借地権・底地を売る。仕組みの違いと、売り方の選択肢【建築士監修】
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借地権は他人の土地を借りて建物を持つ権利、底地は借地権が設定されている土地そのものです。どちらも通常の売買とは扱いが違い、地主や借地人との関係が絡むため、仲介だけでなく、話し合いや専門の買取業者に査定を依頼する選択肢もあります。権利・契約の判断は弁護士や不動産会社に相談しながら進めるのが安全です。
2026年8月30日(日)愛知の家売却を、実データで。
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借地権は他人の土地を借りて建物を持つ権利、底地は借地権が設定されている土地そのものです。どちらも通常の売買とは扱いが違い、地主や借地人との関係が絡むため、仲介だけでなく、話し合いや専門の買取業者に査定を依頼する選択肢もあります。権利・契約の判断は弁護士や不動産会社に相談しながら進めるのが安全です。
同じ「借地」でも、見ている側が違うと、呼び方も権利も変わります。
上の図の通り、建物と土地は別々の持ち主です。建物は借りている人(借地人)のもの、土地は地主のもの。同じ場所にありながら、権利は2つに分かれています。
相続で引き継いだ家が、実は親が地主から土地を借りて建てた家だった。逆に、先祖代々貸している土地の権利(底地)を相続した。どちらのケースも珍しくありません。
「自分の家」を売ろうとしても、土地は自分のものではない——この構造を最初に押さえておくと、この先の話が整理しやすくなります。まず、自分の物件がどちら側かを確認するところから始まります。
借地権も底地も、権利関係の根拠は借地借家法にあります。この法律が、借りる側の立場を保護する形で契約期間や更新のルールを定めているため、通常の土地・建物の売買とは扱いが異なります。
底地は、その土地に借地人が住み続けている前提での売買になるため、更地として売るのとは買い手の付き方が違います。どちらも住宅ローンが使いにくいケースがあり、通常の仲介では買い手が限られることがあります。
借地権は、いつ契約を結んだかによって、適用される法律が変わります。制度名や年は、e-Gov法令検索と国土交通省のページで確認できた範囲だけを書きます。
自分の契約がどれに当たるかで、更新できるかどうか、期間がどう扱われるかが変わります。契約書に記載された締結日と内容を確認しないと判断できないため、まずは契約書を探すところから始まります。
借地権を売る場合、借地権だけを第三者に譲渡するときは、通常、地主の承諾が必要です。承諾のかわりに地主へ承諾料(名義書換料)を支払う運用が一般的とされていますが、金額の目安は地域・契約内容・交渉によって幅があり、ここで断定はできません。金額感は、借地権の取り扱いに慣れた不動産会社や弁護士に、契約書を見せたうえで確認するのが実際的です。
底地を売る場合、買い手は不特定の第三者よりも、その土地に建物を持つ借地人が有力な候補になることがあります。借地人にとっては、底地を買い取れば土地と建物の権利が一つにまとまり、将来の売却や建て替えがしやすくなるためです。ただし、借地人に買い取る資力や意向があるとは限らず、専門の買取業者への売却など、他の選択肢も並行して確かめる必要があります。
建築士の視点 借地権付きの建物を見るとき、工務店を経営してきた立場からまず確認するのは、建物の状態と土地の権利を別に評価するという点です。借地上の建物は築年数が経っているものが多く、建て替えや増改築のときに、契約の内容次第で地主の承諾や条件(承諾料など)が必要になることがあります。承諾が得にくい契約だと、老朽化していても建て替えの選択肢が狭まり、それが価格の見立てにも影響します。建物単体の傷み具合だけで判断せず、契約書に建て替え・増改築についてどう書かれているかとあわせて見ることが欠かせません。
具体的に動く前に、次の点を手元で整理しておくと、専門家に相談したときの話が早くなります。
借地権・底地は、通常の仲介以外にも、次のような選択肢があります。どれが有利かは地主・借地人との関係や物件の状態によって変わるため、ここでは判断材料として整理します。
次のような進め方は、後で話をこじらせる原因になります。
権利・契約の判断は、弁護士・司法書士の領域です。自己判断で進めず、早い段階で相談しながら動くほうが安全です。
借地権を第三者に売るには、地主の承諾がいります。では、頼んでも承諾してもらえないときはどうなるか。ここで話が止まってしまう人が多いところです。
借地借家法第19条は、この場面の手当てを定めています。対象は、借地上の建物を第三者に譲渡しようとする場合です。相手に賃借権が移っても地主に不利となるおそれがない。
それなのに地主が承諾しない。このとき裁判所は、借地権者の申立てにより、承諾に代わる許可を与えることができます。この申立ては借地非訟事件として扱われます。
同じ条文は、当事者間の公平を図るため必要があるときは、許可の条件として財産上の給付を命じることができるとも定めています。裁判所の許可が出る場合でも、地主へ金銭を支払うことが条件になることがある、ということです。いくらになるかは事案ごとの判断になるため、ここで目安は書けません。
注意したいのは、これが最初に選ぶ手ではない点です。裁判所を使えば、地主との関係はまず良くなりません。
買い手は、売った後もその地主と借地関係を続けていきます。関係がこじれた状態の借地権は、買い手から見て扱いにくい物件になります。
順番としては、まず承諾の交渉を尽くす。それでも動かないときに、この方法があると知っておく。
申立てができるかどうか、見通しがどうかは弁護士の領域です。契約書を持って、早い段階で相談してください。
親が借りていた土地の上に建つ家を相続した。この時点で地主の承諾がいるのか。売る話に入る前に、ここで止まる人がいます。
相続は、売買や贈与とは扱いが違います。民法第896条は、相続人が被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継すると定めています。借地権もこの中に含まれます。
そのため、相続で借地権を引き継ぐことは、借地借家法第19条がいう「賃借権の譲渡」には当たらないと扱われています。相続そのものに地主の承諾は必要ない、というのが一般的な理解です。
ただし、地主から名義書換料や承諾料を求められることはあります。相続の場合にこれを支払う義務があるかどうかは、契約書の内容やこれまでの経緯によって変わります。
ここで一律に「払わなくていい」とは言えません。請求されたら、契約書を持って弁護士に確認してください。
承諾がいらないことと、黙っていていいことは別です。地代の支払い名義も連絡先も変わります。相続したことは早めに地主へ伝えたほうがいい。
将来売るときには、結局その地主の承諾が必要になります。最初の伝え方が、後の交渉の土台になります。
手続きとしては、建物の相続登記をします。土地は地主のものなので、そちらの登記は動きません。動かすのは建物だけです。
相続登記には期限が定められています。詳しくは相続登記の義務化と期限にまとめています。
なお、遺言で相続人以外の人に建物を渡す遺贈は、相続とは別に扱われ、地主の承諾が必要とされています。相続人が引き継ぐ場合と同じとは考えないでください。
借地権も底地も、一番知りたいのはここだと思います。ただ、相場の割合や金額をこの記事で示すことはできません。
契約の中身で条件が変わりすぎるからです。代わりに、見立てのときに何を見られるかを整理します。
まず、よく出てくるのが借地権割合です。国税庁の路線価図には、地域ごとの借地権割合が示されています。ただしこれは、相続税や贈与税を計算するための評価に使う割合です。
売買の価格そのものではありません。参考のひとつにはなりますが、この割合を掛けた金額で売れる前提で話を進めると、後でずれます。
実際の見立てで効いてくるのは、契約のほうです。
買い手は、買った後もその契約を引き継ぎます。だから、契約が窮屈なほど価格は下がります。建物が古くても建て替えの承諾が見込める契約なら、見立ては変わります。
底地は、誰が買うかで見え方が変わります。借地人が買うなら、土地と建物が一つにまとまる価値が乗ります。第三者や業者が買うなら、地代は入るが自分では使えない土地、という見方になります。
同じ土地でも、相手によって出てくる金額が違う。これは底地の性質です。
なので、1社の金額だけで判断しないでください。借地権・底地を扱い慣れた不動産会社と、専門の買取業者、両方から見立てを取る。そのうえで、なぜその金額になるのかを聞く。
契約のどこを見て下げたのか説明できる会社なら、話は進めやすくなります。査定額の見方は不動産査定の仕組みにまとめています。
前の章で挙げた4つの売り方を、交渉の相手・必要な承諾・価格の見え方で並べます。自分の物件がどの行に近いかを見るための表です。
| 売り方 | 交渉の相手 | 必要な合意・承諾 | 価格の見え方 | 向いているとき |
|---|---|---|---|---|
| 地主と借地人の間で買い取る | 地主または借地人 | 当事者どうしの合意 | 権利が一つにまとまる価値が乗ることがある | 相手との関係が良好なとき |
| 土地と建物をセットで第三者に売る | 地主・借地人・買い手 | 地主と借地人、双方の合意 | 別々に売るより評価が上がることがある | 双方が足並みをそろえて動けるとき |
| 借地権だけを第三者に売る | 地主と買い手 | 地主の譲渡承諾。承諾料を払う運用が一般的とされる | 契約が窮屈なほど下がる | 地主の承諾が見込めるとき |
| 専門の買取業者に売る | 買取業者 | 借地権の場合は地主の承諾が前提 | 仲介と考え方が異なる。複数の見立て比較が前提 | 調整が難しいときや、現況のまま売りたいとき |
どの売り方でも、最後に価格を決めるのは契約の中身です。県内の戸建て成約を見ても、築31-45年の2,000万円に対し、築46年以上は1,000万円まで下がります。
これは市区町村ごとの中央値を並べたときの真ん中の値で、借地権付きに限った数字ではありません。借地上の建物は築年数が経ったものが多いぶん、建て替え承諾など契約の条件のほうが見立てを左右します。
出典: 国土交通省 不動産情報ライブラリ(不動産取引価格情報)を家売却ラボが集計
借地権・底地は、次のように相談先を分けて考えると整理しやすくなります。
借地権・底地は「訳あり物件」として扱われる不動産の一種でもあります。事故物件や再建築不可、共有持分など、他の種類とあわせて売り方を確認したい場合は訳あり・難あり物件を売る。買取という選択肢と、種類別の売り方にまとめています。
まずは契約書を手元に用意し、自分の物件が借地権側か底地側かを整理するところから始めれば大丈夫です。
借地権は、他人の土地を借りて建物を持つ権利です。底地は、その借地権が設定されている土地そのもの(地主が持つ側の権利)を指します。同じ土地を、借りている側から見るか、貸している側から見るかの違いで、売るときの立場も評価の考え方も変わります。まず自分がどちら側かを整理してください。
借地権を売るには、通常、地主の承諾が必要です。底地は、借地人が住み続けている前提の土地のため、更地とは買い手の付き方が違います。どちらも住宅ローンを使いにくいケースがあり、通常の仲介では買い手が限られることがあります。売れないわけではなく、進め方に手順が要る、というのが実際に近い理解です。
まず、自分の物件が借地権側か底地側かを確認し、契約書(賃貸借契約の内容)を手元に用意してください。そのうえで、地主や借地人との話し合いのほか、専門の買取業者に現況のまま査定を依頼する選択肢もあります。権利関係の判断は弁護士・司法書士の領域のため、進め方も含めて専門家に相談しながら動くのが安全です。
契約の締結日が目安になります。1992年8月に施行された借地借家法より前の契約は、更新について「なお従前の例による」と定められ、旧法(借地法・大正10年法律第49号)のルールで更新されます(e-Gov法令検索)。それ以降の契約は、期間や更新の定め方によって普通借地権か定期借地権かが分かれます。契約書の文言だけで判断が難しい場合は、弁護士・司法書士に契約書を見せて確認するのが確実です。
本記事は下書きにAIを活用し、出典との照合・建築士監修を経て公開しています。