりました。この日より前に建築確認を受けた建物は「旧耐震」と呼ばれ、買い手の見方が分かれます。

買い手が使う制度の中には、耐震基準に関する要件が付くものがあります。耐震診断や耐震改修の記録があれば、その結果で扱いが変わることがあります。自分の棟がどちらに当たるかは、建築確認の日付で決まります。

竣工の年ではありません。管理組合か管理会社に聞けば分かります。

築20年代の後半にいる部屋は、この段差の手前にいます。今は築21〜30年の成約と並べて査定されても、数年で次の帯に移ります。

売る時期を迷っているなら、今の査定書がどの帯の成約を根拠にしているかを聞いてください。上がり続ける保証はないので、帯が変わる前後で何が変わるかを知ったうえで決めるのが現実的です。

直近1年、マンションも戸建てもはっきり上がった。住み替えなら買う家も同じ向きで動いている

渋谷区では、直近1年の中央値が、前の1年に比べてマンションも戸建てもはっきり上がりました。向きが同じで、幅も小さくありません。

上がった年に売る人が気をつけるのは、査定の根拠の日付です。1年以上前の成約を根拠にした査定額は、今の市場より低く出ます。逆に、直近の高い成約だけを選んだ査定額は、売れる値段より高く出ることがあります。

査定書を受け取ったら、根拠にした成約がいつのものかを聞いてください。直近1年の成約と、それより前の成約が混ざっているなら、分けて見せてもらいます。

住み替えで売る人には、もう一つ見ておく点があります。売る家が上がった年は、買う家も上がっています。売った金額で次の家を買う計画なら、売る側の上昇だけを見て予算を組むと合いません。

売りと買いのどちらを先にするかは、住み替えは売り先行か買い先行かで整理しています。上がっている年は、売り先行で手元の金額を確定させる考え方が成り立ちます。

買い先行で次の家の値段を先に押さえる考え方も成り立ちます。自分の資金でどちらが取れるかを先に確かめてください。

改装済みの中央値は未改装より高い。ただしデータの「改装」は、中身を区別していない

渋谷区の中古マンションで、改装済みとして成約した部屋の中央値は、未改装より高く出ています。この差を見て「売る前に直せば高く売れる」と読むのは早いです。

国土交通省のデータの「改装」は、改装済みか未改装かの二択です。壁紙を張り替えただけの部屋も、給排水管まで交換した部屋も、同じ「改装済み」に入ります。

改装済みの中央値が高いのは、その中に大がかりな改装や、業者が買い取って直した部屋が混ざっているからとも考えられます。自分が壁紙と床を直した部屋が、同じ値段になるとは限りません。

渋谷区で多い2LDKと1LDKは、専有面積のわりに水回りの比率が高い間取りです。改装の費用は水回りで決まりやすく、直す範囲を広げると費用は伸びます。直すかどうかは、現況のままの査定と、改装した場合の査定の二つを取り、差額と見積もりを並べてから決めてください。

差額が見積もりを下回るなら、直さずに売るほうが手元に残ります。判断の材料は売る前にリフォームすべきかに書きました。

戸建てが落ちるのは築46年以上へ移る段。建物の評価が消えたあとに、もう一段引かれる

渋谷区の戸建ては492件で、中央値は22,000万円です。築年帯で並べると、中央値がいちばん大きく下がるのは、築31〜45年から築46年以上へ移るところでした。

築46年以上の中央値は、築10年以内から3割ほど下がった位置にあります。マンションの段差が築31年の手前に来るのに対して、戸建ては段差が一つ後ろにあります。

建築士の視点

木造住宅の法定耐用年数は、省令で22年と決まっています。築31〜45年の家は、査定上の建物の評価がほとんど残っていません。それでも築31〜45年までの下げが小さいのは、値段の大半が土地で決まっているからです。

では、建物の評価が消えたあとの築46年以上で、なぜもう一段下がるのか。買い手が「壊す前提」で値段を付けるようになるから、と考えると説明がつきます。建物を残して住む買い手なら、土地の値段に古い建物の分を少し足します。壊す買い手は、土地の値段から解体費を引きます。この差が、築46年以上の段差として出ているのだと見ています。

築46年以上の戸建てを売るなら、買い手が二種類いることを前提に進めてください。建物を残して住む人に向けて売るなら、雨漏りや傾きがないことを示す材料がものを言います。壊す人に向けて売るなら、建物より敷地の条件が値段を決めます。どちらの買い手を想定した査定額なのかを、先に聞いてください。

戸建ての値段が渋谷区で決まる条件は、次の二つの節に書きます。用途地域と、前面道路の幅です。どちらも後から変えられない条件で、築年より値段に出ています。

区全体の戸建ての中央値は、商業地域の成約に引き上げられている。第1種住居地域の家はそのまま当てはめない

渋谷区の戸建てを用途地域で分けると、成約がいちばん多いのは第1種住居地域です。中央値がいちばん低いのも、同じ第1種住居地域でした。中央値がいちばん高いのは商業地域です。

この並びが意味するのは、区全体の中央値22,000万円が、自分の家の目安にならない人が多いということです。いちばん件数の多い地域の中央値が、区全体の中央値より下にあります。

区全体の数字は、商業地域の高い成約に引き上げられています。真ん中の半分の幅が11,000万円から63,000万円まで開いているのも、同じ理由です。

商業地域の戸建てが高いのは、建物が立派だからではありません。都市計画法の用途地域は、その土地に建てられる建物の用途と大きさの上限を決めます。商業地域は容積率の上限が高く、同じ敷地でも大きな建物を建てられます。

買い手は「今ある家」ではなく「この敷地に建てられるもの」に値段を付けます。第1種住居地域は住宅が中心の地域で、建てられる上限は商業地域より低くなります。

自分の家の用途地域は、区の都市計画の窓口か、区が公開している都市計画図で確かめられます。査定を頼むときは、用途地域を先に伝え、同じ用途地域の成約を根拠にしてもらってください。商業地域の成約が混ざった査定額は、第1種住居地域の家には当てはまりません。

前面道路が6m以上の戸建ては、住む人だけでなく建てる業者も買い手になる

渋谷区の戸建ては、前面道路の幅が4m未満か、4〜6mか、6m以上かで中央値に差が出ています。幅が広いほど中央値が高い並びです。

4m未満の道路に面した家には、建築基準法の制限が付きます。建て替えのときに、道路の中心線から2m下がった位置まで敷地を後退させる必要が出る場合があります。後退した部分には建物を建てられません。

買い手は、建て替え後の家が今より小さくなると見込んで値段を付けます。過去に後退を済ませているかどうかで、この見込みは変わります。売る前に確かめておく点です。

6m以上の道路に面した家は、買い手の種類が増えます。住む目的の人に加えて、敷地にマンションや共同住宅を建てる業者が候補に入ります。渋谷区はマンションの成約が圧倒的に多い区で、建てる側の敷地の需要も続いています。

前面道路の幅は、建てられる容積率の上限にも関わります。幅の広い道路に面した敷地ほど、建てる側にとって使いやすい土地になります。

住む人と建てる人の両方が買い手になる家は、値段の付き方が一段変わります。これが、道路の幅で中央値が分かれる理由の一つだと見ています。

前面道路の幅は、自分の目で測った数字で話を進めないでください。区役所で道路の台帳を確かめると、法律上の幅と、建築基準法上の道路かどうかが分かります。査定のときは、この数字を伝えてください。

土地の成約は168件でいちばん少ない。単価180万円を自分の敷地に掛け算しない

渋谷区で土地だけの成約は168件で、三つの種類の中でいちばん少ない数です。面積あたりに直すと、中央値は180万円/平方メートルです。

この単価に自分の敷地の面積を掛けて、土地の値段を出したくなります。渋谷区では、その計算が合いにくい理由が二つあります。一つは件数の少なさです。

成約が少ないと、一件の条件の偏りがそのまま中央値に出ます。もう一つは、前の二つの節で書いた用途地域と道路の幅です。

土地の値段は、この二つの条件で大きく分かれます。条件を見ずに単価だけを使うと、高くも低くも外れます。

渋谷区で敷地の値段を知りたいなら、土地の成約より、同じ用途地域で道路の幅が近い古い戸建ての成約のほうが材料になります。古い戸建ては、買い手が壊す前提で値段を付けることが多く、実質は土地の取引に近いからです。

土地として売るときに先に済ませておくのは、隣地との境界の確認です。進め方は土地を売るに書きました。

査定の前に、自分の物件を渋谷区のデータの三つの欄に当てはめる

このページに書いた渋谷区の事実は、査定額を見る前に自分の物件を置く場所を決めるためのものです。次の三つの欄を、先に埋めてください。

一つ目は種別です。マンションなら、比べる成約は3,482件の中から選べます。

戸建てなら492件の中で、条件の合うものを探します。選ぶ作業なのか、探す作業なのかで、査定の進め方が変わります。

二つ目は築年帯です。マンションは築21〜30年と築31〜45年の間に段差があります。

戸建ては築31〜45年と築46年以上の間にあります。自分の物件が段差の手前にいるのか、越えたところにいるのかで、根拠にしてよい成約の帯が決まります。

三つ目は条件です。マンションなら間取りと、今の形が分譲時と同じかどうか。

戸建てなら用途地域と前面道路の幅です。この欄が埋まっていれば、査定書の根拠が自分の条件と合っているかを、その場で確かめられます。

かかるお金も先に見ておきます。仲介手数料は上限が法律で決まっていて、売れた金額で変わります。それ以外に、登記の費用や、売った利益にかかる税金が出ることがあります。

項目ごとの内訳は不動産売却でかかる費用の一覧にまとめました。渋谷区で売るときも、かかる費用の種類は変わりません。変わるのは、根拠にする成約がどれかです。

渋谷区で実際に売れた価格(売却事例)

個別の物件名は出せませんが、国土交通省に届け出られた成約価格を集計すると、 渋谷区で実際に売れている価格帯はこの範囲です(2023Q3〜2026Q1)。 1件の事例より、成約の分布で見たほうが自分の家の位置が分かります。

戸建て

1億1,000万円 〜 6億3,000万円

成約492件のうち、真ん中の半分がこの範囲。中央値は2億2,000万円です。

中古マンション

3,800万円 〜 1億3,000万円

成約3,482件。中央値は7,100万円です。 1平方メートルあたりでは1,495,454円が中央値。

土地(1平方メートルあたり)

1,200,000円 〜 2,400,000円

成約168件。中央値は1,800,000円です。 土地相場は同じ市内でも差が大きいので、幅で見てください。

不動産の査定を受ける前に、この数字をどう使うか

  • 出てきた査定額が、上の範囲のどこにあるかを見ます。範囲から外れて高いときは、 その根拠を必ず聞いてください。売り出し価格は高く付けられても、成約価格は市場が決めます。
  • マンション査定は、同じ建物の成約があるかどうかで精度が変わります。 「この棟の取引を何件持っていますか」と聞くと、その会社の実力が分かります。
  • この数字は渋谷区全体の集計です。駅からの距離・土地の形・築年数で位置は動きます。 最終的には複数社の査定で確かめます。

渋谷区で「戸建て・マンション・土地」を売るとき、何が違うか

同じ不動産でも、価格の決まり方と準備するものが種別ごとに違います。 渋谷区の成約データを添えて、違うところだけを並べます。

戸建て売却

成約492件・中央値2億2,000万円 (1億1,000万円〜6億3,000万円に半分が入る)

一戸建ての値段は、建物と土地を足したものです。建物の評価は年数とともに下がっていき、 ある時期から先は土地の値段が下限になります。築年数が経った家ほど、 「建物にいくら付くか」より「土地としていくらか」を先に確かめたほうが早いです。 雨漏りやシロアリのように、買い手が値引きの根拠にする不具合は、 査定の前に把握しておくと交渉で崩れません。

マンション売却

成約3,482件・中央値7,100万円/1平方メートルあたり1,495,454円が中央値

中古マンションの相場は、同じ建物で最近いくらで売れたかがそのまま参考になります。 だから査定の精度は「その棟の取引をどれだけ持っているか」で変わります。 部屋ごとの違いは階数・向き・リフォームの有無で出ますが、 建物全体の管理状態も見られます。修繕積立金が足りていない、 大規模修繕の予定が立っていないといった事情は、買い手側の調査で必ず出ます。 専有面積で割った1平方メートルあたりの単価にすると、他の部屋と比べやすくなります。

土地売却

成約168件・1平方メートルあたり中央値1,800,000円 (1,200,000〜2,400,000円に半分が入る)

土地の価格は、1平方メートルあたりいくらかで比べます。広さが違う土地どうしでも、 この単価にすればそろえて見られます。 売るときは、境界が確定しているかどうかで進み方が変わります。 確定していない場合は測量から始めることになり、その分だけ時間もお金もかかります。 隣地との立ち会いが要るので、こちらの都合だけでは進みません。 古い家が建っている土地は、解体してから売るか、そのまま売るかを選びます。 判断する前に解体の見積もりを2社以上から取ってください。 金額は建物の構造と、重機が入れるかどうかで大きく変わります。 解体すると住宅用地の特例が外れて固定資産税が上がるため、 いつ壊すかはタイミングの問題になります。

もう1つの売り方:不動産の買取

ここまでは買い手を探して売る方法(仲介)です。もう1つ、不動産会社に直接買ってもらう 買取という方法があります。マンションの買取も一戸建ての買取も土地の買取も同じ考え方で、 価格は仲介より下がる代わりに、いつ売れるかが読めます。 買取のメリットは、いつ現金になるかが決まること、内覧の対応が要らないこと、 買主が個人ではないので契約不適合責任を負わずに済む場合があることです。 住み替えの期限がある、相続で期限が決まっている、近所に知られたくないといった事情があるなら、 下がるぶんの費用を払う価値があります。急いでいないなら、まず仲介で試すほうが手元に残ります。 買取の査定を受けるときは、その金額が上に出した成約の範囲からどれだけ下なのかを見てください。 違いは 仲介と買取の違い にまとめました。

渋谷区について、さらに詳しく書いた記事

このページは渋谷区全体の相場をまとめたものです。 条件がはっきりしている場合は、下の記事のほうが早く答えにたどり着きます。

渋谷区で家を売る前に、状況別に読む

同じ「家を売る」でも、相続と離婚と住み替えでは、つまずく場所も順番も違います。 当てはまるものから読んでください。

近くの市区町村と比べる

戸建て(土地+建物)の成約価格の中央値を、距離の近い地域と並べたものです。 売り出す前に隣の相場を知っておくと、査定額を見たときの判断がしやすくなります。

市区町村中央値この地域との差
目黒区約2km1億3,000万円-9,000万円
新宿区約3km1億1,000万円-1億1,000万円
世田谷区約4km9,500万円-1億2,500万円
港区約5km4億5,000万円+2億3,000万円
中野区約6km7,600万円-1億4,400万円
千代田区約6km5億5,000万円+3億3,000万円
品川区約7km9,000万円-1億3,000万円
中央区約7km3億3,500万円+1億1,500万円
杉並区約7km8,300万円-1億3,700万円
練馬区約9km6,300万円-1億5,700万円

距離は国土地理院の代表点どうしを直線で結んだ目安です。中央値は売れた物件の顔ぶれで動くため、 差がそのまま土地の価値の差になるわけではありません。

よくある質問

渋谷区の築30年を越えたマンションは、もう値段が付かないのですか?

付きます。渋谷区の中古マンションは、築21〜30年から築31〜45年へ移る段で中央値がいちばん大きく下がります。築46年以上では築10年以内の半分を切ります。それでも築46年以上の成約は続いていて、値段がゼロになるわけではありません。古い棟ほど、建築確認の日付が1981年6月より前か後か、大規模修繕をいつやったか、建て替えや耐震改修の検討があるかで、買い手の見方が分かれます。査定のときは、この三つを先に伝えてください。

渋谷区の戸建ての中央値22,000万円は、自分の家にも当てはまりますか?

そのままでは当てはめにくい家が多いと考えてください。渋谷区の戸建てで成約がいちばん多い用途地域は第1種住居地域で、中央値がいちばん低いのも同じ地域です。中央値がいちばん高いのは商業地域です。区全体の中央値は、商業地域の高い成約に引き上げられています。自分の家の用途地域を先に調べ、同じ用途地域で、前面道路の幅が近い成約と比べてください。真ん中の半分の幅は11,000万円から63,000万円で、この幅の広さ自体が、条件で値段が分かれている証拠です。

渋谷区で改装済みのマンションは高く売れているので、売る前にリフォームしたほうがいいですか?

決める前に、現況のままの査定と、改装した場合の査定の二つを取ってください。渋谷区の改装済みマンションの中央値は、未改装より高く出ています。ただし国交省データの「改装」は、壁紙の張り替えも配管の更新も同じ「改装済み」として数えます。改装済みの中央値が高いことと、自分の改装費が戻ることは別の話です。二つの査定額の差が改装費を下回るなら、直さずに売るほうが手元に残ります。

渋谷区で成約価格が高いのはどの地区ですか。

国土交通省に届け出られた戸建て(土地+建物)の成約を地区ごとに集計すると、中央値が高い順に神宮前(72,000万円・43件)、千駄ケ谷(50,000万円・29件)、代々木(22,000万円・49件)です。低いほうは本町(8,500万円・75件)、笹塚(9,650万円・32件)、幡ケ谷(9,800万円・42件)でした。同じ市内でも地区で差が出ます。件数が少ない地区は1件で中央値が動くため、8件に満たない地区は集計から外しています。

渋谷区では築何年くらいの家が売れていますか。

地区ごとに、売れた家の築年数の中央値を出しました。新しいほうは恵比寿で築9年、古いほうは千駄ケ谷で築39年です。築が古い地区ほど、買い手は建物より土地を見て値段を決めます。今の建物のまま売るか、解体して土地として売るかの判断は、この差から考えると外しにくくなります。

渋谷区で取引が多いのはどの地区ですか。

戸建て(土地+建物)の成約件数が多いのは本町(75件・中央値8,500万円)、代々木(49件・中央値22,000万円)、神宮前(43件・中央値72,000万円)の順です。件数が多い地区は比べられる事例が多いぶん、査定額の根拠を確かめやすくなります。

参照した情報源

  1. 国土交通省「不動産情報ライブラリ」(渋谷区の実成約データの充填元・「改装」区分の定義)・確認日 2026-08-22
  2. e-Gov法令検索「建築基準法」(第42条=道路の定義とセットバック・第43条=接道義務・第52条=前面道路の幅員による容積率の制限・1981年6月施行の耐震基準改正)・確認日 2026-08-22
  3. e-Gov法令検索「都市計画法」(第8条=用途地域の種類・第9条=第一種住居地域・商業地域の定義)・確認日 2026-08-22
  4. e-Gov法令検索「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(木造住宅の法定耐用年数22年)・確認日 2026-08-22

本記事は下書きにAIを活用し、出典との照合・建築士監修を経て公開しています。

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