名古屋の家売却
名古屋市緑区の不動産売却|戸建て相場4,000万円・成約1,050件
編集部
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結論から 名古屋市緑区の実際の取引データ(国交省調べ・2023年第2四半期〜2025年第4四半期)では、中古マンションの中央値が1,800万円、戸建て(土地建物)の中央値が4,000万円です。マンションは名古屋16区の中でも低めの水準、戸建てはほぼ中間の水準にあります。マンションと戸建てでは相場の掴み方も売り方の勘どころも別で、まず自分の物件がどちらに当たるかを起点に進め方を決めます。査定額は売り出しの参考価格で、その額でそのまま売れるとは限りません。
① 緑区の不動産相場(実データ)
国土交通省 不動産情報ライブラリの実際の取引データ(2023年第2四半期〜2025年第4四半期)によると、緑区の中古マンションは694件の取引があり、価格の中央値は1800万円でした。価格帯の目安となる四分位でみると、下位25%が1000万円、上位25%が2700万円。
㎡単価の中央値は22.9万円(下位25%13.6万円・上位25%33万円)です。
戸建て(土地建物)は1,050件の取引があり、中央値は4,000万円。下位25%が3200万円、上位25%が5000万円という価格帯に収まっています。土地の㎡単価の中央値は17万円でした。
同じデータで名古屋16区を比べると、緑区のマンション価格(中央値1800万円)は港区・南区・守山区に次いで低い水準です。東区(3400万円)や千種区(3100万円)のような都心寄りの区と比べると、6割前後の水準にとどまります。
一方、戸建ての中央値(4000万円)は16区のほぼ中間に位置し、西区(4200万円)や天白区(4300万円)と近い水準です。土地単価(17万円/㎡)も低めの部類に入り、丘陵地に広がる住宅地が多いことが背景にあるとみられます。
なお戸建てのデータには、土地と建物をあわせた大型取引(最高12億円)も一部含まれています。中区のように戸建て中央値が極端に高く出る区は、商業用途を含む土地建物取引が中央値そのものを押し上げているケースがあります。
緑区の場合は中央値・四分位のレンジ(3200万円〜5000万円)が実勢に近く、突出した高額取引は例外として見るのが妥当です。
② 中古マンションを売る場合
緑区のマンション取引は694件、中央値1,800万円です。下位25%(1000万円)から上位25%(2700万円)までの価格差が大きいのが特徴で、立地・築年数・管理状態によって価格帯が大きく分かれることを意味します。
駅からの近さが影響しやすいのが緑区のマンション市場です。地下鉄桜通線の徳重駅・鳴海駅、名鉄名古屋本線の有松駅・大高駅・南大高駅の周辺は流通量が比較的多く、同じ建物・同じ間取りの直近成約が価格の目安になります。
売り方の勘どころは3つです。1つ目は、管理費・修繕積立金の滞納の有無と大規模修繕の実施履歴を早めに開示すること。2つ目は、同じ棟や近隣棟の直近の成約事例を査定会社に確認すること。
3つ目は、築年数が古い場合、新耐震か旧耐震かを先に伝えておくことです。買い手側の不安を減らせ、内見以降の話が早くなります。
③ 戸建てを売る場合
緑区の戸建て(土地建物)取引は1,050件、中央値4,000万円です。下位25%が3200万円、上位25%が5000万円で、マンションよりも価格帯の幅は狭くまとまっています。緑区は戸建て住宅地が広く、桜通線沿線から丘陵地の造成住宅地、有松・鳴海の旧市街地まで、成り立ちの異なるエリアが混在しています。
丘陵地の造成住宅地は比較的新しい住宅が多く、旧市街地(有松・鳴海)は古い戸建てや町家が混じります。有松町並み保存地区に含まれる建物は、景観条例で外観の変更や建て替えに制約がある場合があり、売却前に確認が必要です。
古家付き土地の場合は、解体して土地で売るか、そのまま古家付きで売るかが判断の分かれ目になります。土地の㎡単価の中央値は17万円で、16区の中では低めの水準です。
建築士の視点
緑区は平地に加えて丘陵地が多く、造成された住宅地が広く分布します。古い擁壁やのり面がある宅地は、建て替えや増改築の際に検査済証や構造の確認を求められることがあり、これが売却の進めやすさにも関わります。有松町並み保存地区のように景観条例で外観変更に制約がある地区も一部にあります。「擁壁の状態はどうか」「保存地区に入っていないか」は、査定を依頼する前に確認しておくと話が早い項目です。建てて売ってきた側からすると、丘陵地の宅地ほど建物より先に地盤・擁壁を見るのが実務の順番です。
築年数で、どこまで下がるか
緑区の戸建ての成約を築年数別に見ると、中央値は築10年以内が4,300万円(505件)、築11〜20年が3,800万円(150件)、築21〜30年が3,350万円(166件)、築31〜45年が2,900万円(114件)、築46年以上が1,800万円(75件)です。
木造住宅は税務上の耐用年数が22年で、これを大きく超えると建物の査定額はほとんど残りません。緑区のデータでも年数とともに中央値は下がっていきますが、築46年以上でもゼロにはならず、1,800万円という水準が残っています。
ここまで来ると、価格の大半は土地の値段(土地の㎡単価の中央値17万円)で決まっているとみてよいでしょう。「古い家だから安くしか売れない」と決めつける必要はない、というのがこのデータから読み取れることです。
前面道路と間口が、あとから影響してくる理由
同じ緑区の戸建てでも、前面道路の幅が4m未満だと中央値3,050万円(56件)、6m以上だと4,200万円(736件)です。間口も、5m未満は3,450万円(46件)、10m以上は4,850万円(194件)と差が出ています。
建築士の視点
前面道路の幅と間口も、擁壁と同じくリフォームでは変えられない条件です。建築基準法では、建物を建てる敷地は幅4m以上の道路に2m以上接している必要があります(接道義務)。前面道路が4m未満の場合、建て替えのときに道路の中心から2mの位置まで敷地を後退させる「セットバック」が必要になることがあり、そのぶん建てられる面積が減ります。
緑区は丘陵地の造成住宅地から有松・鳴海の旧市街地の狭い路地まで、道路の条件に幅があるエリアです。間口が狭く駐車スペースを確保しにくい物件は、買い手にとって「買った後にかかる費用」が増えるぶん、査定額は控えめになります。
査定を受けるときは、間口の広さ・前面道路の幅・擁壁の有無を先に伝えると、根拠のある価格が返ってきやすくなります。
売る前にやること、やらなくていいこと
間口の広さと前面道路の幅は、法務局で取れる公図・地積測量図か、購入時の重要事項説明書で確認できます。前面道路が4m未満なら、過去にセットバック済みかどうかも先に調べておくといいでしょう。あとから発覚すると値引き交渉の材料になりやすいため、先に把握して伝えるほうが有利に働きます。
リフォームをやるかどうかは、数字だけでは判断できません。緑区の中古マンションでは、改装済みの中央値(2,000万円・110件)が未改装(1,500万円・115件)を上回っていますが、改装済みの物件は築年数が新しい・駅に近いなど他の条件も良いことが多く、この差がそのままリフォーム費用の効果とは言い切れません。
傷んだ箇所を直すかどうかは、査定時に「直した場合と現況のままで、価格がいくら変わるか」を聞いてから判断すれば十分です。
④ 緑区の地域特性
緑区は名古屋市の東南部にある区で、人口247,410人・世帯数105,305世帯(令和8年6月1日現在)。名古屋市16区の中で人口・世帯数がともに最も多い区です。
区の成立は1963年(昭和38年)、愛知郡鳴海町が名古屋市と合併して14番目の区として誕生しました。翌1964年(昭和39年)に知多郡有松町・大高町が加わり、今の区域になっています。有松・鳴海絞りや酒造業が続く旧市街地と、比較的新しい住宅地が同じ区内に混在するのは、この成立の経緯が背景にあります。
地形は平地とゆるやかな丘陵地からなり、扇川・天白川・大高川の3河川が流れ、大高緑地をはじめ緑地が多いのが特徴です。低地は主に河川沿いに広がり、それ以外は丘陵地の宅地です。
名古屋市は緑区の地震・液状化ハザードマップを公開しており、立地によって地盤の性質に差があるため、個別の物件では地盤調査の記録やハザードマップの確認が要ります。
交通は地下鉄桜通線、名鉄名古屋本線、JR東海道本線の3路線が通ります。桜通線は野並駅から徳重駅までの区間が開業してから区南部の宅地開発が進み、名古屋第二環状自動車道の供用開始も区の発展を後押ししました。
学区は名古屋市立の小学校30校・中学校10校が区内にあります。町名ごとに通学区域が決まっているため、対象物件の町名から通う学校を確認できます。
ファミリー向けの戸建てを売る場合、通学区域の情報は買い手の判断材料になりやすく、査定時に対象の小学校・中学校名を伝えておくと話がまとまりやすくなります。地盤や擁壁の状態も同じで、造成年代が古い丘陵地の物件ほど、点検記録や過去の地盤調査の有無を先に確認しておくと査定がスムーズです。
4000万円で買った家は、いくらで売れるか
買ったときの値段は、そのまま売る値段の基準にはなりません。買い手が見るのは、いま近くで似た家がいくらで売れているかです。
緑区の戸建ての中央値は4,000万円です。ただ、これは築年数も地区もまぜた数字で、自分の家の売値そのものではありません。
まず、③の「築年数で、どこまで下がるか」で、いまの築年数に近い欄を見てください。新築で買った家でも、年数がたてば中央値の水準は下がっていきます。
次に、買ったときの売買契約書を出してみます。土地と建物の内訳が書かれていれば、年数で下がりやすいのは建物の分です。土地の分は築年数では減らず、場所と相場で動きます。
場所の差も大きく出ます。緑区の戸建ては、中央値が高い地区が徳重、低い地区が大清水で、地区によって大きく違います。同じ4000万円で買った家でも、地区で売値の見込みは変わります。
相場の動きでいうと、直近1年の戸建ての中央値は前の1年とほぼ横ばいです。待てば上がる、とは言えないデータです。
もう一つ、売れる額と手元に残る額は別です。ローンが残っていれば、売った代金で返しきれるかを先に確かめます。仲介手数料などの費用と税金の考え方は、費用と税金のページにまとめています。
売って損が出た場合の税金の扱いは、家を売って損が出たら、税金は戻るかで確かめられます。最後は、無料査定で築年数・地区・道路の条件を伝え、自分の家の値段を出してもらうのが確実です。
4000万円で買ったのがマンションなら
上の話は戸建ての場合です。マンションを4000万円で買った場合は、見る数字が変わります。
緑区の中古マンションの中央値は1,800万円で、上位25%は2700万円です。4000万円は、区内の中古の成約の中ではかなり上のほうに入ります。
これは区全体をまぜた数字なので、築年数や駅からの距離で上にも下にも振れます。買った値段に近い成約があるかは、同じ棟や近くの棟の直近の事例で確かめるのが早いです。
築年数の影響は、戸建てより大きく出ます。緑区の中古マンションは、築10年以内に比べて築46年以上の中央値が3分の1以下です。いちばん大きく下がるのは、築31〜45年から築46年以上に移るところです。
相場の動きも戸建てとは違います。直近1年の中古マンションの中央値は、前の1年よりはっきり上がっています。ただ、この先も上がり続けるかはデータからは言えません。
間取りは3LDKがいちばん多く、次が4LDKです。どちらかの間取りなら、査定のときにどの成約事例と比べたかを具体的に聞いてみてください。マンションを売るときの準備は中古マンションを売るにまとめています。
⑤ 売却の進め方と相談先
緑区で家を売る流れは大きく4ステップです。1つ目は、実データで自分の物件に近い価格帯を掴むこと。2つ目は、無料査定を複数社に依頼して比べること。
3つ目は、相続・空き家・築古など自分の状況に合った売り方を決めること。4つ目は、媒介契約を結んで売り出し、価格や条件を相談しながら詰めることです。慌てて1社だけで決めず、価格の根拠を確かめながら進めるのが失敗を減らすコツです。
相談先を選ぶときは、金額の大きさだけで判断しないことが大切です。緑区の実際の成約事例を持っているか、査定額の根拠を近隣の成約や公示地価などの数字で説明できるか、専任媒介と一般媒介の違いや「囲い込み」のリスクを正直に説明してくれるか。
マンションなら管理状態への理解、戸建てなら擁壁や造成年代への理解があるかも見ておきたい点です。この視点で複数社を比べると、信頼できる相談先が見えてきます。