東京の家売却
東京都港区の不動産売却|中古マンション6,261件の実成約で見る相場と進め方
編集部
本記事にはプロモーションが含まれます。
結論から 東京都港区の実成約は、中古マンションが6,261件、戸建てが321件です(国交省データ)。マンションの中央値は9,400万円、戸建ては45,000万円です。直近1年は、どちらも前の1年より中央値がはっきり上がりました。マンションは築30年を越えた先で落ち幅が最大、戸建ては築10年を過ぎたところで最大です。売るなら、査定の根拠になった成約の日付と築年帯を先に確かめてください。
東京都港区の実成約データを開くと、最初に目に入るのは中古マンションの件数です。戸建ての20倍近くあります。そのうえ、直近1年はマンションも戸建ても、前の1年より中央値が上がりました。
このページでは、港区のデータに出ている特徴を、売る人の判断に関わる順で説明します。査定の流れや必要書類のように、どの地域でも変わらない話は、別のページに任せています。
港区の実成約は、中古マンションが戸建ての20倍近い
国土交通省の不動産情報ライブラリで数えると、港区の中古マンションの成約は6,261件です。戸建ては321件、土地は100件です。マンションの中央値は9,400万円、面積あたりでは171万円/平方メートルでした。
この比率は、売る側の準備を変えます。マンションを売る人は、比べる相手に困りません。同じ築年帯、近い広さ、近い階数の成約が、短い期間でもいくつも見つかります。
査定額を受け取ったら、どの成約と比べた結果なのかを聞けます。答えが出てこない査定は、根拠が弱いと考えてよいでしょう。
戸建てを売る人は、逆の状況です。区全体で321件ですから、築年帯や用途地域で絞ると、比べる事例はすぐ数件になります。一件一件の条件の違いが、中央値に大きく響きます。
戸建ての中央値は45,000万円です。ただ、安いほうから4分の1の値は21,000万円、高いほうから4分の1の値は96,000万円で、幅があります。
中央値は、その幅の真ん中の一点に過ぎません。幅の広さごと見ておくほうが、値付けを誤りません。
マンションと戸建てで、査定のときに聞かれることや、そろえる書類は違います。違いは中古マンションを売るに整理してあります。
直近1年は、マンションも戸建ても前の1年より上がった
港区のデータで、直近1年の中央値をその前の1年と比べると、マンションも戸建ても、はっきり上がっています。種類を問わず両方そろって上がっているのが、港区の直近の特徴です。
上がっている局面で売るとき、気をつけたいのは査定の根拠の古さです。1年以上前の成約を基準にした査定は、今の水準より低く出ます。
査定書に載っている比較事例の成約時期を見て、直近1年のものが中心かどうかを確かめてください。古い事例ばかりなら、引き直しを頼んで構いません。
逆に、上がっているからといって、直近の高い成約だけを見て売り出し価格を決めるのも危険です。買い手も同じデータを見ています。
幅の上のほうに置いた価格は問い合わせが来ず、結局は値下げを重ねることになります。直近1年の成約の幅の中で、自分の物件の条件に見合う位置を選ぶのが、現実的な決め方です。
マンションの値段が落ちる場所は、築30年の手前ではなく、その先にある
港区の中古マンションを築年帯ごとに並べると、築46年以上の中央値は、築10年以内の半分以下です。ただ、下がり方は一定ではありません。
落ち幅がいちばん大きいのは、築21〜30年から築31〜45年へ移るところです。築20年を越えたあたりで大きく落ちるのではなく、築30年を越えた先で落ちています。
この形は、売る時期の決め方に関わります。築20年代の部屋は、まだ築10年代に近い水準の成約と比べてもらえる余地があります。
一方、築30年を越えた部屋は、比べる相手が築31〜45年の成約に移ります。築20年代の後半で売るか、もう少し住んでから売るかで、基準になる水準が変わるわけです。
築31〜45年の部屋を売るなら、段差を越えるための材料を先に集めます。大規模修繕の実施時期と次回の予定、長期修繕計画、修繕積立金の残高と値上げの予定です。
管理組合の総会議事録に載っています。同じ築年帯の中で順位を上げるのは、築年数ではなく、こうした記録です。
建築士の視点
築30年を越えたマンションで買い手が気にするのは、目に見えない部分です。給排水管や給湯設備の更新、外壁や防水の補修が、計画どおり進んでいるか。進んでいれば、その記録が値段を支えます。進んでいなければ、買い手は将来の一時金や値上げを見込んで、価格を下げて考えます。管理組合の記録を先に読み、説明できる状態で査定を受けてください。
成約は2LDKと1LDKに集まる。改装は「やるか」より「戻るか」で決める
港区のマンションの成約で、いちばん多い間取りは2LDKです。次が1LDKです。この二つに成約が集まっているので、同じ間取りなら比べる事例はすぐ見つかります。
逆に、3LDK以上や1K・ワンルームは、同じ棟や近い築年帯で見ると事例が減ります。間取りが多数派から外れる部屋ほど、査定額の根拠を細かく聞いておく必要があります。
改装についても、データに出ている事実があります。港区では、改装済みのマンションの中央値は、未改装より高く出ています。
ただし、これは「改装費を足した分だけ高く売れる」という意味ではありません。改装済みの部屋と未改装の部屋は、築年や立地の分布が同じとは限らないからです。
売る前に改装するかどうかは、二つの数字を並べてから決めてください。改装にかかる費用と、改装した場合としない場合で査定額がいくら変わるか、です。後者は、査定のときに担当者へ聞けば答えてもらえます。
費用のほうが大きければ、未改装のまま売るほうが合理的です。買い手が自分の好みで直す余地も残ります。
改装済みの成約が多い区では、未改装の部屋は「改装前提の価格」で比べられます。そのことを前提に値付けをしてください。
戸建ては、築10年を過ぎたところでいちばん落ち、築46年以上ではあまり下がらない
港区の戸建ては、マンションとは落ち方が逆です。築年帯ごとの中央値を並べると、いちばん大きく落ちるのは、築10年以内から築11〜20年へ移るところです。その先は下げ幅が小さくなり、築46年以上でも、築10年以内と比べてあまり下がっていません。
落ちる場所が前半に寄っているのは、値段の中身が早い段階で土地に移るからと読めます。建物の値段は新しいうちに大きく減り、その後は土地の値段が中心になります。
港区の戸建ては、土地の値段が中央値の大部分を占めると考えられます。だから、建物が古くなっても中央値が崩れにくいのでしょう。
売る側への意味は二つあります。築浅の戸建てを売るなら、築10年を越える前と越えた後で、比べられる成約の水準が変わります。築40年を越えた戸建てなら、建物の古さを理由に値段をあきらめる必要はありません。
値段を決めているのは土地です。土地の条件を正確に伝えることが、査定の精度を上げます。
戸建ての中央値は、第一種中高層住居専用地域でいちばん低く、商業地域でいちばん高い
港区の戸建ての成約を用途地域ごとに分けると、件数がいちばん多いのは商業地域です。中央値もそこがいちばん高く、いちばん低いのは第一種中高層住居専用地域でした。
用途地域は、都市計画法で定められた土地の使い方の区分です。商業地域は、店舗や事務所を含めて多くの種類の建物が建てられます。第一種中高層住居専用地域は、中高層の住宅のための地域で、建てられる用途が住宅中心に絞られます。
建てられる建物の大きさを決める容積率も、商業地域のほうが高い値が指定されるのが一般的です。同じ広さの土地でも、建てられるものが多い土地ほど買い手の層が広がり、値段に出ます。港区の戸建ての中央値の差は、土地の使える度合いの差を映しています。
もう一つ、前面道路の幅でも中央値に差が出ています。6m以上、4〜6m、4m未満の三つの区分で、中央値が違います。
道路の幅は、建てられる建物の大きさと、建て替えのときの敷地の後退に関わります。道路の幅と間口が値段にどう響くかは、間口と前面道路で売却価格はどれだけ変わるかで実データを使って説明しています。
自分の土地の用途地域と前面道路の幅は、港区の都市計画情報と、購入時の重要事項説明書で確かめられます。査定の前に調べて、担当者に先に伝えてください。
土地は件数が少ない。面積あたりの中央値は、目安にとどめる
港区の土地の成約は100件で、三つの種類の中でいちばん少ない数です。面積あたりの中央値は315万円/平方メートルです。
ただ、件数が少ないため、一件の条件で中央値が動きます。自分の土地の値段をこの数字から逆算するのは避けてください。
港区では、土地の成約より、建物付きで成約した戸建ての件数のほうが多くなっています。古い戸建てを売る人は、古家付きで売るか、更地にして売るかを選ぶことになります。
答えは買い手の使い方で変わるので、先に決めずに両方の価格を出してもらってください。境界の確定や測量の進め方を含めて、土地を売るで整理しています。
港区で売るなら、査定額より先に「根拠の日付」と「比べた築年帯」を見る
港区のデータから出てくる注意点は、二つに絞れます。
一つ目は、根拠の日付です。直近1年はマンションも戸建ても上がっています。査定の比較事例が古ければ、それだけで水準がずれます。
二つ目は、比べた築年帯です。マンションは築30年を越えた先、戸建ては築10年を越えたところに段差があります。自分の物件と違う側の築年帯の成約で査定されていないか、事例の築年を確かめてください。
この二つを確かめたうえで複数の査定額を並べれば、高い数字を出した会社ではなく、根拠の確かな会社を選べます。売却の手順の全体は家を売る流れは7ステップに、かかる費用は不動産売却でかかる費用の一覧にまとめてあります。