東京の家売却
東京都北区の不動産売却|マンション2,796件の実成約で読む相場と売り方
編集部
本記事にはプロモーションが含まれます。
結論から 東京都北区の実成約は、中古マンションが2,796件、戸建てが1,043件です(国交省データ)。マンションの中央値は4,300万円、戸建ては6,200万円です。間取りは3LDKがいちばん多く、次が1Kです。マンションの段差は築21〜30年から築31〜45年へ移るところにあり、築46年以上でも築10年以内の7割ほどが残ります。戸建ては築46年以上で半分以下になり、直近1年ははっきり上がりました。
北区の成約はマンションが戸建ての2倍を超える。ただし戸建ての成約も薄くはない
国土交通省の不動産情報ライブラリで、北区の成約を種類別に数えました。中古マンションが2,796件、戸建てが1,043件です。土地は397件で、三つの中でいちばん少ない種類でした。
件数で見ると、マンションは戸建ての2倍を上回ります。ただ、戸建てが極端に薄いわけではありません。築年帯や道路幅で分けても、比べる相手が見つかる程度の数があります。
マンションの中央値は4,300万円で、面積あたりの中央値は90万円/平方メートルです。戸建ての中央値は6,200万円で、真ん中の半分は4,500万円から8,100万円に収まります。土地の面積あたりの中央値は65万円/平方メートルです。
この記事は、成約の多いマンションから書きます。戸建てと土地の話は、記事の後半に置きました。北区で戸建てを売る人は、後半から読んでも話がつながるようにしてあります。
3LDKと1Kが上位。北区のマンションは、広い部屋と小さい部屋で買い手の見る数字が違う
北区の中古マンションで、いちばん多い間取りは3LDKです。次に多いのが1Kでした。家族向けの広さと、一人向けの広さが、同じ区の上位二つに並んでいます。
この二つは、買い手が見る数字が違います。3LDKは、自分で住むために探す人が主な買い手になります。見るのは総額と、毎月の管理費・修繕積立金です。
住宅ローンの返済に管理費と積立金を足して、月々いくらになるかで判断します。内見で部屋の状態も確かめます。
1Kは、自分で住む人のほかに、貸す目的で買う人がいます。貸す目的の買い手は、面積あたりの単価と、取れる賃料を見ます。すでに入居者がいる部屋は、入居者付きのまま売ることになります。
この場合、買い手は部屋の中を見られません。賃料と契約内容が、内見の代わりになります。
同じ棟に3LDKと1Kが両方あっても、棟の平均単価で自分の部屋を測らないでください。小さい部屋は面積あたりの単価が高く出やすく、広い部屋は低く出やすいからです。
査定では、自分と同じ間取りの成約を根拠にしてもらってください。マンション全般の進め方は、中古マンションを売るにまとめています。
マンションの段差は築30年を越えるところに一つ。築46年以上でも、築10年以内の7割ほどが残る
北区の中古マンションを築年帯で分けると、中央値がいちばん大きく下がるのは一か所です。築21〜30年から築31〜45年へ移るところです。ここを越えると、下がり方はゆるやかになります。
築46年以上の中央値は、築10年以内に比べて3割ほど低い水準です。言い換えると、築46年以上でも7割ほどが残っています。
売る側の読み方は、築年で二つに分かれます。
築25年から30年の部屋は、数年で比べられる帯が変わります。今の査定書が築21〜30年の成約を根拠にしているなら、その根拠は今だけのものです。売る時期を迷っているなら、この境目を一つの材料にしてください。
築46年以上の部屋は、値段の下がり方よりも、買い手の条件が変わる点に注意が要ります。
建築士の視点
築46年以上のマンションは、建築確認が1981年5月以前の建物です。現在の耐震基準は、1981年6月1日に施行されました。それより前に確認を受けた建物は、いわゆる旧耐震基準で設計されています。
ここで効いてくるのは、買い手の住宅ローン控除です。中古住宅で控除を受ける要件の一つに、1982年1月1日以後に建築された家屋であること、があります。それより前の建物では、耐震基準適合証明書などで現在の基準を満たすことを示す必要があります。
つまり築46年以上の部屋は、買い手が控除を使えるかどうかが物件ごとに変わります。耐震診断や補強の記録が管理組合にあるかを、売り出す前に確かめてください。記録があれば、買い手の資金計画が立てやすくなります。値引きの材料も一つ減らせます。
管理組合の長期修繕計画と、修繕積立金の残高も見られます。築年が進むほど、この二つが値段に効く割合は大きくなります。総会の議事録とあわせて、先に手元に置いておいてください。
直近1年、はっきり上がったのは戸建てのほう。マンションは「やや」にとどまる
直近1年の中央値を、その前の1年と並べました。北区では、戸建てがはっきり上がり、マンションはやや上がりました。どちらも上向きですが、上がり幅は戸建てのほうが大きい結果です。
この差は、査定書の見方に関わります。戸建ての査定で、根拠の成約が2年前のものだと、今の水準より低く出ている可能性があります。
マンションの場合、根拠の時期による差は戸建てほど大きくありません。とはいえ、築年帯の境目をまたぐ成約と並べられていれば、別の理由でずれます。
査定書が届いたら、根拠の成約の時期を確かめてください。直近1年のものか、それより前のものかで、同じ金額でも意味が変わります。
なお、上向きが続く保証はありません。直近の成約の幅の中で、自分の物件の位置を決めるのが現実的です。
改装済みの中央値は上。ただしその中には、業者が買い取って直してから売った部屋も混ざる
北区の中古マンションを、改装済みと未改装で分けると、改装済みの中央値のほうが高くなります。この差を見て、売る前に改装すれば高く売れると考えるのは早いです。
理由は二つあります。一つは、改装済みの成約には、買取業者が仕入れて直してから再販した部屋が含まれることです。
業者は仕入れ値と工事費を計算したうえで、利益が出る部屋だけを直します。個人が自分の部屋を直す場合とは、条件が違います。
もう一つは、改装費がそのまま値段に乗るとは限らないことです。3LDKの全面改装は費用が大きくなります。
1Kは費用が小さい代わりに、上がる金額の幅も小さくなりがちです。どちらも、直した金額と上がる金額が同じになる保証はありません。
判断の順番は、見積もりより先に査定です。「現況のままの査定額」と「直した場合の査定額」を両方聞き、その差と見積もりを並べてください。
差が見積もりを下回るなら、直さずに売るほうが手元に残ります。愛知の実成約で検証した記事を、売る前にリフォームすべきかに置いています。
戸建ての段差は築46年以上に移るところ。マンションより一つ後の帯で来る
北区の戸建ての成約は1,043件です。中央値は6,200万円で、真ん中の半分は4,500万円から8,100万円の間にあります。
築年帯で分けると、中央値がいちばん大きく下がるのは、築31〜45年から築46年以上へ移るところです。築46年以上の中央値は、築10年以内の半分以下になります。
マンションの段差が築30年前後にあったのに対し、戸建ては一つ後の帯で来ます。下げ幅も、マンションの3割より大きい結果です。
段差の位置が違うのは、値段を支えているものが違うからです。木造住宅の建物は、税務上の耐用年数が22年です。築30年を越えたあたりで、建物の評価はほとんど残りません。
それでも築31〜45年の中央値が保たれているのは、買い手がまだ建物を使う前提で見ているからです。築46年以上になると、解体して建て替える前提の買い手が中心になります。
そうなると、値段は土地の値段から解体費を引いた水準に近づきます。段差はこの切り替わりで生まれます。
築46年以上の戸建てを売るなら、建物の状態を説明するより、土地の条件を先に整理してください。次の節で書く用途地域と前面道路の幅が、その土地の値段を決めます。戸建て全般の確かめ方は、戸建てを売るにまとめています。
第1種中高層住居専用地域に戸建ての成約が集まる。値段の端を作るのは、商業地域と準工業地域
北区の戸建てを用途地域で分けると、成約がいちばん多いのは第1種中高層住居専用地域です。中央値は商業地域がいちばん高く、準工業地域がいちばん低い結果でした。件数の多い地域と、値段の端を作る地域が、別々です。
用途地域は、都市計画法でその土地に建てられるものを決めています。第1種中高層住居専用地域は、中高層の住宅の住環境を守るための地域です。
商業地域は、商業などの業務の利便を高めるための地域です。準工業地域は、環境を悪くするおそれの少ない工場の利便を高めるための地域です。
値段の差は、この「建てられるもの」の差から来ています。商業地域は、容積率を法律上最大1300%まで定められます。第1種中高層と準工業は最大500%です。
同じ広さの土地でも、商業地域のほうが大きな建物を建てられる可能性があります。買い手の中に、戸建てではなく事業用の建物を考える人が入ってくるため、中央値が上がります。
準工業地域は、隣に工場が建つ可能性が残る地域です。住むための買い手は、それを見込んで値段を付けます。
自分の土地の用途地域は、東京都が公開している都市計画情報で調べられます。買ったときの重要事項説明書にも記載があります。査定の前に確かめ、担当者に伝えてください。
前面道路の幅は、セットバックだけでなく、建てられる延べ床の上限も決める
北区の戸建ては、前面道路の幅が4m未満、4〜6m、6m以上のどれかで中央値に差が出ています。道路の幅が値段に効く理由は、二つあります。
建築士の視点
一つ目は、建て替えのときの後退です。幅4m未満の道路に面した敷地は、建築基準法第42条第2項の道路に当たることがあります。この場合、建て替えで道路の中心線から2m下がった位置まで敷地を後退させます。後退した部分は、敷地として使えなくなります。
二つ目は、容積率の上限です。これは4m以上の道路でも効きます。建築基準法第52条第2項の決まりです。前面道路の幅が12m未満の敷地では、道路の幅に一定の数をかけた値が容積率の上限になります。住居系の用途地域では、この数は0.4です。道路が4mなら160%、6mなら240%が上限です。都市計画で定めた容積率がそれより大きくても、道路の幅で決まる上限のほうが優先されます。
北区の戸建てで成約がいちばん多い第1種中高層住居専用地域は、この住居系に入ります。同じ地域の同じ広さの土地でも、道路が4mか6mかで建てられる延べ床が変わります。買い手はこの差を見て値段を付けます。
前面道路の幅は、道路台帳や購入時の重要事項説明書で確かめられます。後退が済んでいるかどうかも含めて、査定の前に数字で押さえておいてください。
土地の値段も、用途地域と前面道路の幅で決まる。北区では成約の数がいちばん少ない種類
北区で土地だけが売られた成約は397件でした。1平方メートルあたりの中央値は65万円です。
件数が少ないので、一件の大きな取引で中央値が動きます。この数字は目安にとどめてください。
土地の買い手は、そこに何かを建てる人です。だから土地の値段は、用途地域と前面道路の幅で決まります。
前の二つの節で書いた内容が、土地の売却にはそのまま当てはまります。築46年以上の戸建ても、買い手から見れば土地に近い扱いです。
土地を売るときに特有の準備は、境界の確定と、古家付きか更地かの選択です。この二つは区にかかわらず共通なので、土地を売るで整理しています。
査定額が出たら、北区のどの成約と並べたのかを四つの軸で聞き返す
この記事で見てきた北区の成約は、四つの軸で値段が分かれていました。査定書を受け取ったら、金額の前に、根拠にした成約がどの帯から取られたかを聞いてください。
一つ目は間取りです。マンションなら、3LDKと1Kを同じ単価で扱っていないかを確かめます。
二つ目は築年帯です。マンションは築30年前後、戸建ては築46年以上に移るところに段差があります。自分の物件と同じ帯の成約かを聞きます。
三つ目は時期です。直近1年は戸建てがはっきり上がり、マンションはやや上がりました。根拠の成約が直近1年のものかを聞きます。
四つ目は土地の条件です。戸建てと土地なら、用途地域と前面道路の幅が同じ区分の成約かを聞きます。
この四つに数字で答えられる担当者なら、その査定額には根拠があります。答えが「周辺相場から」だけなら、別の会社の査定と並べてください。
査定から引き渡しまでの流れは、家を売る流れは7ステップに置いています。北区の固有の事情は本記事で、手順はそちらで確かめてください。