不動産売却の譲渡所得税|税率・取得費・譲渡費用の計算の流れ【建築士監修】
家を売って利益が出たときにかかるのが譲渡所得税です。売却価格そのものではなく、「収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額」で計算した利益部分だけが対象になります。税率は所有期間5年を境に、短期(約39.63%)と長期(約20.315%)に分かれます。この計算は全国どこでも共通のルールで行われます。個別の税額計算は、税理士・税務署に確認するのが確実です。
2026年10月19日(月)家の売却を、国の実データで。
家を売って利益が出たときにかかるのが譲渡所得税です。売却価格そのものではなく、「収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額」で計算した利益部分だけが対象になります。税率は所有期間5年を境に、短期(約39.63%)と長期(約20.315%)に分かれます。この計算は全国どこでも共通のルールで行われます。個別の税額計算は、税理士・税務署に確認するのが確実です。
家を売って利益が出たときにかかるのが譲渡所得税です。売却価格そのものではなく、「収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額」で計算した利益部分だけが対象になります。税率は所有期間5年を境に、短期(約39.63%)と長期(約20.315%)に分かれます。
この計算は全国どこでも共通のルールで行われます。個別の税額計算は、税理士・税務署に確認するのが確実です。
譲渡所得税は、家や土地を売って得た利益(譲渡所得)だけに課税されます。計算式は「収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額」。
売却価格がそのまま課税対象になるのではなく、買ったときの金額や諸経費を差し引いた差額に税金がかかります(出典:国税庁)。利益だけが対象です。
この譲渡所得は、給与所得や事業所得など他の所得とは合算せず、分離して税額を計算する「分離課税」の対象です(出典:国税庁)。そのため、会社員でも売却益が出た年は、給与とは別枠で譲渡所得の申告・納税が必要になります。
利益が出なかった場合(収入金額より取得費・譲渡費用のほうが大きい場合)は、原則として譲渡所得税はかかりません。
譲渡した年の1月1日時点での所有期間が5年を超えるかどうかで、税率が大きく変わります。5年以下は短期譲渡所得(所得税30%・住民税9%・復興特別所得税は基準所得税額の2.1%で合計約39.63%)です。
5年を超えると長期譲渡所得(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税を含め合計約20.315%)です(出典:国税庁)。
短期と長期で税率がおよそ2倍違うため、売却時期を判断する材料の一つです。ただし「1月1日時点」の起算という点に注意が必要です。
たとえば取得から4年11か月で売る場合を考えます。購入日から数えると5年近くでも、その年の1月1日時点ではまだ5年を超えていない、という判定になることがあります。復興特別所得税は令和19年(2037年)まで所得税に上乗せされる税で、短期・長期どちらの計算にも入ります(出典:国税庁)。
| 区分 | 所有期間の基準 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 譲渡した年の1月1日で5年以下 | 30% | 9% | 所得税額の2.1% | 約39.63% |
| 長期譲渡所得 | 譲渡した年の1月1日で5年超 | 15% | 5% | 所得税額の2.1% | 約20.315% |
出典:国税庁タックスアンサー No.3211・No.3208(2026-07-12取得)。実際の税額は特別控除の有無等で変わるため、目安として見てください。
取得費とは、売った不動産を買ったときにかかった金額です。購入代金・建築代金、購入時の仲介手数料、設備費・改良費が含まれます。
ほかに登録免許税・不動産取得税・印紙税・測量費・造成費用なども入ります。思ったより範囲は広いです。
建物の場合は、購入代金や建築代金の合計額から、所有していた期間分の減価償却費相当額を差し引きます。差し引いた金額が取得費です(出典:国税庁)。
古い契約書や領収書が残っておらず、取得費が分からない場合や、実際の取得費が売却金額の5%未満の場合があります。この場合は、売却金額の5%を取得費として計算できます(概算取得費)。
たとえば3,000万円で売った場合を考えます。取得費が不明なら150万円(3,000万円×5%)を取得費として使えます(出典:国税庁)。
ただし概算取得費は実額より小さくなりやすい傾向があります。その分、譲渡所得(利益)が大きく計算され、税負担も増えやすい点に注意が必要です。
譲渡費用は、不動産を売るために直接かかった費用です。仲介手数料、売主が負担した印紙税、賃借人がいる場合の立退料、土地を売るために建物を取り壊した費用は該当します。より良い条件で売るために結んだ契約を解除した違約金、借地権を売る際の名義書換料も該当します(出典:国税庁)。
一方、修繕費・固定資産税・売却代金の取り立てにかかる費用などがあります。これらは不動産を維持・管理するための費用で、譲渡費用に含まれません(出典:国税庁)。「売るために直接かかったか」「持っている間の維持費か」で線を引くと判断しやすくなります。
相続で受け取った家や土地を売るときも、計算式そのものは同じです。違うのは、取得費と所有期間の数え方です。
相続した不動産は、亡くなった人が買ったときの金額と買った時期を、そのまま引き継ぎます。相続した日が取得日になるわけではありません。
ここが分かれ目です。所有期間は、相続した日からではなく、亡くなった人が買った日から数えます。
親が何十年も住んでいた家なら、相続した翌年に売っても長期の判定になることが多い、ということです。相続してすぐ売ると短期の高い税率になる、と心配して売却をためらう人がいますが、多くの場合そうはなりません。
取得費も同じ考え方です。亡くなった人が払った購入代金や、購入時の仲介手数料を引き継いで使います。だから探す書類は、自分の手元ではなく実家に残っている契約書です。
押し入れや仏壇の引き出しから出てくることがあります。建物について所有期間分の減価償却費相当額を差し引く点も、自分で買った家と変わりません。
どうしても契約書が見つからないときの扱いは、買った金額が分からない家を売るときにまとめました。相続した空き家には、別に使える控除の話もあります(相続した空き家を売る)。
なお、相続の仕方によっては、この引き継ぎのルールが当てはまらない場合もあります。長期か短期かで税率が倍近く変わるので、自分のケースで迷ったら税務署か税理士に確認してください。
相続した実家や、夫婦で買った家は共有名義になっていることがあります。この場合、譲渡所得税は共有者ごとに別々に計算します。誰か一人が代表してまとめて申告する形ではありません。
考え方はこうです。売却価格も、取得費も、譲渡費用も、それぞれの持分割合で分けます。持分が2分の1ずつなら、収入金額も半分、仲介手数料も半分です。
その上で「収入金額-(取得費+譲渡費用)」を一人ずつ出します。各自が自分の分を申告し、自分の分を納めます。
所有期間の判定も、持分ごとに見ます。同じ家でも、持分を手に入れた時期が人によって違えば、短期と長期に分かれることがあります。後から持分を買い足した場合などです。
ここでよく問題になるのが、売却代金を実際には一人が受け取っていて、他の共有者は現金を手にしていない、という状態です。それでも税金の計算は持分で行います。誰が現金を持っているかと、誰にいくらの譲渡所得が出るかは、別の話です。
売買契約を結ぶ前に、代金をどう分けるかを決めておいてください。決めないまま進むと、後から「税金だけ来た」ということが起こります。
共有のまま売れないときの選択肢は共有持分だけを売るにまとめました。離婚で分けるときの評価の考え方は財産分与で、家は「いくら」として分けるのかにあります。
特別控除を使えるかどうかも、共有者ごとの判定になります。自分の持分でどうなるかは、税務署か税理士に確認してください。
譲渡所得税は、家を売ったその場で引かれるわけではありません。売った年の翌年に確定申告をして、そこで所得税を納めます。
住民税の分は、その後、翌年度の住民税に反映される形で納めます。お金が入ってから納税までに、かなり間があきます。
ここでつまずく人がいます。売却代金でローンを完済し、残りを新居の頭金や引っ越し費用に回す。相続なら、その場で兄弟と分けてしまう。
手元が空になったころに、申告と納付の時期が来ます。税額はあとから減らせないので、工面するしかなくなります。
代金を使う前に、税金の分を先に取り分けてください。手順はこうです。まず「収入金額-(取得費+譲渡費用)」でおおよその利益を出す。
そこに所有期間に応じた税率(短期なら約39.63%、長期なら約20.315%)をかける。特別控除を使えるかどうかで結果は大きく変わるので、使えるか確定していない段階では、控除なしの金額で見ておくほうが安全です。
多めに残しておいて、要らなければ後で使えば済みます。早すぎて困ることはありません。
共有名義なら、この取り分けも一人ずつです。代金を分ける段階で、各自の税金分を各自の取り分から抜いておくと、あとで揉めずに済みます。
売却でかかる他の出費は不動産売却でかかる費用の一覧に、売って買うときのお金の動きは住み替えローンの記事にまとめました。申告の時期や必要書類は、国税庁の確定申告の案内か税務署で確認してください。
「買ったときより安く売ったから、税金は関係ない」。そう考えて申告をしない人がいます。
ここは一度立ち止まってください。譲渡所得は、売値と買値を直接くらべて出すものではありません。
計算に使うのは取得費です。建物部分は、購入代金や建築代金から、所有していた期間分の減価償却費相当額を差し引いた金額になります。
持っていた年数が長いほど、計算上の取得費は小さくなります。買値より安く売ったつもりでも、差し引きするとプラスが出ることがあります。感覚と数字は別物です。
取得費が分からない場合は、もっと起きやすくなります。概算取得費は売却金額の5%です。3,000万円で売れば150万円。
実際にはそれよりずっと高く買っていても、記録がなければ150万円しか引けません。残りは計算上の利益として扱われます。実感としては損でも、税金の計算では利益、という状態です。
だから、損得の感覚だけで申告の要否を決めないでください。まず「収入金額-(取得費+譲渡費用)」に当てはめて、数字を出す。話はそれからです。
計算した結果がマイナスなら、譲渡所得税は原則としてかかりません。売却で損が出たときに、その損を他の所得と相殺できる仕組みもあります。ただし要件があり、誰でも使えるものではありません。
使うには申告が必要です。自分のケースで使えるかは、税務署か税理士に確認してください。
売値の見当をつけるところからなら、不動産の相場の調べ方にまとめました。取得費の書類が見つからないときの考え方は買った金額が分からない家を売るときにあります。
譲渡所得税の計算は、大きく4つの手順で進みます。
マイホーム(居住用財産)を売った場合は、使える特例があります。自分が住んでいた家屋であることなど一定の要件を満たすと、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます(出典:国税庁)。
控除の結果、譲渡所得がゼロ以下になれば税額はかかりません。ただし要件は「前年・前々年に同じ特例を使っていないこと」「親族など特別な関係にある人への売却でないこと」など複数あり、他の特例との併用にも制限があります。
利益が出た場合は原則として確定申告が必要で、この特例を使う場合も申告が必要です(出典:国税庁)。
ここまでの計算式や税率は一般的なルールです。実際の物件では、共有名義や相続した不動産など個別の事情で取得費の考え方が変わることも多くあります。
そのため、具体的な税額の計算は税理士や税務署に確認してください。まず売却価格の目安を知りたい場合は、家を売る流れで進め方を確認できます。
現場で相談を受けていると、「そもそも家をいくらで買ったか分からない」という人は、実は珍しくありません。親から相続した家や、購入から数十年たった木造住宅では、契約書や領収書が残っていないことがほとんどです。この場合は概算取得費(売却額の5%)を使わざるを得ず、本来より税負担が重くなりがちです。
増改築をした記憶があるなら、そのときの契約書・請求書も取得費に加算できます。売却を考え始めた段階で、購入時・リフォーム時の書類が残っていないか、一度探しておくことをすすめています。
値段の目安レポート(無料)
近くで実際に売れた取引と比べて、土地と建物を分けて計算します。比べた取引も、掛けた数字も、全部レポートに載せます。
いいえ。譲渡所得税は、家を売った年の翌年に行う確定申告で税額を計算し、納めます。住民税分は、翌年度の住民税に反映される形で納付します。申告の具体的な時期や必要書類は、国税庁の確定申告特集ページや税務署でご確認ください。
取得費が分からない場合、または実際の取得費が売却金額の5%未満の場合は、売却金額の5%を取得費として計算できます(概算取得費)。ただし実額より小さくなりやすく、譲渡所得(利益)が大きく計算されて税負担が増えることが多いため、古い契約書や工事の請求書がないか、先に探しておくのが現実的です。
自分が住んでいた家屋(または住まなくなってから3年以内の売却)など一定の要件を満たすと、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。控除によって譲渡所得がゼロ以下になれば税額はかかりません。ただし要件は複数あり、他の特例との併用制限もあるため、自分のケースで使えるかは税理士・税務署に確認するのが確実です。
本ページは参考情報です。個別の税額・評価額は税理士・自治体窓口にご確認ください。
本記事は下書きにAIを活用し、出典との照合・建築士監修を経て公開しています。