相続登記の義務化と期限。3年を過ぎると10万円以下の過料も
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相続で受け継いだ不動産は、相続登記が義務です。期限は、相続の開始とその不動産の所有権を取得したことを、両方知った日から3年以内。正当な理由なく過ぎると、10万円以下の過料の対象になります。2024年4月1日に始まった制度で、それより前の相続も対象です。売却を考えるなら、まず名義から確認しておく話になります。
2026年10月19日(月)家の売却を、国の実データで。
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相続で受け継いだ不動産は、相続登記が義務です。期限は、相続の開始とその不動産の所有権を取得したことを、両方知った日から3年以内。正当な理由なく過ぎると、10万円以下の過料の対象になります。2024年4月1日に始まった制度で、それより前の相続も対象です。売却を考えるなら、まず名義から確認しておく話になります。
相続で受け継いだ不動産は、相続登記が義務です。期限は、相続の開始とその不動産の所有権を取得したことを、両方知った日から3年以内。正当な理由なく過ぎると、10万円以下の過料の対象になります。
2024年4月1日に始まった制度で、それより前の相続も対象です。売却を考えるなら、まず名義から確認しておく話になります。
この記事では、相続登記そのものを法務省の一次情報で確認しながら整理します。義務化の中身、期限、放置したときの実務上の困りごと、手続きの流れを扱います。相続した実家を売る手順の全体像は 相続した実家を売る、進め方 にまとめています。
2024年4月1日から、相続や遺言によって不動産を取得した人には、相続登記の申請が義務付けられています。出典は法務省「相続登記の申請義務化について」です。
義務は2段階に分かれます。1つ目は、相続や遺言によって不動産を取得したと知ったときに生じる基本的な義務。
2つ目は、相続人どうしの話し合い(遺産分割)が決まったときに生じる追加の義務です。話し合いが長引いても、まず基本的な義務の期限は動きません。
期限は、相続の開始とその不動産の所有権を取得したことを、両方知った日から3年以内。遺産分割が成立した場合は、その内容を反映した登記も、成立日から3年以内に必要です。正当な理由なく期限内に申請しないと、10万円以下の過料の対象になります。
相続登記の期限は、単に親が亡くなった日ではなく「知った日」が起点になる点に注意が必要です。疎遠だった親族の死亡を後から知らされることもあります。そうした場合や、自分がその不動産を相続すると分かるまでに時間がかかった場合は、実際に知った時点が起点になります。
「知った日」がいつかは、状況によって差が出ます。日付の判断に迷う場合は、司法書士や法務局への確認が実務的です。自己判断は危険です。

義務化の背景には、持ち主が分からない「所有者不明土地」の広がりがあります。法務省は、所有者不明土地が占める割合について「九州の大きさに匹敵する」規模になっていると説明しています。深刻な数字です。
相続登記がされないまま放置された土地は、公共事業や災害復旧・復興事業の妨げになってきました。道路の拡幅や堤防の整備を進めようとしても、土地の持ち主が特定できなければ、交渉そのものが始められません。交渉の入り口で止まります。
数字は増える一方です。さらに、相続登記をしないまま次の相続が起きると、その不動産にかかわる権利者の数はそのたびに増えていきます。
祖父母の代から名義が変わっていない土地では、相続人が数十人規模に膨れ上がっていることも珍しくありません。義務化は、こうした状態がこれ以上広がらないようにするための制度です。
2024年4月1日より前に発生した相続も、義務化の対象です。すでに相続していて登記がまだなら、2027年3月31日までに申請します。所有権取得を知った日が2024年4月以降になる場合は、その日から3年以内が期限です。
「祖父母の代からずっと名義が変わっていない」という不動産は珍しくありません。今回の義務化は、こうした古い相続もさかのぼって対象にしています。過去の相続だから対象外、とはならない点に注意が必要です。
名義が何十年も前のままだと、相続人の数がその間に増えていることがあります。戸籍を集める範囲も広がるため、対象になる不動産があるなら、早めに着手したほうが手続きの負担は小さく済みます。早いほど楽です。
いきなり過料ではありません。正当な理由なく期限内に申請しないと、10万円以下の過料の対象になります。
催告が先です。ただし法務局は、期限が過ぎた時点で即座に過料を科すわけではありません。まず登記官が申請するよう催告し、それでも正当な理由なく応じない場合に、裁判所へ通知する流れです。
法務省が挙げる「正当な理由」の例には、相続人が極めて多数で戸籍の収集に時間がかかる場合があります。遺産の範囲や相続人の資格が争われている場合もそうです。義務を負う人が重い病気を抱えている場合や、DV被害者などで避難中の場合も含まれます。
経済的に困窮していて費用を負担できない場合も、正当な理由の一つです。事情がある場合は、催告の段階で法務局に伝えることになります。早めの相談が安心です。
相続登記を済ませないまま放置すると、実務でいくつもの支障が出ます。放置に得はありません。
先延ばしは損です。いずれ売却を考えている不動産ほど、早く手を付けたほうが後の負担は小さく済みます。
相続登記は、おおまかに次の順番で進みます。
書類がそろえば、自分で法務局に申請することも可能です。ただし、戸籍を集める範囲は家族構成によって大きく変わり、遺産分割協議書の作成でも法的な判断が求められる場面があります。簡単ではありません。
実務では、司法書士に依頼して進めるケースが多くを占めます。手続きにかかる費用や日数は、相続人の人数や不動産の数によって事案ごとに差が大きくなります。個別に司法書士へ確認する流れです。
相続人申告登記は、義務を簡易に果たすための制度です(不動産登記法第76条の3)。自分がその不動産の相続人であることを、戸籍などの証明書とあわせて法務局に申し出ます。登記官が審査したうえで、申出をした相続人の氏名・住所などを職権で登記に付記します。
この申出は、法定相続人の範囲や法定相続分の割合が確定していなくてもでき、特定の相続人が単独で行うこともできます。遺産分割の話し合いが終わっていない段階でも、とりあえず義務だけ果たしておけます。
ただし、相続人申告登記は不動産についての権利関係を公示するものではありません。誰がどの持分を相続するかを確定させる手続きではなく、あくまで「義務を果たした」という届け出です。
履行できるのも基本的義務だけで、遺産分割が成立した後の追加的義務は、これでは果たせません。相続した不動産を売却したり、抵当権を設定したりする場面では、あらためて相続登記(本登記)が必要になります。
急場しのぎです。期限が迫っていて遺産分割協議が間に合わない場合の応急策、という位置づけで考えると実務に合います。
相続人申告登記だけでは、家は売れません。実際に売却するときは、名義を相続人に移す相続登記が必要です。名義が被相続人のままだと、買主への所有権移転ができないためです。
相続人が複数いる場合、遺産分割協議の内容によっては、共有名義のまま登記することもできます。ただし共有のまま持つと、売却時に共有者全員の合意が必要になるなど、後々の手続きが増えます。共有名義の売り方や注意点は 共有持分だけを売る にまとめています。
話し合いがまとまらないまま時間だけが過ぎている場合は、遺産分割がまとまらない家を売る も参考になります。
売却を視野に入れているなら、遺産分割協議書の作成と相続登記を、査定や売却活動より先に進めておくと段取りがスムーズです。相続した実家を売るときの全体の順番は、相続した実家を売る、進め方 で確認できます。
期限の起算点の判断、遺産分割協議書の作成、相続人どうしの権利関係の判断は、法律の専門領域です。当サイトでは制度の概要をお伝えしていますが、個別の手続きは司法書士・弁護士にご確認ください。
相続登記が必要かどうかは、今の名義を見ないと判断できません。親から相続した家でも、登記を見たら祖父の名義のままだった、ということがあります。
その場合、たどる相続はひとつではなくなります。確認が最初の一歩です。
名義は、登記事項証明書(登記簿謄本)で確認します。法務局の窓口で請求でき、別の地域にある不動産でも、最寄りの法務局で取れます。
オンラインでの請求もできます。所有者の欄に誰の名前が入っているかは、これで分かります。
請求のときに必要なのは、住所ではなく地番・家屋番号です。普段使っている住所(住居表示)とは別の番号で、住所のまま出すと請求が通らないことがあります。
地番は、毎年届く固定資産税の納税通知書や、権利証(登記識別情報)に書かれています。手元に無ければ、法務局の窓口で住居表示から地番を調べてもらえます。
そもそも故人がどの不動産を持っていたか分からない場合もあります。その場合は、市町村役場で名寄帳(固定資産課税台帳をまとめたもの)を請求します。
相続人であれば請求できます。必要な書類や様式は市町村ごとに違うため、事前に窓口へ確認してください。
その市町村内にある分が一覧になるので、家族が把握していなかった土地が出てくることもあります。ただし市町村ごとの帳簿です。複数の市町村にまたがるなら、それぞれに請求します。
先に名義を確認しておくと、戸籍をどこまでさかのぼるか、相続人が何人になりそうかの見当がつきます。司法書士に相談するときも、話が早く進みます。売却の場面で必要になる書類は 不動産売却の必要書類 にまとめています。
相続する財産の中に、使い道のない土地や、遠くにある山林が混じっていることがあります。これは受け取りたくない、と考える人もいます。
先に整理しておきます。登記をしないことと、相続放棄は別の話です。登記を放置しても、その不動産を相続した事実は変わりません。
義務も、過料の対象になりうる状態も、そのまま残ります。放っておいたから自分のものではなくなる、ということにはなりません。
相続放棄は、家庭裁判所に申述して受理される手続きです。受理されれば、その相続については初めから相続人でなかった扱いになります。相続で不動産を取得していないことになるので、相続登記の申請義務も生じません。
ただし、家庭裁判所に申述できる期間には制限があります。この期間は長くありません。
亡くなったことを知ってから動き出すまで時間をかけると、間に合わなくなります。起算点の考え方や期間を延ばせるかは事案ごとに違うので、家庭裁判所か弁護士・司法書士に早めに確認してください。
もう一つ、放棄は「この土地だけ」と選んでできるものではありません。預貯金も含めて、その人の相続を丸ごと放棄することになります。
プラスの財産のほうが大きい場合は、放棄せずに相続して売ったほうが手元に残ることもあります。使わない土地の扱いは 相続した土地を使わないなら にまとめています。
自分が放棄すると、次の順位の相続人に権利と義務が移ります。親や、兄弟姉妹、その子どもが相続人になる場合もあります。
放棄したことを本人たちに伝えておかないと、義務が生じていること自体を知らないまま期限が過ぎます。放棄した後に残る管理の話や、放棄した家がその後どうなるかは 相続放棄した家はどうなる? で確認できます。
この記事で出てきた名義の扱い方を、同じ物差しで並べます。どれも記事本文で説明した内容の整理です。
| 選択肢 | 登記の義務 | 売却できるか | 期限 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| 相続登記(本登記) | 果たせる。遺産分割後の追加の義務まで対応できる | できる | 知った日から3年以内。施行前の相続は2027年3月31日まで | 売却や担保設定を考えている |
| 相続人申告登記 | 基本的な義務だけ果たせる | できない。売るには本登記が別に必要 | 本登記と同じ期限に間に合わせる応急策 | 遺産分割協議が期限に間に合わない |
| 相続放棄 | 義務そのものが生じない | できない。初めから相続人でなかった扱いになる | 家庭裁判所に申述できる期間に制限あり。長くない | 受け取りたくない財産が大きい。ただし丸ごと放棄になる |
| 放置する | 果たせない。10万円以下の過料の対象になりうる | できない | 3年の期限はそのまま進む | なし。次の相続が起きるたびに相続人が増える |
売却まで考えているなら、進める先は本登記の一つです。申告登記は時間稼ぎ、放棄は預貯金も含めた損得で決める話なので、期限や起算点に迷ったら司法書士に確認してください。近道はありません。
建築士の視点 登記の手続きを先延ばしにしている間も、家は傷み続けます。二級建築士として見てきた実感では、人が住まなくなった家は換気がされなくなり、湿気がこもりやすくなります。雨漏りも、日常的に使っている家なら天井のシミで早めに気づけます。誰も出入りしない家では発見が遅れます。手続きが終わったころには柱や下地まで傷んで、査定額が下がっていることがあります。登記の手続きと並行して、雨漏りやシロアリの有無など建物の状態も早めに確認してください。査定を取っておくと、売却の判断がしやすくなります。
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正当な理由なく期限を過ぎると、10万円以下の過料の対象になります。加えて、名義が変わっていない不動産は売却も担保設定もできません。名義を古いまま放置すると、次の相続で相続人がさらに増え、手続きが複雑になっていく傾向があります。
相続の開始と、その不動産の所有権を取得したことの、両方を知った日からです。親が亡くなった日そのものではなく、自分がその不動産を相続すると分かった日が起点になります。遺産分割が成立した場合は、成立した日からあらためて3年です。
書類をそろえれば自分での申請も可能です。ただし戸籍の収集範囲や遺産分割協議書の作成は状況によって幅があり、司法書士に依頼するケースが多くあります。期限の起算点の判断や個別の手続きは、司法書士・法務局にご確認ください。
相続人申告登記という簡易な届け出をすれば、期限内に義務だけ先に果たすことができます。ただしこれは権利関係を確定させる登記ではないため、実際に売却するときは、あらためて相続登記(本登記)が必要になります。
本記事は下書きにAIを活用し、出典との照合・建築士監修を経て公開しています。