大阪の家売却
大阪府大阪市天王寺区の不動産売却|マンション1,454件の区。築31年と築46年で値段が変わる
編集部
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結論から 大阪府大阪市天王寺区の実成約は、中古マンションが1,454件、戸建てが195件です(国交省データ)。マンションの中央値は3,700万円、戸建ては6,300万円です。マンションは築21〜30年から築31〜45年に移るところで最も下がり、築46年以上は築10年以内の半分を切ります。間取りは3LDKが最多で、次が2LDKです。直近1年は戸建てがはっきり下がり、マンションもやや下がりました。
天王寺区は中古マンション1,454件の市場。戸建て195件は後ろに置いて読む
国交省の不動産情報ライブラリで、大阪市天王寺区の2023〜2025年の成約を数えました。中古マンションは1,454件です。
土地と建物をまとめて売った戸建ては195件でした。土地だけの取引は52件で、三つの中で最も少ない数です。
件数の差は、そのまま読む順番になります。天王寺区で家を売る人の多くは、マンションの一室を売る人です。
この記事も、マンションの話から先に書きます。戸建てと土地の話は後半にまとめます。
マンションの中央値は3,700万円です。面積あたりの単価は中央値71万円でした。戸建ての中央値は6,300万円で、安いほうから4分の1の値は3,500万円、高いほうから4分の1の値は12,000万円です。
中央値は、並べたときに真ん中に来る一件の値段にすぎません。自分の物件がどこに入るかは、築年・間取り・用途地域・道路幅で変わります。以下では、その四つを天王寺区のデータで順に見ます。
マンションは築31〜45年に入るところで最も下がり、築46年以上は築10年以内の半分を切る
天王寺区の中古マンションを築年の帯で分けると、落ち方は一様ではありません。築10年以内から築21〜30年までは、帯が変わるごとに下がりはするものの、段差は小さめです。
最も大きく下がるのは、築21〜30年から築31〜45年に移るところです。さらに築46年以上になると、中央値は築10年以内の半分を切ります。
築46年以上の帯は、1981年6月に施行された現行の耐震基準より前に建てられた建物がほとんどです。築31〜45年の帯には、その前後の建物が混じります。買い手がこの境目を見る理由は二つあります。
一つは耐震基準そのものです。もう一つは住宅ローン控除で、中古住宅は1982年以降の建築か、耐震基準に適合している証明が要件になります(租税特別措置法41条)。控除が使えるかどうかで、買い手の資金計画が変わります。
もう一つ、鉄筋コンクリート造の住宅の法定耐用年数は47年です(減価償却資産の耐用年数等に関する省令)。築46年以上の帯は、この年数に届く直前の帯にあたります。建物としての評価が残りにくく、中央値が半分を切る背景にはこの事情もあります。
売る側の実務としては、自分の部屋が帯の境目に近いかどうかを先に確かめてください。築28〜30年、築44〜45年の部屋は、次の帯に入ると比べられる成約の水準が変わります。査定は「いまの帯」と「次の帯」の両方の前提で出してもらい、差額を見てから売り出す時期を決めます。
直近1年は、マンションがやや下がり、戸建てははっきり下がった。両方が下向きの区
直近1年の中央値を、その前の1年と比べました。マンションはやや下がりました。
戸建てははっきり下がりました。上がった物件種別はありません。
中央値が下がった理由は、このデータからは特定できません。読み方は二つあります。一つは、同じ条件の物件の値段そのものが下がった可能性です。
もう一つは、売れた物件の顔ぶれが変わった可能性です。築年の古い部屋や小さい部屋が多く売れれば、一件ごとの値段が変わらなくても中央値は下がります。戸建ては195件と母数が小さいので、後者の影響を受けやすい点に注意が要ります。
売る人にとって大事なのは、査定に使われた成約事例がいつのものかです。2年前の事例で出した査定額と、直近の事例で出した査定額は、前提が違います。
査定書を受け取ったら、根拠にした成約の時期を聞いてください。古い事例だけで組み立てた高い査定額は、売り出してから値下げを迫られる原因になります。
3LDKと2LDKが多い区では、同じ棟・同じ間取りの成約が査定の根拠になる
天王寺区のマンションで最も多い間取りは3LDKで、次が2LDKです。家族で住む広さの部屋が、成約の中心を占めています。
間取りがそろっている市場には、売る側に有利な点と不利な点があります。有利なのは、比べられる事例が多いことです。同じ棟、同じ間取り、近い階の成約が見つかれば、査定額の根拠はそこから出せます。
不利なのは、競合も同じ条件でそろうことです。同じ棟の3LDKが同時に売りに出れば、買い手は値段と階数と向きを並べて比べます。
売り出す前に、同じマンション内でいま何戸が売りに出ているかを確かめてください。担当者に頼めば分かります。出ている戸数が多ければ、売り出す時期をずらすという選択も出てきます。
マンションの査定で戸建てと違って聞かれること(管理費・修繕積立金・大規模修繕の履歴・駐車場)は、中古マンションを売るにまとめています。ここでは繰り返しません。
築31年を越えた部屋を、改装して売るか、そのまま売るか
天王寺区の中古マンションは、改装済みの中央値が未改装より高くなっています。この数字だけを見ると、直してから売るほうが得に見えます。
ただし、この差がそのまま改装費の回収を意味するとは限りません。改装済みの部屋には、築年・階数・管理状態など、値段を押し上げる別の条件が重なっていることがあります。改装したから高いのか、高く売れる部屋が改装されていたのかは、中央値の比較だけでは分かりません。
とくに、築31〜45年の帯に入った部屋は、前の節で見たとおり中央値の落ち幅が最も大きい帯です。ここで改装費をかけても、帯が変わったことによる下げを埋められる保証はありません。
順番としては、直す前に査定を受けてください。「現状のまま」と「水回りを直した場合」の二つの前提で査定額を出してもらい、差額と見積もりを並べます。
差額が見積もりを下回るなら、直さずに売るほうが手取りは残ります。判断の材料は売る前にリフォームすべきかにあります。
戸建ては築46年以上でも3割ほどの下げにとどまる。マンションより落ち方が小さい理由は土地
ここから戸建ての話です。天王寺区の戸建て195件を築年の帯で分けると、築46年以上の中央値は築10年以内より3割ほど低い水準でした。最も大きく下がるのは、築31〜45年から築46年以上に移るところです。
同じ区のマンションが築46年以上で半分を切るのと比べると、戸建ての落ち方は小さく見えます。理由は、戸建ての値段に土地の分が含まれているからです。木造住宅の法定耐用年数は22年です(減価償却資産の耐用年数等に関する省令)。
築46年を越えた建物の評価はほとんど残りませんが、土地の値段は築年で減りません。天王寺区の戸建ての下げが3割ほどで止まるのは、土地の分が大きいことを示しています。
売る側の実務は、自分の家の値段のうち土地の分がどれだけかを知ることです。査定書には、土地と建物の内訳を書いてもらってください。
建物の評価がほぼゼロなら、古家付きの土地として売るか、更地にして売るかの比較が必要になります。解体費は売主の負担になるので、手取りで比べます。
戸建ての件数は第2種住居地域に集まり、中央値は商業地域が上
天王寺区の戸建てを用途地域で分けると、件数が最も多いのは第2種住居地域です。一方で、中央値が最も高いのは商業地域で、最も低いのは第2種住居地域でした。最も多い帯の中央値が、最も低い帯でもあります。
用途地域は都市計画法で決まっており、建てられる建物の用途や大きさが違います。商業地域は住宅以外の用途も建てられるため、自分で住む人以外の買い手が混じります。
第2種住居地域は住まいが中心の地域で、買い手の多くは住む人です。買い手の層が違えば、値段の決まり方も違います。
査定を受けるとき、商業地域の高い成約を自分の家の根拠にしないでください。用途地域が違えば、比較の対象になりません。
自分の家の用途地域は、大阪市の都市計画情報か、購入時の重要事項説明書で確かめられます。用途地域は、宅地建物取引業法35条で説明が義務づけられている項目です。
道路の幅で戸建ての中央値が三つに分かれる。4m未満なら42条2項道路かを先に確かめる
天王寺区の戸建ては、前面道路の幅を6m以上・4〜6m・4m未満の三つに分けると、中央値に差が出ました。幅が広いほうが高い傾向です。
建築基準法では、建物の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接している必要があります(43条)。幅4m未満の道でも、42条2項の指定を受けた道路なら建て替えはできます。
ただし道路の中心線から2m後退した線が敷地の境界とみなされ、その分だけ建てられる面積が減ります。買い手はここを、将来の建て替えの条件として見ます。
4m未満の道に面している場合は、その道が42条2項道路かどうかを、大阪市の窓口で確かめてください。2項道路でもなく、ほかの接道の要件も満たさない場合は、再建築ができない土地になります。売り方が変わる話なので、再建築不可物件を売るを先に読んでください。
土地だけの成約は52件。築46年以上の戸建てが土地の値段に近づいたかを見る物差し
天王寺区の土地だけの取引は52件で、面積あたりの単価の中央値は91万円です。件数は三つの中で最も少なく、この区で更地を買う人は限られます。
この単価は、土地を売る人だけの数字ではありません。築46年以上の戸建てを売る人にとっても物差しになります。自分の敷地面積にこの単価をかけた額と、戸建てとしての査定額を比べてください。
二つが近ければ、建物の評価はほぼ残っていません。その場合、解体して更地で売る案と、古家付きで売る案を、解体費を引いた手取りで比べることになります。
ただし52件の中には、形や道路条件が大きく違う土地が混じります。単価の中央値は出発点であって、自分の土地の値段ではありません。
この記事の数字を査定でどう使うか。天王寺区で売るときの手順と、かかるお金
最後に、ここまでの数字を実際の売却でどう使うかをまとめます。
査定を受ける前に、自分の物件について三つを確かめておきます。一つ目は築年で、どの帯に入るかです。帯の境目に近いなら、両方の前提で査定を出してもらいます。
二つ目は、マンションなら間取りと同じ棟の売り出し状況、戸建てなら用途地域と前面道路の幅です。三つ目は改装の有無です。直す前に査定を受ける、という順番を守ります。
査定は複数の会社から受け、金額だけでなく根拠にした成約の時期と条件を聞きます。天王寺区は直近1年の中央値が下がっているので、古い事例で出した高い査定額には注意が要ります。
売却の流れと期間の目安は、家を売る流れは7ステップにあります。仲介手数料・登記費用・印紙税など、売るときにかかるお金は不動産売却でかかる費用の一覧で確かめてください。この記事では繰り返しません。