大阪の家売却
大阪府大阪市此花区の不動産売却|戸建てとマンションの件数が近い区。落ちる時期が違う
編集部
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結論から 大阪府大阪市此花区の実成約は、中古マンションが416件、戸建てが361件です(国交省データ)。件数が近く、両方の市場があります。マンションの中央値は2,750万円で、築21〜30年に入るところで最も下がります。戸建ての中央値は2,400万円で、築31〜45年に入るところで最も下がります。改装済みのマンションの中央値は未改装より高くなく、直す前に査定を受けるのが順番です。
此花区は中古マンション416件、戸建て361件。二つの市場を分けて読む
此花区で実際に成約した取引を、国土交通省の不動産情報ライブラリで集計しました。中古マンションが416件、戸建て(土地と建物のセット)が361件です。
件数の差は小さく、どちらか一方が区の市場を決めているわけではありません。土地だけの取引は最も少なく、44件にとどまります。
中央値は、マンションが2,750万円、戸建てが2,400万円です。戸建ては安いほうから4分の1の値が1,200万円、高いほうから4分の1の値が3,800万円です。
この幅の中に、戸建ての成約の半数が入ります。マンションの面積あたりの単価は、中央値40万円/㎡です。
件数が近いことは、売る側にとって二つの意味を持ちます。一つは、戸建てでもマンションでも、比べる事例に困らないことです。
もう一つは、築年数で値段が落ちる時期が、二つの市場で違うことです。この記事は、その違いを軸に此花区のデータを読んでいきます。
マンションは3LDKと2LDKが中心。住む人が買う市場の値段の付き方
此花区のマンションで最も多い間取りは3LDKで、次が2LDKです。この二つは、家族や夫婦が自分で住むために買う間取りです。家賃を目的に買う人が主役の市場とは、値段の決まり方が違います。
住む人が買うとき、見るのは利回りではなく、毎月の返済額と暮らしやすさです。管理費と修繕積立金の月額が高い部屋は、同じ価格でも返済の負担が重く見えます。
駐車場に空きがあるか、部屋が明るいか、水まわりが傷んでいないか。内見でこうした点が細かく見られるのは、買い手が自分で住むからです。
売る側の準備も、この前提に合わせます。管理費と修繕積立金の額、大規模修繕の履歴と予定、長期修繕計画は先にそろえてください。買ったあとにかかるお金を買い手が計算できる物件は、値引きの根拠を与えにくくなります。
マンションに特有の準備は 中古マンションを売る。戸建てと違う準備と進め方 にまとめています。
マンションは築21〜30年に入るときに最も下がる。築31〜45年で築10年以内から3割ほど下
此花区の中古マンションの中央値を築年帯ごとに並べると、落ち方は一様ではありません。最も大きく下がるのは、築11〜20年から築21〜30年に移るところです。その先の築31〜45年の中央値は、築10年以内から3割ほど下がった水準にあります。
言い換えると、築20年前後のマンションは、値段の帯が変わる手前にいます。築21年を過ぎた途端に売れなくなるわけではありません。
ただし、比べられる成約の中央値が一段下がるため、査定の出発点が変わります。いま築15年から20年の部屋を持っている人は、この点を知ったうえで時期を決めてください。
築年数は、マンションの場合は管理の状態と一緒に見られます。大規模修繕をいつ終えたか、次がいつかは、査定で必ず聞かれる項目です。築21年を過ぎていても、修繕の記録がそろっている棟は、根拠を持って価格を説明できます。
改装しても中央値に乗らない。此花区のマンションは直す前に査定を受ける
此花区では、改装済みのマンションの中央値が未改装より高くありません。改装に使ったお金が、成約価格にそのまま乗っていないということです。理由として考えられるのは、改装される部屋は築年数が古いことが多い点です。
古い帯の中央値が、改装の効果を打ち消している可能性があります。ただ、理由がどうであれ、売る前に自分で改装する根拠は、この区のデータからは出てきません。
先に査定を受け、「いまのままで売る場合」と「直してから売る場合」の両方の価格を聞いてください。差額が改装費を下回るなら、直さずに売るほうが手取りが残ります。
傷んだ箇所を直すか、値引きで対応するかは、その差額を見てから決めれば足ります。改装と成約価格の関係を実データで確かめた記事は 売る前にリフォームすべきか です。
直近1年、マンションはやや上がり、戸建ては動かなかった
直近1年の中央値を前の1年と比べると、マンションはやや上がり、戸建てはほぼ横ばいでした。同じ区で、同じ時期に、動き方が違っています。
マンションを持っている人には、売る根拠と待つ根拠の両方があります。上がっている間に売れば、比べられる成約の水準は前年より高い位置にあります。一方で、この先も上がるかどうかは、このデータからは分かりません。
戸建てを持っている人は、市場が動いていない間に、自分の家の条件を整える時間があると考えられます。道路の幅や境界の確認など、後の節で触れる作業です。
四半期ごとの件数は多くないため、1年の差は誤差を含みます。「やや上がった」を「上がり続ける」と読み替えないでください。
戸建てはマンションより10年遅れて、築31〜45年に入るときに最も下がる
戸建ての中央値は、築46年以上で築10年以内の半分以下まで落ちています。落ち幅が最も大きいのは、築21〜30年から築31〜45年に移るところです。
マンションが大きく落ちるのは築21〜30年に入るところでした。戸建てはそれよりおよそ10年遅れて、大きく動きます。
この差には、建物の評価の仕方が関わっています。木造の戸建ては、法定耐用年数が22年と定められています。
築30年を超えると建物の評価はほとんど残らず、価格は土地の分に近づきます。築31〜45年の帯で大きく下がるのは、建物の分が抜けた結果と読めます。
築46年以上で半分以下まで落ちるのは、建物の分がなくなった上に、別の要因が重なるためと考えられます。この帯の家の多くは、1981年6月より前の耐震基準で建てられています。
旧耐震の木造は、買い手がローンを組むときに条件が厳しくなることがあります。この帯の家は、家として売るか、土地として売るかを最初に決めたほうが、話が早く進みます。
件数が最も多い第1種住居地域の戸建ては、中央値が最も低い。最も高いのは準工業地域
此花区の戸建てを用途地域で分けると、中央値が最も高いのは準工業地域、最も低いのは第1種住居地域です。そして、成約件数が最も多いのも第1種住居地域です。つまり、此花区でいちばん多く取引されている戸建ては、中央値が最も低い用途地域にあります。
準工業地域は、都市計画法で、環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進する地域とされています。住宅も工場も建てられる地域です。住宅専用の地域より建てられる建物の種類が多く、買い手も自分で住む人に限られません。
此花区で準工業地域の中央値が高いのは、土地の使い道の多さが値段に入っているためと読めます。ただし、隣に何が建つか分からないという不安も、同じ理由から生まれます。個別の物件で有利か不利かは、周囲の状況しだいです。
第1種住居地域は、住居の環境を守るための地域で、規模の大きな工場は建てられません。件数が多いのは、住宅として売り買いされる家がこの地域に集まっているためです。此花区で戸建てを売る人の多くは、この地域の中で比べる事例を探すことになります。
中央値が低いという結果は、安く売るしかないという意味ではありません。比べる対象が多いぶん、自分の家の条件がそのまま価格に反映されます。
前面道路の幅は4m未満・4〜6m・6m以上で中央値が変わる。測る前に公図を見る
此花区の戸建ては、前面道路の幅が4m未満・4〜6m・6m以上のどの区分かで、中央値が同じではありません。道路の幅は、建築基準法で建てられる家の条件を決めるため、買い手は必ず確かめます。
建築基準法では、敷地は幅4m以上の道路に2m以上接していなければ、建物を建てられません。幅4m未満の道でも、特定行政庁が指定した道路(いわゆる2項道路)なら建てられます。その場合、道路の中心線から2m後退した線が敷地の境になります。
後退した部分は敷地面積に入らず、建てられる建物の大きさが減ります。幅4m未満の道に面した家は、この後退が必要かどうかで、価格の根拠が変わります。後退しても建てられない敷地の売り方は 再建築不可物件を売る で整理しています。
売る前に確かめるのは、道路の幅が公図や道路台帳でどう扱われているかです。現地でメジャーを当てた幅と、法律上の道路の幅は一致しないことがあります。道路の種類は、大阪市の建築指導を担当する窓口で調べられます。
査定を受けるときは、道路の種類と幅を先に伝えてください。根拠のある価格が返ってきやすくなります。
土地だけの成約は44件。此花区では古家付きの戸建てを値付けするときに単価26万円を使う
土地だけの成約は44件で、此花区の三つの種類の中で最も少ない取引です。単価の中央値は26万円/㎡です。件数が少ないため、この単価だけで自分の土地の値段を決めるのは危険です。
この単価が役に立つのは、古い戸建てを土地として値付けするときです。築31年を超えた戸建ては、前の節で見たとおり、建物の分がほとんど残っていません。
敷地面積に土地の単価を掛けた額から、解体費を引いた数字が、更地で売る場合の出発点になります。古家付きのまま売る場合の査定と、この数字を並べれば、どちらが手取りで上かが見えます。
土地の単価は、同じ区の中でも用途地域と道路の幅で変わります。前の二つの節で見た戸建ての差は、土地の値段の差でもあります。自分の土地がどの用途地域にあり、どの幅の道路に接しているかを、査定の前に押さえてください。
此花区で売るときの順番。査定を受けてから、直すか決めて、契約する
此花区で売るときの順番は、物件の種類で少し違います。共通するのは二つです。直す前に査定を受けること、道路と用途地域を先に調べることです。
査定は複数の会社に頼み、金額だけでなく根拠を聞いてください。此花区はマンションも戸建ても事例が多い区です。
どの成約と比べたかを示せない査定は、根拠が弱いと判断できます。マンションなら同じ棟か近い築年の棟、戸建てなら同じ用途地域で道路の幅が近い家が、比べる相手です。
契約は媒介契約を結んでから売り出します。引き渡しまでの流れと期間の目安は 家を売る流れは7ステップ で確かめられます。かかるお金は、仲介手数料、登記の費用、売った利益にかかる税金が主なものです。
仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法にもとづく告示で決まっています。内訳は 不動産売却でかかる費用の一覧 にまとめています。
此花区のデータが示しているのは、何を先に確かめるかで手取りが変わる市場だということです。マンションなら改装の前に、戸建てなら道路と用途地域を調べてから、査定を受けてください。