認知症の親の家は売れるか。意思確認・成年後見・家族信託の分かれ目【建築士監修】
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認知症の親の家は、本人の意思確認ができないと売却契約を結べません。売るには家庭裁判所で成年後見人を選び、居住用不動産の売却許可を得る必要があります。家族信託は認知症になる前にしか組めないため、早めに動くことが大切です。
2026年10月19日(月)家の売却を、国の実データで。
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認知症の親の家は、本人の意思確認ができないと売却契約を結べません。売るには家庭裁判所で成年後見人を選び、居住用不動産の売却許可を得る必要があります。家族信託は認知症になる前にしか組めないため、早めに動くことが大切です。
結論から言います。認知症の親の家は、そのままでは売れません。
不動産の売買契約は、本人が内容を理解して同意できることが前提です。意思確認ができない状態になると、この前提が崩れます。
売る道はあります。家庭裁判所で成年後見人を選んでもらい、後見人が手続きを進める方法です。ただし、住んでいた家を売るには、後見人の選任だけでは足りません。
「認知症だから絶対に売れない」わけではありません。正確に言うと「本人のサインだけでは売れない」ということです。
この違いを押さえると、次に何をすべきかが見えてきます。
不動産の契約では、司法書士や仲介会社が本人の意思確認をします。名前や住所を答えられても、契約の内容や金額を理解して判断できるかは別問題です。ここで疑いが出ると、契約は止まります。
止まる理由は単純です。あとで「本人に契約の意思能力がなかった」と主張されれば、契約自体が無効になるおそれがあるからです。買主にとっても大きなリスクです。
だから仲介会社も金融機関も、判断力に疑いがあるケースには慎重に対応します。無理に進めようとしても、途中で止まることが多いです。
本人に意思確認ができない場合、家族が代わりに使えるのが成年後見制度です。家庭裁判所に申し立て、後見人を選んでもらいます。判断力の程度によって、後見・保佐・補助という3つの類型に分かれます。
後見人が選ばれても、それだけでは家を売れません。本人が住んでいた家、つまり居住用不動産を売るときは、家庭裁判所からもう一段、売却の許可を取る必要があります。本人の生活の場を守るための仕組みです。
許可なく売ってしまうと、その売買は無効です。買主側にも重大な問題が起こります。ここは省略できない手続きです。
後見人を誰にするかは、家庭裁判所が判断します。家族が望んでも、そのとおりに選ばれるとは限りません。申立ての具体的な進め方や必要書類は、家庭裁判所や司法書士・弁護士に確認してください。
「家族信託を使えば後見よりラクだ」と聞いたことがある人もいると思います。半分正しいですが、順番を間違えると使えません。
契約には条件があります。家族信託は、親が自分の意思で「この家の管理・処分を子に託します」と契約する仕組みです。契約である以上、親に契約内容を理解できる意思能力が必要です。
つまり、認知症が進んで判断力が失われたあとでは、家族信託を新しく組むことはできません。組めるのは、まだ本人がしっかり話せるうちだけです。ここが後見制度と大きく違う点です。
もし「うちも組んでおけばよかった」と今思っているなら、その家はもう後見制度のルートで進めるしかありません。切り替えに悩む時間はもったいないです。次に何をするかを考えましょう。
ここまでの手続きは、どれも時間がかかります。申立てから後見人が決まるまで、さらに売却許可が出るまで、数か月単位で進みます。急いでいる人ほど、ここでつまずきます。
現場を見てきた実感として、認知症の親が一人で暮らしていた家は、不具合の発見が遅れがちです。本人が不調に気づいても、うまく伝えられないまま時間が過ぎることがあります。雨漏りや排水の詰まりは、気づいた頃には修繕の規模が大きくなっています。
もう一つ気をつけたいのが、増築やリフォームの記録です。いつ直したか、境界をどう確認したかは、本人にしか分からないことが多いです。
聞けるのは今だけです。話せるうちに聞いておかないと、あとから調べても分かりません。未登記の増築が見つかって、手続きが増えることも珍しくありません。
手続きが長引くと、買主側にも影響が出ます。買主が先に取っていた住宅ローンの事前審査には期限があります。後見や許可の手続きで契約が延びると、審査を取り直すことになる場合があります。
早く動いた分だけ、選べる道が残ります。逆に、判断力の低下が進んでからでは、家族信託という選択肢そのものが消えます。早さが、選択肢の広さを決めます。
後見人が選ばれたら、次は家庭裁判所の売却許可です。ここでよくある誤解が「先に許可をもらってから買主を探す」という順番です。実際は逆です。
許可は「この相手に、この金額で売る」という具体的な契約に対して出ます。だから、仲介会社に査定を頼んで買主を見つけるところまでは、通常の売却と同じです。
買主が決まったら、「家庭裁判所の許可が得られることを条件とする」という一文を入れて売買契約を結びます。そのうえで、契約書の写しや査定書など必要な書類をそろえて申し立てます。許可が出なかったときは、契約が白紙に戻る取り決めにしておきます。
家庭裁判所が見るのは、おもに次の点です。売る必要が本当にあるか、本人が家に戻る見込みがあるか、値段が査定と比べて妥当か。加えて、親族の意見を聞かれることもあります。
売る理由は具体的に説明できるようにしておきましょう。施設の費用にあてたい、誰も住まない家の維持費が負担になっている、といった事情です。空き家のまま持ち続ける費用は持ち続けると年にいくらかかるかにまとめています。
買主には、最初に事情を伝えておくことです。許可が出るまで引き渡しができないと知らずに契約すると、待てずに話が流れることがあります。事情を分かったうえで待ってくれる買主かどうかを、契約前に確かめておきましょう。
まずは家族で状況を共有しましょう。本人の様子、家の状態、今の生活費や医療費の負担。これを整理するだけでも、次の一手が見えてきます。
意思確認ができるうちなら、家族信託や任意後見といった事前の備えを検討する余地があります。すでに判断が難しい状態なら、法定後見の申立てを、地域の家庭裁判所や司法書士・弁護士に相談してください。
家の売却額のおおよそを先に知っておくのも有効です。売る・貸すを決める前でも、査定だけを受けることはできます。詳しくは査定だけ受けたいを参考にしてください。
家の中の片付けも、想像以上に時間がかかります。認知症の親が長く暮らした家なら、荷物の整理に時間がかかることが多いです。進め方は空き家になった実家の片付けが進まないときにまとめています。
増築やリフォームの記録に心当たりがあるなら、早めに確認しておきましょう。未登記の建物があると、売却の手続きが増えます。詳しくは未登記の建物がある家は売れるかにまとめています。
後見人が選ばれ、売却の許可が取れたあとの進め方は、通常の売却と同じです。流れの全体像は家を売る流れは7ステップ、契約の種類は媒介契約は3種類にまとめています。
認知症の親の家は、動くのが早いほど選べる道が多い話です。今日、家族で話す時間を作ることが、いちばん確実な一歩です。動くなら、今日です。
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本人に契約内容を理解して判断できる意思能力がない場合、そのままでは売却契約を結べません。家庭裁判所で成年後見人を選んでもらい、後見人が居住用不動産の売却許可を得ることで、手続きを進められます。個別の判断は司法書士・弁護士に確認してください。
後見人の選任だけでは足りません。本人が住んでいた家(居住用不動産)を売るときは、家庭裁判所からもう一段、売却の許可を得る必要があります。許可が出るまで一定の時間がかかるため、早めに手続きを始めることが大切です。
原則として組めません。家族信託は、本人が契約内容を理解して同意できることが前提の契約だからです。判断力が低下したあとは、家族信託ではなく成年後見制度を使うのが基本の道になります。事前に備えたい場合は、判断力があるうちに司法書士・弁護士に相談してください。
本記事は下書きにAIを活用し、出典との照合・建築士監修を経て公開しています。