大阪の家売却
大阪府大阪市阿倍野区の不動産売却|マンション中心の区。築46年以上で中央値は半分以下
編集部
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結論から 大阪府大阪市阿倍野区の実成約は、中古マンションが953件、戸建てが540件、土地が118件です(国交省データ)。マンションの中央値は4,000万円、戸建ては3,800万円です。マンションも戸建ても、築31〜45年から築46年以上に移るところで中央値が最も下がります。マンションは築10年以内の半分以下、戸建ては3分の1以下です。直近1年は、マンションの中央値がはっきり上がり、戸建てははっきり下がりました。間取りは3LDKが最多で、次が2LDKです。
阿倍野区の成約は中古マンションが953件。戸建て540件より多く、土地がいちばん少ない
大阪市阿倍野区で成約した取引を、国土交通省の不動産情報ライブラリのデータで見ます。件数がいちばん多いのは中古マンションで、953件です。
次が戸建てで540件です。土地だけの取引は118件で、いちばん少なくなっています。
阿倍野区で家を売る人の多くは、マンションを売る人です。このページもマンションの話から始めます。戸建てと土地は後ろにまとめました。
中古マンションの中央値は4,000万円です。面積あたりの単価は、中央値56万円/㎡です。
戸建ての中央値は3,800万円で、安いほうから4分の1の値が1,900万円、高いほうから4分の1の値が5,600万円です。土地だけの取引の単価は、中央値で44万円/㎡になります。
中央値は、成約を安い順に並べたときの真ん中の値です。自分の家がこの値で売れる、という意味ではありません。
阿倍野区では、築年の帯と用途地域と前面道路の幅で、同じ区の中でも値段がはっきり分かれます。この先は、その分かれ目を一つずつ見ていきます。
マンションの中央値は築46年以上で築10年以内の半分以下。いちばん落ちるのは築45年と46年の間
阿倍野区の中古マンションを築年の帯で分けると、築10年以内に比べて築46年以上の中央値は半分以下です。帯が一つ進むごとに少しずつ下がるのではなく、落ち幅には偏りがあります。いちばん大きく下がるのは、築31〜45年から築46年以上に移るところです。
いま築40年台前半の部屋を持っている人は、この境目が数年先にあります。境目を越えると、比べられる成約の水準が一段下がります。売る時期を決めるとき、この帯の切り替わりは一つの材料になります。
ただし、急いで売れという意味ではありません。次の節で触れるとおり、直近1年のマンションの中央値は上がっています。
建築士の視点
築46年以上の建物は、1981年6月の耐震基準の改正より前に建てられています。この年代の建物で買い手が住宅ローン控除を使うには、耐震基準に適合する証明が要ります(租税特別措置法第41条)。証明がないと、買い手の候補が「ローン控除を使わない人」に絞られます。中央値がこの帯で大きく下がる背景には、この買い手の絞られ方があると考えられます。
管理組合が耐震診断を受けているか、受けていれば結果がどうだったか。築40年を超えたマンションを売る前に、これを先に調べておいてください。総会の議事録を見るか、管理会社に聞けば分かります。
マンションの査定で戸建てと違って聞かれることは、中古マンションを売る にまとめています。管理費・修繕積立金・長期修繕計画の書類は、阿倍野区でも同じように見られます。
直近1年、マンションの中央値ははっきり上がり、戸建てははっきり下がった
阿倍野区の直近1年の成約を、その前の1年と比べます。中古マンションの中央値は、はっきり上がりました。
戸建ての中央値は、はっきり下がりました。二つの市場が、同じ区の中で逆の方向に動いています。
この動きをそのまま「マンションは値上がり中、戸建ては値下がり中」と読むのは早すぎます。中央値は、その年に成約した物件の顔ぶれで動きます。築浅の成約が多い年は上がり、築古の成約が多い年は下がります。
阿倍野区の戸建ては、築46年以上で中央値が3分の1以下まで落ちます。築古の成約が多い年は、区全体の中央値がそれだけで下がります。
それでも、売る側にとって意味のある事実が二つあります。一つは、マンションを売るなら直近の成約を根拠にした査定を受けるべきだということです。前の年の事例で出した査定額は、いまの水準より低めに出るおそれがあります。
もう一つは、戸建てを売るなら逆だということです。前の年の事例で出した査定額は、いまの買い手の目線より高めに出るおそれがあります。査定を受けたら、根拠にした成約の時期を担当者に聞いてください。
3LDKが最多で、次が2LDK。阿倍野区のマンションは同じ間取りの競合が多い
阿倍野区の中古マンションでいちばん多い間取りは3LDKです。次が2LDKです。上位二つがどちらも家族向けの間取りで、住むために買う人が市場の中心にいます。
住むために買う人は、複数の棟の同じ間取りを並べて比べます。3LDKの部屋を売るとき、買い手が同時に見ているのは、近くの別の棟の3LDKです。
比べられるのは専有面積、階、向き、管理費と修繕積立金の額、そして値段です。同じ間取りが多い市場では、この比較が細かくなります。
売り出す前に、近くで売りに出ている3LDKと2LDKの値段を担当者に調べてもらってください。同じ棟に売り出し中の部屋があるなら、その値段と間取りは必ず聞いておきます。買い手が最初に見るのは、そこだからです。
2LDKは、家族が買う場合と、二人で住む人が買う場合があります。専有面積が広めの2LDKは3LDKと比べられ、狭めの2LDKは別の買い手と出会います。査定では、自分の部屋がどちらの帯に入るかを聞いておくと、値付けの根拠が見えます。
阿倍野区では改装済みのほうが中央値が高い。すでに直してある部屋は、工事の記録で値段を裏づける
阿倍野区の中古マンションは、改装済みの中央値が未改装より高くなっています。この事実から「改装すれば高く売れる」と読むのは危険です。改装費をそのまま上乗せできるとは限らないからです。
まだ直していない部屋なら、先に未改装のまま査定を受けてください。そのうえで、直した場合にいくら変わるかを聞き、工事の見積もりと並べて決めます。売る前に直すかどうかの考え方は、売る前にリフォームすべきか に整理しています。
ここで書きたいのは、すでに改装してある部屋の売り方です。改装済みの中央値が高い市場でも、「改装済み」と口で言うだけでは値段に乗りません。買い手と担当者が見るのは記録です。
そろえておくものは、工事の契約書か請求書、工事の範囲が分かる図面か写真、設備の保証書、工事をした年月です。水回りを替えたのか、配管まで替えたのか、表面の仕上げだけなのか。この違いで、買い手の評価は変わります。
記録があれば、査定の根拠として使えます。記録がないと、改装済みの成約と比べる根拠が弱くなります。
もう一つ、改装の範囲は契約のときにも関わります。売主は、売った部屋の品質が契約の内容と違った場合に責任を負います(民法の契約不適合責任)。どこを直し、どこを直していないかを書面で示しておくと、引き渡し後の行き違いを減らせます。
戸建ても築46年を境にいちばん落ちる。落ち方はマンションより深く、築10年以内の3分の1以下
阿倍野区の戸建ては、築10年以内に比べて築46年以上の中央値が3分の1以下です。いちばん大きく下がる境目は、築31〜45年から築46年以上に移るところです。マンションと同じ境目ですが、落ち方はマンションより深くなっています。
建築士の視点
木造住宅の税務上の耐用年数は22年です(減価償却資産の耐用年数等に関する省令)。築46年は、その倍を超えています。この帯では、建物の価値はほとんど評価に残りません。値段は、ほぼ土地の値段で決まります。
鉄筋コンクリート造の住宅の耐用年数は47年です。築46年以上のマンションは、この年数に届く手前にあります。マンションの落ち方が戸建てより浅いのは、建物の評価がまだ残っている帯だからです。
築46年以上の戸建てを売るとき、建物の状態を整えても値段にはほとんど響きません。効くのは土地の条件です。用途地域、前面道路の幅、敷地の形、境界が確定しているか。次の二つの節で見る条件が、そのまま値段の根拠になります。
築46年以上の戸建ての値段は、敷地面積に土地の単価44万円/㎡をかけた額を起点に考えます。そこから、買い手が負担する解体費の分が引かれます。
戸建ての中央値は商業地域がいちばん高く、近隣商業地域がいちばん低い。件数は第2種中高層住居専用地域に集まる
阿倍野区の戸建てを用途地域で分けると、中央値がいちばん高いのは商業地域です。いちばん低いのは近隣商業地域です。件数がいちばん多いのは、どちらでもなく第2種中高層住居専用地域です。
商業地域と近隣商業地域は、名前が似ています。どちらも店や事務所を建てられる地域です。都市計画法では、商業地域は主に商業などの業務の利便を増す地域です(第9条)。
近隣商業地域は、近隣の住民が日用品を買う店などの利便を増す地域です。建築基準法で選べる容積率の上限は、商業地域のほうが近隣商業地域より高く設定されています(第52条)。敷地を大きく使えるぶん、土地を事業用に買う人にとっての価値が上がります。
同じ「商業」の名前がついていても、阿倍野区の戸建ての中央値は両端に分かれました。自分の家がどちらの地域にあるかで、比べるべき成約が変わります。
用途地域は重要事項説明の項目です(宅地建物取引業法第35条)。市の都市計画の窓口か、公開されている都市計画図で確認できます。
件数がいちばん多い第2種中高層住居専用地域は、中高層の住宅のための地域です。阿倍野区の戸建ての成約は、この地域に集まっています。比べられる事例が多い地域なので、査定の根拠は見つけやすいはずです。
その一方で、同じ時期に近くで売りに出ている戸建ても多くなります。売り出し価格を決めるとき、競合の数は担当者に確かめてください。
戸建ての中央値は前面道路の幅で三段に分かれる。阿倍野区で幅を調べるなら道路台帳と現地の両方
阿倍野区の戸建ては、前面道路の幅で中央値が三つに分かれます。区分は4m未満、4〜6m、6m以上です。
4m未満の道に面した家は、建て替えのときに敷地の後退を求められることがあります。建築基準法では、建物の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接していなければなりません(第43条)。幅4m未満でも、一定の条件を満たす道は道路とみなされます(第42条第2項)。
その場合、道路の中心線から2mの位置まで敷地を下げて建てる必要があります。買い手は、この後退で使える敷地が減ることを値段に織り込みます。
6m以上の道に面した家は、車の出し入れと工事車両の出入りが楽です。建て替えや解体の工事費が抑えやすくなります。買い手が「買った後にかかる費用」を少なく見積もれるぶん、値段に残ります。
幅をどう調べるかが、実務では問題になります。市道なら、市が管理する道路台帳で幅員が分かります(道路法第28条)。私道なら道路台帳には載りません。
公図で道路の地番を確かめ、現地で実際の幅を測ります。塀や側溝の位置で見た目の幅と法律上の幅が違うことがあるため、両方を見ておくのが安全です。査定のとき、幅を自分で伝えられると、担当者の根拠の出し方が変わります。
土地だけの成約は118件で最も少ない。解体して更地にすると、阿倍野区では事例の少ない市場に移る
阿倍野区で土地だけの成約は118件です。中古マンションの953件、戸建ての540件に比べて、かなり少ない数です。面積あたりの単価を中央値で見ると44万円/㎡です。
ここで一つ、築古の戸建てを持つ人に知っておいてほしいことがあります。家を解体して更地にすると、その土地は戸建ての市場から土地の市場に移ります。
阿倍野区では、戸建ての市場は540件、土地の市場は118件です。比べられる事例が多い市場から、少ない市場に移ることになります。
事例が少ないと、買い手も売り手も値段の根拠を見つけにくくなります。査定額のばらつきも大きくなりがちです。古家付きのまま戸建ての市場で売るか、更地にして土地の市場で売るか。
解体費を先に払う判断でもあるので、両方の査定額を並べてから決めてください。見極め方は、更地で売るか、古家付き土地のまま売るか に書いています。
土地で売る場合は、境界の確定が前提になります。隣地との境界が確定していない土地は、買い手が値段を下げて見ます。確定測量には時間がかかるため、売ると決めたら早めに手配します。
阿倍野区で売るとき、先に確かめる三つの事実。そのあとの進め方とお金はリンク先で
ここまで見てきたとおり、阿倍野区の値段を分けているのは次の三つです。築年の帯、用途地域、前面道路の幅です。マンションなら、これに間取りと改装の記録が加わります。
査定を受ける前に、この三つを自分で確かめておいてください。築年月は登記事項証明書か建築確認済証で分かります。用途地域は市の都市計画図で分かります。
前面道路の幅は道路台帳と現地で分かります。この三つを担当者に伝えると、査定の根拠が「区の中央値」から「自分の家と条件が近い成約」に変わります。
査定は複数の会社から受けます。金額の大小ではなく、根拠にした成約の時期と条件を比べてください。阿倍野区はマンションと戸建ての直近の動きが逆なので、古い事例を根拠にした査定は、どちらかにずれます。
売る流れ全体は、家を売る流れは7ステップ にまとめています。仲介手数料・登記・税金など、売るときにかかるお金は 不動産売却でかかる費用の一覧 で確認できます。どちらも阿倍野区に限らない話なので、ここでは繰り返しません。