仲介手数料の計算方法|上限は売買価格×3%+6万円+消費税【建築士監修】
不動産の仲介手数料には法律で上限があります。売買価格が400万円を超える場合、上限は「売買価格×3%+6万円」に消費税を加えた金額です(国土交通省の報酬告示)。この金額は上限であって、必ず払う決まった額ではありません。まず計算式を確かめ、そのうえで値引きできる余地を見ていきます。
2026年10月19日(月)家の売却を、国の実データで。
不動産の仲介手数料には法律で上限があります。売買価格が400万円を超える場合、上限は「売買価格×3%+6万円」に消費税を加えた金額です(国土交通省の報酬告示)。この金額は上限であって、必ず払う決まった額ではありません。まず計算式を確かめ、そのうえで値引きできる余地を見ていきます。
不動産の仲介手数料には法律で上限があります。売買価格が400万円を超える場合、上限は「売買価格×3%+6万円」に消費税を加えた金額です(国土交通省の報酬告示)。
この金額は上限であって、必ず払う決まった額ではありません。まず計算式を確かめ、そのうえで値引きできる余地を見ていきます。
計算式自体は単純です。売買価格が400万円を超える取引では、仲介手数料の上限を「売買価格×3%+6万円」の速算式で計算できます。
これに消費税(10%)を加えた額が、実際に請求されうる上限です。国土交通省の報酬告示にもとづく計算方法です。
たとえば3,000万円の家なら、3,000万円×3%+6万円=96万円(税抜)。消費税を加えると105万6,000円が上限になります。価格帯ごとの目安は次のとおりです。
| 売買価格 | 速算式(税抜) | 消費税10% | 上限額(税込) |
|---|---|---|---|
| 1,000万円 | 36万円 | 3.6万円 | 39.6万円 |
| 2,000万円 | 66万円 | 6.6万円 | 72.6万円 |
| 3,000万円 | 96万円 | 9.6万円 | 105.6万円 |
| 5,000万円 | 156万円 | 15.6万円 | 171.6万円 |
出典:国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」(2026-08-01確認)。
「3%+6万円」の速算式は、報酬告示が定める3段階の料率をひとつの式にまとめたものです。200万円以下の部分は5%、200万円超400万円以下の部分は4%、400万円を超える部分は3%です。価格帯によって率が下がる仕組みです(いずれも税抜)。
たとえば300万円の土地なら、200万円×5%+100万円×4%=14万円(税抜)が上限です。消費税を加えると15万4,000円です。
速算式がそのまま使えるのは、価格が400万円を超えて3段階すべてが埋まる場合に限られます。低価格の物件は段階ごとに計算するか、次に説明する特例を確かめる必要があります。
売買価格800万円以下の宅地・建物には、通常の上限を超えて報酬を受け取れる特例があります。現地調査などの費用を含め、上限は30万円(税抜)=消費税を加えて33万円(税込)です。令和6年7月1日に施行された報酬告示の改正によるものです。
この特例は「空き家」に限らず、使用状況を問わず800万円以下の物件であれば対象になります。相続した実家や、長く空き家になっている家の売却で関わることがある特例です。
ただし業者は媒介契約の締結前に、この上限の範囲内で報酬額を依頼者へ説明し、合意を得ることが求められています。低価格の物件を売る場合は、見積もりの内訳に「現地調査費」等の名目が含まれているか、契約前に確認しておくと安心です。ひと手間で防げます。
範囲は思ったより広いです。仲介手数料の中身は、査定、売却の企画、広告掲載、問い合わせ対応、内覧の案内、契約書類の作成です。
媒介業務ひととおりの対価にあたります。上限額の範囲内であれば、これらの業務にどれだけ手間がかかっても、追加で請求されることはありません。
一方、依頼者の特別な希望で行う遠方への出張や、通常の売却活動の範囲を超える広告出稿は別です。事前の合意があれば、実費を別途請求できる場合があります。
800万円以下の物件で現地調査費を上乗せできる特例が設けられているのも同じ理由です。低価格の物件では、実費が上限額に対して大きな割合を占めやすいためです。低価格ほど重みが増します。
見積もりに仲介手数料以外の項目が入っている場合は、何の実費にあたるのかを契約前に確認しておくと安心です。
仲介手数料の「3%+6万円」は上限額であって、下限の定めはありません。値引き交渉そのものは違法ではなく、実際に上限より低い金額を提示する不動産会社もあります。
ただし、安さだけで会社を選ぶと、売却活動の中身が薄くなることがあります。広告の出稿量を絞る、内覧対応にかける人員や時間を減らすなど、下げた手数料の分をどこかで削っている場合があるためです。
値引きに応じてもらえるかどうかだけでなく、その分どこまで動いてもらえるのかを、契約前に確認しておく必要があります。
専任媒介契約で1社に任せる、繁忙期を外す、複数社の見積もりを見比べるといった条件があります。これらの条件次第で、値引きに応じてもらえることもあります。
手数料の金額だけでなく、広告費や現地対応の範囲もあわせて確認すると、値引きの中身が見えやすくなります。駆け引きの勘所です。
仲介手数料の支払い時期は、法律で決まっているわけではありません。実務では、売買契約を結んだ時点で半額、引き渡しが終わった時点で残り半額を支払う例が多く見られます。
ただし契約内容によって異なります。媒介契約を結ぶ際に、支払い時期と金額の内訳を確認してください。
仲介手数料は成功報酬です。不動産会社に売却を依頼しても、買い手が見つからず契約に至らなければ、手数料は発生しません。査定や広告活動、内覧対応にどれだけ手間がかかっても、成約しない限り費用は生じない仕組みになっています。
家を売るときにかかる費用は、仲介手数料だけではありません。売買契約書に貼る印紙税は、多くの売却で発生します。住宅ローンが残っている場合は、抵当権抹消費用とその手続きを担う司法書士への報酬もかかります。
物件の状況によっては、境界を確定させる測量費がかかります。老朽化した建物を取り壊す場合は、解体費がかかります。
家の中に残った家具や荷物を片づける残置物の処分費や、引っ越し費用がかかることもあります。売却で利益が出た場合は、譲渡所得税の対象にもなります。
それぞれの金額は物件の条件によって幅があるため、ここでは項目だけを挙げています。費用ごとの考え方は不動産売却でかかる費用の一覧で確認できます。仲介手数料の計算だけで資金計画を立てると、これらの費用が抜け落ちてしまう点に注意してください。
仲介手数料を無料や半額とうたう不動産会社もあります。背景のひとつが「両手仲介」です。売主・買主の双方から手数料を受け取れる場合、売主側の手数料を割り引いても不動産会社の収益が成り立つことがあります。
一方で、手数料を無料や半額にする代わりに、広告費や事務手数料といった別の名目で費用を求める形もあります。手数料の項目だけを見て「無料だから得」と判断せず、契約前に総額と内訳を書面で確認する必要があります。見積書に仲介手数料以外の項目が並んでいないか、あわせて見ておくと安心です。
不動産会社と結ぶ媒介契約には、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類があります。複数社に重ねて依頼できるか、指定流通機構(レインズ)への登録義務があるかが、契約の種類によって異なります。不動産会社からの報告頻度も契約ごとに違います。
契約の種類が変わっても、仲介手数料の上限額の計算方法は変わりません。専任媒介や専属専任媒介にしたからといって、手数料が上がる決まりはありません。
媒介契約には種類による違いがあります。くわしくは媒介契約は3種類。違いはレインズ登録と自己発見取引にあるで確認できます。
建築士の視点
現場で見ていると、仲介手数料の値引き交渉自体は問題ありません。ただ、築古や再建築不可など「売りにくい家」ほど、広告費や現地対応に手間がかかります。手数料だけを一方的に下げてもらおうとすると、担当者の動きが鈍くなることがあるのが実際です。交渉するなら、専任媒介で任せる・広告費は据え置く等、相手にもメリットのある条件とセットで持ちかけるほうが、売却の動き自体を止めずに済みます。
それに、手数料の数万円〜数十万円の差より、売却価格そのものの差のほうが手取りへの影響は大きくなりやすいというのが実感です。建物と土地の条件を正しく評価して適正な価格で売れる会社かどうかを見るほうが、結果として手取りは大きくなります。手数料の安さに引かれて売却期間が延びてしまうと、その間も固定資産税や維持費がかかり続けます。
家を売って利益が出ると、譲渡所得税がかかります。ここでいう利益は、売れた金額そのものではありません。計算の起点が違います。
売るためにかかった費用を差し引いた残りです。仲介手数料は、この差し引ける費用(譲渡費用)に含まれます。
手数料を払った分だけ、課税の対象になる利益は小さくなります。手数料そのものが戻ってくるわけではありません。ただ、税金まで含めた手取りで見ると、負担は請求額どおりではなくなります。
差し引くには、払った事実を示せる書類が要ります。仲介手数料の領収書、媒介契約書、売買契約書は、確定申告が終わるまで残しておいてください。
申告するのは売った年の翌年です。引き渡しから間が空くので、決済のときにまとめて保管しておくほうが確実です。
注意したい点が2つあります。
1つは、利益が出ていなければ関係がないことです。譲渡所得税がかからない場合、差し引く場面そのものがありません。手数料が安くなるわけでもありません。
もう1つは、買ったときに払った仲介手数料は扱いが違うことです。こちらは売るときの費用ではなく、その家の取得費のほうに入ります。
昔の売買契約書や領収書が残っていれば、取得費を示す材料になります。手元にない場合の考え方は買った金額が分からない家を売るときで整理しています。
税額の計算方法や、所有期間による税率の違いは不動産売却の譲渡所得税で確認できます。
仲介手数料は成功報酬です。ただ「成功」が指すのは引き渡しではなく、売買契約の成立です。実務では契約時に半額を払うため、そのあとに契約が解除されると、払った分の扱いが問題になります。
よく出てくるのが住宅ローン特約です。買主のローン審査が通らなかったときに、契約を白紙に戻す取り決めです。白紙解除は、契約が最初からなかったことになる扱いです。
この場合、受け取った手数料は売主に返すのが実務の扱いになります。手付金も買主に返ります。
一方、買主が手付金を放棄して解除した場合や、どちらかの違約による解除では、扱いが分かれます。売買契約そのものは成立していたためです。
返ってくるかどうかは媒介契約書の定めによります。一律の決まりはありません。
確認しておきたいのは次の2つです。
どちらも媒介契約を結ぶ前に聞けます。あとから聞くと、すでに払ったお金を返してもらう話になります。契約から引き渡しまでの流れは家を売る流れは7ステップで確認できます。
基準はひとつだけです。仲介手数料は、成約した価格で計算します。
査定額でも、売り出し価格でもありません。ここを取り違えると、資金計画がずれます。
家の売却では、売り出してから価格を下げることがよくあります。買主から値引きを求められて、そこで折り合うこともあります。この場合、手数料は下げたあとの価格で計算し直します。
3,000万円で売り出して、2,000万円で成約したとします。上限は105万6,000円ではなく、72万6,000円です。
売れる金額が下がれば、手数料も一緒に下がります。逆に、売り出し価格より高く決まることは通常ありません。
媒介契約を結ぶ段階で示される手数料の額は、その時点の想定です。売り出し価格をもとにした目安が入っていることが多くなります。
確定するのは、売買契約が成立してからです。「思っていた額と違う」となりやすいのは、この時間差が原因です。
もうひとつ、計算に使う「売買価格」は消費税を含まない額です。個人が自宅を売る場合、建物に消費税はかかりません。契約書の価格をそのまま当てはめて構いません。
売主が不動産会社などの事業者だと、建物価格に消費税が乗ります。その取引では、消費税を除いた額で計算します。
査定額がそのまま売れる金額になるとは限りません。査定と成約価格の関係は査定額と売却額は違うで整理しています。手取りを見積もるときは、査定額ではなく、実際に売れそうな価格で手数料を計算してください。
仲介手数料を払うのは、その不動産会社に依頼した本人です。売主は自分が媒介契約を結んだ会社に払います。買主は買主で、自分が依頼した会社に払います。
売主側と買主側に別々の会社が入る取引では、それぞれが自分の依頼者から手数料を受け取ります。売主が買主の分まで負担することはありません。
逆に、買主に払ってもらうこともできません。金額を交渉できる相手も、自分が契約した会社だけです。
1社が売主と買主の両方を担当する形もあります。この場合、その会社は売主からも買主からも手数料を受け取れます。ただし、売主が払う額が2倍になるわけではありません。
上限は売主の分と買主の分を、それぞれ別に計算します。売主から見れば、どちらの形でも「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限のままです。
自分が払う額を見積もるときに、相手側にいくら請求されているかを気にする必要はありません。こちらの上限額には影響しないためです。
なお、不動産会社が直接買い取る買取では、そもそも媒介が入りません。仲介手数料は発生しない代わりに、売れる価格は仲介より低くなるのが通常です。
それだけでは決まりません。手数料が浮くかどうかだけで選ぶ話ではありません。両者の違いは仲介と買取の違いで確認できます。
まず今の家がいくらで売れそうかを確かめてから、仲介手数料込みの手取りで会社を比べるのが現実的な進め方です。お住まいの地域の実際の成約データと売却の流れは、お住まいの市区町村のページで確認できます。
値段の目安レポート(無料)
近くで実際に売れた取引と比べて、土地と建物を分けて計算します。比べた取引も、掛けた数字も、全部レポートに載せます。
法律で支払い時期が決まっているわけではありません。実務では、売買契約時に半額、引き渡し時に残り半額を支払う例が多いですが、契約内容によって異なります。媒介契約を結ぶ際に、支払い時期を確認してください。
かかります。仲介手数料は不動産会社が提供する媒介サービスへの対価のため、消費税の課税対象です。国土交通省の計算例でも、速算式で出した金額に消費税10%を加えた額を上限としています。
交渉自体は可能です。法律で定められているのは上限額のみで、下限の定めはありません。ただし実際には上限額のまま契約するケースが多く、応じてもらえるかどうかは不動産会社や取引条件によって変わります。
手数料を割り引く理由は会社によって異なります。売主・買主の双方から手数料を得る両手仲介を前提にしている場合や、広告費・事務手数料を別途請求する場合があります。手数料の金額だけでなく、総額と内訳を契約前に書面で確認してください。
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