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離婚と家。名義とローンの順番

離婚前に売るか、後に売るか|財産分与の期限・名義変更・売却期間で決める【建築士監修】

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結論から

離婚前に売るか後に売るかは一概に決まりません。分かれ目は、財産分与を請求できる期限、離婚前の名義変更が贈与とみなされるリスク、譲渡所得の3,000万円特別控除が使えるかどうかの3つです。売却には時間もかかるため、離婚届を出す前後どちらで動くかも決めておく必要があります。

離婚前に売るか、離婚後に売るか。まず答えから

一律の正解はありません。

分かれ目は3つです。財産分与を請求できる期限、離婚前の名義変更が贈与とみなされるリスク、譲渡所得の3,000万円特別控除が使えるかどうか。

「とりあえず離婚を先に済ませよう」と決め打ちで進めると、あとで税金や期限で損をすることがあります。売却には時間もかかります。焦らず、3つの事実を先に確かめてください。

財産分与の期限は「2年」ではない。今は原則5年

財産分与を請求できる期限は、長く「2年」と言われてきました。ここは正確に押さえておきたいところです。実は、もう変わっています。

2026年4月1日に施行された民法改正で、この期限は離婚から5年に延びました(出典: 法務省、裁判所)。ただし2026年3月31日以前に離婚した場合は、従来どおり2年のままです。適用は離婚日次第です。

自分がどちらに当たるかは、離婚の日付で決まります。期限を過ぎると、家庭裁判所への申し立てができなくなります。後戻りはできません。

期限まで時間があるからといって、先延ばしにする理由にはなりません。相場は待ってくれません。相手と連絡が取りづらくなるほど、話し合いも難しくなります。

離婚前に名義を変えると、贈与とみなされることがある

順番があります。財産分与は、離婚が成立してから行うのが原則です。ここを飛ばして急ぐと、思わぬ税金がかかります。

婚姻中に、まだ籍が入ったまま家の名義を配偶者へ移す人がいます。この移転は、財産分与ではなく夫婦間の贈与として扱われることがあります。ここが落とし穴です。

贈与とみなされれば、贈与税の対象です。基礎控除は年110万円。家一軒の価値は、たいていこれを超えます。

一方、離婚が成立したあとに財産分与として渡す場合、通常は贈与税がかかりません(出典: 国税庁)。ただし分与された財産が明らかに多すぎる場合や、税逃れが目的の離婚だと判断された場合は別です。この場合も贈与税がかかります。

タイミングだけの問題ではありません。金額と経緯も見られます。名義を動かす前に、税理士に確認してください。

3,000万円特別控除は、渡すタイミングで変わることがある

マイホームを売った利益からは、最高3,000万円を差し引ける特例があります(出典: 国税庁)。ただしこの特例、夫婦など「特別の関係がある人」への譲渡には使えません。配偶者は対象外です。

配偶者への譲渡が、これに当たります。だから、離婚前に配偶者へ家を渡す形は、この特例の対象外になりやすいと考えられます。

ここが分岐点です。離婚が成立したあとであれば、相手はもう配偶者ではありません。渡すタイミングが、特例を使えるかどうかに関わってくる可能性があります。

とはいえ、要件は他にもあります。居住していた期間や、渡した目的も見られます。

適用できるかどうかは、税理士に個別に確認してください。要件の全体はマイホーム売却の3000万円特別控除にまとめています。

売却には時間がかかる。離婚届の前か、後か

家は、決めてすぐ現金になりません。査定を受け、買い手を探し、契約してから引き渡しまで時間がかかります。目安は家を売る流れは7ステップで確認できます。

ここで詰まりやすいのが、離婚届を出す時期との兼ね合いです。

離婚を先に成立させると、税金や名義の扱いはシンプルになりやすいです。ただ一方で、売却の手続きに元配偶者の協力が必要な場面は残ります。縁は簡単に切れません。

連絡が取りづらくなった相手に、あとから何度も頼むことになりかねません。手間は減りません。

逆に、売れてから離婚届を出せば、手続きは進めやすくなります。ただし同居や日々のやり取りが、それだけ長く続きます。そこは覚悟が要ります。

どちらが正しいとは言えません。事情によって、先にするほうが変わります。

決めておきたいのは、窓口をどちらがやるか、内見の対応は誰がするか、下限の価格をどこに置くかです。ここを口約束のままにしないでください。曖昧は禁物です。

住宅ローンが残る家は、さらに検討事項が増えます。アンダーローンかオーバーローンかで進め方が変わります。

離婚するとき、住宅ローンが残る家はどうするかも先に見ておくと判断しやすくなります。順番で結果が変わります。

共有名義か単独名義かで、離婚後に頼む手間が変わる

離婚後に売るなら、名義を先に見てください。家が夫婦の共有名義なら、売買契約には共有者全員の署名が要り、引き渡しの登記には全員の実印と印鑑証明書が要ります。片方だけでは売れません。

つまり離婚後に売る場合、元配偶者に署名と押印、印鑑証明書の取得を頼むことになります。決済の日に立ち会えないなら、委任状も要ります。連絡が取りづらい相手だと、ここで止まります。

単独名義なら、契約の手続きは名義人だけで進められます。ただし婚姻中に夫婦で買った家なら、名義がどちらでも財産分与の対象になるのが原則です。勝手に売って代金を独り占めできる、という話ではありません。

もう一つ、見落としやすいのが登記上の氏名と住所です。離婚で姓が戻ったり、家を出て住所が変わったりすると、登記簿の記載と印鑑証明書の記載が食い違います。そのままでは所有権移転の登記ができません。

売る前に、氏名や住所の変更登記を済ませておく必要があります。司法書士に頼めば手続きできますが、日数はかかります。離婚後に売ると決めたなら、姓と住所をどうするかも、売却の段取りに入れておいてください。

離婚前に売るなら、この手間は減ります。夫婦のまま二人で契約と決済に出ればよく、姓も住所も変わっていないからです。相手と顔を合わせるのがつらくても、手続きの数は少なくて済みます。

ここまでの話を、離婚の前にやるか後にやるかで並べました。上の2行は家を相手に渡す場合、下の3行は第三者に売る場合の話です。

比べる点離婚前離婚後
相手に家の名義を移したときの税金夫婦間の贈与として扱われることがあり、贈与税の対象になる(基礎控除は年110万円)財産分与として渡すなら、通常は贈与税がかからない。ただし多すぎる場合や税逃れ目的の離婚と判断された場合は別
相手に家を渡すときの3,000万円特別控除配偶者への譲渡は特例の対象外相手はもう配偶者ではないので、使える可能性がある。居住期間などほかの要件は税理士に確認
共有名義の家を売るときの手続き夫婦のまま二人で契約と決済に出ればよい元配偶者に署名・押印・印鑑証明書の取得を頼む。決済に立ち会えないなら委任状も要る
姓・住所の変更登記姓も住所も変わっていないので要らない登記簿と印鑑証明書の記載が食い違えば、売る前に変更登記が要る
相手とのやり取り売れるまで同居や日々のやり取りが続く連絡が取りづらくなった相手に、何度も協力を頼むことになりかねない

建築士の視点:買主の住宅ローン審査で止まる家もある

急いで売りたいとき、壁になりやすいのが買主側の住宅ローン審査です。ここは現場で見てきた話をします。

建築士の視点

契約が決まっても、買主の住宅ローンの本審査で止まる家があります。検査済証がない、増築部分が未登記、擁壁や基礎に見た目では分からない傷みがある。原因は、たいていこのどれかです。

見た目で分かる箇所と、分からない箇所は別物です。外壁や内装がきれいでも、床下や小屋裏を見ないと本当のところは分かりません。離婚で急いでいるときほど、表面のリフォームにお金をかけたくなります。けれど、審査を止めるのは構造や書類のほうです。

原因は契約前に、検査済証の有無と増改築の履歴だけは確認しておいてください。順番を間違えなければ、慌てずに済みます。

離婚のタイミングだけでなく、家そのものの状態も、売れるまでの時間を左右します。急ぐ事情があるなら、なおさら先に確認しておくと安心です。

財産分与の考え方や評価の進め方は財産分与で、家は「いくら」として分けるのかにまとめています。住宅ローンが家の価値を上回っている場合は売っても住宅ローンが残る家、離婚でどうするにまとめています。まずは期限と名義、家の状態を、事実として確認するところから始めてください。

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あわせて、資料「売る前に、直す前に読む本」(PDF・18ページ)も、このアドレスにお送りします。

よくある質問

離婚前に売るのと、離婚後に売るのと、どちらがいいですか?

一概には言えません。財産分与を請求できる期限、離婚前の名義変更が贈与とみなされるリスク、譲渡所得の3,000万円特別控除が使えるかどうかの3つで、有利な進め方が変わります。売却には時間もかかるため、離婚届を出す前後どちらで動くかも含めて、事実を確認してから決めてください。個別の判断は弁護士・税理士に相談してください。

財産分与の期限は、本当に2年ですか?

2026年4月1日に施行された民法改正で、財産分与を請求できる期限は離婚から5年に延びました。ただし2026年3月31日以前に離婚した場合は、従来どおり2年のままです。自分がどちらに当たるかは離婚の日付で決まるため、確認しておいてください。

離婚が成立する前に、家の名義を配偶者に変えても大丈夫ですか?

財産分与は、離婚が成立してから行うのが原則です。婚姻中に名義を移すと、財産分与ではなく夫婦間の贈与として扱われ、贈与税がかかることがあります。急いで名義を動かす前に、税理士に確認してください。

本記事は下書きにAIを活用し、出典との照合・建築士監修を経て公開しています。

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