何から始めるか。売却の手続きと流れ
競売とは。住宅ローンの滞納で家が競売になる流れと、回避する方法
編集部
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結論から 競売とは、住宅ローンの返済が滞ったとき、金融機関などの申立てにより裁判所を通じて家を強制的に売却する手続きです。滞納したその日にすぐ競売になるわけではなく、督促、期限の利益の喪失、保証会社による代位弁済を経て、競売の申立てに進むのが一般的な流れです。段階があるため、金融機関へ相談したり、任意売却や返済条件の変更、公的な相談窓口を使ったりすることで、競売以外の選択肢を検討できる場合があります。一人で抱え込まず、まず相談してみてください。
この記事の範囲について
この記事は、住宅ローンの滞納から競売までの一般的な流れと、家の売却でできる対応を整理したものです。返済条件の変更が認められるかどうかは、金融機関の判断です。他の借入もあって返済全体が回らないときの任意整理・個人再生・自己破産は、弁護士など法律の専門家の領域です。どれが自分に向くかの判断も同様です。判断が必要なときは、記事の最後に挙げた住宅金融支援機構・法テラスの窓口か、弁護士にご相談ください。
競売とは、裁判所を通じた強制的な売却
競売とは、住宅ローンの返済が滞ったとき、金融機関などの申立てにより、裁判所を通じて家が強制的に売却される手続きです。売主本人の同意がなくても進み、入札で最も高い価格をつけた人に売られます。止める権利は売主にありません。
通常の売却との大きな違いは、次の3つです。
- 売る時期を自分で選べない(裁判所の手続きに沿って進む)
- 価格が市場より安くなりやすい(入札方式で、内覧などの条件も限られる)
- 明け渡しの時期も、自分の都合では決められない
つまり競売は、「一番不利な形で家を手放す」ことになりやすい手続きです。だからこそ、そこに至る前の段階で何ができるかを知っておくと、選びやすくなります。
滞納から競売までの、一般的な流れ
猶予はあります。住宅ローンは、1回滞納したその日にすぐ競売になるわけではありません。一般的には、次のような段階を経て進みます。
- 督促: 滞納が始まると、金融機関から支払いの案内・督促が届きます。
- 期限の利益の喪失: 滞納が続くと、「分割で返す権利」を失い、残りのローンを一括で請求されます。
- 代位弁済: 保証会社が本人に代わって金融機関へ返済します。以後は保証会社が請求元です。
- 競売の申立て: 返済のめどが立たないと、裁判所へ競売が申し立てられ、手続きが始まります。
段階があるということは、途中で選べる道があるということです。どの段階でどれくらいの期間がかかるかは、金融機関や契約内容によって変わります。正確なスケジュールは、金融機関に確認してください。
住宅ローンの滞納は、督促・期限の利益の喪失・代位弁済・競売の申立て、という順で進む。開札まで進むと売り方も引き渡しの時期も選べなくなるが、その手前であれば任意売却を選べる。市場で普通に売るため、競売より高くなりやすい。
競売になる前に、できること
競売は避けたい。そう思ったときにできることは、主に次のとおりです。
- 金融機関に相談する: 返済が苦しくなった時点で相談すると、返済条件の変更に応じてもらえる場合があります。返済期間の延長や、一定期間の返済額の見直しなどです。応じるかどうかは金融機関の判断です。
- 任意売却を検討する: 売っても住宅ローンが残る見込みでも、市場で売れます。金融機関の同意が前提です(次の見出しで説明します)。
- 公的な相談窓口を使う: 住宅金融支援機構では返済が困難になったときの相談を受け付けています。借金全体が苦しい場合は、法テラスなどの公的窓口もあります。
- 弁護士・法テラスに相談する: 他の借入もあって返済全体が回らない場合は、債務整理も選べます。債務整理の手続きと、どれを選ぶかの判断は、弁護士か法テラスに相談します。
まず「今の家がいくらで売れそうか」と「ローンの残債」の2つを確かめておきます。そうすると、金融機関との相談も具体的に進めやすくなります。
住宅ローンの返済そのものが苦しいなら、話は別です。その順番は、住宅ローンの返済が苦しいとき、家を売る前に知っておくこと にまとめています。
競売の代わりになりうる「任意売却」
競売を避ける方法の一つが、任意売却です。売却額が住宅ローンの残債を下回る(オーバーローン)場合でも、金融機関の同意を得れば売れます。通常の売却に近い形で市場に出す方法です。
競売と比べた一般的な特徴は、次のとおりです。
- 競売: 裁判所を通じた強制的な売却。相場より安くなりやすく、時期も選べない。
- 任意売却: 金融機関の同意のもと、市場で売る。競売より条件が整いやすいとされるが、金融機関との調整が前提。
任意売却ができるかどうか、どこまで条件を整えられるかは状況次第です。金融機関との交渉や残債の状況、手続きの進み具合によって変わります。
任意売却で競売を止めるには、申し立てた金融機関や保証会社が取下げに同意する必要があります。買主探しと交渉に時間がかかるので、申立て前に動き出すのが基本です。詳しい仕組みは 任意売却とは で整理しています。
建築士の視点:競売を避けるために、慌てて直す必要はない
建築士の視点
競売を避けたい局面で、「少しでも高く売るために家を直そう」と考える方がいます。ですが、返済に追われている状況で大きな修繕費をかけるのは、多くの場合割に合いません。
買い手は建物の状態を見込んで価格を判断するため、かけたリフォーム費用がそのまま売却額に乗るとは限らないからです。そこは慌てなくていいです。
雨漏りやシロアリなど、放置すると評価を大きく下げる劣化は、先に把握しておいたほうがいいです。一方、内装の古さだけなら、そのまま売る前提で査定を取って問題ないケースが多くあります。限られた手元資金は、修繕ではなく、金融機関との相談や次の生活のために残す判断も大切です。
競売が始まると、家と暮らしに何が起きるか
他人事ではありません。競売の申立てが受理されると、手続きは家の中にも入ってきます。実際に起きることを順に並べます。
- 裁判所の執行官が家に来る: 現況調査といって、建物の状態や住んでいる人を確認します。室内の写真も撮られます。
- 物件の情報が公開される: 調査をまとめた資料は、裁判所の競売物件情報サイトで誰でも見られます。住所や間取り、室内の写真が載ります。
- 入札で買う人が決まる: 決められた期間に入札があり、開札で最高額をつけた人が買受人です。売主が相手を選ぶことはできません。
- 代金が納められると、所有者が変わる: その先は買受人から明け渡しを求められます。話し合いで出るのが基本ですが、応じない場合は裁判所を通じた手続きで退去させられます。
つまり「近所に知られたくない」「引っ越しの時期は自分で決めたい」という希望は、競売ではほぼ通りません。ここが通常の売却との一番の違いです。
もう一つ、誤解の多い点があります。競売で家が売れても、ローンが全部消えるとは限りません。 売却代金で足りなかった分は残債として残り、支払い義務は続きます。
家を失ったうえに返済が残る、ということが起こり得ます。だから、動く前に「売っていくら残るか」を確かめておく必要があります。
住み続けたい気持ちがあるなら、競売が進む前でないと選択肢になりません。売ったうえで同じ家に住み続ける リースバック のような方法も、金融機関との調整が前提です。滞納が始まった段階で取れる手は 住宅ローンが払えないとどうなる にまとめています。
連帯保証人や共有名義の家族には、何が起きるか
滞納の話は、本人だけで終わりません。住宅ローンに連帯保証人がついている場合、期限の利益を失った時点で、残りのローンは連帯保証人にも一括で請求され得ます。
親や兄弟に頼んで保証人になってもらったなら、その人にも話が届きます。黙っていれば知られずに済む、ということにはなりません。
夫婦でペアローンを組んでいる場合も同じです。互いに相手のローンの連帯保証人になっているのが一般的で、片方の返済が止まれば、もう片方に請求が回ります。二人とも債務者で、家全体に抵当権が設定されているケースが多く、その場合は自分の持分だけでなく家全体が競売にかけられます。
競売で売れても足りなかった分は、残債として残ります。この残債も、本人と連帯保証人の両方に請求され得ます。家が無くなったあとで保証人に請求が行く、という順番です。
だから、滞納が始まった段階で、保証人になってもらった人には先に話しておくことをすすめます。あとから知らされるほうが、関係はこじれます。任意売却を選ぶ場合も、共有名義なら共有者全員の同意が要ります。
誰がどの立場かは、契約書とローンの書類で確認できます。分からなければ金融機関に聞いてください。ペアローンや連帯保証の扱いは ペアローン・連帯保証の家は、離婚でどうなるか にも整理しています。
どこまで進むと、引き返せなくなるのか
いつまでなら選び直せるのかが分からないと、動きようがありません。競売の手続きには、後戻りが難しくなる区切りがいくつかあります。
- 申立ての前: 選択肢が一番多い段階です。返済条件の相談も、任意売却の準備も、時間をかけて進められます。
- 手続きが始まり、執行官の現況調査が入るころ: この時点でも任意売却に切り替えられることがあります。ただし買主を探せる期間は短くなります。
- 入札の日程が公告されたあと: 期限がはっきり決まります。ここから買主を探すのは、かなり厳しくなります。
- 開札のあと: 買受人が決まります。代金が納められると所有者が変わり、そこまで行けば売り方を選び直すことはできません。
大事なのは、競売を止めるには申し立てた側(金融機関や保証会社)が取下げに同意する必要がある、という点です。本人が「やめたい」と言うだけでは止まりません。任意売却で進めるなら、買主を見つけて、代金でいくら返せるかを示したうえで同意をもらいます。
この買主探しと交渉に時間がかかります。開札の直前に動き出しても間に合わないことが多いのは、そのためです。
時間が足りないときは、買取業者に直接売れます。仲介より価格は下がりますが、買主を探す期間を短くできます。
ただしこの場合も金融機関の同意は必要です。価格とスピードの差は 仲介と買取の違い にまとめています。
自分が今どの段階にいるかは、届いた書類で分かります。裁判所や保証会社からの通知には日付が入っています。
捨てずに取っておいてください。読んでも分からなければ、その書類を持って金融機関か弁護士に相談するのが早いです。
家を出るとき、引っ越し費用と次の住まいはどうなるか
競売で本当に困るのは、出ていくときの現実です。引っ越し代は出るのか。
次の部屋は借りられるのか。ここが見えないと動けません。
まず引っ越し費用です。競売では、これが当然に出る仕組みはありません。売却代金は債権者への返済に回ります。
ローンが残る状況なら、手元に配分される分は基本的にありません。買受人と話し合って、明け渡しの時期や立退料を決める例もあります。
ただし相手次第です。あてにして予定を組むのは危ない。
任意売却の場合は、金融機関の同意があれば、売却代金の中から引っ越し費用にあたる分を配分してもらえることがあります。ただし出るかどうかも、いくらかも金融機関の判断です。「必ず出る」と言い切る業者がいたら、その根拠を確かめてください。
次の住まいのことも、考えておく必要があります。賃貸は保証会社の審査を通るのが一般的です。滞納の記録が信用情報に残っている場合、審査に影響することがあります。
信用情報を確認する保証会社もあるためです。落ちると決まったわけではありません。
それでも、通らない可能性は見ておいたほうがいい。保証会社の種類が違う物件を複数当たる、家賃の条件を下げる、といった備えができます。
そして、部屋探しは退去日が決まってからでは遅いです。競売の日程は自分で動かせません。
代金が納められたあとは、時間の主導権が相手に移ります。手元のお金が減るほど、引っ越しそのものが難しくなります。
やることは2つです。今の家がいくらで売れそうかを確かめること。
そのうえで、家賃いくらなら払っていけるかを先に出しておくこと。査定額がそのまま手取りになるわけではない点は、査定額と売却額は違う に整理しています。
競売と、その前に取れる道を並べて比べる
同じ家の話でも、手続きの段階で取れる道は変わります。この記事で出てきた道を、同じ物差しで並べました。
| 選択肢 | 価格の傾向 | 時期・売り方を選べるか | 必要な同意 | 間に合う段階 |
|---|
| 金融機関に相談(返済条件の変更) | —(家は売らない前提) | — | 応じるかは金融機関の判断 | 返済が苦しくなった時点 |
| 任意売却 | 競売より条件が整いやすいとされる | 通常の売却に近い形。ただし金融機関との調整が前提 | 金融機関の同意。共有名義なら共有者全員 | 申立て前が基本。現況調査のころでも切り替えられることがある |
| 買取業者に直接売る | 仲介より下がる | 買主を探す期間を短くできる | この場合も金融機関の同意が必要 | 買主を探す時間が足りないとき |
| 競売 | 市場より安くなりやすい | 選べない。入札で買受人が決まる | 本人の同意なく進む | —(代金納付まで進むと選び直せない) |
手続きが進む前なら、上の行から選べます。なお、売る前に慌てて直す必要はありません。
改装済みと未改装の中古マンションを比べました。対象は全国294市区町村です。
そのうち69市区町村を見てみます。未改装のほうが、中央値は高くなっています。直した費用が、そのまま価格に乗るとは限りません。
出典: 国土交通省 不動産情報ライブラリ(不動産取引価格情報)を家売却ラボが集計
一人で抱え込まず、相談する
競売は、避けられる可能性がある手続きです。ただし「必ず避けられる」とは言えません。
返済条件の変更に応じるかは金融機関の判断であり、任意売却ができるかもケースによります。それでも、手続きが進む前なら、選べる道は多くあります。
- 金融機関: 返済が苦しくなった時点で、まず相談してみてください。
- 住宅金融支援機構: 返済が困難になったときの相談窓口があります。
- 法テラス(日本司法支援センター): 収入等の条件を満たせば、無料の法律相談や費用の立替えが受けられる公的機関です。借金全体の整理(債務整理)は、弁護士に相談できます。
まずは査定を取って「売るといくら残るか」を確かめます。裁判所や保証会社から届いた通知は捨てずに、相談のときに持っていってください。相談先は上のとおりです。
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本記事は下書きにAIを活用し、出典との照合を経て公開しています。建物・査定に関する記述は建築士が確認していますが、任意売却・債務整理など税金・法律の手続きは監修の対象外です。判断は弁護士等の専門家にご相談ください。