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何から始めるか。売却の手続きと流れ

本人が行けない不動産売却、委任状で代理人に頼む方法【建築士監修】

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結論から

委任状に実印を押し、印鑑証明書を添えれば、本人が立ち会わなくても代理人が売却の手続きを進められます。ただし委任の範囲は具体的に書く必要があり、認知症など判断能力が失われたあとは委任状そのものが作れません。

結論:委任状と実印があれば、本人が立ち会わなくても売却できる

家を売るとき、本人が現地に行けない場面はよくあります。転勤、入院、遠方に住んでいる。理由は様々です。

結論から言うと、委任状があれば代理人に売却を任せられます。

必要なのは実印を押した委任状と、印鑑証明書です。この2つがなければ、契約も引き渡しも進みません。

ただし誰でも代理人になれるわけではありません。委任状に何を書くかで、あとのトラブルが変わってきます。順番に見ていきます。

委任状には実印と印鑑証明書が要る

委任状に押す印鑑は、認印では通りません。実印です。

理由は単純です。不動産の売買契約は金額が大きい取引です。本人の意思を確認する手段として、実印と印鑑証明書のセットが求められます。

印鑑証明書は発行から3か月以内のものを求められるのが一般的です。委任状の実印と、印鑑証明書の印影が一致しているかも確認されます。印影の一致は必須です。

海外に住んでいて印鑑登録ができない場合もあります。その場合は、日本大使館や領事館で発行する「署名証明(サイン証明)」が、印鑑証明書の代わりです。

これは委任状に限った話ではありません。契約時に必要な書類全体は不動産売却の必要書類にまとめてあります。合わせて確認しておくと、直前で慌てずに済みます。

本人の実印と印鑑証明書は、原則として本人が用意します。代理人が用意した実印では意味がありません。ここを勘違いする人は少なくありません。

委任の範囲は、具体的に書く

委任状で一番大事なのは、何を委任するかです。「売却に関する一切の件」のような書き方は避けてください。

範囲があいまいだと、司法書士や金融機関の窓口で代理人の権限を確認できないと言われることがあります。「売却に関する一切の件」だけでは、代金の受け取りや登記まで任せたのかが読み取れないためです。。

書くべき委任事項は多くあります。対象物件の住所と地番、売却の意思、契約締結の権限。

代金の受領権限、登記手続きの権限、引き渡しの権限も要ります。抜けがあると困ります。

金額の下限を入れておくと、代理人が独断で値引きすることも防げます。念のための一文です。

委任状のひな形は、依頼する不動産会社や司法書士が用意してくれるのが普通です。自分で一から作る必要はありません。

中身を確認するのは本人の仕事です。そこは省けません。

親族に代理を頼むときの注意

代理人を配偶者や子どもなど親族に頼むケースは多くあります。ここにも落とし穴があります。

ここが一番の盲点です。代理人が売買代金を受け取る場合、その代金の流れが誰のものかが問題です。売却代金は本人の財産です。

代金を代理人の口座にそのまま入れると、贈与とみなされる可能性があります。振込先は、原則として本人名義の口座にします。

代理人の口座を使いたい場合は、事前に司法書士や税理士に相談してください。あとから贈与税を指摘されると、話がこじれます。

もう一つ注意点があります。代理人自身が売却物件の共有者だったり、買主側と利害関係があったりする場合です。

誰が代理人としてふさわしいか、契約前に不動産会社に相談しておくと安心です。人選も準備の一つです。

認知症になると、委任状そのものが作れない

ここは誤解されやすいところです。委任状は、本人に契約の意味が分かっているときにしか作れません。

認知症が進み、判断能力が失われた状態では、本人が実印を押しても、その委任状は法的に有効と認められません。委任という行為自体が、本人の意思表示だからです。

「施設に入っていて外に出られないから、代わりに委任状を書いてもらった」という進め方は通りません。本人の判断能力が問題です。

判断能力が失われたあとに家を売る必要が出た場合は、成年後見制度を使います。家庭裁判所が選んだ後見人が、売却の手続きを進める形です。委任状とは別の制度で、時間もかかります。

判断能力があるうちに、家族信託や任意後見制度で備えておく方法もあります。将来判断能力が落ちても、あらかじめ決めた人が財産を管理できる仕組みです。

遠方からの売却にも応用できます。備えは早いほど楽です。

親が高齢で、いずれ売却が必要になりそうな家があるなら、判断能力があるうちに動くのが一番の近道です。相続が絡む実家の売却は相続した実家を売る、進め方にも整理してあります。

本人が立ち会えないときの進め方は、本人の判断能力と住んでいる場所で変わります。この記事で出てきた方法を並べました。

本人の状態使う方法手続きを進める人気をつける点
判断能力があり、国内に住んでいる委任状(実印)と印鑑証明書本人が選んだ代理人印鑑証明書は発行から3か月以内のものを求められるのが一般的
判断能力があり、海外に住んでいる委任状と署名証明(サイン証明)本人が選んだ代理人署名証明は日本大使館や領事館で発行してもらう
判断能力が失われている成年後見制度家庭裁判所が選んだ後見人本人が実印を押しても委任状は有効にならない。時間もかかる
今は判断能力があるが、先が心配家族信託・任意後見制度あらかじめ決めておいた人判断能力があるうちに準備しておく

委任状を渡しても、本人に確認の連絡は来る

委任状を渡せば、あとは代理人に任せきりで済むと思っている人が多いです。実際はそうなりません。本人が動く場面が残ります。

一つは、司法書士からの意思確認です。名義を買主に移す登記の前に、司法書士は売主本人に売る意思があるかを確かめます。代理人に任せていても、この確認は本人に直接来るのが普通です。

電話で済むこともあれば、郵送の書面や面談を求められることもあります。やり方は司法書士によって違います。決済までは、連絡が取れる状態にしておいてください。

連絡がつかないと、決済がその場で止まります。入院中なら、病室で面談できるかを先に確認しておくと安心です。

もう一つは、本人しか持っていない書類です。権利証(登記識別情報)は本人の手元にあるはずです。これがないと登記ができません。

権利証は決済で司法書士に渡します。遠方なら郵送か、代理人に預けておく形です。

紛失していたら、早めに不動産会社に伝えてください。代わりの手続きに時間がかかります。

運転免許証などの本人確認書類の写しも要ります。不動産会社には売主の本人確認をする義務があるためです。代理人の分だけでは足りません。

家が夫婦の共有名義なら、委任状は名義人それぞれの分が要ります。実印と印鑑証明書も同じです。一人分で済ませようとすると、決済で止まります。

本人がやるのは、司法書士の確認に応じること、権利証を渡すこと、本人確認書類を出すことです。ここだけ押さえておけば、あとは代理人に任せて大丈夫です。

遠方から売る場合、売れるまでの家の管理は遠方の空き家管理にまとめています。

建築士の視点:代理人が現地にいないと見落とすもの

ここまでは書類の話をしてきました。ただ現場を見てきた立場から言うと、本人が立ち会えない売却には、もう一つの弱点があります。書類だけでは足りません。

現地確認です。委任状で代理人に任せても、建物の状態を代理人が本人以上に把握しているとは限りません。

雨漏りの跡、床の傾き、シロアリの被害。こうした劣化は住んでいた本人なら気づいていても、離れて暮らす代理人には伝わっていないことがあります。そこは見えない部分です。

告知すべき不具合を代理人が把握していなければ、契約後にトラブルになりかねません。売却前に、本人が知っている不具合を書き出し、代理人と共有しておくことをすすめます。先延ばしは禁物です。

口頭だけでなく、メモや写真で残しておくと確実です。

買主側の住宅ローン審査でも、建物の状態が問われます。担保評価に影響する劣化があると、審査が長引いたり、住宅ローン特約で契約が白紙に戻ったりすることもあります。

委任状の手続きだけに気を取られず、建物の状態も代理人と共有しておく。それが、遠方からの売却を成功させる鍵です。

売却全体の流れは家を売る流れは7ステップで確認できます。委任状の準備は、その中の一部です。焦らず、一つずつ進めてください。

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よくある質問

不動産の売却で、委任状は必ず必要ですか?

本人が契約や引き渡しに立ち会える場合は不要です。転勤や入院、遠方在住などで本人が動けないときに、代理人へ手続きを任せる手段として使います。委任状には実印を押し、印鑑証明書を添えるのが基本です。範囲があいまいだと、契約時に代理人の権限を確認できず、手続きが止まることがあります。委任状のひな形は依頼する不動産会社や司法書士が用意してくれるので、自分で一から作る必要はありません。

代理人になれるのは家族だけですか?

法律上、家族に限る決まりはありません。ただし代理人が売買代金を受け取る場合、代金の流れが問題になりやすいのは親族間です。振込先は原則として本人名義の口座にし、代理人の口座を使うなら事前に司法書士や税理士へ相談してください。代理人自身が売却物件の共有者だったり、買主側と利害関係があったりする場合も、代理人としてふさわしいか契約前に確認しておくと安心です。

認知症の親の代わりに、家族が委任状を作れますか?

作れません。委任状は本人に契約の意味が分かっている状態でしか有効になりません。認知症が進み判断能力が失われたあとは、家庭裁判所で後見人を選んでもらう成年後見制度を使うことになります。委任状とは別の手続きで、申立てから選任まで時間もかかります。判断能力があるうちに家族信託や任意後見制度を使っておくと、こうした事態に備えやすくなります。

本記事は下書きにAIを活用し、出典との照合・建築士監修を経て公開しています。

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